「名刀匠 新井赤空の最後の一振り ひとつこのわいにも拝ませてくれへんか」
演:三浦涼介(実写映画)
概要
誕生日 | 1852年9月 |
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身長 | 170cm |
体重 | 76kg |
血液型 | B |
刀剣蒐集狂で、特に新井赤空作の殺人奇剣を好んで集めており、それを用いた殺戮を楽しむのが趣味の男。
大阪在住のため関西弁で喋る。他にも明治の人間としては珍しく「しょっく」や「くらいまっくす」(新アニメでは「うぉーみんぐあっぷ」も)などといった横文字なども堪能。その長く逆立った髪型から「ホウキ頭」と呼ばれることも。
戦闘中は上半身裸になっている上に作画の関係で長身に見えるが、実は身長170cmと標準的。一方で剣心のことは「おなごみたいや」と甘く見ていた。
性格
赤ん坊を斬ることすら厭わない残忍さの反面、陽気で社交的、意外と義理堅い性格でもある。
剣客としては、正々堂々に拘らず卑怯な手段も辞さないが、会話で相手の弱点を探る強かさを持ち合わせている。
戦闘中にブチ切れながら自分の頭髪を指し「怒髪天を衝く」というボケをかまし、スルーされてさらにマジ切れするという器用な怒り方を披露している。
登場初期は激怒してからすぐに冷静さを取り戻すというのが定番だった。
斬るのが好きなのであっていたぶるのはそうでもないようで、満身創痍になりながらも剣心がしぶとく立ち上がるのを見て苛立ちを見せている。
志々雄に対する忠誠心は不明だが逮捕後に斎藤から取引を持ちかけられても口を割ろうとはしなかった。居合わせた左之助から「志々雄が怖いから独房にいた方が安全なんだろ」と言われた時は怒りを見せ「志々雄様なんか怖くあらへん」と言い放っている。
ちなみに左之助のことは「お前みたいな奴がいっとう好かん」と舌打ちしている。正々堂々と戦い、かつそれを貫ける実力と信念の持ち主が苦手の様だ。
実力
戦った相手が剣心と左之助のみなので負け確の試合の上、左之助には(当時の左之助は十本刀全員を知らないとはいえ)「十本刀で一番弱い」とまで言われてしまっている(逆刃刀が折れていたとはいえ剣心をあわやというところまで追い詰めている為、少なくとも女子供に敗北した鎌足と蝙也及び戦闘が本職でない文官の方治と才槌よりは実力は上と思われる)。
実力そのものは剣心に遠く及ばないが、この時は剣心が逆刃刀を持っていないため何とか渡り合えていた。何度か鞘での一撃や徒手空拳を撃ち込まれるが服の中に隠していた刀が守ってくれたため通用せず、顔面に肘鉄を受けても笑って立ち上がるという余裕を見せた。
とはいえ接近戦では叶わないと判断したのか切り札である薄刃乃太刀(はくじんのたち)を用いて優位に戦闘を進めた。抜刀の使い手を相手に、距離を取って戦えるというのは結構なアドバンテージである。
武器
連刃刀(れんばとう)
新井赤空の初期型殺人奇剣。
鍔と柄が半分に割れる刀を二つ組み合わせる事で、二つの刀身が平行に並んだ一本の刀となる。もちろん二本の刀として二刀流も可能。
短い間隔で二つの切り傷を付けられると、相手は傷口の縫合が上手くできず、やがて傷口が腐って死に至る。
剣心には全く通用せず、あっという間に刀身をへし折られてしまった。
実写映画版では薄刃乃太刀が登場しないため、こちらが張の切り札となっている。鋏のような形状にずらし、一振りで連撃を繰り出せるなど、原作よりも強化されている。
薄刃乃太刀(はくじんのたち)
赤空の後期型殺人奇剣。
刃の強度を保ったまま可能な限り刀身を薄く鍛えた刀で、数メートルの長さと柔らかくしなる刀身を持つ。
切っ先が僅かに重くなっているため、まるでムチのように手首の微妙な返しを使って刃を自由自在に操ることが出来る。
体に巻きつけることで防具としても機能する。
因みにこの刀ほど長くはないが、中国の「腰帯剣」やインドの「ウルミ」など、しなる刀身を持ち体に巻きつけて携帯できる剣は実在する。
北海道編ではこの刀を小型軽量化した薄刃乃小太刀(はくじんのこだち)を腕輪に仕込んでおり、劍客兵器偽號・権宮剛豪への不意打ちに使用している。
散刃刀(さんじんとう)
北海道編で登場した赤空の殺人奇剣。
抜刀と同時に無数の刃を発射する刀であり、前述の薄刃乃小太刀と共に権宮への不意打ちに使用した。
技
逆中空納刀(さかさちゅうくうのうとう)
初登場時に使用。鞘を真上に投げ放ち、垂直に落ちて来たところを納刀する技。これが出来る剣客はそうはいないという。ちなみに左右どちらの手でも出来る。
