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竜騎将バラン

ばらん

漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に登場する魔王軍超竜軍団団長。
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『竜の群れを束ねる軍団長が、ドラゴンより弱いとでも思ったか!!!』
CV:石塚運昇(1991年版)/速水奨(2020年版)

概要

竜の紋章


魔王軍の中でも最強と名高い超竜軍団の団長を務めている。正体はダイの父にして正当な竜の騎士

作中で主人公ダイが実の息子であることを突き止め、彼を自分の側に引き込むべく立ちはだかり、それを拒む彼を力ずくで従わせるべく親子で死闘を演じることになる。

総合的な戦闘力はハドラーをも凌駕する。

経歴

竜騎将バラン


かつて魔王ハドラーが地上を脅かしていた頃、待ち望まれていたはずの竜の騎士は現れず、勇者アバンとその一行によって魔王が打倒される。当時バランは魔界に棲む冥竜王ヴェルザー相手に激戦を繰り広げていたからである。 単身でヴェルザーと闘い、力の限りを尽くして倒す事はできたものの瀕死の傷を負ってしまう。地上へ戻った彼は、テランに向かい竜の騎士の力を回復する奇跡の泉に到着するあと一歩のところで力尽きかけるが、一人の女性に助けられる。

その女性こそアルキード王国の王女であり、後にダイの母親となるソアラであった。当初、ソアラの父であるアルキード王は素性不明のバランを受け入れ、城に迎え入れようとしていた。しかし、バランの存在を疎み嫉妬した家臣たちが「バランは人間ではない。もしかしたら魔物かもしれない」と王に讒言。バランは城外へ追放されることになった。

だが追って来たソアラから子供を妊娠したことを知らされ、バランは共に駆け落ちしてテラン王国の森へと逃げ延びる。そして間もなくダイ(ディーノ)が生まれたのだった。
当時のバランは、『血塗られた戦鬼のような竜の騎士が、子供を授かったというのか……!?』と驚愕。歴代の竜の騎士の中でも【妻と共に子を育てる】ことを経験している者は誰一人としておらず、バランも赤子のダイの子守に四苦八苦していた。

しかし、王の手はテランまで伸び、バランは妻子の安全の保証と引き換えに投降。息子は遠い地に流刑となり、バランは公開処刑される運びとなった。だが執行人たちのメラミがバランに放たれた際、ソアラが身を挺して庇い命を落としてしまう。アルキード王は娘の行動を「魔物を庇うなんて・・・恥さらしが!」と激怒・侮辱し、それを聞いたバランは怒りのまま竜の力を一気に解放。その場にいた人間諸共アルキード王国を一瞬で壊滅させた。その後、息子の行方を捜すバランだが、不運にもディーノを乗せた船は難破してしまい生死は絶望的となってしまう(2020年版アニメでは1話の冒頭で描写されている)。

人の手によって妻子と引き離され、竜の騎士として守るべき人の醜さに失望したバランは、大魔王バーンの呼びかけに応じ魔王軍に加入。醜い生き物である人間を抹殺することを己が使命とするようになった。これが超竜軍団を率いる『竜騎将バラン』の誕生の瞬間である。

活躍

竜騎将バラン

城塞王国と呼ばれたリンガイア王国を命令を受けてから1週間で滅亡させ、その事を知ったフレイザードザボエラを震え上がらせた。ハドラーの呼びかけで鬼岩城へ戻った際は蘇生液に浸かったクロコダインを見てダイという少年について恐るべき相手として興味を持つ。しかし、ダイが竜の騎士であることを知っていたハドラーは「もしこの事実をバランが知れば、当人の意思を無視してでもダイを魔王軍に引き込み、その功績をもってさらに出世を重ねる可能性がある」と見越し、保身のために隠蔽していたため、彼からは会う度に警戒されることが多かった。ハドラーが新たな肉体を授かりベギラゴンを会得した後は「魔軍司令殿の地位はしばらく安泰か」など、その胸中を見抜いたような独白をしている。

