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他のバランについてはバランの記事を参照。


プロフィール編集

所属魔王軍超竜軍団(軍団長)
年齢不明
一人称
CV石塚運昇(1991年版)/速水奨(2020年版)

概要編集

竜の紋章

『竜の群れを束ねる軍団長が、ドラゴンより弱いとでも思ったか!!!』


魔王軍の中でも最強と名高い超竜軍団の団長を務めている戦士。


作中で主人公ダイが竜の騎士であることを突き止め、彼を自分の側に引き込むべく立ちはだかり、それを拒む彼を力ずくで従わせるべく死闘を演じることになる。


総合的な戦闘力はハドラーをも凌駕する。


経歴編集

竜騎将バラン

かつて魔王ハドラーが地上を脅かしていた頃、待ち望まれていたはずの竜の騎士は現れず、勇者アバンとその一行によって魔王が打倒される。当時バランは魔界に棲む冥竜王ヴェルザー相手に激戦を繰り広げていたからである(※)。(劇中描写の限りでは)単身で、地上界征服に着手しようとしていたヴェルザー一族と闘い、力の限りを尽くして倒す事はできたものの瀕死の傷を負ってしまう。地上へ戻り、アルゴ岬の竜の騎士の力を回復する奇跡の泉に到着する。 泉まであと一歩のところで、身体に力が入らず死を覚悟した瞬間、一人の女性に助けられた。


10数年前を描いた物語では、人類の手に負えないと判断した場合は自身がハドラーの討伐に赴くつもりだったことが発覚。

この時代の勇者秘術で一時的とはいえ魔王を封じたことを見届け、より強大な敵であるヴェルザーの討伐に向かうこととなった。


その女性はアルキード王国の王女ソアラであり、これを切っ掛けにバランはソアラと恋仲となった。当初、ソアラの父であるアルキード王は素性不明のバランを笑顔で受け入れ、城に迎え入れようとしていた。しかし、見ず知らずの男に次期国王の座を奪われることを危惧した家臣の一人が「バランは人間ではない。もしかしたら魔王の手下の生き残りかもしれない」と王に讒言。ハドラーの恐怖も記憶に新しかったこともあり、バランは城外へ追放されることになった。


事を知って城から抜け出したソアラから子供を妊娠したことを知らされ、バランは共に駆け落ちしてテラン王国の森へと逃げ延びる。夫婦となり、間もなくしてディーノを授かった。

竜の騎士は原則使命を果たすと子を成すことなくこの世を去るため、当時のバランは、『血塗られた戦鬼のような竜の騎士が、子供を授かったというのか……!?』と驚愕していた。当然、紋章を通して経験を蓄積する性質である竜の騎士と言えども【愛する人と夫婦になり、子を育む】ことを経験している者は誰一人としておらず、バランも赤子のディーノの子守に四苦八苦していた模様。


一年後。

ソアラを連れ戻さんとする王の手はテランまで伸び、とうとうバランたちの隠れ家が包囲される。力ずくで追手を振り切るぐらいは造作もなかったが、竜の力で人間を傷つけることを善しとしなかったバランは、妻子の安全の保証と引き換えに投降を申し出る。息子は遠い地に流刑となるも助命され、バランは公開処刑される運びとなった。

だが処刑執行当日、執行人たちのメラミがバランに放たれた瞬間、ソアラがその身を挺してバランを庇い、命を落としてしまう。ソアラは今際の際に「人間は臆病なだけだから、恨まないであげて」とバランに懇願するも、その直後「お…愚か者めが…。魔物をかばって死ぬとは…恥をさらしおって…!!」と名誉を傷付けられたことに憤るのみで、娘の死を悼むことすらしないアルキード王の態度に激昂。