新井伊織を鞘に引っ掛けて持ち上げた後、そのまま真上に投げて落ちて来たところで納刀した。一つ間違えれば伊織をくし刺しにしてしまう上に、二回目は手元が狂うかもしれないと新井親子に対する脅しにした。剣心と対峙した時は、伊織を木の枝に引っ掛けるために使うという器用さを見せた。
また鞘の軌道を横にして放つことで剣心に対する不意討ちにも利用している。鞘を放つと同時に本命の刺突を放つが、こんな小技が緋村抜刀斎に通じるはずがなく「拙者を突き殺そうとするなら斎藤の牙突を超える技を持って来い」と酷評され、あっさりと反撃された。
我流大蛇(がりゅうおろち)
薄刃乃太刀を大蛇のように操って攻撃する。一撃目を躱されてもすぐに方向を変えて追撃できる。また背後から追い打ちを掛けるという芸当も可能。剣心も思わぬ軌道に刺し傷を受けてしまったほど。
ゲーム作品では奥義や超必殺技として扱われることが多い。
我流蜷局(がりゅうとぐろ)
2024年版アニメで使用。薄刃乃太刀を相手に巻きつけるように操って攻撃する。また、空中に回避されても後述する我流毒牙につなげることが可能。
我流毒牙(がりゅうどくが)
2024年版アニメで使用。薄刃乃太刀をランス状にし、相手を刺し貫く。
劇中での動向
志々雄真実が精鋭部隊「十本刀」を召集した際に一番乗りでアジトに到着し、佐渡島方治から新井赤空の最後の一振りが存在する事を聞くと、赤空の息子・新井青空のもとへ押しかけて彼の子供の伊織を人質にとり、赤空の最後の一振りの在り処を聞き出す(新アニメ版では伊織を拐う際に、自分が上手く扱えなかったけん玉を伊織と彼を助けようと飛び出した梓を斬る振りをして刀でバラバラにしている)。
最後の一振りが御神刀として奉納されている神社の境内で、事情を知った剣心から伊織を返すように告げられる。しかし「試し切りが出来ないと楽しみも半減。しかも敵を前にして逃げたら志々雄様に殺されてしまう」と言い、剣心と交戦する。
「ガキと喋くっとらんとこっち向かんかいこのダボが! なめてっとそのガキから解体(バラ)すぞ、コラ!」
当初は連刃刀を用いて挑むがまったく歯が立たず一度は倒されたかに思われた。しかし胴体に巻いていた薄刃乃太刀のおかげで難を逃れ、今度は薄刃乃太刀を用いた遠隔攻撃に切り替える。
瀬田宗次郎に逆刃刀を折られて満足に戦えない剣心相手に、「薄刃乃太刀」による遠距離からの攻撃で優位に立つが、青空から赤空の最後の一振り「逆刃刀・真打」を受け取った剣心に敗れた。
剣心に敗北した後は警察に逮捕され、志々雄一派が壊滅した後は政府との裏取引で警察の密偵となり、斎藤一の部下となる…も、本音は当座の繋ぎ。人誅編終了後、密偵の仕事に飽きたため、金目の物を盗んでトンズラしようとした。
アニメでは島原編の序盤でも登場するが、天草翔伍にあっさり敗北した。
北海道編では恩赦と報酬の極上の刀一振りを目当てに斎藤が集めた猛者の一人として再登場を果たす。
性格は相変わらずだが、三島栄次が志々雄のことを「糞野郎」呼ばわりした際はその場に本条鎌足がいた為か、珍しく深刻な表情で「謝っとけ」と忠告した。
凍倉たちの部隊との戦闘では、鎌足と共に権宮と天智のコンビと交戦する。
逆に実写映画版では出番が激増。中の人が愛嬌と残忍さを併せ持つ張のキャラクターを好演し、原作での見せ場である「薄刃乃太刀」が登場しない代わりに、神社全体を駆け巡るリアルな格闘戦を繰り広げた。
「TheFinal」では原作同様警察の密偵として登場するが、実は二重スパイ(ある人物同様呉黒星に雇われたと思われる上、本人も元志々雄の部下で反政府派の意地があったらしく斎藤に陰口を呟いていた)であり、雪代縁のアジトと称した偽情報を警察に提供する。
その後、報酬として縁の収集していた倭刀の一振りを手にするも、日本刀と重心が違うから気を付けろと言う縁の忠告に、子どもか素人扱いが気に食わなかったのか褒美の倭刀の試し切りを兼ねて戦闘に突入。描写すら省略されてあっさりと斬殺されてしまう。
死体は剣心同様に(原作の屍人形を思わせる)十字傷を付けられ、口にメッセージを記された紙を詰め込まれ、神谷道場を襲撃した縁に置手紙代わりにされるという、衝撃の末路を辿った。
余談
新アニメ版では次回予告にも登場。一通りハイテンションで自己紹介をしたうえで薫に『大坂濃度が濃すぎない!?』と突っ込まれた。
関連項目
甘露寺蜜璃:薄刃乃太刀に似た性質をもつ刀を使用する剣士繋がり。