「拙者は流浪人(るろうに) あてのない旅の剣客でござるよ」
「剣は凶器 剣術は殺人術 どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実 薫殿の言ってることは一度も己の手を汚した事がない者が言う 甘っちょろい戯言でござる」
「けれども拙者はそんな真実よりも 薫殿の言う甘っちょろい戯言の方が好きでござるよ」
演者
CV
28歳というれっきとした成人男性にもかかわらず、そうは見えない中性的な顔立ちのためなのかCVに関しては女性声優が起用されており、2023年のリメイク版アニメにおいて初めて男性キャストが起用された
俳優
概要
女子に間違われるほど中性的な顔立ちで、アニメ第1話のサブタイは「伝説の美剣士 愛ゆえに戦う男」だった。
わけあって神谷薫の家に居候している。
元・長州派維新志士で幕末に「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客。当時を知る者からは「抜刀斎」の名で呼ばれる事が多い。
戦国時代に端を発する古流剣術・飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)の使い手。
性格は至って温厚で心優しいが、人の命や人生を理不尽に虐げる事に激しい怒りを抱くため戦闘時には抜刀斎の時に戻ったようになる時もある。また、過去に対する贖罪や負い目から、自分を追い込んでしまったり、自身の犠牲に関して軽視しがちな後ろ向きな面を無自覚に抱えており、戦いの中で(特に自分の過去と激しく向き合う時ほど)情緒不安定になりやすく、師の比古からも再会時に手痛く指摘されている。
過去の所業故、剣心を恨んでいる人物は非常に多いが、同時にそう言った過去の経験から深みがある優しさで接するため慕う者も多い。
若く見えるが、ストーリー開始時点で既に30歳(数え年)と、少年漫画のヒーローとしては設定年齢が高めである(読切版や第2話ではこのネタがオチ)。
「少年誌で三十路の主人公はちょっと…」と担当から物言いが入ったため、剣心だけ時代考証を無視して満年齢表記にし、28歳としてギリギリ二十代に収めている。
このため、わずか14歳で殺し屋になるというハードな背景を背負うことになった(時代としては15で成人(元服)だとしてもである)。
師匠から教わったのか志士時代に教わったのかはわからないが字の読み書きは一通りこなせるものの書く字は下手なようで(薫曰く「和月並み」とのこと)京都大火の知らせの文を送った際も匿名ではあったものの「この下手な字は剣心だ」と一発で判明する程である。
「ジャイアニズム」という単語の生みの親でもある。
剣心皆伝のパラメーターでは以下のようになっている
戦闘力 | 知識知恵 | 精神力 | カリスマ | 個別能力 | |
---|---|---|---|---|---|
孤児時代 | 1 | 2 | 3 | 4 | 優しさ 5 |
暗殺者時代 | 5 | 4 | 3 | 4 | 非情 5 |
流浪人時代 | 4 | 4 | 4 | 5 | 天然 5 |
京都編人誅編 | 5 | 5 | 4 | 5 | 生きようとする意志 5 |
夫時代 | 4 | 4 | 5 | 5 | 家族愛 5 |
プロフィール
生年月日 | 嘉永2年6月20日 |
---|---|
身長 | 158cm(よくチビ呼ばわりされるが、当時の平均身長と同じ) |
体重 | 48kg |
血液型 | AB |
星座 | 双子座 |
出身地 | 不明(関西) |
特技 | 口八丁 |
苦手なもの | 薫の料理 |
