「(強し…!強し強し強し強し強し強し強し!!この方治間違えてはいなかった、志々雄様一人いれば国盗りは可能なのだ!)」
演:滝藤賢一(実写映画)
概要
独特のヘアスタイルと三角形の眉毛が特徴の男。
志々雄真実の配下「十本刀」の一人で、「百識」の二つ名を持つ。
名前の由来は佐渡島とアメコミ『X-MEN』の「フォージ」から。
外見上のモデルは特に無く作者のオリジナルだが、読者からはジャイアントロボに似ていると指摘されたことがある。
元々は司法省勤めの官僚だった(後述の銃火器・銃剣技術を考えると官軍の兵卒から出世した可能性有り)が汚職や派閥争いの絶えない腐敗した明治政府の内情に失望し始め、山城屋事件(※)によって流出した公金65万円(当時の陸軍の軍事予算の約一割にもなる大金)の行方を上層部からストップをかけられているにもかかわらず半ば意地のほぼ単身で調べ詰めた結果、公金の流出先である志々雄の下に本当にたった一人で辿り着いてしまう。そこで自分のそこまでやってのけた能力を極めて真っ当かつ素直に称賛し逆にスカウトまでしてきた志々雄の首魁としての器と思想に惹かれ、ここでついに完全に明治政府を見限って配下となる。
志々雄の参謀的ポジションに収まってからは、その明晰な頭脳と優れた実務能力で膨大な資金や兵器を調達し、一国家とも渡り合えるほど強大な組織を作り上げ、志々雄の国盗りの内政面をバックアップしていた。当初は志々雄に対しても一歩引いた姿勢で接していたが、彼から「洗礼」を受けた際に志々雄の思想こそ自身の求めていたものだと感じ、以後は狂的なまでの信奉者となって志々雄に付き従うようになり、志々雄の完全勝利の為には例え志々雄と意見が対立し同胞に忌み嫌われようと一向に構わないという覚悟を持つようになる。
志々雄の死後、アジトの機関部を破壊して剣心らを道連れにしてまで、志々雄の敗北と言う結果を防ごうとした。
そこを悠久山安慈に救われ、志々雄の思想の正当性を証明すべく裁判で弱肉強食の政策の必要性を訴える為に出頭。
しかし明治政府は方治に裁判の機会すら与えることなく、その高い能力のみを評価し、志々雄のことなど忘れて政府に協力するよう持ち掛けられる。国家転覆という重大な犯罪を目論んだテロリストの幹部を処刑することすらできないどころか、自らに取り込もうとする明治政府の堕落・困窮ぶりに絶望した彼は牢の中で自害するのであった。死後は地獄で再会した志々雄の後についていった。
新アニメ版ではアジトに帰って来た志々雄に「勝利」の花言葉を持つ阿蘭陀菖蒲(グラジオラス)を長々と蘊蓄を傾けながらプレゼントするという原作や旧アニメ版以上に仰々しい出迎えをしており、ハイテンションでクセの強いキャラ付けがされていた実写版の影響からか大袈裟な動作やリアクションをする事が多くなっている。原作や旧アニメに比べても、初めから明らかに志々雄に心酔している事から、新アニメでは「洗礼」のシーンが一味加入初期の過去回想に回されるのではないかと予想されている。
※…明治五年、陸軍の御用商人であった山城屋和助が欧州の生糸市場に投資すべく陸軍省から無担保で借金をしていたものの、欧州での生糸相場の暴落よる投資の失敗と海外での豪遊により借金が返せなくなった結果、関係する帳簿を全て焼いた上で切腹により自害したとされる事件。この事件の結果、山城屋に金を貸していた陸軍大輔の山縣有朋は司法卿の江藤新平や桐野利秋ら薩摩系軍人の激しい追求を受けて一時的に失脚し、他には陸軍省会計監督長の船越衛らが処分を受ける事となった。
戦闘能力
実は銃剣の達人という設定があるのだが、作中では京都大火の折に自分と宗次郎以外の十本刀を欺いた落とし前として、自ら手を傷つけたため戦闘シーンが一切描かれておらず、その実力は未知数であった(名残として「今の方治は戦闘ができる状態ではない」と何度か言われるシーンがある)。
最終決戦時には剣心を密かに射殺するつもりでカービン・ライフルらしき銃を持っていたが、志々雄の勝利を信じて銃を谷底へ投げ捨てている。
それから時は流れて2014年、ジャンプSQ8・10月号に連載された外伝「炎を統べる」にて、その隠された戦闘能力を初披露。
駒形由美の妹分・華火と心を通わせたが、彼女は引原海鮫兵団の手により惨殺されてしまう。その時華火は自分を殺した相手の軍服のボタンをひとつ引き千切っていた。
そして十本刀の初陣となる引原海鮫兵団殲滅戦で、方治は自分めがけて襲いかかってきた三ッ原の軍服のボタンが取れているのを一瞬で見切り、華火殺しの下手人であることを確信。初めて使ったライフル銃を片手で扱い、突進してくる三ッ原のボタンの位置目掛け発砲し、一発で仕留めるという、とんでもない狙撃の腕を見せつけた。本人は「武器の選定も仕事の内故完璧に使いこなせて当然」と言うもこの腕前には志々雄も素直に褒めちぎっていた。
- 銃剣使いの設定も考えれば、銃身に銃剣を載せてさえいれば例え接近されてもある程度の対処も出来ていたのかも知れない。
この時華火との思い出を思い浮かべ、「莫迦が…」と悪態をつきながらも見事に彼女の仇を討った彼の姿は、本編で語られなかった彼の心の中にある優しさが垣間見える。
今まではどこかネタキャラ扱いされていた彼だったが、十本刀に相応しい実力を秘めていた事や、華火との触れ合い、そして仇討ちのシーンはひたすらに熱く格好良く、ファンからも一気に再評価された。
二次での扱い
戦闘していなかったことに加え、髪型のせいもあってかネタキャラ色の濃い扱いとなっている。
アニメの外国語吹き替えにて、「らららの唄」「おにぎりの唄」などの迷挿入歌を歌い、レギュラー陣並みの人気を得る。
また、
↑この顔が顔芸として強いインパクトを持ち、「HO-G」としてファンに深く愛されている。彼が発した空耳である「大蛇」などと呼ばれている。
なお、志々雄一派の初登場時では、目暮警部そっくりのシルエットであった。
関連イラスト
関連タグ
呉黒星:同作品の登場人物で、こちらも銃火器を扱う組織のNo.2ポジション。ただし方治とは異なり、こちらはボスを内心見下している。
江藤新平、前原一誠、西郷隆盛、桐野利秋:元々明治政府に属する立場に居たものの、後に野に下り明治政府に反旗を翻したという方治と同様の経歴を持つ実在の人物達。特に江藤とは司法省に勤めていた事(司法卿であった為官僚時代の方治の上司に当たる人物でもあった)や逮捕後にまともな裁判の機会を与えられなかった事、西郷とは敗北後に自害した事が共通している。