" この〝新世界〟に… "
" 若き強者達が押し寄せるって……!! "
それが今さ!!
👒概要👒
少年漫画『ONEPIECE』は1997年より連載が始まり、2021年1月4日に発売の『週刊少年ジャンプ』へ掲載された回で第1000話を迎えた。副題は主人公の海賊〝モンキー・D・ルフィ〟の異名〝麦わらのルフィ〟が冠せられている(因みに第1000話が収録された第九十九巻の副題も同じ名称が付けられている)。
ギネス認定もされた世界的に大人気で長期作の第1000話なだけあり、海洋冒険ロマンという物語を象徴するような要素が盛り込まれた構成となっている。
アニメ版で第1000話の映像化がされたのは、2022年4月24日に放送された第1015話で、副題は〝麦わらのルフィ 海賊王になる男〟と付けられた。こちらも世界の人気作に携わる長期番組であり、原作の記念回を手掛ける心意気を存分に堪能できるような制作がされた。
👒原作👒
本項では前後半に分けて、第1000話の構成(あらすじ)を解説する。
👒前半部
主に過去と現在を繋ぐ構成がされており、現時点において舞台となるワノ国「鬼ヶ島」で初登場した主要人物の一人・ヤマトへ焦点が当てられる。彼(彼女)の存在によって、実は昔と今の出来事が運命的に結ばれている事実が判明する。
彼(彼女)の人物背景は複雑であり、幼少期から20年以上も辛く窮屈な人生を課せられて生きてきた。実父の大海賊・カイドウから心身を鎖で繋がれたヤマトは、ワノ国「鬼ヶ島」から一歩も出られない生活を強いられていた。
それでも憧憬を抱く元ワノ国九里大名であり〝海賊王〟の仲間で世界の全てを知った侍・光月おでんの生き様を顧みるなどして己を鼓舞しながら、いつか〝自由〟になる夢を抱き続けていた。
そして現在進行している「鬼ヶ島への討ち入り」「打倒・カイドウ」の騒動で運命的な邂逅を果たした侍たちの大将・光月モモの助を前に、ヤマトはかつて鬱屈した生活に突如現れた海賊の青年〝ポートガス・D・エース〟との「思い出」を語りだす。
当時のエースも「打倒・カイドウ」の目的と別件でワノ国「鬼ヶ島」へ侵入し、一騒動を起こしていた中でヤマトと出逢った。その時はカイドウが不在だった事、闘いの中で彼と友情が結ばれた事で二人は束の間の交遊を過ごす。
語らいの中で、エースの弟が語っていた〝夢の果て〟と、偶然拾った光月おでんの日誌「おでん漫遊記」へ書かれていた〝偉大な男〟を想起させる言葉、かの〝海賊王〟が言った言葉、憧れの光月おでんがド肝を抜かれた言葉を聞き涙を流す。
きっと運命的な重なりに感動したのだろう。
そしてエースとの別れにヤマトは、伝達手段の一種に使われる特殊な命の紙」を渡す。これは二人の再会を約束する他に、おでんの日誌へ書かれていた未来に起こるであろう来訪者たちの話で、きっとエースもそれに合わせてくると希望(ゆめ)を抱いていたのだろう。
だが違った。
ある日、エースの状況を知らせる「ビブルカード」を通じて彼がこの世を去った事を知ったヤマト。その後に新聞で知った世界情勢から、光月おでんが来訪者たちの話を予見した年(いま)に起きた、現在進行している「打倒・カイドウ」で「鬼ヶ島」を荒らしまわっている若き海賊たちこそが、おでんが日誌へ記した〝次の時代を担う強力な海賊達〟だと光月モモの助へ熱く語る。
なぜならば〝ポートガス・D・エース〟が自慢に話していた弟こそが〝麦わらのルフィ〟なのだからと…!!
👒後半部
未来(新時代)の幕開けを予感させる構成がされており、副題になっている〝麦わらのルフィ〟へ焦点があたる。
ワノ国「鬼ヶ島」の頂上にて、数多の障害を越えて遂に揃った敵対する海賊の超主戦力たち。その中で一際に注目された〝麦わらのルフィ〟の動向。彼の言動は〝自由〟を掲げる覇王の如く堂々としており、世界の大きな壁「四皇」へ・・・ではなく、先ず目指したのは親交を深めた侍たちへ歩み寄るのだった。
先にワノ国最終決戦の始まりを斬り開いた侍たちは、各々で磨いてきた技で四皇・カイドウへ挑むも、相手は『この世における最強生物』とも言われる大海賊であり、掠り傷程度の戦果のみで大敗した。そんな侍たちへ、友達を思い遣る言葉を掛けて戦線を離脱させるルフィ。そしてすかさずカイドウに立ち向かい、未来へ進むための覚悟と意志を固めて放つ大拳〝ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)〟で、始めは敵わなかったカイドウを殴り倒した。
そうして「お前をぶっ飛ばすだけの実力を磨いてきた」と言わんばかりに、決意の言葉を告げて真打ちから大看板な大決戦の幕開けを始めようとするのだった。
👒アニメ版👒
2022年4月24日に放送されたアニメ版「ONEPIECE」の第1015話。原作で第1000話にあたる回が映像化され、その出来栄えは『20分程度のアニメが映画一本分あるじゃねえか!!』と評して申し分ない制作で、とにかくすごい出来!!!