経歴
幼少期
物心付いて程なくして両親を当時蔓延したコロリ(コレラ)によって亡くし、身寄りが無くなり人買いの一団の手に渡る。そこで同じ境遇の年上の三姉妹と束の間心を通わせるが、すぐに一団が移動中に野盗達の襲撃に遭って皆殺しにされてしまい、彼だけが偶々通り掛かった比古清十郎の手によって救われる。
その後、三姉妹や一団だけでなく比古に斬り捨てられた野盗達にも墓を作って弔っていたその心根を比古に見込まれて「剣心」の名を授かり、飛天御剣流を学ぶ。
墓に十字架を立てていることから、何らかの形でクリスチャンの影響を受けている様な描写もあるが、三姉妹及びこの時以降は普通に墓石を建て、花や線香を供える仏教的な弔い方しか見せていない(後述の巴も含めて)。
少年期
13歳にして比古(当時28歳)と互角にド突き合える戦闘力を身につける。
飛天御剣流に対する信念の対立で、夜通し喧嘩したあと袂を分かつ。
桂小五郎の元で才能を見出され、暗殺者としての人斬り抜刀斎が誕生する。
このとき、桂との一問一答で、「暗殺という過酷な仕事に耐えられるか」という問いに、
「多くの命の犠牲の先にある、より多くの人々の命が救われる時代のためなら」と答えている。
暗殺者時代(14~15歳)
標的以外のいかなる人間にもその存在を知られてはならないため、その剣は人を斬ることに何の躊躇もなく、恐るべき殺傷能力を遺憾なく発揮する。
「人斬り」としての心技体はこの時代が最も冴え渡っており、ただ狙った相手を迅速かつ効率的に斬り殺すためにどこまでも洗練された暗殺剣士の剣技は、相対した相手をほとんど例外なく刀の錆へと至らしめた。
頭上から飛び掛かって相手を刀の切っ先で刺し貫く「龍槌閃・惨」、龍巣閃の乱撃を一ヶ所の急所に集中させる「龍巣閃・咬」などの対象の確実な殺害により特化した残虐な技も躊躇なく使用している。
京都所司代・重倉十兵衛を暗殺した際、従者の清里明良と剣を交え、彼に一本目の傷をつけられている。
やがて3桁を超える要人暗殺を行い、心の底から修羅へと化してきたとき雪代巴と出会う。
巴の影響は、何かを失っていた剣心にとって多大なものだった。そして少しずつ抜刀斎の剣の切れを鈍らせていくのであった。
やがて二人は惹かれ合い、一時的に身を隠すために京都を離れ、大津で夫婦として共に暮らし始める。
しかし、巴は幕府の暗殺集団闇乃武のスパイであり、自身が過去に殺めた清里明良の許嫁だった。剣心に清里を殺された恨みから闇乃武に協力していたのだが、実は巴も彼らに利用されていた(剣心と巴を結ばせ、巴の存在を弱点にするのが狙いだった)。
剣心は拉致にされた巴を助けるために闇乃武と戦い、その首魁・辰巳との闘いの最中に巴を斬り殺してしまう。この時巴の手から落ちた短刀が剣心の頬を掠め、十字傷が出来上がった(この時の剣心は闇乃武の「結界」によって視覚と聴覚を狂わされており、辰巳を斬ることだけに集中していたため巴が飛び出してきたことに気づかなかった)。
その後、巴の日記を読んだ剣心は、自分が彼女の許嫁を殺してしまったことを知り、新時代が訪れたら二度と人を殺さないと心に誓う。
遊撃剣士時代(15~18歳)
巴の死という絶望を乗り越えた剣心は、新時代のために同志を守る遊撃剣士として、より苛酷な幕末京都の最前線で戦う役目を受ける。
だが、その心構えは暗殺者時代とは異なり「引けば見逃す。引かねば斬る。」であった。
要人暗殺は志々雄真実が引き継ぎ、新撰組三番隊組長・斎藤一とも激突。
