概要
生前は「斬れること」よりも「殺せること」を追求した「殺人奇剣」と呼ばれる刀を作っていたことで有名で、同業者からは異端視されていた。
息子の青空には全ての技術を伝授していたが、青空は父の赤空が殺人奇剣ばかり作っていたことに加え、父の「自分の作った刀が新時代を作る」という言葉が受け入れられず、刀鍛冶を廃業している。
しかし、赤空は心の内では平和を願っていながら人殺しの道具を作ることしか出来ない自分の在り方に苦悩し、平和な時代がいち早く到来することを願って刀を作り続けていた。
そのため、息子が人を斬る刀を一本も打つことなく=間接的に手を血で染めたり殺生の苦悩を背負う道を進まず、孫は戦争を知らずに笑顔で生きる平和な時代と言うのは、赤空が表に出せなかった自分の代で終わらせたかった戦いの終わりと願いが果たされたことになる。
戊辰戦争の最中、維新政府軍を去る剣心に逆刃刀を渡し、それが折れた時にもう一度自分を訪ねてくるよう告げたが、その約束を果たす前にこの世を去った。
殺人奇剣を扱う劍客兵器たちにもその名は知れ渡っており、凍座白也が剣心との初見の際に赤空について言及している。
殺人奇剣
- 全刃刀(ぜんじんとう)
初期型の殺人奇剣。設定のみ存在。
剣心が抜刀斎時代に使用していたとされる刀で、峰や鍔も刃になっている。
- 連刃刀(れんばとう)
初期型の殺人奇剣。沢下条張が所有。
鍔と柄が半分に割れる刀2本を組み合わせることで、平行に並んだ2つの刀身を持つ刀となる。
この刀で斬り傷をつけられると傷口の縫合が難しく、やがて傷口が化膿して死に至る。
原作・アニメでは剣心にアッサリ破壊されたが、実写映画版ではこちらが張の切り札となっている。
- 薄刃乃太刀(はくじんのたち)
後期型の殺人奇剣。連刃刀と同じく張が所有している。
刀身を可能な限り薄く長く鍛え、そして切っ先を僅かに重くすることで、まるでムチのような変幻自在の斬撃を繰り出すことが出来る。
- 無限刃(むげんじん)
最終型の殺人奇剣。志々雄真実が所有。
予め刃の一部をこぼしておくことで、切れ味を損なわずに一定の感覚で使い続けられるようにした刀。
志々雄は数多の人間を斬り続けることで刀身に染み込んだ人間の脂を利用し、この刀から火炎を発する術を見出している。
- 逆刃刀(さかばとう)
剣心が所有する刀。文字通り峰と刃が逆になっている刀。
剣心が最初に持っていたものは御神刀を打つ際に出来た影打(かげうち)と呼ばれる失敗作であり、瀬田宗次郎との戦いで折れるまで長らく剣心の愛刀として活躍した。
- 逆刃刀・真打(さかばとうしんうち)
赤空が生前に京都の白山神社に御神刀として奉納していた刀。
張との戦いの最中に青空から剣心に託され、その後彼の愛刀となった。
真打と呼ばれるだけあって影打とは比べものにならないくらい丈夫で、宗次郎の菊一文字との打ち合いにも勝利したほど。
この刀の茎(なかご)には、赤空の悔恨と平和への願いが込められた「我を斬り 刃鍛えて幾星霜 子に恨まれんとも 孫の世の為」という辞世の句が刻まれている。
候補
- 実写版抜刀斎の打ち刀
鳥羽伏見の戦いの場面で使用していた刀なのだが、柄が"く"の字に反るという変わった形をしている。新聞紙などを丸めて同じ形にして振ってみると分かるのだがこの刀、振り回しにくい代わりに対象に当たった際、刃に角度がついて振りきるだけで"引いて斬る"動作ができる。刀は太刀のように反りが強い方が斬った時の反動を受け流し易くなり、引いて斬り易くなるとされる。そのため、この刀は太刀と打刀の長所を取り入れることを目論んだ一口であるとも考えられる。