バルジ島にいるフレイザードの援軍として魔王軍総攻撃に参加しようとするが、例によってハドラーに止められ、屈強な騎士団を有するカール王国の侵攻を命じられる。自分とダイを会わせまいとしていることを察しながらも「魔軍司令殿の顔を立てよう」と命令に従い、カール王国の攻略を5日間で完了させる。その後、バルジから生還したザボエラから偶発的にダイの力(額に浮かんだ紋章)を聞かされ、ハドラーの真意を看破。ベンガーナ経由でテランに向かったダイを追う。

テラン王国の竜の騎士だけが中に入ることのできる竜の神殿で成長したダイと邂逅。竜の騎士の務め、人間の醜さを淡々と語った後に魔王軍に誘い込む。それに対して「魔王軍の手下になんて・・・死んでもなるもんか!」とダイの強い意志は変わらず、直後に彼からアバンストラッシュを受けるも全くの無傷で耐えた。この攻撃を受けてもはや説得するのは不可能と考えたバランは「できれば傷つけたくは無かったが…おまえがそういう気持ちならば力ずくでも連れて帰るぞっ!!!」と心を鬼にして紋章の力で彼を神殿ごと吹き飛ばした。
吹き飛ばしたダイを追い、地上に出てポップレオナ姫も交えての戦いになる。
この際ポップの重圧呪文ベタンをものともせず、ダイに必殺剣ギガブレイクを放ち戦闘不能状態にしている。非難するレオナにダイが自身の実子であること、ダイの本当の名前を明かす。
直後、救援に現れた獣王クロコダインと戦い、竜闘気を集中して首を狙った一撃を棒立ちで防ぎ、徒手によるラッシュを仕掛け、右腕に大ダメージを与え追い撃ちで目蓋にもダメージを与え出血で視界を塞いだ。
その後、ベホマで回復したダイのアバンストラッシュとクロコダインの獣王会心撃を同時に浴び、竜闘気でも防ぎ切れず流血。その力に危機感を覚え、竜の紋章を共鳴させ、思念波によって記憶を奪い取った。しかしバランも負担が激しかったため撤退する。

息子を奪還すべく、竜の騎士直属の部下「竜騎衆」と共に万全の戦力で進軍するが、足止めのため単身で挑んできたポップを竜騎衆に任せ、自身は一足先にテランを訪れ、ダイの防衛のため立ち塞がるレオナとクロコダインの前に現れる。
先に単身でポップが挑んできた事を語り、無謀だと評するが、逆に嫌われてまでダイのために立ち向かったポップの真意を悟ったクロコダインは決意を固め、奮起してバランに挑む(この時、ポップの単独行動をクロコダインかレオナの入れ知恵かと考えていたが、武人気質なクロコダインがそんな作戦を考え付くとは思えないと評した一方、人間のレオナに対しては辛辣である。もっとも、元同僚で人格を知っているクロコダインはともかく、レオナはほぼ初対面なので辛辣な印象を抱くのは無理もない)。
バランの消耗のために捨て石となる策に痺れを切らし出した頃に竜騎衆を打ち破って救援に現れたヒュンケルから「お前の愛した女性もまた人間だった」と説得の言葉を向けられるが、葛藤の末に戦う道を選び竜魔人に変身。人の心を捨てた魔獣と化す。
圧倒的な力でその場にいた全員を打ち倒し、ついにダイと対面する。ダイから「怪物みたいだ」と言われた際にはさすがにショックを受けたが、紋章同士の共鳴を利用して親子であることを示す。だがそれを見咎めたポップの捨て身の自己犠牲呪文によりバランは窮地に陥る。不幸中の幸いというべきか、ポップの技量が未熟だったため爆発の瞬間に拘束が弱まり、振り解き難を逃れる。
しかしポップの死を目の当たりにしたことでダイは記憶を取り戻してしまい、更にポップの死体を「犬死にだ」と投げ捨て侮辱(※)した事で激怒したダイが参戦。
この時、バランの追撃からポップとゴメちゃんを守るダイの姿は、バランを庇ったソアラの姿を彷彿とさせ、バランに怒るダイの構図も、アルキード王国に怒るバランの姿を彷彿とさせる。

