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「吾輩は石動雷十太

 日本剣術の行く末を

 真に憂う者である!」



プロフィール

声優 大林隆介旧アニメ版)/三宅健太新アニメ版)/小村哲生PS用ゲーム『るろうに剣心 維新激闘編』)
身長 190cm
体重 90kg
誕生日 1850年(嘉永3年)5月生

概要

るろうに剣心東京編の敵キャラクター。

古流剣術を元に創設した剣客集団「真古流」の指導者。

一人称は「我輩」。

後述の通り、1996年テレビアニメ版(以下旧アニメ版)のみ原作を始めとした各種メディア作品とは人物像が大きく異なり、名前と大本の設定以外別人と化している。


明治の世となり日本剣術の衰退を憂い、その再興と殺人剣至上主義を掲げ、全国各地の竹刀剣術道場を片っ端から潰して回っていた剣豪。

刀剣商の息子である塚山由太郎の師匠であり、以前塚山親子が強盗に襲われていたところを助けたのが縁で由太郎の剣術指南役として塚山家に招かれた。

しかしその真相は、活動のためのパトロン欲しさに塚山家に取り入るために雷十太がゴロツキを雇って起こした狂言であった。由太郎のこともパトロンの息子なので無碍にもできず、単なる雑用係同然に扱っているだけであり剣術の稽古を付ける気など毛頭なかった(古流剣術についての蘊蓄は教えていたようだが、竹刀の握り方すら教えなかった)。

そして話が進むにつれ、雷十太の衝撃の事実が明かされる事になる。


雷十太の剣術を憂いて行動しなければならないと言う思いは本物だが、無頼を気取った独り善がりの末に思想に酔った愚か者

プライドは肥大して真古流以外の武芸者を認められず、加える気のない流派は過剰に見下して、実力はあっても真古流に加わらない者は卑劣な手を使ってでも排除に走る狭量な面がある(宮内との道場破りの試合で、3本勝負で勝敗をほぼ決しながらもケジメのため2本目に立つ宮内の侠気を、残る2本勝負で挽回するものと勘違いしているところに、彼の卑小な部分が既に滲み出ていた)。


活躍

前川道場に突然現れ、看板を賭けて道場主の前川と一戦交える。圧倒的な実力差で前川を打ち倒すが、直後に手合わせした剣心の実力を認め、真古流に勧誘するが「剣術の未来を憂う気持ち自体は同じだが、殺人剣が蔓延る未来ならば願い下げ」という理由で断られる。

その後は弟子4人をけしかけたり闇討ちしたりと剣心を消すために手段を選ばなくなっていき、遂には戦いの最中に由太郎を負傷させても平然としていたために剣心の怒りを買う。


剣心との戦いでは必殺剣である飛飯綱を披露するも躱されてしまうが、右手首を掠って小さな切り傷を付けたことで得意気になる。この態度から剣心には人を斬ったことがないことを見破られてしまった(相手を殺せなかったのだから殺人剣の使い手なら悔しがるべき場面だったため)。

それでも飛飯綱を放とうとする雷十太だったが、技を放つ瞬間に合わせて放たれた飛龍閃を額に食らって敗北。剣心の宣言通り、左手一本で倒された(この時、剣心の右腕は治療の際の麻酔がまだ効いていたため思うように動かなかった)。


敗北後も往生際の悪いことに弥彦を人質にとるが、弥彦の気迫にビビってしまったところへ剣心に「奪った命の重みで己が奈落へ落ちるのが殺人剣。それが分からぬお前は、剣客としては弥彦にも及ばない」と指摘され、プライドを粉々に打ち砕かれ、剣客として再起不能となった。結局のところ、彼は自分の思想に酔っているだけの小物に過ぎなかった。その後、事の顛末は剣心達からパトロンである塚山家に伝わり当然ながら見限られることになった。

なお、それらの一部始終は斎藤一も知っており、のちに「雷十太ごとき愚物に一生モノの傷を許した」と由太郎の件を踏まえたような苦言を剣心に突き付けていた。


旧アニメ版

1996年のテレビアニメ版では設定が大幅に変更され、真古流の旗本で由太郎の財産目当てである点以外は原作とは大きく人物像が異なり、登場初期はクールな印象のあった原作から一転し、終始悪の親玉としての威厳を持ち、表情も悪人だと分かりやすいものが多かった。

