「別にそんな攻撃じゃ 工場はビクともしねえんだが…… 一応お前と… 決着(ケリ)をつけに来た!」
「それが男だ 坊や… チュパ!!」
概要
王下七武海の一人であるドンキホーテ・ドフラミンゴの所属するドンキホーテ海賊団の構成員で、サングラスを掛けて赤ん坊のような格好をしている小太りの男。
プロフィール
通称 | セニョール・ピンク |
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年齢 | 46歳 |
身長 | 244cm |
懸賞金 | 元5800万ベリー |
所属 | ドンキホーテ海賊団♦︎ディアマンテ軍幹部 |
所属船 | ヌマンシア・フラミンゴ号 |
悪魔の実 | スイスイの実 (超人系) |
出身地 | 北の海 |
誕生日 | 6月12日 (恋人の日) |
星座 | ふたご座 |
血液型 | X型 |
好物 | ルシアンの手料理、ギムレット |
初登場 | 単行本71巻 第702話『コリーダコロシアム』 |
WT100 | 72位(12750票) |
CV | 山路和弘 |
人物
ピケハットやおしゃぶり、よだれかけと赤ん坊のような格好に加え、サングラスを掛けて下っ腹の出た中年太り体型とアンバランスな容貌。口が汚れたら取り巻きの美女のビキニを剥ぎ取って拭くといった無茶苦茶までやっている。
しかし言動が物凄く渋い、ハードボイルドな性格である。取り巻きの美女からモテモテであり、部下からの信頼も非常に厚い。
また、ドンキホーテファミリーの幹部でありながら、怪我をしている老婆がいると聞いたら助けに向かう、動けない仲間や猫を庇って敵の攻撃を前にノーガードで立ちはだかる等、メンバーの中で最も良識的かつ男気溢れる漢でもある。
何故彼のような漢が悪辣非道なドフラミンゴに従っているのか──一見矛盾しているように思えるかもしれないが、それは彼の過去を垣間見ると色々と考察の余地が出てくるところでもある。
能力
悪魔の実
壁や地面など水以外ならいかなる場所でも潜って泳ぐことが出来る「遊泳自由人間」。
戦闘に使うというより回避や移動に用いるのがメインのようで、地面等に潜って攻撃を回避したり、身を隠して相手の死角に回り込んだりする。また、高い塔や壁を泳いでの登坂も可能で、作中ではこれで地面へのバックドロップを決めていた。
当然ながら水中は無理だろうが、悪魔の実の能力者でありながら「遊泳」を可能にしている。本人の遊泳速度も非常に速く、能力行使中のピンクを捉えるのは容易ではない。
それ以外ではプロレス技をメインにした肉弾戦を得意とし、常人離れした膂力と遊泳の加速による衝撃を加味した各種技の威力は、サイボーグのフランキーに確実にダメージを与えてしまうほど。
また、フランキーの攻撃を正面から受けても持ち応えてみせる等、タフネスと根性も並外れている。
技
- おむつ爆弾
爆弾を取り出し、敵を爆撃する。
- ネコ耳パンチ
拳を猫耳に見立てて頭突きをかます技。
- ニャンニャンスープレックス
敵にバックドロップを仕掛ける。
- ニャンニャンスープレックス ベビーバスター
スイスイの能力で壁伝いに高所へ駆け上がり、そこから仕掛ける垂直落下のニャンニャンスープレックス。
活躍
ドレスローザ編で自身の所属するドンキホーテ海賊団の拠点・ドレスローザにて行われた、麦わらのルフィの義兄ポートガス・D・エースの忘れ形見であるメラメラの実を賭けた闘技大会にて、予選を勝ち抜いた参戦者と戦うドンキホーテファミリーの一員として初登場。出番前に計画変更で闘技大会からは退き、予選を勝ち抜いた参加者と戦う予定だった他の幹部達と共に、オモチャの家の守備に回された。
移動後は仲間のマッハバイス達と協力して、オモチャの家を襲撃してきた麦わらの一味の一人・フランキーと対峙する。
予備のコーラで復活したフランキーと工場破壊を阻止するべく一騎討ちを演じ、両者一歩も引かない戦いに決着をつけるべく、「この一撃に耐えれば自分の敗けを認める」と必殺の大技を放つも、結果はボロボロになりながらもフランキーが立ち上がって勝負が決まる。最終的にはフランキーが放った渾身の攻撃を全身に受けて敗北し、その刹那に垣間見た”ある思い出”に涙を流しながら力尽きた。フランキーもそんな彼を「兄弟」と呼び、健闘を讃えた。
容姿と過去について