随所に原作の第1000話〝麦わらのルフィ〟を補填する描写がされており、作品の愛読者(ファン)を喜ばせる画が大量に挿入もされていた。
特に登場人物の心理描写が幻想的で感銘的な映像化がされていた場面もあり見所満載である。
👒特に印象深い描写例
👒ヤマトの思い出話
物語前半部で主役となるヤマトの回想。彼(彼女)の「思い出話」で、ポートガス・D・エースとの微笑ましく実際エースには在りえそうな一幕「自分が会話・飲食中に突然寝る(因みに彼の弟や祖父も似たような睡眠芸?をやらかしている)」が追加されたやり取りから本編が始まる。
エースとヤマトの対談はエースの弟へ移り、まだ幼いながら〝夢の果て〟と比喩する自慢の弟が語っていた言葉(せりふ)が話題に挙がる。原作でも〝何を〟語ったかは伏せられていた。だが、かの〝海賊王〟ゴール・D・ロジャーが語った言葉とエースの弟であるモンキー・D・ルフィが語った言葉が同じである事実を、この時点で唯一知るヤマトの存在。これらの要素をアニメ版では―
ヤマトを通して、過去と現在の面と面が一本に繋がるような感動描写、
それが
という幻想的な心理描写で映像化された。
またこの後に何か言いたげな様子で指をもぢょもぢょするヤマトなどアニオリの画が追加され、そんな彼(彼女)の仕草は・・・
実に可愛い
👒兄(とも)の最期
20代という若さで大海賊の幹部・白ひげ海賊団2番隊隊長を背負った〝ポートガス・D・エース〟だが、彼を中心とした大事件によりエースは20年の波乱に満ちた生涯を終えた。その事実は彼の仲間や知人たちの他、特にエースの兄弟たちへ大きな心の傷を負い、それはエースの友人・ヤマトも同じだった。原作では彼(彼女)の台詞にてエースが死んじゃったことを静かに語る場面。アニメ版では、ヤマトがエースの訃報を知った時の様子が映像化された。
エースとヤマトが束の間の交遊を終えた後、別れ際に分け合った紙きれ「ビブルカード」で、離れ離れとなってもヤマトは親友に起きてる現状の一端を知ることができた。「ビブルカード」は別名「命の紙」と在るように、紙の製作時に使われた生物の一部-髪の毛や爪とか-によって、素材基になった生物の生命力を表すなどの効力を発揮する特殊な紙である。もし素材基になった生物の健康状態が悪化すると燃えていくようにドンドン小さくなり、死亡するとビブルカードは炎上しこの世から消え去る反応を示す。これによりエースのビブルカードを所持していたヤマトは、牢獄でもあるワノ国「鬼ヶ島」にて間接的に親友・エースの訃報を知ってしまうのだった。
手にしたエースのビブルカードが燃え尽きて衝撃)を受けるヤマト。その喪失感からエースの兄弟たちのようにに心を取り乱す。
それでも彼(彼女)は、エースとの一日で交わしたたくさんの言葉から心の活力を取り戻し、今まで行ってきた実父の大海賊・カイドウに-血縁関係の親子であるが大きな怨恨を抱く男に-戦いを挑む日々へより意志を固めていく様子が描写された。
👒想い重いの思いを背負う
物語後半部で主役となる〝麦わらのルフィ〟の心理描写。それは友達である侍たちの、そして彼らを通して「ワノ国=友達の国」が20年以上も抱く悲願をルフィが背負う場面。
悠然としていながらどこか威厳ある姿で侍たちの元へ歩み寄るルフィ。そして男の涙を流す侍・錦えもんから友の夢であり彼らの意志を受け継ぐルフィ。原作だと数コマで交わされる画を、アニメ版では感銘的なアニオリ描写も練り込まれて映像化された。
〝麦わらのルフィ〟が静かに侍たちへ歩み寄る最中、数日前に交流した彼らの決意あふれる姿と、無惨にも体中血だらけで倒れる現在の姿が一瞬にして映し出される。これにより侍たちの無念が強調される。
そして声優たちの名演、繊細な作画により、体よりも心が大きく傷ついている侍の一人・錦えもんの篤い言葉や、友達の意志を真摯に受け止めるルフィの気質を言葉でなく心で理解させられるような対話が演出された。
👒新世界の夜明けを予感
現ワノ国の騒動で最難関の障壁「四皇・百獣のカイドウ」を乗り越えるには、予定外な事で「四皇・ビッグ・マム」も相手にしなくてはならない最悪な状況へ発展していた。
だが関係ない。
