概要
『るろうに剣心』に登場する武装集団。
志々雄真実の配下の中でも選りすぐりの精鋭十名で構成される直属の特攻部隊。
「刀」と名が付くが全員が刀を武器としているわけではない。才槌以外は一応刃物を何らかの形で携帯している。戦闘に限らず、内政技術が飛び抜けて優れた者も含む。要人の暗殺、大規模破壊工作などを主要任務とする。
構成員の多くが、明治維新以降に志々雄が「化け物狩り」と称して各地で強いと評判の者達と片っ端から戦っていた中で出会い、スカウトされた者達である。
それ故に、構成員の事情は様々であり、志々雄に心酔し忠実な者もいれば利害や目的が一致している為力を貸す者、果ては「志々雄の命を狙い、いつでも襲ってきても良い」という条件付きで力を貸している者や、「志々雄の目的と行動しだいでは志々雄を裏切り討伐する」ことを公言する者もいる。
瀬田宗次郎、魚沼宇水、悠久山安慈らが特に実力が高く、方治により「三強」と称されている。不二が含まれない理由は不明だが、普段は拘束されている描写から判断すると、あまりの大きさゆえに運用が難しく、戦力としての幅が狭いからとも考えられる。
十人それぞれが志々雄から名を与えられており、命令には基本的に服従している。ただし、安慈の「生殺与奪」を認めているなど、一人一つの要望を志々雄は呑んでいる。
しばしば誤解されるが、駒形由美は十本刀ではない。
京都編後構成員の殆どが生存しその能力から政府に引き抜かれている。
「北海道編」では剣心たちの味方として数名が再登場する。
実写版の「京都大火編」と「伝説の最期編」にも登場するが、「利害が一致しているだけで志々雄に忠誠心はない」「共通の敵が明治政府という点のみで合意している」としている者が原作やアニメ版以上に多く見られ、戦闘スタイルや人物像が大きく異なる者もいる。そして、尺の都合上なのか殆どの構成員の出番が削られている。
構成員
⚠️ネタバレ防止の為個々の活躍については各記事を参照されたし⚠️
佐渡島方治CV:高橋広司(1997年)、伊藤健太郎(2024年)/演:滝藤賢一
『"百識"の方治』。頭脳明晰で志々雄に心酔する文官。非常に合理的な思考と優れた実務能略の持ち主。
元々は明治政府の官僚であったがその実体に失望して官僚を辞し、彷徨っていた内志々雄と出会う。常に志々雄の側に仕える参謀というイメージが強いが、実は志々雄に評価されるほどの銃剣の使い手でもある。
組織の構築と強化拡大に力を注ぐ重要人物。京都の拠点建築や武器の手配などで一大兵団築き上げる。
瀬田宗次郎CV:アニメ版/日高のり子(1997年)、山下大輝(2024年)/PS維新激闘編ー冨永みーな/演:神木隆之介
『"天剣"の宗次郎』。剣心に匹敵する天才的な剣才と、俊足の移動術「縮地」を扱う十本刀最年少にして最強の剣士。
常に笑顔を崩さない書生風のあどけない美少年。
幼い頃の家庭事情で「喜」「怒」「哀」の感情を欠落し、自分を救った志々雄と彼の教えである「弱肉強食」を信じている。志々雄の最古参であり彼からの信頼も厚い。志々雄の右腕であり数々の重要任務を任され彼の命のもと影で暗躍する。
志々雄が創り上げた最強の修羅。剣心が最初に接触した志々雄一派である。
『"盲剣"の宇水』。宗次郎と並ぶ十本刀の二番目の実力者。盲目でありながら異常聴覚により他人の心理を読む「心眼」と琉球武術の使い手。沢下条張にも「抜刀斎や斎藤よりも強い」とその実力は高く評価されている。性格は十本刀の中でも特に残忍でプライドが高い。無意味な味方殺しや、後先を考えない殺生を平然と行う危険人物。
かつては幕府方の対人斬り用暗殺者であり、何人もの名の知れた剣客を葬っていたが、その中で志々雄と戦い両目を斬られ視力を失う。復讐のためにいつ襲ってきても良いことを条件として志々雄の配下となる。
