CV:岩男潤子
演者:渡辺菜月(実写映画第1作)、有村架純(実写映画第4・5作) / 星乃あんり、星南のぞみ(宝塚歌劇) / 松村沙瑛子(松竹ミュージカル)
※実写映画第1作は後ろ姿のみのカメオ出演。
概要
その正体は、抜刀斎が暗殺した幕府側の武士・清里明良の許嫁であり、復讐のため闇乃武の手先として抜刀斎に接近した幕府方の間者(スパイ)。素性は武家の出身。
彼女の存在は弱冠15歳で人斬りとして3桁近い人間を斬殺していた抜刀斎の心をほぐしてゆく。
巴もまた、抜刀斎と共に暮らす中で彼への愛情を感じ始め、憎しみと愛の間で苦悩する。
やがて夫婦として二人で生活し穏やかな生活の中に幸せを見出したのも束の間、闇乃武に拉致され抜刀斎を誘き出すための餌にされてしまう。実は闇乃武が彼女を抜刀斎に近づけさせたのは、巴を彼にとっての弱点にするためであった。そのことに気づくも時既に遅く、誘き出された抜刀斎は敵方の罠(結界)によってあらゆる感覚を封じられ窮地に陥っていた。
最後の敵である辰巳を前に抜刀斎が命を賭けた一撃を放つ瞬間、巴は辰巳に斬りかかることで夫を救おうとする。その結果、辰巳諸共抜刀斎の刀によって斬殺される。
この時、彼女の持っていた短刀が抜刀斎の頬に傷を付け、一本目の傷(清里が剣心に負わせたもの)と重なり、剣心の十字傷が完成される。実写版ではその後、剣心の手で家ごと火葬された。
彼女の死後、一家は離散。武家でありながら文武に長けていなかった父は時代の流れの中で身を落とし、弟は日本を捨てて上海へ渡ることとなる。
感情の起伏が乏しく、常に淡々としているが、その一方で自身のこう言った振る舞いが巴自身の気持ちがあまり相手に伝わらない(伝わりにくい)ことに不安を抱いており、婚約者には自身の好意が伝わりきれずに彼が仕事で少しでも箔をつけるべく結婚が先延ばしとなり、彼の死の遠因となってしまったことに苦悩している。
美人だが無口で無表情で笑うのが苦手ではあるものの子供好き。白梅香を愛用している。
日記をつける習慣がありそれを通して彼女の様々な内心を剣心達は知ることとなる。
その後、日記は剣心の手で京都のとある禅寺に預けられ、日記の存在を知った神谷薫の依頼で巻町操と四乃森蒼紫が東京に届けることになる。(実写版では、薫の依頼ではなく蒼紫と操の独断で届けることになる。2人の性格を考慮すると、おそらく操のお節介を蒼紫が黙認したと思われる。)
歳は剣心よりも3つ上で、歳の離れた弟は雪代縁。
生前の清里にかんざしを贈られており、父親である「オイボレ」が彼女の墓前に供えている。
後年の北海道編でも久保田旭の口から直接言及されており、凍座白也も猛者人別帳を通して巴のことを把握していることを剣心との戦闘の際に仄めかしている。
余談
キャラクターモデルは綾波レイ。最初はモデルがなく「クールでものすごく美人」以外のイメージが掴めておらず、作者の視点からあまりにも似てしまったため、作者はあまり好んでいないらしい。なお、同じ作品出身のキャラクターをモチーフにしている登場人物には、不二が、似てしまったキャラクターには猛襲型夷腕坊参號機がいる。
髪型は後ろ髪を大きなリボンで一つ結びにした姿(薫の記憶と混ざっている説あり)、後ろ髪を一つ結びにして輪にした姿、後ろ髪を背中の真ん中辺りで切り揃えて一つ結びにした姿、後ろ髪を解いた姿の計4つの髪型で登場している。幼少時はショートヘアーだった(幼い縁を背負ったシルエットのみが登場)。
白い着物の上からショールを羽織っており、WJ掲載時は初登場時の着物が柄付きだった。
次々回作の『武装錬金』に登場する早坂桜花は外見がとても巴に似ており、作者自ら早坂姉弟は雪代姉弟のリファインであると認めている。尤も、性格は真逆だが(大切な人の為に痛みを恐れない優しさを除く)。
関連イラスト
関連タグ
駒形由美:本作の登場人物であり、「本来仇であるはずの相手を愛してしまう」「愛する人を守る為に自ら戦いに割って入り、その結果愛する人の手で斬殺される」「最期は愛する人の役に立てた(守れた)事に満足してこの世を去る」等共通点の多い人物。剣心は後に志々雄との決戦の際に、彼が由美を斬殺したのを見て激昂したが、これは単に由美の幸せを理解出来なかったという理由だけでなく、自身がかつて巴を誤って斬殺した際のトラウマも少なからず影響している為ともとれる。
1/3の純情な感情:自分の愛情が伝わりきれず、命を賭した巴の人生が歌詞の冒頭と重なり、連想するファンが少なくない。
ソアラ(ダイの大冒険):同誌に掲載されたダイの大冒険の登場人物。夫と結ばれるもそれを認めなかった者たちの手によって引き離されてしまう(夫は妻子のために殺されるつもりだったため、彼女の存在が『弱点』になってしまった)。夫が処刑されそうになった時、我が身を挺して庇い犠牲となった。これにより夫は縁と同じく復讐鬼となってしまう。