偶然か運命か。ワノ国「鬼ヶ島」へ集った強力な海賊たちは、自分たちの覇道において『打倒・四皇』を掲げている若き海賊たちであった。海賊たちの一角〝麦わらのルフィ〟が先に進み出る形で、大決戦の火蓋を降ろす一幕で第1000話内が終幕となる。
アニメ版においては数分間の山場(クライマックス)であり、当事者・ルフィにとって何日にも及ぶ壮絶困難の冒険を越えて辿り着いた戦場なだけあり、これまでを思い返す丁寧な心理描写、彼へ受け継がれていった幾つもの夢や意志を背負い、時代のうねりを越えて行く予感をさせる実力が重厚に描かれている。
極めつけの一つに、一戦目では全く攻撃が通らなかったカイドウを殴り倒した炎の大拳〝ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)〟は、強大で緻密な覇気を纏って特大の火焔を帯びた拳骨であると強調され、更に背景音楽には『ONEPIECE』を象徴する楽曲♫ ウィーアー!(Off Vocal)♪が重なり、原作およびアニメの愛好家を震撼させるような最高演出がされた。
👒備考・余談👒
👒記念回の継承
第1000話〝麦わらのルフィ〟を飾る扉絵は、第100話〝伝説は始まった〟の扉絵を模倣(セルフオマージュ)する構図で描かれている。第100話時点で麦わらの一味は5人の船員たちであり、1000話時点では倍の人数に増えた事もあり煌びやかな絵画となっている。
第1000話が掲載された第九十九巻のSBSにて、本作『ONEPIECE』を長く読んでくれてる読者への気配りも含めて、長期連載の記念というめでたい事から「第100話と第1000話を似せた扉絵」を描き下ろしたと原作者・尾田っちはコメントしている。
👒アニメの第1000話
アニメ版『ONEPIECE』においての第1000話は、主人公一行『麦わらの一味』が再び再集結する回(2021年11月21日放送)。
👒ONE PIECE 第1000話予告「圧倒的戦力! 麦わらの一味集結」 - YouTube
これは敵対する大海賊団の現本拠地・ワノ国「鬼ヶ島」へ潜入するため一旦は別行動を取っていた侍たちと海賊たち。そして隠密行動が成功したり功を奏さなかったり云々、遂に戦場となった「鬼ヶ島」にて―
アニメ版『ONEPIECE』第1000話は超主戦力の一角『麦わらの一味』が再度勢揃いする回となっている。
👒TVアニメ「ONE PIECE」1000話記念:ウィーアー! - YouTube
👒【1000話/1000秒PV】ONE Second From 1000Episodes of ONE PIECE - YouTube
↑歴代オープニングテーマにのせて、1話/1秒、1000秒で1000話を振り返る、アニメ「ONE PIECE」1000話到達記念PV
👒関連動画👒
👒ONE PIECE 連載1000話 突破記念ティザーPV - YouTube
👒関連項目👒
錦えもん 雷ぞう ネコマムシ イヌアラシ お菊 イゾウ 酒天丸 河松 傳ジロー
〝麦わらのルフィ〟
👒
" ―――20年以上 先の未来に 次の時代を担う強力な海賊たちが 「新世界」へ押し寄せてくる……!! "
" 俺がもし死んだなら………!! "
" カイドウを討てるのは そいつらだ!!! "
👒ONE PIECE 第1015話予告「麦わらのルフィ 海賊王になる男」 - YouTube
ギア〝3(サード)〟!!!
〝ゴムゴムの〟ォ!!
〝業火拳銃(レッドロック)〟!!!
〝麦わらのルフィ〟が振り下ろした巨大な鉄拳が四皇・カイドウへ命中し、そのまま大男を凄まじい勢いで地面へ叩き付けたッ!!!
おいカイドウ! 何してる!?
お前が殴り倒されるなんて!!
もう一人の四皇であるシャーロット・リンリンは声を荒げる。世界の海へ君臨する大海賊・四皇の2人は、信じられない現実を目の当たりにし驚愕の表情で眼前の男へ視線を向ける。
その男は、一段と麦わら帽子が似合う一人の海賊は、まるで〝皇帝〟の如く威厳ある立ち姿で、覇気ある眼差しを海の皇帝たちへ向け、決意高らかに自分は誰で〝何に〟なる者かを答えた。
おれはモンキー・D・ルフィ