人を殺めた事の無い原作版と異なり、こちらは殺生を躊躇い無く行い、由太郎を丸め込む為に雇った山賊を打ち合わせを無視し容赦なく斬殺するといった卑劣な人物として描かれている(原作とは異なり、この場面は剣心達も目撃しており残りの一人は間一髪で剣心に救われるが、後に由太郎に真実を伝えた直後に雷十太により斬殺された)。

一人称も途中までは原作同様「我輩」だったが、本性を現してからは「俺」に変わっている。

精神的には勿論、技も原作から飛躍しており必殺技の飯綱に大旋風を引き起こす特性が追加され演出面でも大幅に強化されている。

正体は明治政府が長年追っていたテロリストで、塚山家の財力を利用して伊豆に武士が中心の独立国家を築こうとしていた。

伊豆を本拠地に選んだ理由は立地的に政府らの攻略が困難になるものと計算しての事であった。

彼が従えている真古流もこちらでは明確に組織化し大規模となっており、原作に登場した同志四人を『真古流四天王』として真古流の主要人物に昇格させた上で彼等とは別に日本各地から集めた多くの強者達も同志として集まっていた。

剣心を最後まで抜刀斎と認識する事が無かった原作と違い、最初の立ち合いで剣心が抜刀斎であると瞬時に見抜き、四天王達からも抜刀斎であると認知されている。

クライマックスでは塚山邸を舞台に陸軍特殊部隊と真古流が激突し、飯綱から発した大旋風によって陸軍を蹴散らすが止めに入った剣心が雷十太に一騎討ちを挑み、勝利することで戦いをやめさせるという展開となった。

最後は激怒した剣心に飛飯綱を無効化され、土龍閃の打ち上げと龍槌閃の連撃により気を失い倒れた。


新アニメ版

最早別人であった旧アニメ版から一転、概ね原作準拠で登場。

後述の通り、原作者自ら新アニメ版での手直し筆頭として番組開始当初のインタビューから名指しで挙げられており、原作以上に初登場時の知的さが強調されたり、剣心との一本勝負後に冷や汗を流した原作から一転し余裕の笑みを浮かべる、由太郎との関わりが増える、同志がいない、決着を由太郎も見届けて別れを告げられる等、随所に調整が入っている。

原作で剣心と一本勝負した際には竹刀を用いていたが、新アニメ版では木刀に変更された(このため、纏飯綱で竹刀の刀身を切り落とした場面は木刀を真っ二つに割る展開になっている。なお、剣心は木刀を割られてもまだ勝負を続けるつもりだったらしく構えを解いていない)。

話の大筋は変わらず剣心に敗北したのも同じだが、後述の結末の関係で剣心の雷十太への言動はかなり変化している。このため、「貴様には生き地獄を味わわせてやる」「もう二度と剣客として再起はできん」といった突き放すような発言がなくなり、弥彦を殺せなかった場面では「お前の真古流では人は斬れても殺す事はできん」と断じ、原作通りの奈落発言もした上で「このままではいずれ本物の殺人剣の使い手と遭遇するから刀を捨てろ」と厳しい言葉ではあるが雷十太の行く末を案じて諭している事が明白になっている。


また、原作では一方的に雷十太の事を否定していた薫からは「技は凄かった」「殺人剣に固執しなければ明治の世に新しい剣術を開く事が出来たかも」と評価され、剣心からは「才能があったから剣の本質を問う事がなく技だけを追い求めてしまった」と天賦の才能とそれ故に追いつかなかった精神性を惜しまれた。その上で剣心は「人を殺した事がないというのは救いでもある」と雷十太がかつて思想に酔って取り返しのつかない過ちを犯した自分の二の舞にならなかった事に安堵しているかのような言葉を漏らし、いつか雷十太がその意味に気付いてくれる事を願っていた。

剣心の言動の変化に伴い勝負に立ち会っていた左之助も原作と違い「仕置きに腕の一本でもひねっておくか?」と剣心に提案する場面も無くなっている。


一方、雷十太は原作とは違い敗戦直後は屈辱に打ち震えており、剣心達が立ち去った後に殺人剣を謳った矛盾を解消するため、誰でもいいから殺人の経験を得ようと通りがかりの老婆と孫娘を殺そうと飛飯綱を放つ。だがその向け先は(寸前で躊躇ったのか無意識で軌道を曲げてしまったのか)2人ではなく彼女達が拝んでいた地蔵の首であり、結局自分は人を殺す事ができないと思い知って滂沱の涙と共に泣き崩れる(なお、死角から飛飯綱を放ったこともあり、老婆たちは地蔵の首が堕ちたことには不思議がっていたものの、最後まで雷十太には気付くことなく去って行った)。