人斬り抜刀斎の名は、浮浪人斬りとなった鵜堂刃衛や、江戸城を護衛していた御庭番衆の御頭・四乃森蒼紫たちの耳にも轟くなど、戦場に身を置く者達に瞬く間に広まり、「幕末最強の剣士」として伝説の存在となる。本来影働きに徹するはずの彼が有名になったのは、この時期の仕事のため。
若さと才能にあかした超人的な身体能力と剣技、直近の暗殺者時代から培った豊富な戦闘経験、1対多を主眼に置いた戦場剣術としての本来の特性を遺憾なく発揮することになった飛天御剣流の強大さ、まだ不殺を貫く前の迷いも加減もない太刀筋により、多くの強者が剣心の純粋な戦闘能力における絶頂期をこの時代であると判断している。
劇場版アニメでの描写を信じるならば、この頃薩長同盟に向けて複数回行われた会談の内の少なくとも一回には剣心も桂小五郎の護衛として参加しており、西郷隆盛及び坂本龍馬とも同じ室内に居合わせていた(完全に護衛と襲撃者の迎撃に徹していた為、彼らとちゃんとした対面や対話があったかどうかは不明だが)。
そして、幕末の終焉を迎えた鳥羽・伏見の戦いにて、剣心は鬼と化した雪代縁を目撃する。それは人斬り抜刀斎としての役目を終えたと同時に、15年にも及ぶ私闘の幕開けでもあった。
るろうに(18~28歳)
新井赤空から逆刃刀を託されたものの、新時代を迎えたことで剣心は長年に渡り戦いとは無縁の日々を送る。
その間、剣の腕は抜刀斎の時とは比べ物にならないほどに鈍ってしまった。
明治政府からは要職の誘いがあったものの、「暗殺という汚れ仕事をした自分にその資格はない」として固辞し、流浪人として全国を旅しながら人助けを行うようになる。しかし、全国を旅しながらも抜刀斎としての活動した過去、そして巴との辛い過去がある京都にだけは足を踏み入れなかったと後に語っている。
本編1年前の明治10年に一度東京に姿を現し、来迎寺千鶴を新時代に不満を抱く士族の誘拐から救っている(読み切り版のストーリーで、本編開始前の正史である)。
その後、一旦は東京を離れるが明治11年に再び東京へと向かう道中(剣心は西南戦争に遭遇していたという裏設定があるため、上記の読み切りの後に九州に向かい、そこからさらに東京へ向かっていたと思われる)、開国されて久しい横浜の地で若き女医エルダー・ピーベリーと出会い、彼女をトラブルから救う。その際、剣心の癒えない十字傷を診た彼女から、新天地に腰を据え新たな人生を歩む転地療法を試してみてはとアドバイスを受けている。
本編(28歳~)
神谷薫、明神弥彦と運命的な出会いを経て、神谷道場に居候するようになる。
新時代を迎えて10年、裏社会では復活した幕末の亡霊・志々雄真実が、明治政府を脅かす存在となっていた。
それを受けて、斎藤は政府の命令で剣心の実力を計るためにその闘いを陰で観察していたのだった。
運命の歯車が一気に動き出し、剣心は短期間のうちに次々と激闘を経験することになる。
喧嘩屋・斬左(相楽左之助)、黒笠・鵜堂刃衛、隠密御庭番衆御頭・四乃森蒼紫、真古流・石動雷十太など敵の強弱はあれ、戦いの度に剣心は人斬りとしての能力を少しずつ呼び戻していった。
そして、密偵となった斎藤一と再び激突し、完全に人斬り抜刀斎へと立ち戻らなければこの先は勝つことも人を救うこともできないと痛感し、志々雄一派に内務卿・大久保利通が暗殺されたことを機に「流浪人」へと戻り、志々雄討伐のために京都へと舞い戻る。
新月村で瀬田宗次郎にそれまで使用していた「逆刃刀・影打」を折られるが、京都でそれを超える一品である「逆刃刀・真打」を手に入れ、比古清十郎の元でまた修行を積む。
13歳当時は比古と互角に渡り合いながらも、明治に入ってからは見る影もなく剣の腕が落ちてしまっていた剣心だが、奥義・天翔龍閃を会得すると同時に人斬りとは異なる強さの「生きる意志」を身につける。
