プロフィール
演者
CV
俳優
概要
「飛天御剣流」の第十三代目の継承者。緋村剣心の師匠。「剣心」の名付け親であり、育て親でもある。「比古清十郎」という名は、飛天御剣流の継承者が襲名していく名である。そのため、十三代目の本名は一切不明。
剣心と再会した時点では、面目上は隠居し、陶芸家の「新津覚之進」(にいづかくのしん)として生活している。
アニメでは、師である十二代目の比古清十郎と、兄弟弟子である仁志田兵衛が登場している。OVAでは、剣心と薫の息子と明神心弥(弥彦と燕の息子)も弟子にしている。
人物
自分の事は棚に上げる、自画自賛するなどのナルシストな気質。剣心曰く「陰険・ぶっきらぼう・人間嫌い」。剣心が子供の頃から面倒を見ているため寝小便など恥ずかしい過去も知っているため、剣心からすると斎藤一以上にタチの悪い存在。
いつも弟子をからかったり「バカ弟子」呼ばわりしているが、一応育ての親でもあるため面倒見は良く、破門同然で追い出した剣心が戻ってきた際、紆余曲折はあったにせよ奥義習得の機会を与え、十本刀と葵屋の戦いを助けて欲しいと頼まれた際にも「甘ったれるな」といいつつ駆け付けた。また、剣心にも直接伝えているが、剣心の幸せを心から願っている。
ぶっちゃけ、剣心の視点ではいけ好かないけど頭が上がらない相手だが、実は敵以外の相手には礼儀などを弁えており、第三者視点から見れば弟子にたいしての扱いはかなり甘い。
そもそも、飛天御剣流の奥義継承を考えれば、弟子を取る=殺されていいくらいに期待していたり認めている相手になるため、奥義を伝授すると言った時点で相手を認めている事に他ならない。
剣心評の「人間嫌い」に関してだが、実はさほど当て嵌まってない。多少言動は不遜だが、誰彼構わずと言うわけでもなく悪党でもなければ敵でも礼節を弁えており、初対面の相手でも会話を拒んだり近寄る相手を遠ざけるようなことはなく、自由人気質故とストイックな自己責任論者であるために対人関係を最小限に留めているに過ぎないだけで、その相手も軽んじている節はない。
ただ、剣心を拾う前の比古は、世間の不安定さに厭世観を抱いてた頃なので、剣心の視点では人間嫌いに見えていたかもしれない。
そして、力の使い道を違わず、道理を弁えており、他者の心境を正確に見抜き汲み取る観察眼、何者にも怖じけず冷静な対処ができる胆力、恵まれぬ武人の苦悩を一瞬で理解し解放させる度量、「大義のために犠牲になることで生まれる不幸」を剣心に諭す叡知など、極めて類い稀な人格も持ち合わせ、柏崎念至をして「何と見事な男じゃ」と言わせた。その漢気にあてられて、近江女と増髪も一目惚れしていた(増髪はアニメのみ)。
また、自ら流派の掟を破り破門された剣心を、紆余曲折あったは言え再び受け入れ、「人斬り抜刀斎の負の遺産」である志々雄一派との決戦に参戦している。その際、剣心が肝心の葵屋の住所を教えていなかったために京都中を走り回ったらしい。このことからも、剣心への親心が見え隠れすると同時に、幕末の剣心の暴走を止められなかったことへの贖罪の心もあったのかもしれない。
しかし、比古も剣心と出会う以前、飛天御剣流を以てしても人々を救えないことに悩んでおり、「せめて出来るのは犠牲者を弔うことだけだ」とこぼしている。
アニメやOVAでは、原作よりも謙虚な発言をしたり、喧嘩別れの際にも剣心の覚悟にある程度の理解を示したり、剣心に起こったことを察して物思いにふけったりするなどの面が描かれており、修行中も剣心が可愛くて仕方ないモノローグまであるなど間違いなく全メディアミックス中剣心に対して最も劇甘。
無類の酒好きであるが、酒癖が悪いこともないので「良い」飲み方を心得ていると思われる。