雷十太の涙がどういう意味だったのかは、それは本人しか分からない。だが老婆が付け直した地蔵の首は上下逆になった事で怒りの表情から、最後まで人を殺さなかった雷十太を赦すかのような笑顔に見えるようになっており、それは剣心が願ったように雷十太も殺人を犯さなかった意味に気付いてやり直すことが出来る事を暗示するかのようでもあった……。

また、この時雷十太は林の中から街道へと出てきており、修羅となるべく樹海の中へと消えていった蒼紫との対比になっているのではないかという意見もある。


このようにひたすらこき下ろされて無様に退場した原作と比較して人間性が深堀りされ、フォローがなされた結末になっている。


キネマ版

登場してた?と思う方もいると思うが、キネマ版序盤に登場した「偽抜刀斎」は原作の完全版発売の際に書き下ろされた再筆版雷十太である「雷太」のデザインをそのまま流用している。

立ち位置は原作に於ける比留間伍兵衛に近く、早期に退場する上にキャラクターそのものに原作の雷十太の面影は無い為に再筆版でのデザインを知らなければまず気付かないだろう。


PSP用ゲーム『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 再閃』

こちらではプレイアブルキャラクターの一人として参戦。旧アニメ版で使った竜巻を起こす技が使用可能で、名称は「纏飯綱」となっている。ただしアニメ版ほどの規模の攻撃ではない。

雷十太専用のストーリーモードもあり、キャラ設定が原作ベースであるのでアニメ版の声優で原作にあった名乗りを聞く事が出来る。しかも彼のストーリーでは敗者=死のため、旧アニメ版の要素も含まれる。

本作では飛び道具を複数持ち合わせているなどで使い勝手が良く、強キャラとして扱われ原作での汚名返上を成し遂げた(その内の一つには、画面外から配下たちが槍を投げつけて攻撃するというものがある)。


ストーリーモードは、真古流の人員獲得のため全国の道場を破って周り、強者を探すというもの。


最初は弥彦と対決。神谷活心流道場にめっぽう強い流浪人がいると聞き手合わせに来る。そこで一番弟子を名乗る弥彦が立ちふさがる。子供だからと相手にしなかったが、試合では痛めつけた弥彦に手を引くように告げるなど意外な一面を見せる(直後に「聞き分けのないガキが!」と怒ってはいたが)。


続けて薫と対決。師範代として相手になると言われ「女が師範代だと? 笑わせるな!」と言い放つ。

女でも容赦はしないという宣言通り薫を打ちのめし、死にたくなければ流浪人を出せと要求する。それでも退かなかった薫を倒し「こうなることはわかっていたはず。バカな女だ」と吐き捨てた。


今度は左之助と対決。弥彦と薫に剣を向けたクズということで戦いを挑まれる。

左之助を破ると「ゴロツキの喧嘩では真古流を破れない」と勝ち誇った。


ついに目当ての剣心と対決。自分に力を貸すように告げるが拒否され、原作通り戦いとなる。

剣心を破った際には「吾輩に力を貸せば死ぬこともなかった」「日本剣術再興の第一歩として貴様の死を刻む」と告げた。


原作にはない展開として斎藤と対決。殺人剣を吹聴して回っているということで目を付けられていた。

優位に立つと「死にたくなければ逃げてもいい」と見逃す胸を告げるが、敵前逃亡は士道不覚悟と言って立ち向かって来た斎藤を破る。


まさかの志々雄と対決。抜刀斎を破った男として勝負を挑まれるが「とてもそうには見えねえぜ」と辛辣な評価を受ける。雷十太は日本剣術再興のために戦うと述べるが、志々雄には「国を盗ろうとしている俺には勝てねえぜ」と言い返される。

闘いは雷十太の勝利に終わったが、自分の敗北を認められなかった志々雄は狂ったように哄笑し続けるのだった……。


京都・葵屋にて縁と対決。自分の獲物を殺したということで勝負を挑まれる。

和刀の使い手まで破った雷十太は、自分の剣こそが最強だと勝ち誇る。


最期は比古清十郎と対決。弟子の仇討ちのため勝負を挑まれる。

抜刀斎の師匠を倒せば名実ともに最強の剣になるとして喜んで勝負を受ける。比古からの評価も「こんな見世物剣術に弟子がやられるなんて情けねェ」と志々雄と同じものだったが、死闘を制したのは雷十太であった。