これによって人斬りに立ち戻らなくても全力を引き出せ、抜刀斎に匹敵する能力を身につけたのだった(その代わり、慕う相手に地獄まで付いていく発想に困惑するようにもなった事が明言されている)。
そして、志々雄一派の野望を打ち砕き、明治の平和を保ったのだった。だが雪代縁との私闘はまだ終わっていなかった。
この頃から剣気が物理的に辺りの物体に影響を及ぼすなど凄まじいことになっている。
この京都編で装備一新など、わりと少年漫画らしいキャラ展開を経ている。
平和な時間も束の間、人誅の名のもとに剣心の身の回りが次々と争いに巻き込まれていく。
魔都・上海で剣心たちを上回る修羅場を潜り抜けてきた雪代縁と宿命の再会を果たし、過去の悪夢に苦しむ剣心だが、今あるべきものを守ろうと決心し「抜刀斎を超えた剣心」へと立ち戻る。
人誅で一度は生き地獄へと落とされたが、死ではなくそれ以上の人々の命を助ける「自分だけの真実」を見つけ出し、ついには人斬り抜刀斎もそれまでの緋村剣心も完全に超えて生まれ変わる。
要所要所で細切れだった「生きる意志」が常態化したことで、生きる意志がより強いものとなり、それまでとは別格の潜在能力を発揮できるようになったのであった。
そして、雪代縁との私闘に勝利したものの、奥義取得を皮切りに溜め込んでしまっていた飛天御剣流の負担が顕在化し始めている事が判明。
5年以内に確実に飛天御剣流の剣客としては再起不能になると恵に警告された剣心は、そうなる前に同じ時代を駆け抜け、最後に残った宿敵である斎藤との決着だけはつけなくてはならないと斎藤に決闘を要求。しかし、抜刀斎でなくなってしまった剣心と闘う気が萎えてしまった斎藤はそれをすっぽかし(剣心曰く「愛想をつかされた」)、剣心の前から姿を消した。
こうして剣心の幕末から続く剣の人生は一段落を迎える。
数年後、飛天御剣流の負担から奥義のほとんどを撃てなくなるが、逆刃刀を成長した明神弥彦へと元服祝いとして託し、後の時代を守ることとなる。
北海道編(33歳~)
長谷川明日郎・井上阿爛・久保田旭ら3人をトラブルから救う形で再登場。3人を神谷道場で預かることにしたが、その過程で西南戦争で戦死したはずの神谷薫の父:神谷越路郎が北海道の地に居ることが判明し、彼と会うべく妻子を連れて北海道へと旅立った。
しかし、北海道では謎の勢力劍客兵器が大規模なテロ活動を展開しており、市井の平和を守るため、そして劍客兵器と何らかの形で関わりのある越路郎を探索するべく新たな戦いへと身を投じることとなった。
5年の歳月を経て肉体の衰えは更に進行しており、神速の身体能力こそ健在だが、体力の衰えが特に目立つようになり、弥彦との手合わせでは九頭龍閃を放った負荷に肉体が耐えきれず反動で激痛が伴う状態で、凍座の戦闘では全力での戦闘だったことと九頭龍閃を合計4回放ったことで体力を消耗しすぎたため、長時間の睡眠が必要になってしまうようになった。また左之助からは体力回復が芳しくないとのことで、連戦は無理な状態であることが明かされた。小樽での戦闘時には全力を出す場面は無かったものの、戦闘後に息切れをする場面があった。
また、今作はより”群像劇”としての側面が強くなったためか剣心自身の出番は控えめであり、狂言回し、もしくはリアクション要員としての活躍が目立っている。
主な戦闘の概要
作中最強クラスの実力者だが、当初は10年間の流浪人として戦ってきた弊害で抜刀斎時代より腕が鈍っており、苦戦しつつも抜刀斎時代の強さを引き出して勝利するパターンが少なくなく、幕末時代からの猛者である刃衛や斎藤に対しては完全に抜刀斎としての自分に戻らなければ対抗できなかった。