悠久山安慈CV:原康義(1997年)、羽多野渉(2024年)/演:丸山智己
『"明王"の安慈』。廃仏毀釈の影響により心に深い傷と明治政府への憎しみを背負った破戒僧。
破壊の極意「二重の極み」を習得し、鍛え抜かれた強靭な肉体から繰り出される一撃は他の十本刀の追随を許さない。十本刀では三番目の実力者だが無益な殺生は好まず、僧侶ということもあってか情け深い。志々雄から『生殺与奪の自由』を与えられている。
普段の口調は紳士的であり仲間に対しても「〜殿」と呼ぶ。
下諏訪で相楽左之助と偶然出会い、彼に「二重の極み」を伝授する。
"明治政府の打倒"という点のみで合意し、力を貸している。
沢下条張CV:福本伸一(1997年)、岡本信彦(2024年)/演:三浦涼介
『"刀狩"の張』。通常の刀とは一線を画した奇剣の使い手。
関西弁で喋る飄々とした三枚目風で陽気な義理堅い一面があるが、刀剣収集とそれらを用いた人斬りを好む残忍性・凶悪性も併せ持つ。常に複数の刀を所持、携帯している。新井赤空作の殺人剣を愛用し、奇襲戦法を得意とする。
逆立った金髪が特徴的だがそれを馬鹿にされると激怒する。左目を瞑る癖がある。
『"大鎌"の鎌足』。外見美しい女性だが実は男性(オカマ)。普段は飄々とした元気なお姉さんといった振る舞いだが、仲間の敗北も意に介さず命令に従わない部下を虐殺する冷徹・冷酷な一面ももつ。志々雄に心酔し女性の心で彼を慕っているが、"男"としては宗次郎、"女"としては由美に勝てないというコンプレックスを抱いている。
華奢な外観に反し、頑丈そうな鎖の付いた巨大な鎌を扱う豪腕の持ち主。
志々雄の役に立つことを生き甲斐とし、愛情を込め本気で任務を全うする。
『"飛翔"の蝙也』。黒衣を纏った小男。自由自在に宙を舞う戦闘術「飛空発破」を編み出した。その戦闘手段のため、極限まで体重をしぼっている。
部下に対して冷酷であり、歩扱いし撤退しようとすれば斬殺する非情な性格。剣心の飛天御剣流との対決を望む実力主義の剣客。作者曰く、元々は御庭番衆の一人として登場させる予定だったキャラクター。
風魔一族という滅亡した一族の子孫の末梢。
夷腕坊CV:アニメ版ー八嶋智人/PS炎上!京都輪廻ー岩崎征実/演:山田崇夫
『"丸鬼"の夷腕坊』。鈍重な巨漢。同じ十本刀どころか部下にさえ頭の悪そうな木偶の坊のように思われており、戦場では仲間から邪魔者扱いされることも。
斬打を弾く肉の盾と、破壊力抜群の体重を武器とする。他の十本刀とは違った意味でどこか人間離れしている。「ぐふっ」といった不気味な笑い方をする。
『"破軍(甲)"の才槌』。大きな頭の小柄な老人。状況分析と論理的視感から巧みな話術で人を丸め込む論術に秀でる。
本人に物理的な戦闘能力は無く、不二に命令を下し戦略兵器として効率的に運用する形で戦闘に参加する。十本刀の軍師的存在。
方治と同じ知力に長けた文官だが、方治を"典型的な参謀"とするならば才槌は"典型的な学者"といえる。
『"破軍(乙)"の不二』。巨人のような体格に禍々しく威圧的な甲冑を纏う大男。常人には持てないような巨大な刀を武器とし、その一振りで建物一軒を吹き飛ばすほどの圧倒的な膂力を誇る。
才槌と"破軍"のコンビを組み、彼の命の下で戦う。
その異形ゆえに誰もが恐れるが、実体は武人としての魂と剣術の腕前をもち才槌に忠義を尽くす侍。
余談
- 作者自身はコミックス化した後に、キャラクターを掘り下げ切れなかったことを残念がっており「10本は多すぎた、7本か8本にしておくべきだったかも」と述べていたりする。実際誰とは言わないが印象の薄いキャラも・・・
- 新月村で剣心と闘った尖角は元々十本刀の一人として考案されたキャラクターであると作者が述べている。
関連タグ
志々雄一派 志々雄真実 駒形由美 るろうに剣心 京都編 新京都編 北海道編 特攻隊