「バカな……」とショックを受ける比古を前にして飛天御剣流を超えたと狂喜。残る流派など敵ではないとして叩き潰すことを宣言する。

こうして人斬りの道に踏み込んだ雷十太は、奈落に落ちるまで日本剣術再興を掲げて戦い続けるのだった……。


主な技

飯綱(いづな)

雷十太が古流剣術の秘伝書から読み解いて会得した秘剣で、高速で剣を振るうことで生じた鎌鼬のような真空の刃で対象を切り裂く。

得物が竹刀でも相手の竹刀や木の床を簡単に切り裂くほどの威力があり、剣心によれば「真剣を使えば金剛石(ダイヤモンド)でも真っ二つにできるであろう」とのこと。

ただし、それはまだこの技の正体を鎌鼬だと知らなかった時点での発言であり、実際には刀身を当てずに真空の刃で切る技なのだから、本当に真剣を用いれば竹刀よりも威力が上がるのかどうかは定かではない。

この技の特徴として、これだけの猛威を振るいながら作中では全くのノーリスクで連続して繰り出せる事であり、実際に原作ではあの結末が無ければ特に飛飯綱に関しては明確な対処法は存在しなかった程(旧アニメ版では前述通り、飛飯綱は逆刃刀で斬られ防がれている。新アニメ版では塚山邸での初戦では雷十太の刀を折る事で飯綱の発動そのものが不可能になっている)。

予兆がある上に、一度見切られて以降は中々命中させられなくなったが、あくまで剣心との対決においてであり、纏飯綱ですら剣心に回避されるまでは回避された事がないと雷十太自身が回想している。逆に言えばこれほどの技を持っていながら、原作および新アニメ版では相手に命中させているにもかかわらず、殺人を犯した事がないという高度な手加減っぷりを(おそらく本人も無意識の内に)行っていた事になる。

旧アニメ版では大振りする事で竜巻の様な旋風を起こす事も可能。銃弾の中、この技で陸軍特殊部隊を蹴散らした(銃弾は外れただけで無効化したわけではない)。

  • 纏飯綱(まといいづな)

刀身に真空の刃を纏わせて攻撃する接近戦用の技。

旧アニメ版では地割れを起こして攻撃するのがデフォルトの様に描かれている。

前述の通り再閃では、竜巻を起こす技として描かれている。

  • 飛飯綱(とびいづな)

真空の刃を飛ばして攻撃する遠距離用の技。

「飛ぶ斬撃」は作品世界でも珍しく、他には、本気を出した比古清十郎の素振りと、旧アニメ版後期での剣心の土龍閃、十勇士陰謀編の主人公の梵天の型などがある。特に梵天の型は「カマイタチを飛ばす技」と飛飯綱と全く同質の技だったりする。

旧アニメ版では当たり判定がより大きく描かれ、原作以上に多くの樹木を斬り裂いている。


PSPゲーム「再閃」では、「飛飯綱・乱れ打ち」という、一度に三発放つバリエーションを披露する。

  • 昇り飯綱

PSPゲーム「再閃」の技。上空に向けて切り上げると同時に飛飯綱を放つ。


真古流

雷十太の流派、ではあるが、流派特有の技や型などはなく、あらゆる武術(剣術以外の武器も含む)や流派を取り入れて、その中で技や技術を互いに指導をし合う形で、日本剣術の強さと純度を保とうとする武術集団。

素質のある者に伝授する事で、左之助からもなどの伝統技術の様に技術の純度を保つ上での理を認めている。


同志達

原作では全員名前が設定されておらず、四天王設定と共に全て旧アニメ版のもの。

新アニメ版では全員出番がカットされ未登場。尺の問題かと思いきや、この事が雷十太の「どうしても人を殺せなかった」という内面に説得力を持たせている(原作ではこの4人に剣心殺害を命じているため、自分は人を殺さないのに他人には殺させようとしていた事になる)。