「…恥さらしだと…!!? き…貴様ら…いったい…何様のつもりだあぁ~ッ!!!!」


怒りのまま竜の力を一気に解放し、その場にいた人間諸共アルキード王国を消滅させた。

その後、息子の行方を捜すバランだが、不運にもディーノを乗せた船は難破してしまい生死は絶望的となってしまう(2020年版アニメではプロローグで描写されている)。


「なんと…なんという自分勝手な生き物なのだ!!」

「私は…私は…こんなクズどものために冥竜王と命をかけて戦っていたというのかっ…!!?」

「人間が、こんなクズどもだとしっておれば…」

「守ってやったりはしなかった…!!!」


竜の騎士として守るべき人の醜さに失望したバランは、ディーノを捜索する中で魔界の神と出会い「まずは滅ぼすべきは人間ではないか」「地上を汚す存在でしかない人間を滅ぼし、そこに理想郷を築く」という呼びかけに応じ魔王軍に加入。醜い生き物である人間を抹殺することを己が使命とするようになった。これが超竜軍団を率いる『竜騎将バラン』の誕生の瞬間であり、バランの息子捜索の旅路の始まりであった。


とはいえバーンをして「説得し味方にひき入れるのに苦労した(本来なら敵対する間柄だが人間を滅ぼすまでは休戦協定を結んだ)」とのことで、この頃はまだ人間を滅ぼすことに迷いがあったようである。


人物像編集

性格は誇り高く厳格だが、それ故に頑固な面がある。また、竜の騎士と言う群れを持たずに強者として生まれたが故の、気高く自死も辞さない精神性は、逆を言えば群れのために個を棄てて生きる(武力戦力の上での)弱者の価値観に疎い。

一方で、赤子だったダイを寝付かせるのが苦手だったりするなど、戦士ではなく一人の父親として悩んだり子育てに試行錯誤したりという人間らしい一面も持つ。

その一方で、自分が倒した倒すべき相手には情を寄せない戦闘生物と言うべき気質が根付いており、長年探し求めた息子でも反抗されれば容赦しないなど危うさが付き纏う。


ただし、格下に対しては実力を見せつけた上で降伏や撤退勧告から入ることが多く、最初から殺害にかかる訳ではない。

クロコダインとの初戦でもあえて剣を使わず素手で圧倒した上で降伏を勧告しているほか、フェンブレンにも目を潰しただけで撤退を勧めている。

本格的な戦闘に入ってもある程度の手加減をすることが常であり、ヒュンケル曰く、決別したとはいえかつての同僚を手にかける事を躊躇っているらしく、レオナやメルルの回復呪文があったとはいえ、ヒュンケルとクロコダインは瀕死の重傷を負ったが辛うじて生きていた。


悲しい過去故に人を徹底的に憎み、人間の美点から眼を逸らして存在価値を認めない姿勢は何気に大人げないが、ヒュンケルにその矛盾を指摘された時は彼の発言を否定せずに葛藤している辺り、心の底ではわかってはいるのだが、理解したところでソアラが生き返らないという揺るぎ無い事実の他、ダイ達の説得やレオナの計らいによってやり直す機会を得られたヒュンケルと違い、当時のバランにはディーノ(ダイ)を取り戻す事しか道がなく、ヒュンケルの言葉を綺麗事と吐き捨てるのにも無理はなかった。

ヒュンケルも、真実を知ってなお、マァムの説得を振り払ってダイ達と対立し続けたことがあるため、バランの行いを一方的に批判する事はせず、バランの気持ちを理解した上で説得しようとしていた。


邪魔立てする者には容赦はないが、基本的に女子供には手荒なマネはしない。かつてソアラと出会った時も荒立てることを好まず、自ら縄に着いたことから人間らしい優しさの心を持ち合わせていたことも窺わせている。それだけに、守るべき人間に(嫉妬と猜疑心で)裏切られ、愛するものを目の前で奪われたことによる怒りと悲しみ、そして憎悪が強かったのだ。また、腹心の部下であるラーハルトとは人間から理不尽な迫害を受けたという境遇の一致から心を許しており、後にラーハルトに残した遺書の中で「もう一人の息子」と綴るなど親子に近い関係だった模様(2020年版ではラーハルトとの出会いのシーンが描かれており、この時には父親らしい表情を見せていた)。

現に、投げ込まれた鎧の魔槍がライデインを阻んだのを見て、ラーハルトが邪魔をしたと思い込んで激しく動揺しており、彼に対して強く信頼している事が窺える。ヒュンケルが鎧の魔槍を装備しているのを見ると彼がラーハルトから奪ったと決めつけ、ラーハルトが自ら譲渡した事を聞かされて信じられない様子だった(遺書を残したのは改心後だが、ダイ達と戦っている間はたとえ竜魔人状態でもラーハルトを批判する事はなかった)。