比古との修行を経て奥義を会得してからは「生きる意志」を得たことでメンタル面の脆さを克服し「抜刀斎を越えた緋村剣心」と左之助に評されるほどの実力を発揮するようになっている。
作中にて使用した技は飛天御剣流を参照。
なお良くも悪くも飛天御剣流の先読みの迅さを過信している所があり、フェイント技によく引っかかる。作中比古に「読みの迅さに頼りすぎなんだよ」と指摘されるほどなの悪癖なのだが、その後もこの癖が直る事はなかった。
ただし、この先読みに頼ると言うのは剣心の性質とは相性がよく、作中でも速さと跳躍力に長けているが腕力や体格には恵まれていない事は指摘されており、武器での戦いなので一撃で勝負が決し、先手を打つか当てられずにこっちが当てる戦い向き(不殺においても相手を死なせずに叩きのめせる事を可能にしている)の能力である。しかし、逆を言えば肉体的に恵まれていない剣心にとっては打たれずに当てる事が剣心の生命線とも言える。悪く言えば比肩しうる実力者相手にはハンデを背負っている剣心がその差を埋めるための苦肉の策が先読みだったといえる。
幕末からの宿敵・斎藤一の牙突の前に苦戦する。抜刀斎に立ち戻ることで牙突を攻略し互角の死闘を演じるも、決着は着かずに終わる。
なお、剣心はこの時牙突を見切っているが、その後斎藤は牙突と見せかけた刀投げ→拳を振りかぶるという二段構えのフェイントからズボンのベルトを使って逆刃刀を弾き飛ばしているので斎藤もまた剣心の先読みに頼りがちという悪癖を見切っていたものと思われる。
その後も上記の通り剣心が果し合いを申し込むも抜刀斎ではなくなったとして斎藤から放棄されたため未決着のまま物語は終わることとなる。
なお、この斎藤との決着を付けようとした一連の場面は、不要な戦いを望まない剣心が、他人ではなく自分の為だけに本来不要であるはずの戦いを起こそうとしたという普段ならば絶対にやらないような行動を取っており、それだけ剣心にとって斎藤は特別な敵だった事がわかる。
剣心を凌ぐ圧倒的な技量を持ち、殺気のみで剣心が恐怖を感じ、技を放つだけで「死」を予感させる比古清十郎との修行の末、飛天御剣流突進術最速最強の九頭龍閃、奥義天翔龍閃、そして「生きる意志」を会得し、抜刀斎を超える力を手にする。
抜刀術においては剣心が勝るものの、超神速の縮地や飛天御剣流の得意とする先読みを封じる「感情欠落」によって「九頭龍閃」さえも破られ苦戦する。感情を呼び起こすことで、「感情欠落」を攻略し剣心が優位に立つ。最後は「天翔龍閃」にて宗次郎の瞬天殺を破り、大事なのは勝敗ではなく自分で「答え」を出すことだと宗次郎に説く。
連戦による疲労困憊、満身創痍ではあるものの「日本の行く末」のため気力を振り絞って戦うが、「速さ」だけでは太刀打ちできないとされる志々雄に押され、気絶に追いやられる。仲間の助けもあって再び立ち上がり、限界を超えた力で紅蓮腕を返し、五連撃、九頭龍閃を浴びせる。
それでもなお志々雄は剣心とは桁違いの剣気を発して悠然と立ち上がり、深手を負って膝を屈する剣心に終の秘剣「火産霊神」を放つと宣言。決着は奥義対決へ。
志々雄は天翔龍閃を防いだが飛天御剣流の抜刀術は「隙を生じぬ二段構え」であり二撃目が直撃する。志々雄の肉体が限界に達し、剣心は優位に立つも由美の言葉に油断した隙に腹部を刺され瀕死の状態となりはじめて本当の「死」を実感し一度は諦めかけるが、自分をまつ薫の強い想いにて再度立ち上がる。先に立ち上がっていた志々雄が一撃を与えようとした瞬間、限界を超えた志々雄の肉体が発火し決戦は終結する。