4人の同志/真古流四天王

  • 双身刀の男/桜丸

CV:牛山茂

双身刀を使い手。実力は4人の中でも随一で、原作・アニメ版共に剣心に対し先手を打ち、つばぜり合いに持ち込める実力を持つ。

原作ではすぐに敗れてしまったものの、剣心の実力を認めて雷十太が剣心の力を欲している理由を理解した。

剣心もまた、彼との戦闘後に「なかなかの手練れだった」と評しており、剣心には及ばないながらも確かな実力者であった事が分かる。

旧アニメ版でもその強さは健在で、原作より長く剣心と勝負を繰り広げ後述の月王と鶴左衛門との連携で追い詰めた。

この旧アニメ版では真古流四天王の中心人物として描かれ、台詞は四人の中でも一番多い。

普段はにこやかな表情で本気の際に瞳を見せる点が後の瀬田宗次郎を彷彿とさせる。

  • 月王

CV:稲葉実

僧侶風の男。旧アニメ版では常に念仏を唱える構えを取っている。

原作では後述の鶴左衛門と同時にすぐにやられてしまい殆ど見せ場が無かったが旧アニメ版では剣心とそれなりにやりあっていた。

この他、旧アニメ版で雷十太が剣心に倒された際は自害しようとしたが剣心に止められた。

  • 鶴左衛門

CV:沢木郁也

槍を武器とする大柄な男。

原作では神谷道場の扉を突き破り豪快に登場したが、すぐに剣心の逆刃刀を顔面に食らい気を失ってしまう。

旧アニメ版では先述の二人と共に剣心を相手にそれなりに戦えていたが、やはり原作同様に顔面に逆刃刀を食らい気絶。

その後、塚山邸での陸軍特殊部隊との戦闘中、配下に特攻を指示して自身も特攻。剣心も止めに入り当て身するが、陸軍の銃撃を躱しきれずに受け戦死した。

  • 桐次

CV:森訓久

忍の装いをした小柄な男。

原作では他の三人が剣心に敗れる様子を見て戦意喪失し、気絶した三人を置いて逃げ出そうとしていた所で左之助に捕まり剣心から雷十太への伝言を頼まれる。

旧アニメ版では原作よりも戦闘描写が追加されたものの四人の中で一番影が薄く、実力も他の三人に比べてあまり高くないのか剣心との戦闘でもすぐに刀を飛ばされ、一番に気絶させられた。

原作と違い台詞を発する場面も殆ど無く、陸軍との戦闘でも途中から姿が見えなくなり最後はどうなったのか不明。

日本各地の同志達(旧アニメ版)

雷十太の召集を受けて各地から集まった真古流の同志達。

中でも目立っていた人物は、兄弟と思われる巨漢二人、忍装束の男、石川五ェ門風の男、笠を被った男など。


余談

キャラクター設定について

作者曰く「『知的なマッチョで、剣心とは対照的な殺人剣至上主義者』のはずが、どこをどう間違ったのかどんどん崩れて行き、回を重ねるごとに情けない小心者になっていき、最後はほとんど一蹴状態でやられてしまった見掛け倒しの悪役」とのこと。どうしてこうなった

その為、最初こそ強キャラ感を放っていたが、ストーリーが進むに連れてどんどん化けの皮がはがれて行くという、作中でも珍しいタイプの悪役となった。

モデルに関しても、「アメコミの某キャラ」と作者は公言しているが性格や顔立ちの変貌もあり、正確なモデルはハッキリしていない。

なお、その老け顔から三十代後半~四十代と見られがちだが、実は剣心より一歳年下

「幕末の動乱があったのに殺人の経験がないのか?」と笑われることもあるが、当時は雷十太も元服も済ませぬ少年時代であり、戦場の現実を知らなくても全く不自然ではないのである(剣心も維新志士としては例外的に若い)。


人気に関して

原作者公認の造形失敗キャラクターであるが、初登場の風格から最後の陥落の流れをネタ方面で好む読者も少なからず存在し、水面下でカルト的な人気を持っている。

このような経緯からか一部ファンには劇中の由太郎と同様に『雷十太先生』と呼ばれ、後述の新アニメ版での雷十太登場後にX(旧Twitter)でトレンド入りした際もフルネームの方ではなくこの敬称の方であった。

メンタルはさておき、既に満身創痍だったとはいえ左之助が斬馬刀を支えにして何とか立っている状態に陥らせた剣心の龍槌閃を肩に食らっても怯むだけという打たれ強さを見せたり、飯綱という作中でも上位に入るであろう技を繰り出すなど、ネタ抜きでも実力だけなら作中でも強キャラの分類に入るのではと議論になる事も。

