概要
種類 | 超人系 |
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能力 | 触れた生物をオモチャに変えることができる |
詳細 |
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利点 | 能力者は能力を得た段階で歳をとらなくなる |
弱点 | 能力者本人が気絶してしまうと、それまでオモチャに変えられていた者は元の姿に戻り、周囲の者の記憶にも甦(よみがえ)ることになる |
超人系の悪魔の実の1つ。
触った生物を強制的にオモチャに変えることができる。
発動条件はかなり緩く、指先を掠めただけでも発動する。また、オモチャに変えられる前と後での姿の関連性は無く、人間であっても犬や馬などのオモチャに変えられる事もある。
複数の生物を「オモチャのパーツ」に変え、合体させて巨大なオモチャを作る事も可能。細かい行動は出来なくなる反面、戦闘能力・再生能力が大幅に向上する。
また、能力の副作用で実を食べた瞬間から年を取らない。
能力バトル物ではそれほど珍しくない「能力に対応する制約がある」という設定だが、悪魔の実は「海に嫌われる」「2つ目以降の実を食うと体が爆発して死ぬ」という共通する制約や「足は地面についている必要がある」「張れるバリアは1枚のみ」など能力自体の限界と「ターゲットが切り替わらないよう他者との接触に手袋を要する」のようなそれへの必要な対応策、「仲間から化物扱いされる」「毒物を摂食できるが消化管は耐えられず腹痛を起こす」等の間接的な影響も含めて実生活や戦闘スタイルに何らかの制約が生まれる例は数あれど、実自体に別個で明確にこの手の制約や副作用が課される例は他にない珍しい物である。
なお、スベスベの実のように能力者の外見に影響が出る実も存在するので、ホビホビの実も見方を変えれば「成長が止まる」という制約でなく「ずっとおもちゃで遊ぶ故に子供のままでいられる」という能力の一部であるとも考えられる。
この能力の真骨頂は、オモチャにされた生物の記憶が全世界から消滅する、能力者と契約を結べば絶対に逆らえなくなるという二点。
特に全員の記憶から消えるという部分は非常に厄介であり、能力者本人ですら今目の前にいるオモチャが何者であったのか認識できなくなる。
記憶が消えた側からすればオモチャにされた生物の事を完全に忘れてしまうため、消えた事を疑問に思う事さえ無い。これは仲間がオモチャにされたところで助け出そうと思うことどころか、何らかの異常を察知するとか復讐に燃えるとかそういったことすらできなくなるということである。
また、前述のように味方どころか能力者本人の記憶にも残らないため、『味方を一時的にオモチャにして戦い、後で元に戻す』などといった作戦を取った場合、『戻すつもりだった』という部分すら完全に忘れ去るので何らかの手段で強制的に解除されない限りそのままオモチャとして過ごし続けることになる。
即ち、この能力で能力者やその仲間にとって危険な人物や重要な始末対象をオモチャに変えると目の前のオモチャが何者であったのか忘れてしまうという性質上、契約前に逃亡を許してしまった場合、取り返しのつかない事態になりかねない事もある。(作中ではキュロスが該当する)後から始末しようと思ってもオモチャに変えた時点で記憶が消えるのでそれすらできなくなってしまい、この制約のせいで結果的にドンキホーテファミリーはキュロスから真実を聞かされたトンタッタ族や麦わらの一味達から作戦を練られ計画を台無しにされてしまった。
極端な話、夫に当たる存在が消されたために配偶者がいたことすら認識できないにもかかわらず、子供がいることを全く疑問に思わない例すらある。
とはいえ、夫がおもちゃにされたことで夫から「命を狙われているので外に出てはならない」という忠告があったという記憶すら消えてしまい、町へ出た結果暗殺された例や、共に戦う仲間を認識できなくなったことで単独で戦うことを避けるため逃げ始めた例、あるいは実際の行動にまで反映されなくとも状況が不自然であることに違和感を覚える例も散見されるため、消えたことで発生した不自然なすらも疑問に思わず受け入れてしまうのは能力によるものではなくドフラミンゴファミリーによる後付けの類であると思われる。
元々ドレスローザには小人による神隠しなど、不審な状況を「そういうもの」で済ませていた下地があったため、猶更この手を取りやすかったのだろう。
能力者が睡眠以外の要因で気絶すると契約は解除され、オモチャは全て元の姿に戻り人々の記憶も元に戻るという欠点があるが、その力は絶大という言葉すら生温い、まさに極悪と言える。