初戦では縁の「倭刀術」に翻弄され、縁の発言によって動揺した剣心は飛天御剣流の技を出し始めるがどれも破られていく。「九頭龍閃」を出すが常に精神が肉体を凌駕している縁は平然と立ったため、剣心は奥義を放つことを決心。奥義対決となる。剣心が巴を殺した「罪」の意識への償いの「答え」を見つけ出さなければ勝てないのではという薫の予感は的中し、不敗であるはずの天翔龍閃は縁の絶技「虎伏絶刀勢」によって完全に破られ、剣心は膝を屈してしまう。人誅の真の目的を悟った剣心は気力を振り絞り凄まじい気迫で縁を圧倒し、倒しかけるが…。
最終決戦では剣心は「答え」を見出し、疲労困憊、満身創痍をも感じさせぬほど充実した前回を上回る気力で縁を迎え撃つ。一方の縁も前回と違い剣心の殺害を目的として本気であったが、それ以上にそういった表層的な問題ではなく剣心に対する負の感情により以前より強くなっていた。
初戦では通じた「九頭龍閃」すら終には完全に攻略され、他の技も攻略されたため剣心は「詰め手」を封じられる。しかし、なおも剣心は縁に屈しないため縁は奥の手「狂経脈」を発動。異常な感知能力と超神速を上回る超々神速の反射速度で剣心を圧倒するが、剣心は「狂経脈」の攻撃を上げれば上げるほど防御力が下がってしまう特性を見抜き龍鳴閃にて攻略する。
勝負は五分と五分になり、決着は奥義対決へ。前回と違い、迷いの無い剣心の「天翔龍閃」は本来の力を発揮。剣心は縁への直撃を避け、倭刀を破壊。縁を諭し、戦いは終結する。
得意の消月剣は、鞘を突き出して攻撃の出所をわかりにくくさせ、自分から前進しながらカウンターを狙ってくるため、先読みに依存する剣心にとって相性が最悪の相手であり、その上、過去に剣心の戦いを見て龍槌閃を始め技を見切っていたこともあり、上記の相手ほどの超人的な身体能力を持たずに剣心を苦戦させた。
剣心の宗次郎戦、志々雄戦、縁戦などに色濃く見られる「不殺」や「償い」、「勝てば正義ではない」は本作における一貫したテーマであり、それと対になるものとして斎藤一の「悪・即・斬」や志々雄真実の「弱肉強食」などがある。
ニート?
近年では定職を持たず神谷道場の食客である彼がネタでニート扱いされているケースが(PIXIV内を含めて)多いが、厳密には彼は(物語ラストで)結婚する神谷薫の道場運営及び生活を進んで手伝って(働いて)いる為『主夫業』とみなされニートではない。特に料理の腕は薫よりも圧倒的に上である。
また、それらを抜きにしても、一話以降剣心の実力を恐れて神谷道場に有象無象の輩がほぼ近づかなかくなったため、事実上の用心棒であるとも言える。
更に言うなら、黒笠対策や志々雄真実討伐は、政府から正式に依頼された仕事であり、川路利良らが事前に提示していた条件をちゃんと履行しているのであれば仲間らの違法行為の不問と共に相応の報酬が支払われている筈である。
この理屈で言えば原作・アニメ等問わず、警察等公的機関の関わる件での剣心の活躍にはその都度金一封の提示位は受けていたのかも知れない。
- 「遠慮する剣心を黙らせて代わりに薫が笑顔で受け取っている」という光景が目に浮かぶ。
また、雪代縁との対決後、飛天御剣流の技が殆ど使えなくなるまでに衰えても山県有朋ら明治政府の者たちの頼みを断りきれずに危険な状況にある場所まで剣の腕を生かしに行った模様。
…もっとも、原作のラスボス戦のアニメーション補完と原作のその後を描いたOVA版(星霜編)での彼はその行為が祟って、病気感染(梅毒)やら遭難やらとかなり悲しいコトになっている。最終的には薫が望んだこともあって共に梅毒に罹り心中するという悲惨な結末となっている。
「これならニート扱いの方が良かった」と思ったかどうかは本人のみぞ知る所であろう。