そもそも飛天御剣流最高速抜刀術・天翔龍閃ですら目の前にほんの一瞬真空を作るのに留まるのに対し、飯綱はそれを数m飛ばす程長時間維持しており、尚且つそれだけで岩を両断する切れ味を誇っている。

ただでさえ火力十分なのに連射も可能であるうえ不可視で高速と回避困難、技の性質だけ見ればここまでインチキじみた性能の技は作中全体を見ても存在せず、更にこれだけの性能の技を古文書を読んだだけの独学で身につけているので、その秘めた才覚も尋常なものではない。

にもかかわらず、殺人を犯した事がない事から「本人の適性としては活人剣の方が合っているのでは?」とすら評されている。

彼が殺しに躊躇がない生粋の殺人者であった場合凄まじい被害と苦戦を強いられたことが容易に想像できる。


似た様な評価を受けるキャラクターは他にもおり、たとえば尖角も作中での評価よりもポテンシャルが高いと評されることもある。


北海道編第一巻の扉絵に彼の後ろ姿らしきカットが登場した際も一部でざわついており、由太郎は勿論の事他に一緒に描かれた後ろ姿のキャラも軒並み再登場している事、そして新アニメで内面が描写され再起の可能性が示唆された事によって雷十太の再登場も期待されている(尤も、再登場しても新アニメ版の善性が残されていた雷十太ではなく、原作の同志に汚れ仕事をさせて自分の手だけは汚そうとしなかった雷十太になってしまうという問題もあるのだが)。


2023年7月に放送開始した新アニメ版は、放送枠が「ノイタミナ」でありまずは2クールまで放送する事が確定している。

そうなると、原作を忠実になぞった場合は雷十太編で一度締めになる可能性がある(=雷十太がラスボスで一度終わる)とネタ的に好むファンを中心に騒がれた。

新アニメ版放送決定直後は雷十太編は作者自ら失敗を認めている経緯などから尺的にカットされるんじゃないの?とも言われていた(なお、斎藤が早々に登場が発表された)が由太郎が後の北海道編で再登場する以上、北海道編までアニメが続くのなら削るのも難しく今度こそ原作準拠で活躍する雷十太の姿を夢見るファンも少なからず居た。

そうした中で放送開始した新アニメ版のインタビュー記事にて、大筋は変わらないものの和月自身が監修したと公言。これは原作で雷十太を強キャラとして描写し切れなかったことに対するリベンジでもあると共に、早い段階で雷十太先生がカットされず新アニメに登場する事が確定。

第2クールとなる第14話以降のPVで大々的にピックアップされ、ストーリービジュアル第2弾でも大物と言わんとばかりの位置に描かれている。…それはそれとして、キービジュアルでは刃衛、蒼紫、観柳、ラスボス候補の斎藤がいるのに雷十太だけいないという扱いを受けてもいるのだが。

PV及びストーリービジュアル公開直後は、X(旧Twitter)でも大盛り上がりを見せ、『雷十太先生』がトレンド入りを果たす程の反響だった。

なお、このPVにより旧アニメ版と異なり雷十太先生の活躍は大方原作準拠であると確定。

本編登場後も勢いは止まらず、結果的に登場した話(三週間)全てに於いて放送後にトレンド入りをするという快挙(?)を達成。特に決して善人ではないが「どうしても人を殺す事だけはできなかった」という(ある意味では善性の塊でありながら理想のために人を殺してしまった剣心をも超えた)一握りの善性と、その事に泣き崩れるという精神面の脆さを強調しつつも再起の可能性を示した救いのある結末が用意された事は視聴者の間でも大きな話題となった。


旧アニメ版での活躍

1996年放送の旧アニメ版では前述通り人物像が根本的に原作と異なっており、原作からの改変が多かった同作でもとりわけ目立ち、最早原作の皮を被ったアニメオリジナルエピソードと化していたので原作からの忠実なアニメ化を望んだ視聴者や原作での扱いをネタ的に好む視聴者からは原作無視とも呼べる改変に否定的な意見もあった様だが、ある意味では単なる設定変更と言うよりは和月先生が本来想定していたキャラの立ち位置に少しでも旧アニメ版スタッフが近付けた結果とも捉える事が出来、原作とは打って変わった強敵としての雷十太の活躍に「良改変だった」と喜ぶ視聴者も少なからずいた。