※この振る舞いはバランが人間に失望したきっかけであるアルキード王と同様であり、人の心を捨てた結果、アルキード王と同じ様な事をしてしまうのは皮肉である
もっとも、ポップのメガンテが失敗したのは揺るぎ無い事実であり、端から見れば命懸けの特攻が失敗して無駄に命を散らした様にも見えるため、バランでなくても「犬死に」、またはそれに近い表現で判断されるのも無理はない(アニメではカットされたが、現にクロコダインも「(バランにメガンテが効かなかったら)ムダ死にするかも知れんのだぞッ!」と発言している)。
尚且つ、この時のバランは直前に心の傷を無闇に触れられて怒り心頭だった事に加え、竜魔人状態のため、人としての情が薄れつつある事も、その台詞を吐いた一因である事も忘れてはならない。
また、メガンテをまともに食らえば竜魔人でも無事では済まないため、ポップの腕を引きちぎろうとしていた(漫画原作では悠長に会話しているにも拘わらず発動直前まで引き剥がそうとはしなかったが、アニメ版では会話している間もポップの腕に掴みかかり、必死になって引き剥がそうとしていた)。バランとしても危ないところであったため、竜騎衆を足止めされた事も含め、ダイとの再会を悉く邪魔してきた人間として、この時のバランのポップへの印象は最悪だったと言える。

※なお、主人公の記憶喪失、仲間の一人の自爆、それを目にしての記憶回復の流れと登場人物の台詞の数々はゲッターロボにおける巴武蔵自爆の濃厚なオマージュであり、「犬死に」発言もまた同作で既に使われていたものを不用意にコピペ使用してしまったものである(元は神隼人の「よせ!無駄死にだ!戻れ!」「武蔵の奴、無駄死にだ」「バカめ」といった発言。なお彼の他の台詞もヒュンケルの「よさんか」「バカヤロー」発言として使用されている。(しばしば「彼らしからぬシーン」と評されるが、本当に別作品の別人の台詞をそのまま持って来てしまったのだから当然である))
つまり本来は絶望した仲間の嘆きの台詞であった。

再びダイの記憶を消そうとするが、ダイの紋章が額から右手に移ったため失敗。数千年間、紋章が額以外に現れる事例などなかったため驚愕し、人間の…ソアラの血がそうさせたと思い至る。
竜の騎士同士の壮絶な親子喧嘩が展開される。武器の力の差でバランに分があったが、切り札のドルオーラの連発やクロコダインやヒュンケルの奮闘により魔力を消費してしまい、ギガデインすら撃てなくなる。ダイがヒュンケルから鎧の魔剣を受け取っても優位を察し、ライデインを用いた簡易型のギガブレイクで勝負を付けようとする。わざと隙を作ることでダイの攻撃を誘発し、その一瞬を利用してダメージを与え優位に立つ。だがギガブレイクを放つ瞬間、死体だったはずのポップが呪文を放ったことで動揺。「死体が動くはずがない!」とダイから完全に注意を逸らしたことで隙が生じ、ダイの全竜闘気を込めた鎧の魔剣によるライデインストラッシュが迫る。バランも咄嗟に反撃したが、一瞬早くダイの一撃が決まったことで大ダメージを受け人間の姿へと戻った。ダイはまだ戦うつもりだったが、バランの方からもうお互いに戦える状態ではないと痛み分けを提案する。

この時、捨て去った人間の心に手痛く打ちのめされた事で己の過ちを悟り(2020年アニメ版では、死んでいるのに呪文を放った事だけでなく、決死のメガンテの事も頭に思い浮かべながら悟っている)、ポップに竜の血を与えて復活させる。そして去り際に魔王軍から離れることを告げ、次に会う時こそ決着をつけると宣言するが、内心では「息子に討たれる事で罪を清算し、竜の騎士の使命を託そう」と考えるようになっていた。

2020年アニメ版では、ポップが竜の血で息を吹き返したのを確認すると、「見かけによらずしぶとい男だ」とポップを評価する台詞が加わっている(同時に竜の血で必ず生き返る訳ではないという説明にもなる)。