一方、北海道編では遂に弥彦の口から「剣心がキチンと働いてくれれば、神谷道場の金銭面は改善する」と言われてしまったが。薫が妊娠して働けなかった時期はどうしていたのだろうか……。
1996年のアニメ版では薫によって左之助、弥彦と共に神谷道場から追い出されお金を稼いでくるように言われてしまう。用心棒の仕事がちょうどあったので受けるが、自分の技をお金のためにということで落ち込んでいた。
モデル
幕末に実在した人斬り河上彦斎がモデルであると、作者の和月氏は公言している。
剣心と同じく短身痩躯で容姿は女子と間違えそうになるほど中性的であり、普段は物腰柔らかで礼儀正しい人物であったという。
幕末の思想家佐久間象山を白昼堂々暗殺した逸話で有名だが、それ以外に暗殺の話は特に無いなど謎めいた部分も多い。
なお、『るろうに剣心』世界にも、剣心とは別に河上彦斎が存在しており、抜刀斎と彦斎の戦闘スタイルが似通っているため混同されることから「自分のそっくりさんなど迷惑。一度会って話をつけなければ。」とお互いに考えているらしい。
幼名である「心太」はところてんを意味するが、たぶん関係ない。むしろ、『戦国の三日月』に登場した一心太の影響が大きいと思われる。
外部出演
『ジャンプスーパースターズ』『ジャンプアルティメットスターズ』に、『武装錬金』の武藤カズキ共々参戦。
2014年には『Jスターズビクトリーバーサス』に出演。
剣士キャラとしてはリーチが短く、踏み込みの距離も無いため、慣れない内は距離感が掴みにくい。飛び道具も無く使い勝手のいい技も少ないので、操作性はあまりいい訳ではない。
刀を納める抜刀モードに切り替える事が出来、この時の機動力は全キャラ中トップ。
一気に懐にもぐりこんでコンボを始動するのが剣心の基本戦術となる。
慣れてしまえば最速の機動力を活かした連撃が可能になり、圧倒的な手数で攻め立てられる。
使い込めば使い込むほど強くなるため、上級者ないし玄人向けのキャラクターと言える。
Jアドベンチャーではケンシロウ、剣桃太郎とともにプレイヤーの前に立ちはだかる。
掛け合いでも弱きを助けるスタンスを貫いており、『ハイキュー!!』の日向翔陽に励ましをかけたりしている。
坂田銀時とは名前が似ている組織と因縁ある者同士で妙な共感が生まれていた。似た時代を生きた「刃の無い剣を持つ修羅」同志、通ずるものは有るのだろう。
ちなみに銀時とは知り合いが似ているような気がしないでもない。
なお、『週刊少年ジャンプ』50周年記念号でもある2018年33号表紙の「2018年現在のジャンプヒーローと歴代ジャンプキャラクター」(※主人公キャラクター限定の企画ではなかったため、あえてこちらの表記を取っている)の共演イラストでは、空知英秋による剣心と銀時のイラストが掲載されたが、空知氏曰く「銀魂という漫画は平たく言うと、剣心が耕した幕末明治ものという畑にフルチ○で踏み入ったような漫画(概略)」「本来隣に並び立つのもおこがましい奴ですが勘弁してください」とのことである。
関連イラスト
関連タグ
神谷薫 相楽左之助 明神弥彦 高荷恵 比古清十郎 緋村剣路 雪代巴
斎藤一(るろうに剣心) 四乃森蒼紫 鵜堂刃衛 志々雄真実 雪代縁 剣薫 抜巴
人称・口調・口癖・呼称でござる!
一人称 |
|
---|---|
二人称 |
|
口調 | |
口癖 |
|
呼称 |
|
彼が一人称を「せっしゃ」に変え、語尾「~でござる」を付けるようになったのは、幕末時代に犯した罪を払拭し、「人斬り抜刀斎に二度と立ち戻らない」という決意の裏返しでもある。
関連人物の呼称と変遷でござる!