なお、初代オープニングの時点で多くの強敵達に混じって雷十太の顔が映っており、その時点でも異質な存在感を放っていた(このカット自体は原作の一コマからの引用であるが、前述通り旧アニメ版本編の雷十太は原作とは別人と化しておりアニメ本編ではこの様な表情は見せない)。

この旧アニメ版雷十太編で頻繁に流れていたBGMは、本来は雷十太のテーマではなく左之助のキャラソン「心の裸(オフボーカルver)」のイントロやサビ部分である。

雷十太自身のテーマソングはアニメタルが歌う「冥土の土産~石動雷十太のテーマ~」。

なお、旧アニメ版放送中にPlayStation用に発売された格闘ゲーム『るろうに剣心 維新激闘編』では登場予定はあった様だが没にされてしまった模様。

ただ、製作された専用のアニメパートはオマケとして収録されており、これによると原作準拠の設定で登場予定だった事が分かる(本作の声優は比留間伍兵衛役の小村哲生が兼任で演じており、原作雷十太とはある意味で対比となるキャラとなっていた)。


週刊少年ジャンプ本誌に纏わるネタ

原作で雷十太の登場直後の話となる「その男・雷十太」が掲載された号の週刊少年ジャンプ本誌は歴代最高となる653万部を発行を記念した1995年3&4号であったりする。

また、1996年12号で旧アニメ版が放送開始される際に組まれた特集にてオープニング登場のキャラ解説のページで、雷十太は「雷太」と誤植されてしまっている。

これが後の再筆版での名前の由来になったのかは不明(誤植した理由に関しては、一説には当時連載中だった『キャプテン翼』のワールドユース編にて、上述の特集と同じ号に掲載された話で披露された「雷獣シュート」に引っ張られたのでは?と言われている)。


関連タグ

剣豪 るろうに剣心 緋村剣心 巨漢

塚山由太郎 明神弥彦 小物 豆腐メンタル

かませ犬 ネタキャラ 脚本の被害者


劍客兵器…後年の続編で登場した剣心が対立する組織。技と強さを受け継ぎ保存する理念は「真古流」に通じるものがあり、こっちは「来るべき外国との戦争に備えた護国」と言う明確なビジョンがあり、「真古流」に足りなかったものが補完し洗練されている


十勇士陰謀編…るろ剣のRPG作品。上記の通り主人公の必殺技「梵天の型」がカマイタチを飛ばす技


飛天…新アニメOP。何の因果か新アニメの雷十太にも歌詞の内容が結構一致する


壬無月斬紅郎…和月先生が連載当時影響を受けていた格闘ゲームサムライスピリッツ』シリーズに登場するキャラクターで、第三作「斬紅郎無双剣」で初登場したボスキャラ。容姿が登場初期の雷十太と似ており、時系列的にSNKがキャラクター造形の参考にしたのでは?と一部で言われている(こちらは雷十太とは全く異なりボスに相応しい風格のキャラクター)。


クロコダイン同誌の登場人物。当初は誇り高い武人で周囲からの評価はよかったが、自分以外の人間の戦士を弱者と見下していた。更には勝利と栄光のために汚ねえ人質作戦を選んでしまう。一見すると武人キャラで他者を見下していたが追い詰められて化けの皮が剥がれた雷十太とよく似ている。しかし、実際の所「これ以上失態を重ねると自分の身が危うい」という前提があることや、負けが混みすぎて勝ちだけに執着するほど錯乱していた結果であり、実のところ情けないことをしている自覚があった。最終的に敗北するが己の行いを恥じ、人間の良さを受け入れて改心するなど石動雷十太とは逆の結末となった。またクロコダインのキャラは余談にもある『知的なマッチョ』という部分に共通する。戦法も「凄まじい威力で地面を割る一撃」や「真空で風を巻き起こす」など類似点がある。


八神和麻風の聖痕の主人公。こちらも風使いで飛飯綱と似た術や竜巻を起こす術を使う。普段は卑劣で卑怯だが、実は義理堅く芯の強い性格という、雷十太とは逆のコンセプト。操られている女性だろうと刃を向けるなら容赦なく殺すため、アニメ版では雷十太同様性格が改変されてしまった。


クッパ…一人称が「吾輩」、巨漢で力任せなファイトスタイル、目的のためには手段を選ばない、人を引き付けるカリスマ性、映画版の声優が新アニメ版と同一と共通点が多い。

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