装備
刀
- 桔梗仙冬月(ききょうせんふゆつき)
名前は『剣心秘伝』より。白木拵えで、柄に冬月と書かれている。長刀と表記されている通り、剣心の逆刃刀よりもやや長い日本刀。比古の怪力と併せて、不二の巨大な刀を易々と受け止めたり貫く強度を誇る。
『戦国の三日月』(後述)の設定に沿うなら飛天御剣流に代々伝わる宝刀であるが、一緒に伝わっていた脇差「小月」は『るろうに剣心』では登場しておらず、その所在は不明。
これと言った柄も施されておらず、数々のキャラクターの得物と比較しても素朴で質素な刀であり、まるでシンプルイズベストを体現したかの様な業物である。
防具
- 白外套
「比古清十郎」の名と共に飛天御剣流継承者に受け継がれてきた外套。飛天御剣流継承者の力を抑えるために、重さ10貫(約37.5kg)の肩当と筋肉を逆さに反るバネが仕込まれている。これによって本来の力を抑え込んでおり、実戦でも外した場面はない。奥義習得後の剣心に譲ろうとしたが、「似合わないから」という理由で断られたために以降も着用している(剣心に似合わないだろうことには比古も賛成している)。
戦闘能力
公式で「超人」と評される、作中でも最強クラスの実力者。
剣心を遥かに凌ぐ剣技を誇り、剣の届く範囲は「剣の結界」と作中で表現されている。加えて極めて恵まれた体躯と凄まじい筋力を持ち(そもそも、本来飛天御剣流は体躯と筋力に恵まれなければまともに振るうことができないため小柄で華奢な剣心は例外中の例外である)、力を抑制する白外套を羽織ったままで剣心を難なく圧倒する規格外の実力者。白外套で力が抑制された状態ですら、剣心が全力を出しながら何日も修行を続けて、ようやく一度、着地を疎かにして失神するほどに気力を込めた一撃を放って、比古の服装がごくわずかに傷つく程度の影響を与えただけであり、当然ながら比古は全く全力を出していない。
白外套を脱いだのは、剣心に奥義・天翔龍閃を伝授する際に本気の九頭龍閃を放った時のみである。その際、その姿を見た剣心は「死」を覚悟するほどの畏怖を覚えた。そして、刀を振り下ろした剣圧だけで地面に亀裂を作っており、理論上は敵の防御が意味をなさないことになる。これは、作中でも数少ない「飛距離のある斬撃」の描写となっている(他には「飯綱」と旧アニメ後期の「土龍閃」などがある)。
葵屋の決戦でも、白外套を着用していながら、不二の攻撃を何の問題も無く受け止めて捌き、剣に剣を突き刺し、あろうことか峰打ち(突きは剣心がやっているのと同様に柄でやっていたと思われる)の九頭龍閃で不二を倒す実力を見せている(さすがに不二の名誉のために殺さないように手加減していた事は伏せていたが、薫には冬月の刀身が全く血で濡れていない事で気づかれた)。
志々雄一派に関しても「自分が出れば手っ取り早い」と述べており、その自信に違わぬ強さを持つ。
和月伸宏氏は、「剣心より強い。トランプでいえばジョーカーのように使いづらい。」と表現しており、本編での登場が遅れたことを語った。
彼の本気の最終奥義がどれ程の威力を体現するかは不明だが、想像を絶する威力を発揮することからは間違いない。これは、後述の過去の代の清十郎が文字通り大地を砕いていた事からもうかがえる。
作中で一度だけ本気を見せたのは奥義伝授の際だけである。これは、奥義を習得させる事と先代の落命とともに「世代交代」させるのが目的なので、全力の彼の実力は未知数である。また、疑似奥義である九頭龍閃が「十八番」である。実際、剣心と九頭龍閃の打ち合いをしたが体格差で圧倒した。破る方法は九頭龍閃よりも先に技を打ち込む事であり、これを破ることが奥義の伝授そのものとなる。