竜の騎士バラン

ダイに負わされた傷の治療と真魔剛竜剣の修復に時間を要するため、人里離れた洞窟に潜伏していたが、バーンから暗殺命令を帯びてやってきたキルバーンが現れる。そしてバランは、バーンの目的が地上の消滅にあると知る。バランはそれを地獄と呼び、キルバーンを一蹴。胴体を切断して返り討ちにする。
仮に自分が全力で戦ってもバーンを倒せないと知りつつも、竜の騎士の使命と息子ダイを守るため死の大地に向かうことを選んだ。
なお、この時点でバランは「戦線離脱者」と魔王軍に周知されていた。

探索中、チウをいたぶるハドラー親衛騎団の僧正フェンブレンを発見。両目を真魔剛竜剣で貫き撤退させる。
その後、ヒュンケルとクロコダインに遭遇。自身の胸中を見抜き、自殺行為同然の単独行動を阻止しようとするヒュンケルと一騎打ちになり、互いに必殺の決め技で決着をつけようとしたその瞬間に、親衛騎団の女王アルビナスが一挙に二人を始末しようと横槍を入れる。先の先で仕掛けたバランはもはや技を止めようもなかったが、後の先の必殺技の構えだったヒュンケルはその無刀陣の矛先をバランからアルビナスに変更することで、バランとアルビナスの技をノーガードで浴びながらもアルビナスに大打撃を与え撃退。その際に生じた大爆発からバランはヒュンケルとクロコダインを救うが、本当に命を救われたのは誰なのかは明白だった。バランは命を救われた代償として、ヒュンケルに再起不能同然の傷を負わせてしまうこととなった。

当初、バランはヒュンケルの言葉を口先だけのきれい事と見ていた。だがしかし、命を救われたことで紛れもなく真実の想いであったことを悟る。心乱されながらもバランは己の敗北を認め、クロコダインに問い掛ける。

バラン「…クロコダインよ…私はどうすれば良いと思う…? 何をすればこの男に報いてやれるのだ?」
クロコダイン「オレには何も言う資格が無いっ!! 今はただ…この不器用だが万人に誇れるオレの友の…! 心意気だけをくんでやってくれっ…!!!

その言葉の通りバランは離脱したヒュンケルに代わってダイたちに合流する。だが先の仕打ちからダイは沈黙を保ち、とても共闘できる雰囲気ではなかった。そこでバランの方から歩み寄ることでダイの警戒を解かせた。

二人の力で魔宮の門を砕きに向かうが、そこへ雪辱を胸にフェンブレンが立ち塞がる。一度撃退したことで格下と見ていたバランは油断から不意を突かれるが、そこをダイの剣によって救われる。成長した息子の力を認めると同時に、二人の力で魔宮の門を突破。その先でパワーアップを果たした超魔ハドラーと対峙する。当初はハドラーを甘く見ていたが、ダイを退けたことで「恐ろしい男になった」と認めた。
その体内に埋まっていた「黒の核晶」の誘爆を避けるため思うように戦えなかったが、ギガブレイクと超魔爆炎覇の打ち合いに勝利し、ハドラーの首を斬り付ける。しかし、キルバーンを返り討ちにした際に剣の切れ味を鈍らされていたためハドラーを倒すだけの威力が出せずに失敗。その際に地獄の爪で反撃されるが、庇いに入ったダイが重傷を負ってしまう。怒れるバランはダイを眠らせ、二度とならないと誓った竜魔人に再び変身する。

その力はハドラーを完全に圧倒し、更に自身の竜闘気によって核晶の爆発を防ぐことに成功する。これにはバーンも驚嘆した。
だが、闇の衣を解放したミストバーンの魔力で核晶が起爆、自らの全ての力と命を代償にダイ達を守り抜いた。ダイとの最期の別れを迎えた直後、現れたバーンのメラによって遺体は焼き尽くされてしまった。我が身を挺して家族を守り、炎の中へと消える……その最期はバランが愛した妻と同じものであった。

「わたしは真の竜の騎士ではない…………力も魔力もあったが、心が無かった。しかし、おまえにはそれがある。おまえをここまで育ててくれた怪物(モンスター)というのは、わたしなどよりも遥かに正しい…人の心を持っていたのだろうな……わたしの死などで泣くことは無い……おまえにとってはそのお方こそが本当の父親なのだ!」と息子に言い残し、最期を迎えた。もはや意識も残されていなかったが今際の際ダイに最初で最後「父さん」と呼ばれた。
遺体はバーンによって焼き尽くされ滅したが、竜の紋章はダイに受け継がれ、死後も幻影として現れて彼を奮い立たせ、バランの遺言に従ったラーハルトがダイの下に馳せ参じ、大魔王との闘いに挑む息子を助けるために味方を向かわせた。