関連人物 | 呼び方 | 呼ばれ方 |
---|---|---|
緋村薫 | 薫殿 | 剣心 |
緋村剣路 | 剣路 | ー |
明神弥彦 | 弥彦 | 剣心 |
相楽左之助 | 斬左⇒左之 | 抜刀斎⇒剣心 |
高荷恵 | 恵殿 | 剣さん |
四乃森蒼紫 | 蒼紫 | 抜刀斎⇒緋村 |
巻町操 | 操殿 | 緋村 |
斎藤一 | 斎藤 | 抜刀斎⇒緋村 |
比古清十郎 | 師匠 | 剣心・バカ弟子 |
三条燕 | 燕殿 | 剣心さん |
長谷川明日郎 | 明日郎 | オッサン |
井上阿蘭 | 阿蘭 | 剣心さん |
久保田旭 | 旭殿 | 抜刀斎 |
永倉新八 | 永倉 | 緋村 |
三島栄次 | 栄次 | 緋村先生⇒緋村さん |
志々雄真実 | 志々雄 | 抜刀斎 |
瀬田宗次郎 | 宗次郎 | 緋村さん |
悠久山安慈 | 安慈 | ー |
佐渡島方治 | 佐渡島方治 | 抜刀斎 |
沢下条張 | 張 | 抜刀斎⇒緋村 |
本条鎌足 | 鎌足 | ー |
駒形由美 | 駒形殿 | 緋村さん |
才槌 | ー | 抜刀斎 |
尖角 | 尖角 | 抜刀斎 |
阿武隈四入道 | ー | 抜刀斎 |
雪代縁 | 縁 | 抜刀斎 |
雪代巴 | 巴 | あなた |
外印 | 外印 | 抜刀斎 |
鯨波兵庫 | 鯨波兵庫 | 抜刀斎 |
乙和瓢湖 | ー | 抜刀斎 |
戌亥番神 | ー | 抜刀斎 |
八ツ目無名異 | 八ツ目 | 抜刀斎 |
呉黒星 | ー | 抜刀斎 |
凍座白也 | 凍座 | 抜刀斎 |
霜門寺瑠璃男 | ー | 抜刀斎 |
権宮剛豪 | ー | 緋村ちゃん |
田所 | ー | 抜刀斎さん |
本多雨読 | ー | 抜刀斎 |
鵜堂刃衛 | 刃衛 | 抜刀斎 |
武田観柳 | 観柳 | 抜刀斎・刀馬鹿 |
石動雷十太 | 雷十太 | 緋村 |
般若 | 般若 | 抜刀斎 |
式尉 | 式尉 | 抜刀斎 |
癋見 | 癋見 | ー |
ひょっとこ | ひょっとこ | ー |
柏崎念至 | 翁殿 | 緋村君 |
増髪 | ー | 剣心さん |
新井赤空 | 赤空殿 | 緋村 |
新井青空 | 青空殿 | 緋村さん |
新井梓 | 御内儀 | ー |
新井伊織 | 伊織 | ごじゃる |
関原妙 | 妙殿 | 剣心さん |
浦村署長 | 署長殿 | 緋村さん |
小国玄斎 | 玄斎殿 | 剣心君 |
月岡津南 | 月岡津南 | 抜刀斎 |
塚山由太郎 | 由太郎 | 剣心さん |
塚山由左衛門 | 由左衛門殿 | 緋村さん |
前川宮内 | 前川殿 | 剣心君 |
新市小三郎 | 新市殿 | 緋村先生 |
エルダー=ピーベリー | エルダー殿 | 流浪人さん |
朝日山男吉 | 男吉殿 | ー |
エスピラール=ロタシオン | エスピラール殿 | 抜刀斎 |
石津泥庵 | 石津 | ー |
渋海 | ー | 抜刀斎 |
赤末有人 | ー | 抜刀斎 |
比留間喜兵衛 | 喜兵衛 | 抜刀斎 |
谷十三郎 | 谷さん | ー |
辰巳 | ー | 抜刀斎 |
佐古 | ー | 抜刀斎 |
飯塚 | 飯塚さん | 緋村 |
片貝 | ー | 緋村 |
大垣努 | ー | 緋村大先生 |
神谷越路郎 | 越路郎殿 | ー |
山縣有朋 | 山縣さん | 緋村 |
大久保利通 | 大久保さん | 緋村 |
桂小五郎 | 桂さん | 緋村 |
高杉晋作 | 高杉さん | 緋村 |
川路利良 | 川路殿 | 抜刀斎 |
田本研造 | 田本先生 | ー |