- この技を初見で回避できたのは、作中で飛天御剣流より速いと称された瀬田宗次郎のみである。
最強のキャラクター
上述の通り、作者や関係者が連載中のコメントで比古清十郎を「ジョーカー」と目した。
書籍『剣心皆伝』でも、剣術の腕が登場キャラクターで最強とされ、戦闘力→無限大とされている唯一のキャラクターである。
- 戦闘力無限大・知識知恵4・精神力5・カリスマ5・自信5とされており、自信の強さも戦闘力を更に引き上げているのだろう。
連載終了後には、作者は志々雄真実を全編最強のキャラクターと称したが、このインタビューではあくまで剣心、縁、志々雄の三者を比較した前提での会話だったので、師匠を含んでの発言ではない。
後に発売された書籍では、志々雄真実は「絶大な」戦闘力を、比古清十郎は「全キャラクター最強の剣の腕」を持つと記された。そして、近年の志々雄真実を主人公とするスピンオフでは志々雄真実を最強の「敵」と称した。
以上を踏まえると、やはり作中で最強の人物は比古清十郎だと思われる。
なお、強さに関する議論が多々あるため、一概にコンセンサスを得られないが、作品世界で比古に次ぐ実力者の候補として挙げられるキャラクターは複数おり、中でも服部武雄を有力とする声が少なくない。
過去
野盗に襲われた心太(身売りされた少年)の危機に駆け付け、野盗たちを容赦なく惨殺。残された心太のことは近隣の村人たちに任せるつもりだったが、村人たちはそんな少年のことは知らないと言い気に掛けるようになる。そして心太が身内だけではなく野盗たちの墓も作ったことで、芯の強さと優しさを見抜き、飛天御剣流の継承者として引き取ることを決める。その際に名前が優し過ぎることから「剣心」という名を与えた。
ちなみに、飛天御剣流奥義の伝授は、弟子が奥義を以て師匠を斬ることで完遂となる。つまり比古は剣心に斬られる覚悟を持った上で引き取り、育ててきたということになる(OVA追憶編に限れば、剣心が酒の味が分かるようになったら、酒を酌み交わそうと物凄く爽やかに約束していた)。
その後
「明日郎 前科アリ」では、富士山を眺めている場面があり、不二へのオマージュだと思われる。
北海道編では、劍客兵器との戦いに向けて剣心が比古を探したが、「良い土と水と美味い酒を探しに行く」とのことで、1年ほど前に旅に出てから行方不明になっている。
短編「戦国の三日月」
単行本6巻収録の短編「戦国の三日月」(和月のデビュー作)にも同名のキャラクターが登場している。
なお、勘違いされがちだが「戦国の三日月」と「るろうに剣心」双方の情報をまとめると彼は「初代」の比古清十郎ではない。
※「るろうに剣心」では「初代比古清十郎は飛天御剣流の開祖」と明言されているが、「戦国の三日月」では冬月が「飛天御剣流に代々伝わる宝刀」とされており、この比古清十郎以前にも飛天御剣流の使い手が存在していた事が分かる。
弱小国・北方の国の剣術指南役で、一振りで三人を斬るという飛天三剣流の使い手。北方一の美女と称される奈津姫と相思相愛だったが、北方の国支配を目論む南雲の国の大名に奈津姫を奪われてしまう。
大軍に囲まれ死を覚悟するも、無理矢理徴兵された少年兵・一心太に叱咤されて奮起し、敵将を粉砕。奈津姫と共に北方の国に舞い戻る。
……よくよく見ると、彼は飛天御剣流の「権力に属さない自由の剣」という理を思いっきり破っている(邪推をするなら、この比古清十郎がその理が出来た原因である可能性が高い)。また、奈津姫との関係に思い悩んで死に場所を求めて戦うなど天翔龍閃を使えるメンタルではなかったと思われる。
読切版「るろうに」以前の作品だが、「るろ剣」の比古のモチーフといわれている(なお、血縁関係は無いらしい)。