1991年版

原作同様の経緯でダイと相見える。しかし打ち切りが決まったため展開が大きく改変されている。
紋章の共鳴を利用してダイの記憶を奪おうとしたが、ゴメちゃん、ポップ、レオナ、クロコダイン、そしてこの場にはいないブラス、マァム、ヒュンケルたちの想いと絆によって生まれた剣と、それから放たれたアバンストラッシュを受けて敗北する。だが殆ど無傷で姿を消したにすぎず、遠目から「ディーノは既に私に匹敵する力を持った。これが友情の力か……しかし、この次に会う時は、対等の力を持つ敵として相見える。油断はせんぞ、我がライバルよ!」とつぶやいて立ち去って行った。
このため1991年版ではラスボスを務めた。

人物像

性格は誇り高く厳格だが、それ故に頑固な面がある。また、竜の騎士と言う群れを持たずに強者として生まれたが故の、気高く自死も辞さない精神性は、逆を言えば群れのために個を棄てて生きる(武力戦力の上での)弱者の価値観に疎い。
一方で、赤子だったダイを寝付かせるのが苦手だったりするなど、戦士ではなく一人の父親として悩んだり子育てに試行錯誤したりという人間らしい一面も持つ。
その一方で、自分が倒した倒すべき相手には情を寄せない戦闘生物と言うべき気質が根付いており、長年探し求めた息子でも反抗されれば容赦しないなど危うさが付き纏う。

ただし、仲間の回復を行うレオナに対してライデインで威嚇して一度は忠告した他、竜魔人に変身した直後も、ポップを後ろから紋章閃で撃ち抜いたが急所を外しており、レオナに対してもバギであしらっていた。そもそも、その気になればポップ達を瞬殺してダイを連れ去る事ができたにも拘わらず、度々、圧倒的な力を見せつけてダイを渡すように脅す程度に留めており、ダイに対しても最初はかなり手加減していた。
また、かつての同僚であるクロコダインやヒュンケルにはかなり容赦なく攻撃していたが、ヒュンケル曰く、決別したとはいえかつての同僚を手にかける事を躊躇っているらしく、レオナやメルルの回復呪文があったとはいえ、事実2人は瀕死の重傷を負ったが辛うじて生きていた。

悲しい過去故に人を徹底的に憎み、人間の美点から眼を逸らして存在価値を認めない姿勢は何気に大人げないが、ヒュンケルにその矛盾を指摘された時は彼の発言を否定せずに葛藤している辺り、心の底ではわかってはいるのだが、理解したところでソアラが生き返らないという揺るぎ無い事実の他、ダイ達の説得やレオナの計らいによってやり直す機会を得られたヒュンケルと違い、当時のバランにはディーノ(ダイ)を取り戻す事しか道がなく、ヒュンケルの言葉を綺麗事と吐き捨てるのにも無理はなかった。
ヒュンケルも、真実を知ってなお、マァムの説得を振り払ってダイ達と対立し続けたことがあるため、バランの行いを一方的に批判する事はせず、バランの気持ちを理解した上で説得しようとしていた。

邪魔立てする者には容赦はないが、基本的に女子供には手荒なマネはしない。かつてソアラとであった時も荒立てることを好まず、自ら縄に着いたことから人間らしい優しさの心を持ち合わせていたことも伺わせている。それだけに、守るべき人間に(嫉妬と猜疑心で)裏切られ、愛するものを目の前で奪われたことによる怒りと悲しみ、そして憎悪が強かったのだ。また、腹心の部下であるラーハルトとは人間から理不尽な迫害を受けたという境遇の一致から心を許しており、後にラーハルトに残した遺書の中で「もう一人の息子」と綴るなど親子に近い関係だった模様(2020年版ではラーハルトとの出会いのシーンが描かれており、この時には父親らしい表情を見せていた)。
現に、投げ込まれた鎧の魔槍がライデインを阻んだのを見て、ラーハルトが邪魔をしたと思い込んで激しく同様しており、彼に対して強く信頼している事が伺える。ヒュンケルが鎧の魔槍を装備しているのを見ると彼がラーハルトから奪ったと決めつけ、ラーハルトが自ら譲渡した事を聞かされて信じられない様子だった(遺書を残したのは改心後だが、ダイ達と戦っている間は例え竜魔人状態でもラーハルトを批判する事はなかった)。

