るろうに剣心における逆刃刀
主人公である緋村剣心(以下、剣心)の用いる刀として登場。
人斬り抜刀斎時代に起きたある悲劇をきっかけに人斬りをやめて、流浪人(るろうに)になろうとした際に刀匠・新井赤空から授けられる。
峰と刃が逆になっているため、逆向きに持ち替えない限りは人を殺せないとされている。
その刀身の特徴から抜刀術に向かないとされるも主人公は自身の技量を用いて難なく扱っている。
この逆刃の刀身は乱刃の刃紋を備える他、拵は鉄製の鞘に丸型の鐔、黒い柄巻という仕様となっている。
後に瀬田宗次郎との抜刀術の打ち合いで真っ二つに折られてしまい、
京都の白山神社に御神刀として奉られていた赤空最後の一振り・逆刃刀・真打を新たに得た。
最終的にその刀は明神弥彦へと受け継がれる。
そこからさらに、明神弥彦と三条燕の息子である明神心弥と、剣心と神谷薫の息子緋村剣路が逆刃刀の継承をめぐって対決する、という構想があったらしい。
なお、OVA「星霜編」では正式に弥彦から剣路に継承されている。
タグとして
上記に転じて逆刃になっている刀につけられている。
が、あえてそう言った刀身にしたのか、波紋の部分と逆にしてしまったのかは不明。
現実における逆刃刀
2013年10月に、千葉県白井市の旧家から峰と刃が反対の小刀が見つかったことが14年2月に発表されネット上で話題になったが、柄の中に入る茎(なかご)と呼ばれる部分が異常に小さいことから、「遊びで作ったのではないか」と専門家から見られている(事実、同市教育委員会からは「日本刀の製法に則っていない」として美術刀申請が却下されている)。
これと同じものかは不明だが、林修の日本ドリルにて逆刃刀が紹介された際の鑑定結果は、「刀身は日本刀の製法に則っている」「元々収められていた鞘には笹針(馬具の一つ)も入っていた」ことから、この刀の持ち主は「帯刀を許された身分で馬に携わる仕事をしていた人物で、非常時には刀として使えるが、普段使いとしては馬の蹄を削る為(逆刃の方が作業しやすい)の刀ではないか」という鑑定結果が出されていた。
その他に、小烏丸のような反り側の上端部に刃がついている(切先が両刃になっている)ものも存在する。
また、マチェットや鎌のように仕様用途や力のかけやすさから道具として反り側に刃があるものは多数存在する。
しかし、2021年るろうに剣心25周年を記念して東京ドームシティで開催されたるろうに剣心展にて、無鑑査刀匠である尾川兼國氏が愛知県・犬山市の博物館明治村の依頼の下、製作した逆刃刀・真打の完全再現品が展示された。
余談
余談だが、実際テレビ番組で同じ構造の模造刀を用いて行った実験ではパイナップルを一刀両断にしており、現実に置ける殺傷能力は達人レベルであれば充分以上である事が示されている。
それでいて剣心が不殺を維持できるのは、剣心の絶妙な力加減によるものなのかなぁと妄想してみたりして……。
美術工芸品やコスプレアイテムとしての逆刃刀は物にもよるが、およそ2万円台で販売されている(Yahoo!ショッピング)。