ジャンプ公式でボイスコミック化された際にはアニメ版るろ剣と同じ池田秀一がボイスを担当した。
再筆版
悠久山安慈と共に、見た目や設定が大きく変更されている。
見た目はスーツを羽織った紳士。興味深いことに、全身が赤変し、筋肉の膨張で服が破けるという特徴付けがされている。
実写版
「俺も一つ訊いていいか? …その十字傷。かつて京の都を震撼させた『人斬り抜刀斎』…伝え聞く残虐さとその頬の傷だけは、俺の知るお前とはどうにも結び付かなんだ」
第2作「京都大火編」のラストにてサプライズ的に登場。
『嵐の夜が明けた朝に流木を拾いに近くの海岸まで出向いたら自分の下を飛び出して行ったきり十数年になる弟子が偶々前夜に敵とのいざこざ中に海に放り出され偶然その海岸に流れ着いているのを見付けて拾って帰る』という考えてみればとんでもないレベルの奇跡的経緯で剣心と再会(そもそも木材の類いには不自由しなさそうな森の中暮らしの身で何故に湿気って使用用途の限られている流木など拾いに行ったのだろうか?)。
以降は「伝説の最期編」にて細部は違ったり省かれたりしてはおれど概ね原作に準じた活躍をみせる。
陶芸家としての作業着なのか作中のほとんどは水色の作務衣らしきダッフリとした服(袖と裾が紐で絞れる様になっている)を着用しており、原作再現の衣装になるのは回想シーンと奥義伝授の朝の場でのみ。
また、先代達から受け継いだものなのかそれとも収集癖でもあるのか住居と作業場に加え所有している小屋に仏像等の骨董品を所狭しと置いており、彼の愛刀も普段はここに収められている。
肝心のその強さも演じる福山氏の熱演もあって疑い所の無いリアルな形に落とし込まれて再現されており、逆刃刀とはいえ真剣装備の剣心を木刀で始終圧倒した上に更にそれが折れれば今度は手近な木の枝で完封する無敵っぷり。
『下段からすり上げる様に持ち上げた剣先で相手を制する』『ひざまづいた相手の顎を剣先の峰側で持ち上げて自分を見上げさせる』といった、所謂「圧がスゴいやり方」を多用し、一部は剣心も以降の戦いに取り入れている様子が見れる。
尚、今作にて全媒体通して初めて明確に少年時代の剣心の比古との実際の修行の光景が回想シーンとして描かれたのだが、案の定というかその模様は「スパルタ」の一言。
剣心役の佐藤健氏もビデオコメンタリーにて、比古が少年剣心をボコボコにシゴキまくるその光景に「可哀想だろコレはwwww」と苦笑いを禁じ得ない様子だった。
福山雅治氏起用のきっかけ
そもそも実写版るろ剣の監督である大友啓史氏とは「龍馬伝」での主演もあり関係ドップリな福山氏ではあったが、彼の比古への配役には剣心役の佐藤健氏によるとある『推薦』エピソードによるものが大きいと言われている。
実写るろ剣初作公開後に当時の所属事務所の先輩であった福山氏がMCを勤めるラジオ番組に佐藤氏は宣伝込みでゲスト出演。そこでの質問タイムで「もし続編が作られる事になったとして福山雅治に演じて貰いたい役はあるか」と訊かれる事に。
これに対して「コレ以外無いでしょ」とばかりに佐藤氏が挙げたのが比古の名であり、福山氏も後輩のお勧めにして大恩ある大友監督の作品であるとあって「本当に続編制作決定となったら是非やってやる」と口約束ではあるが快諾。
いざ本当に続編公開決定となり上述の通り公開まで比古の登場及び福山氏の出演はサプライズ扱いで伏せられていたのだが、このラジオでのやり取りを知っているるろ剣ファン達の内では「京都編で比古清十郎が出ない筈は無いしあんな事言ってた手前、健君も大友監督も絶対福山雅治を引っ張って来てくれる」と共通認識的にささやかれていた。