人間を憎んではいたが決して侮る事はなく、人間相手に驕り嘲笑う竜騎衆達に、再三再四、死を覚悟した人間の潜在能力の強さを挙げて忠告している。ポップの足止めがなければ、竜騎衆を勇者パーティと戦わせている間に息子を取り戻す作戦を建てていた事からも慢心している様子もない。
事実、終始人間を侮っていたガルダンディーとボラホーンは、その人間相手に敗北し、ボラホーンに至っては更に人質を取るという卑怯な事をしてラーハルトから粛清されている(ラーハルトも人間を侮っていた所もあったが、ヒュンケルの方もラーハルトを侮っていた事もあり、全力を持って戦って追い詰めている)。
また、ダイ達の強さの秘密は仲間との絆であると分析し、脅威になると判断しているため、群れる事に対して理解がないわけではない。

上記にも述べているが、ポップを「犬死に」と吐き捨てたり、ダイに容赦しなくなったのも竜魔人の時であり、普段の時は人間に対する憎悪はあるがまだ理性的な言動をしていた(ダイに人間の醜さを問いかける時も、聞き分けのない息子を叱りつける父親のような言動である)が、竜魔人の時にはかなり過激な言動が多くなっている。
2020年版では、それがよりはっきりとしており、竜魔人の時にはおぞましい声音になっており、この状態でダイを迎え入れようとする時には通常時の声音で優しく語りかけていた。
また、通常の状態でクロコダインを「人間の犬」と蔑む台詞がカットされている。

劇中でヒュンケルも推理しているが、竜魔人になってからダイの紋章が右手に移るまでは人の心が本の少し残っており(バラン自身もポップに「ディーノと対面して人の心が強くなっている」と説明している)、それまでは強硬手段を取るがダイを取り戻す事を執心していたが、右手に紋章が移ったダイに挑発されてからは本気でダイを殺すつもりで攻撃し、嘲笑う言動を取っている。

また、ダイを仲間から引き離そうとする様を「毒親」と表現する読者や視聴者もいるが、幼少期は神の子供として崇められ、他の親子関係もアルキード王とソアラという極端な事例であり、まともな親子関係を体験、または見ていない事も一因である(育児ができないのもそのため)。
歴代の竜の騎士の経験を受け継いだバランが親子関係と育児が拙い所を見るに、バランに限らず、ダイ以外の歴代の竜の騎士も普通の親子関係を体験せず、見ていない事が示唆される。
ましてや長年生き別れた血の繋がった息子であり、最愛の人の忘れ形見である。父親としても如何なる手段を取ってでも取り戻そうと考えるのも無理もない話であり、それを邪魔する者がいれば怒りをぶつけるの自然な行為である(もっとも、取り戻した後は人間抹殺の尖兵にするつもりであったため、ポップ達が死に物狂いで阻止しようとしたのだが……)。

だが、息子であるダイにしてみれば、このときのバランは息子の考えを全否定し、自分の考えを押しつけ、ダイの思い出を奪い去り、あろうことかダイの親友ポップを死に追いやるという、紛う事なき最悪な父親であった。如何に息子を思っての行動とは言え、あまりにも独りよがりなやり方であった。