人間を憎んではいたが決して侮る事はなく、人間相手に驕り嘲笑う竜騎衆達に、再三再四、死を覚悟した人間の潜在能力の強さを挙げて忠告している。ポップの足止めがなければ、竜騎衆を勇者パーティと戦わせている間に息子を取り戻す作戦を建てていた事からも慢心している様子もない。

事実、終始人間を侮っていたガルダンディーとボラホーンは、その人間相手に敗北し、ボラホーンに至っては更に人質を取るという卑怯な事をしてラーハルトから粛清されている(ラーハルトも人間を侮っていた所もあったが、ヒュンケルの方もラーハルトを侮っていた事もあり、全力を持って戦って追い詰めている)。

また、ダイ達の強さの秘密は仲間との絆であると分析し、脅威になると判断しているため、群れる事に対して理解がないわけではない。ただ、戦わない形の生きるため助け合うの結束や社会や組織のと言う価値観には疎いのである(バラン自体、単独でも生きるだけなら困らないため。ちなみにこの価値観をより高いレベルで独善に拗らせているのがバーンである)。


上記にも述べているが、ポップを「犬死に」と吐き捨てたり、ダイに容赦しなくなったのも竜魔人の時であり、普段の時は人間に対する憎悪はあるがまだ理性的な言動をしていた(ダイに人間の醜さを問いかける時も、聞き分けのない息子を叱りつける父親のような言動である)が、竜魔人の時にはかなり過激な言動が多くなっている。

2020年版では、それがよりはっきりとしており、竜魔人の時にはおぞましい声音になっており、この状態でダイを迎え入れようとする時には通常時の声音で優しく語りかけていた。

また、通常の状態でクロコダインを「人間の犬」と蔑む台詞がカットされている。


劇中でヒュンケルも推理しているが、竜魔人になってからダイの紋章が右手に移るまでは人の心がほんの少し残っており(バラン自身もポップに「ディーノと対面して人の心が強くなっている」と説明している)、それまでは強硬手段を取るがダイを取り戻す事を執心していたが、右手に紋章が移ったダイに挑発されてからは本気でダイを殺すつもりで攻撃し、嘲笑う言動を取っている。


また、ダイを仲間から引き離そうとする様を「毒親」と表現する読者や視聴者もいるが、幼少期は神の子供として崇められ、他の親子関係もアルキード王とソアラという極端な事例であり、まともな親子関係を体験、または見ていない事も一因である(育児が四苦八苦してしまうのもそのため)。

歴代の竜の騎士の経験を受け継いだバランが親子関係と育児が拙い所を見るに、バランに限らず、ダイ以外の歴代の竜の騎士も普通の親子関係を体験せず、見ていない事が示唆される。

ましてや長年生き別れた血の繋がった息子であり、最愛の妻の忘れ形見である。父親としても如何なる手段を取ってでも取り戻そうと考えるのも無理もない話であり、それを邪魔する者がいれば怒りをぶつけるの自然な行為である(もっとも、取り戻した後は人間抹殺の尖兵にするつもりであったため、ポップ達が死に物狂いで阻止しようとしたのだが……)。


だが、息子であるダイにしてみれば、このときのバランは息子の考えを全否定し、自分の考えを押しつけ、ダイの思い出を奪い去り、あろうことかダイの親友ポップを死に追いやるという、紛う事なき最悪な父親であった。如何に息子を思っての行動とは言え、あまりにも独りよがりなやり方であった。

記憶を取り戻したダイに対して「そんなゴミどものことなど覚えている価値はない」と再び記憶消去をする様は、ヒュンケルをして「鬼だ…!」と独白させたほど。


ある意味で、初期のバランは”親”という存在の負の側面を体現しており、親が子を思う気持ちが必ずしも子供にとって良い影響をもたらすわけではないという事実を読者に伝えている。