16年前にトラファルガー・ローがドンキホーテファミリーに入った当時は、スーツにオールバックとごく普通の恰好で、体型もスリムであり、ファッションも現在のような奇抜なものではなく、そして”仁義の男”でも無かった。
実は既婚者であり、最愛の妻ルシアンとの間に一人息子のギムレットを設けていた。
ふとしたきっかけから出会ったルシアンと恋に落ちるも、ルシアンが大の海賊嫌いだったために「自分は銀行員だ」と素性を偽ったまま結婚。ギムレットの出生後も、出張名目で海賊稼業に出かける二重生活を続けていたが、一週間家を空けた際にギムレットが高熱によって他界してしまい、更にはルシアンが自身に連絡を取ろうと銀行に問い合わせたのが切っ掛けで、彼女には嘘がバレてしまう。
『出張』から帰ってきてギムレットの死を知らされた彼は、ルシアンに痛烈に罵倒される。更には激怒して豪雨の中家を飛び出したルシアンが、土砂崩れに巻き込まれて植物状態に陥るという二重の悲劇に見舞われてしまう。
搬送先の病院でルシアンと再会し、自身が海賊であるのを隠していたが故に起こってしまった悲劇に、悲嘆と自責に苛まれる彼だったが、ルシアンへの愛は変わることなく、季節を経ても熱心に彼女に語りかけ続けていた。
何度語り掛けても何も返さないルシアンに対して、彼はある日、ギムレットの付けていたピケハットを被って見せた(曰く「ギムレットは自分似だった」から)。
当然、彼自身も行動の珍奇さは理解しており、人に見られてはいけないからとそそくさと片付けようとした。が、その瞬間。
彼はルシアンがわずかに、しかし確かに笑ったのを見た。
これをきっかけに、誰から笑われようとも、変人扱いされようとも、事情を知る者から同情されようとも、決して意に介さず赤ん坊の恰好をするようになる。
「おれにとっては・・・どんな高価なスーツより 値打ちがあるんだよルシアン
この服を着ている間だけ・・・キミが微笑んでくれるから・・・!!」
この日を境に、彼──セニョール・ピンクは、「冷酷非道の海賊」から「真の男」へと生き方を変えていった。
その後セニョールのセリフから察するに、ルシアンは元に戻る事無くこの世を去ってしまったようだが、彼はその在り方を決して変える事は無かった。
今更カタギに戻ったとしても、海賊として犯してきた罪や自身の首に掛かった懸賞金は(七武海の傘下として恩赦が与えられたところで)消えないし、愛する家族を失った事実も変わりはしない。
カタギに戻りたいとドフラミンゴに申し出た所で、その先に待ち受けているのはシュガーのホビホビの実による「(オモチャ化による)忘却」という名の「処刑」しか道はない。
だからこそ、セニョールは一人の侠客としての生き方を貫き、改心してからも仲間達を裏切らず、最後までドンキホーテ海賊団として戦い続けた。
その矛盾した姿は、己の罪から逃げなかった男の生き様そのものだった。
また、ジャンプ掲載時のセニョール戦では彼の息子の名前に因んで、レイモンド・チャンドラー作の『長いお別れ』に登場する「ギムレットには早すぎる」の名言が使われた。事実単行本のSBSコーナーにて、このハードボイルド小説が名前の由来になっていると語られている。
本編退場後
本編内ではないが、原作1021話の扉絵にて読者のリクエストに答える形でカクテルを飲み交わしながらセニョール・ピンクの過去を聞き、(豹のバーテンダーと共に)号泣するフランキーの様子が描かれた。
いつか上記のシーンが本編においても現実のものにならないかと淡い期待を抱いた読者も少なくなかったが、更にその後、明らかに彼が持っていたはずのスイスイの実の能力を彼とは別の存在が使用したと思われる描写が見られ、一部の読者の間ではセニョール・ピンクの死亡説が囁かれた。
フランキーもその様子を自分の目で目撃し、一時は取り乱したが、ある人物から超人系悪魔の実の能力は複製可能であることと、彼自身はインペルダウンに投獄されてはいるがまだ存命である事が語られ、どうにか最悪の結末を迎えたわけではない事が確定した。
余談
声優の山路和弘は2016年に公開された映画『ONE PIECE FILM GOLD』にて、敵のボスギルド・テゾーロの声と、数年後にフィガーランド・ガーリング聖の声も担当している。
関連タグ
ONEPIECE ドンキホーテ海賊団 ドンキホーテ・ドフラミンゴ ディアマンテ 哀しき悪役
セッコ:同じくあらゆるものを液状化して泳ぐ能力者繋がり。だが性格の面では妻子や仲間を重んずるセニョールと違い非常に利己的かつ打算的。