ある意味で、初期のバランは”親”という存在の負の側面を体現しており、親が子を思う気持ちが必ずしも子供にとって良い結果をもたらすわけではないという事実を読者に伝えている。
ダイと引き分けに終わって自分の考えを改めた後も、敢えてダイと敵対する態度を示し、ダイに討たれるつもりであったため、これもやはり息子の思いを無視したバランの不器用さによるものだろう(これが仇となり、後にヒュンケルが再起不能になってしまう羽目になる)。
もっとも、魔王軍として多くの人の命を奪ったもののダイ達に受け入れられたクロコダインやヒュンケルと違い(特に、ヒュンケルは自分が滅ぼしたパプニカ王国の姫であるレオナに赦されている)、バランは既にアルキード王国、リンガイア王国、カール王国の三国を滅ぼし、ベンガーナ王国やテラン王国にも被害を及ぼしている。これだけの事をしてしまった手前、今更人間の味方になる訳にもいかず、バランも「…いまさら…生き方を変えられん…大人とはそういうものだ…」と発言している(上述にもあるが、ダイとの共闘を進み出たのも、自分を庇って戦線離脱したヒュンケルの心意気に答えるためである)。

ポップの行動とダイと相討ちになってからは人間の心について考えを改めており、上述にもあるが、2020年版では「犬死に」と評したポップの決死のメガンテを、人間の心の強さによるものと再評価したと思われる描写がある。

使用した武器、呪文、特技

竜の騎士に代々受け継がれている竜闘気の衝撃に耐えうる武器。神が作ったとされるオリハルコン製の片刃の大剣で、自己修復能力を持つ。 ※ロン・ベルクはこの剣に匹敵する武器を作ることが最大の目標であった。

竜の騎士の額に輝く竜を模した紋章。人間との混血であるダイの紋章は手の甲にある(元は額にあったが、自力で移した)。

竜の騎士の基本にして最大の能力。竜の紋章が輝くとき、生命エネルギーの気流が体を覆う。
攻防どちらにも優れ、メガンテ以外のあらゆる呪文を受け付けず、クロコダインの渾身の一撃さえ棒立ちで防ぐがそれを上回る力で攻撃されるとダメージを負ってしまう。現に彼自身も「私がクロコダインを徹底的に叩いたのは奴のようなタイプが一番恐ろしいからだ。竜闘気をもってしてもそれ以上の力で攻撃されれば私の体も傷つけられてしまうからな・・・奴の様に力や闘気を持って戦うタイプが一番怖い」と発言している。

竜の紋章に力を集中し、相手に撃つ技。全開で放てばをも吹き飛ばすほどの威力を持ち、この技で剣の技では自分に引けをとらなかったカール王国最強の騎士ホルキンスを一撃で沈めている。

  • 竜の牙(ドラゴンファング)
左目を覆う形で装備している、ドラゴンの頭を模した装飾品。竜魔人に変身する際にはこれに雷を受け、変身するほか、ハドラーとの戦いの際には隙を作るため攻撃に使った。

雷雲を呼び寄せ、強力な電撃で攻撃する呪文。
ライデインはレオナへの牽制に使用した他、ダイたちとの二度目の戦闘の際には仲間の捨て身の援護によりMPを消費してしまいギガデインを使用できなかったため、ライデインで代用してギガブレイクを使用。
ギガデインは電撃系最大の呪文だが、ギガブレイク用に剣に込める使い方をしたのみで、直接相手に当てる使い方をしたことは無い。

真空呪文。レオナに対して使用。

瞬間移動呪文。自身が行った事がある場所なら瞬時に移動できる。発動する際は、目的地をイメージするのがコツ。

睡眠呪文。バランは竜魔人となった姿をダイに見せないために使用。ある程度以上のレベルの相手には効きにくい呪文だが、重傷を負っていたダイにはこの呪文の効果があった。(ダイが眠った後 『相変わらず、寝かしつけるのが下手だな・・・』と昔の頃を思い出した)

ギガデインを纏わせた最強の魔法剣。ハドラーに「オレの首ひとつ刎ねられぬ威力だとは絶対に思えん」と言わしめる凄まじい威力を持つ。息子であるダイはこの技とアバンストラッシュを合わせた最強剣「ギガストラッシュ」を編み出している。
後にドラゴンクエストⅧにて主人公の特技として公式化。
ダイとの決戦では魔力を消耗してしまったため、ライデインを用いた魔法剣を発動させた。