ダイと引き分けに終わって自分の考えを改めた後も、敢えてダイと敵対する態度を示し、ダイに討たれるつもりであったため、これもやはり息子の思いを無視したバランの不器用さによるものだろう(これが仇となり、後にヒュンケルが再起不能になってしまう羽目になる)。


もっとも、魔王軍として多くの人の命を奪ったもののダイ達に受け入れられたクロコダインやヒュンケルと違い(特に、ヒュンケルは自分が滅ぼしたパプニカ王国の姫であるレオナに赦されている)、バランは既にアルキード王国、リンガイア王国、カール王国の三国を滅ぼし、ベンガーナ王国やテラン王国にも被害を及ぼしている。これだけの事をしてしまった手前、今更人間の味方になる訳にもいかず、バランも「…いまさら…生き方を変えられん…大人とはそういうものだ…」と発言している(上述にもあるが、ダイとの共闘を進み出たのも、自分を庇って戦線離脱したヒュンケルの心意気に答えるためである)。


ポップの行動とダイと相討ちになってからは人間の心について考えを改めており、上述にもあるが、2020年版では「犬死に」と評したポップの決死のメガンテを、人間の心の強さによるものと再評価したと思われる描写がある。

ラーハルトに宛てた遺言状にも「息子は人間を変えていく力があると見込んでいる。だから息子が人間のために戦うなら黙って従ってほしい(決断は任せる)」と本心を綴っている。


また、表面上は侮ることはなくとも、格下と見た相手には真っ向から全力や策を出させて受け止める、横綱相撲とも言うべき悪癖がある。

カールでは最強の戦士とは最初は剣のみで戦い、フェンブレンや超魔生物化したハドラーには策や実力を見誤っている(尤も、忘れそうになるがダイの大冒険はダイがデルムリン島から旅立ってから大魔王バーンを倒すまで僅か3ヶ月程の物語であり、バランが魔王軍を去ってから再びハドラーと対峙するまでの長く見て二ヶ月程、そんな短期間で心身ともに生まれ変わることを予想するのは、それまでのハドラーの実力を知っているほど難しいだろう)。

手の内を知り、自分の突破法をつけるクロコダインにはバランも竜闘気全開の隙のない姿勢で臨んだが、フェンブレンにはバギクロスの発動を許してしまい、危うく死傷をもあり得た失態を犯している。


活躍編集

竜騎将バラン編集

城塞王国と呼ばれたリンガイア王国殲滅の命令を受けてから1週間で滅亡させ、その事を知ったフレイザードザボエラを震え上がらせた。ハドラーの呼びかけで鬼岩城へ戻った際は蘇生液に浸かったクロコダインを見てダイという少年について恐るべき相手として興味を持つ。しかし、ダイが竜の騎士であることを知っていたハドラーは「もしこの事実をバランが知れば、当人の意思を無視してでもダイを魔王軍に引き込み、その功績をもってさらに出世を重ねる可能性がある」と見越し、保身のために隠蔽していたため、彼からは会う度に警戒されることが多かった。ハドラーが新たな肉体を授かりベギラゴンを会得した後は「魔軍司令殿の地位はしばらく安泰か」など、その胸中を見抜いたような独白をしている。


バルジ島にいるフレイザードの援軍として魔王軍総攻撃に参加しようとするが、例によってハドラーに止められ、魔影軍団に代わって屈強な騎士団を有するカール王国の侵攻を命じられる。自分とダイを会わせまいとしていることを察しながらも「魔軍司令殿の顔を立てよう」と命令に従い、カール王国の攻略へと向かう。


その後、バルジ島の戦いから撤退したザボエラと合流。難関と言われたカールの攻略を5日間で完了させ、ザボエラには「化け物」と恐れられた。

その際にザボエラから「軍団長を次々と倒した少年」の話を聞き興味を抱く。そして不思議な力について聞くとハドラーの真意を看破。

今度はハドラーの制止も振り切りベンガーナ経由でテランに向かったダイを追う。


テラン王国の竜の騎士だけが中に入ることのできる竜の神殿で成長したダイと邂逅。竜の騎士の務め、人間の醜さを淡々と語った後に魔王軍に誘い込む。それに対して「魔王軍の手下になんて・・・死んでもなるもんか!」とダイの強い意志は変わらず、直後に彼から「アバンストラッシュ」を受けるも全くの無傷で耐えた。この攻撃を受けてもはや説得するのは不可能と考えたバランは「できれば傷つけたくは無かったが…おまえがそういう気持ちならば力ずくでも連れて帰るぞっ!!!」と心を鬼にして紋章の力で彼を神殿ごと吹き飛ばした。