そして『京都大火編』公開で期待通りの展開に皆が歓喜。
続いて『伝説の最期編』公開で期待以上の福山比古の活躍に更に喜ぶ事に。
因みにではあるが、佐藤氏からラジオ内にてオファーを貰うまで実はるろ剣の内容を詳しくは知らなかったと見られる福山氏は、『バトル系漫画原作作品』の『主人公の一子相伝武芸の師匠』というキーワードからどうやら「北斗の拳」の様な世界観を想像してしまっていたらしく、「出演となった暁には俺の南斗水鳥拳を見せてやる」と多分にズレた息巻き方を見せており、佐藤氏らを大笑いさせていた。
この事が関係あるのかは不明だが、劇中で原作通りに剣心を『刀で打つと見せかけて蹴る』シーンにて比古はカンフーの様な怪鳥音を発している。
また、福山氏は比古を演じるにあたって彼がよくする指の動きをブルース・リーと加藤鷹を参考にしたらしい。
尚、福山氏は当時46歳で、比古よりも3歳年上である。
ゲーム作品への出演
PSPゲーム「再閃」ではプレイアブルキャラクターとして登場。専用のストーリーも用意されている。
超必殺技は九頭龍閃極。原作と同じく九字が描かれるが、なんと九つの光線を放つ技となっている。なお、わざわざ「極」と付いている事から察しがつくかもしれないが、通常の必殺技にも九頭龍閃がある。そして、天翔龍閃は使わない。
ストーリーでは剣心を追って訪ねて来た弥彦と一戦交える。理由は「バカ弟子の成長をお前の竹刀で聞かせてもらう」と言うもの。
弥彦に勝利した後は「バカ弟子に奥義の伝授を考えてやってもいいくらいには伝わって来た」と評価した。
続けて操と対決。若作りの秘密を知るために飛天御剣流を教えて欲しいということでいきなり勝負を挑まれる。
その際のやり取りで「薫さんを緋村に会わせたい」という操の願いを聞き、弟子にイイ人ができたことを知って呆れた様子を見せた。勝負に勝った後、操に飛天御剣流を教えられないなと告げて残念がらせる。
今度は薫と対決。道場の師範代と知って比古の方から手合わせを挑んでいる。
神谷活心流を「人を活かすための立派な剣術」と称し、薫についても「あんたのような人が側にいれば、弟子も本当の意味での強さを手に入れたかもしれない」と高く評価した。これにより奥義の伝授を決意する。
剣心との対決では圧倒しながらも奥義伝授の心得を説き、原作と同じく九頭龍閃を破られて奥義の伝授を完了させた。
その後、不二と戦い鎧を脱ぐように告げるが、グラフィックには鎧なし版がないため鎧を付けたままの不二と戦うこととなる。
左之助から剣心の師匠と言うことでどのくらいの強さなのか興味を持たれ勝負を挑まれる。打たれ強さを評価しつつも左之助を破り「バカ弟子が頼りにしている男のようだな。これからもあいつを頼んだぞ」と微笑した。
今度は宗次郎と対決。剣心より強い男と戦えば「答え」が見つかるかもしれないとして手合わせを求められる。
宗次郎には「志々雄さんよりも強いかもしれない」と言われたが、比古は即座に「俺の方が確実に強い」と言い切った。宗次郎を破った後は「答えはハナから自分の中にあるものだ。もう一度自分自身と向き合ってみるんだな」と言い渡した。
最後はなんと志々雄と対決。「お前はバカ弟子が倒したんじゃねェのか。化けて出るなら相手が違うぜ」と告げるが「抜刀斎より強い男がいるのなら闘ってみたい」ということで、本当の意味での幕末の亡霊と戦いとなる。
敗北した志々雄は険しい表情をしながらも「愉しませてもらったぜ…」と満足し、比古から「お前には地獄がお似合いだ。国盗りならそっちでするんだな」と言い渡されながら姿を消した。
余談
- 本作品のキャラクターは新潟県の地名に由来している場合が目立つ。新津覚之進の「新津」も、新潟県の新津市(現・新潟県新潟市秋葉区新津)に因んでいる。