竜の騎士の究極戦闘形態。圧倒的な戦闘能力に加え、変身すると血が青く変色する。
竜の騎士の中の3つの力の内、『竜の力』が強く作用するため、バラン自身の人間に対する憎しみも合間って彼自身でも制御しきれるかどうか分からないという程の力を見せ付けるに至った。
かつてダイとの戦いで変身した後、二度とこの姿にはならないとの誓いを立てるが、黒の結晶を抑え込むために誓いを破った。

竜闘気砲呪文。魔力で超圧縮した竜闘気をかめはめ波のように放つ(魔力は竜闘気の圧縮に使っているだけなので反射呪文(マホカンタ)でも反射できない)。
アルキード王国の人々を国ごと吹き飛ばす程の威力を持ち、竜魔人となったバランが撃つ際には拳が竜の口を思わせるフォームとなる。
消耗が激しく、バランでも3発は発動できない。

親子の比較


同じ竜の騎士であり、竜の紋章を持つ彼らには共通する箇所や対になる箇所がいくつか存在する。

内容バランの場合ダイの場合
最初に出会った人間アルキード王国の姫パプニカ王国の姫
紋章発動の始動キー大切な人の命が奪われた時大切な人の命を救う時
人間への嫌悪自国の姫の命を奪ったうえ平気で侮蔑した事自国の姫の命を奪おうとし、権力を手に入れようとした事
竜との戦闘単身で竜族の王と戦う単身で複数の竜と戦う
背負う剣歴代の竜の騎士から受け継がれてきた剣自分のために生まれてきた新たな剣
発動させる主な電撃呪文ギガデインライデイン
電撃呪文の魔法剣ギガブレイクライデインストラッシュ
など


余談

  • 名前の由来は、おうし座α星【アルデバラン】から。


  • 単身で討伐の旅に出発し、竜族の王を倒したという経歴はドラゴンクエストのアレフガルドの勇者と共通している。

  • 1991年版の最終話はオリジナル展開ということもあり、ダイが最後のアバンストラッシュを放つ際、絆の力を見せられたバランが怯え動揺するという珍しい表情が見られる。1991年版では一人称が「俺」になっている場面もあった。

  • アルキード王国を滅ぼしたバランが人間を見限るシーンでは、原作では普通の涙だったが、2020年版では血の涙(それも人間としての赤い血)になっており、よりバランが抱いた憎悪と怒りの強さを表現している。




関連タグ

ダイの大冒険 
ダイ:息子。 
ソアラ:最愛の妻。バランが愛した唯一の人間族の女性。
ラーハルト ガルダンディー ボラホーン竜騎衆
哀しき悪役 ダークヒーロー 必要悪 漢の中の漢 父親 実父
マトリフ:同作品において王宮に招き入れられたものの、嫉妬から冷遇された点が共通。
アバン・デ・ジニュアール3世:同じく、世界を救った英雄にも拘わらず、マトリフが語ったところの戦後国内政治の息苦しさも一因となり国を長く離れるに至ったかもしれないもう一人の勇者。こちらの英雄もまた報われたとは言い難かった。

セルゲイ・スミルノフ:石塚氏が演じるキャラ。息子とは和解出来なかったどころか息子に打たれたが、不器用な父親という共通のポジションを持っている。

浅野學峯薙切薊:速水氏が演じた週刊少年ジャンプ漫画の父親兼敵キャラ。

エクスカイザーダ・ガーン:速水氏がドラクエとはまた別の作品シリーズで演じていた『勇者』。

クライン・サンドマン:速水氏が演じた超重神グラヴィオンの『真の主役』。彼はバランと違い人間を憎むことはなかったが、彼自身セリアスとランビアスという2つの星を創星機「グランΣ」の力を解放したことで消滅させてしまい、その罪を償うためにグランナイツ達に真実を告げることなく自らの手で決着を着けようとする不器用な一面、子供と生き別れになり(サンドマンは自分の子供がいる事を知らなかった)後に再会したこと等の状況がバランに似てるところがある。

オルステッド:細かな経緯こそ違えど、周囲の人間達の手によって悪者扱いされ、愛する女性を亡くした点が共通。ただし、彼の場合は愛する女性からも批判・拒絶されるという、バランより悲劇的な状況である。

ガルドス・ランダル:速水氏が演じる、竜使いキャラ繋がり。

竜騎士

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