だがそれ故に、本人もドフラミンゴもこの能力のチートぶりに依存しすぎてしまった事が最大の弱点となっていた。実際、シュガーの気絶を報告された際は「オイ…何の冗談だ!!!」と青ざめており万が一にも能力の効果が消えてしまった時の事は考えていなかったらしい(持ち前の狡猾さで即興ですぐに対策したが)。
唯一命令されなかったキュロスがこのことに気づき、トンタッタ族とシュガーおったまげパニック大作戦(SOP)を実行。シュガーに追い詰められるトンタッタだったが、ウソップの思わぬ活躍で功を奏する事に。
一言でまとめると『触れるだけで相手の存在を「元からいなかった」というレベルで消す』というラスボスの能力でも中々無いシンプルながら非常に強力な効果である。一応復帰自体は可能だが、見聞色の覇気などの存在も考えれば基本的に能力者本人やその仲間に何らかの手落ちがない限りまず不可能であることも拍車をかけるだろう。
実際、劇中においてシュガーが気絶しておもちゃ化が解除されたのはどちらも勝利を確信したシュガーが直接手を下そうとした際に事故が起きた、もしくは隙を突かれたものであり、そもそもおもちゃ化が露見したのすら、上記のように一体のおもちゃを取り逃がしてしまったというミスが発端である。こうしたミスが無ければ、ここまで凶悪な能力でありながら完全に対処不能とさえいえるだろう。
劇中ではこの能力を使って民衆の反抗や海軍からの手入れを封殺しているなど極めて有効に運用されている。発動条件の緩さに見合わない効果を持つため、手軽に強力な効果を得られる最強の悪魔の実の一角として挙げられることも多い。
一方で、同じ陣営の人物どころか本人ですら消した相手のことを認識できなくなるという点で味方にとっても厄介な能力であり、完全に状況をコントロールできているうちは問題ないが、何らかのミス一つで一瞬にして崩壊しかねないというリスクもある。上記のようなミスを誘発しやすいほか、劇中ではそのような展開にならなかったが能力者が裏切った場合はそれこそ手の付けられない危険分子となりかねない。
一見特に何も考えずとも相手を封殺できる能力に見えて、その裏に見えにくいリスクを多数抱えているという点ではむしろ運用が難しい極めてピーキーな能力とも言えるだろう。
悪魔の実を二つ持つ能力者がもし、この能力とハナハナの実を持っていた場合恐ろしい事態が発生する。
なぜなら、触れば終わる能力をスピードや距離を気にせず触って使うという確殺コンボが極められるからである。
なお、「触れた生物をオモチャに変える」能力であるが、両手を切断されてしまった場合、人型の近距離パワー型のスタンドのように能力が発現できなくなるのかは不明。
能力者
ドンキホーテファミリー「トレーボル軍」特別幹部で、モネの妹。
余談
覇気と能力
上記のように、あまりにも強力な能力から読者の議論では「最強の悪魔の実」のひとつに挙げられることも多いが、ワンピースの世界では覇気により能力をある程度遮断することが可能であるため、実力に大きな差がある相手(たとえば四皇クラス)にも通用するのかは不明。少なくとも作中ではガチンコの戦闘力なら上と思われるチンジャオなど億超えクラスの実力者までなら能力を行使できている。
後にエッグヘッド編で過剰な覇気(大まかに言えば四皇クラス)で能力による呪いを強引に打ち消せることが明言された。トラファルガー・ローはドクQのシクシクの実で女体化したが、過剰な覇気で元の男性に戻った。
この事から強大な覇気の持ち主であるカイドウ、ビッグ・マム、シャンクスには通用しない事が間接的に明言されたが、そもそもこの三人に至っては触れるどころか気づかれずに近寄る事すら困難である。
なお、作中の描写を見ると、覇気で能力による攻撃を遮断できる条件は、
- 自身が覇気をコントロールすることで、より強大にしている
- 自身の発揮した覇気の強さが、悪魔の実の能力による攻撃の強さを凌駕する
- 自身が発揮している覇気の強さが、能力者が発揮した能力のエネルギー量を凌駕した場合
- 自身が発揮している覇気の強さが、能力者が発揮した元々持つ能力の性質による強さを凌駕した場合
のように限定されている様子が見受けられる。
つまり、たとえ覇気使いであっても、「強い覇気は、悪魔の実の能力による攻撃を遮断できる」という効果を知らなかったりするなどして、能力を凌駕するほどに覇気を自ら強めてコントロールできなければ、意味がないと言える。
また、悪魔の実の能力によっても左右されるが、能力の性質自体の強さを凌駕しないと覇気による効果を発揮しない攻撃や防御の場合、元々が異常なほどの強い性質を持っている能力だと、能力の性質による強さに勝てず、能力によっては覇気による効果を発揮できない様子も窺える(主な例は、バリバリの実など)。
関連タグ
どくさいスイッチ:指定した人間を記憶ごと消し去ってしまう。