- 剣心同様、実年齢よりも異様に見た目が若々しいため、「飛天御剣流には不老の効能がある」と思ったキャラクター達もいた。
- 悠久山安慈と同じく、サブキャラながら人気投票などでも高い人気を誇る。比古も安慈も、大柄で筋肉質なフィジカルと最強クラスの攻撃力を持ち、優れた人格を備え、主人公勢に戦う術を教えた点も共通している。
- 臆測ながら、アニメ作品『ゾイドジェネシス』に登場するソウルタイガーを駆る最強のゾイド乗りであるセイジュウロウは、比較的『るろうに剣心』の比古と設定が近いが、謙虚である点はほぼ真逆である。
- 令和アニメ版における比古役の中村悠一氏は令和アニメ版第一期放送当時比古と同じ43歳である(ただし、るろ剣の登場人物の年齢は剣心と妙以外は数え年で計算されているため、満年齢だと比古の年齢は誕生月を考慮して41歳となる)。
名言集
- 「春は夜桜、夏には星、秋には満月、冬には雪、それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら それは自分自身の何かが病んでいる証だ。」
- 「うざったい人付き合いをせずに暮らすには、芸術家が一番手っ取り早い。まあ、真の天才は何でもこなしてしまうのさ。」
- 「教えたはずだぜ。剣は凶器、剣術は殺人術。どんなきれいごとを並べてみても、それが事実であり真実。」
- 「飛天御剣流は時代の苦難から人々を守るのが本来のことわり。だがそれはあくまでも、いかなる権力にも属さぬ自由の剣としてだ。」
- 「明治になって10年、あの朴念仁が俺の教えた飛天御剣流で何をやっていたのか? 俺の一番知りたいのはそこなんだ。あいつ本人からではなく、俺の知らないあいつを見てきた者の口からな。」
- 「愛しい者や弱き者を仏の慈愛を以って、己を犠牲にして守った所で、その者達の中には悲しみが残り、本当の意味での幸福は訪れない。」
- 「お前一人が全てを背負って犠牲になるくらいで守れるほど、この時代は軽くないはずだ。そして同様に、人ひとりの幸せも軽くない。お前が犠牲になれば、ただお前に会いたいという気持ち一つで京都へ来た女が一人確実に不幸になる。」
- 「覚えておけ。どんなに強くなろうとお前はただの人間、仏や修羅になる必要は無いんだ。」
- 「生きようとする意志は何よりも強い…。それを決して忘れるな。」
- 「俺が飛天御剣流を教えたのは、お前を不幸にするためではないということだけは覚えておけ。」
- 「生きよ、剣心! さすればお前は、天翔龍閃を自在に使いこなし、己の中の人斬りになど決して負けたりせん!」
- 「いいぜ小僧、よく吠えた! この勝負、最後まで俺のバカ弟子を信じ抜いた、お前の勝ちだ。」
- 「お前はそのじいさんが思ってるような、ただ図体だけの奴じゃねえ。ましてや化け物なんかじゃ決してねえ。おめえこそ今は数少ない、本当の武人だ!」
- 「お前は武人なんだ、誇りを取り戻せ。」
- 「たった一太刀受け止めれば、俺には十分だ。その剣がお前自身を、雄弁に語ってくれたぜ。」
- 「だがそろそろ、自分自身の意思で戦いを選ぶ時なんじゃないのか? お前が全力を出しても倒せない男が、今初めて目の前に立ってやってるんだぜ。」
- 「全くお前は面倒事ばかり持って来やがる。手土産一つ持たねえでな。普通は酒の一つでも提げて来るもんだ。いい歳して気の効かねえ奴だ。」
- 「何だその面は?ガキの頃と変わらんな。この世に起こる不幸を全て背負うつもりか?」
- 「さあな。強いて言うとすれば、自分の為に作った器で自分の為だけの酒を飲む。その程度の事だろ。」