吹き飛ばしたダイを追い、地上に出てポップレオナも交えての戦いになる。

この際ポップの重圧呪文「ベタン」をものともせず、ダイに必殺剣「ギガブレイク」を放ち戦闘不能状態にしている。非難するレオナとポップに対して、『親がをどうしようと勝手のはず・・・』と告げる。

そして、ダイが11年間捜していた実子であること、ダイの本当の名前を明かす。


直後、救援に現れた獣王クロコダインと戦い、竜闘気を集中して首を狙った一撃を棒立ちで防ぎ、徒手によるラッシュを仕掛け、右腕に大ダメージを与え追い撃ちで目蓋にもダメージを与え出血で視界を塞いだ。

その後、「ベホマ」で回復したダイの「アバンストラッシュ」とクロコダインの「獣王会心撃」を同時に浴び、竜闘気でも防ぎ切れず流血。その力に危機感を覚え、竜の紋章を共鳴させ、思念波によって記憶を奪い取った。しかしバランも負担が激しかったため一時撤退する。


数日後、奇跡の泉で体力を回復させると息子を奪還すべく、竜の騎士直属の部下「竜騎衆」と共に万全の戦力で進軍。足止めのため単身で挑んできたポップを竜騎衆に任せ、自身は一足先にテランを訪れ、ダイの防衛のため立ち塞がるレオナとクロコダインの前に現れる。


先に単身でポップが挑んできた事を語り、「有効だが随分と残酷な策を打つ」「無謀だ」と評するが、逆に「ダイなんて引き渡してしまえばいい、どうせ人間じゃないんだ」と心にもないことを言ったうえ敵前逃亡のふりをし、嫌われてまでダイのために立ち向かったポップの真意を悟ったクロコダインは「俺はなんたるバカだ、お前の真意も知らず本当に逃げたと思ったとは」「あの世であったら好きなだけ殴れ」と独白、「我が心の迷いは晴れた」と決意を固め、奮起してバランに挑む(この時、ポップの単独行動をクロコダインかレオナの入れ知恵かと考えていたが、武人気質なクロコダインがそんな作戦を考え付くとは思えないと評した一方、人間のレオナに対しては辛辣である。もっとも、元同僚で人格を知っているクロコダインはともかく、レオナはほぼ初対面なので辛辣な印象を抱くのは無理もない)。

バランの消耗のために捨て石となる策に痺れを切らし出した頃に竜騎衆を打ち破って救援に現れたヒュンケルから「お前の愛した女性もまた人間だった」と説得の言葉を向けられるが、葛藤の末に戦う道を選び竜魔人に変身。人の心を捨てた魔獣と化す。

圧倒的な力でその場にいた全員を打ち倒し、ついにダイと対面する。ダイから「怪物みたいだ」と言われた際にはさすがにショックを受けたが、紋章同士の共鳴を利用して親子であることを示す。だがそれを見咎めたポップの捨て身の自己犠牲呪文によりバランは窮地に陥る。不幸中の幸いというべきか、ポップの技量が未熟だったため爆発の瞬間に拘束が弱まり、振り解き難を逃れる。

しかしポップの死を目の当たりにしたことでダイは記憶を取り戻してしまい、更にポップの死体を「犬死にだ」と投げ捨て侮辱(※)した事で激怒したダイが参戦。

この時、バランの追撃からポップとゴメちゃんを守るダイの姿は、バランを庇ったソアラの姿を彷彿とさせ、バランに怒るダイの構図も、アルキード王国に怒るバランの姿を彷彿とさせる。


※この振る舞いはバランが人間に失望したきっかけであるアルキード王と同様であり、人の心を捨てた結果、アルキード王と同じ様な事をしてしまうのは皮肉である

もっとも、ポップのメガンテが失敗したのは揺るぎ無い事実であり、端から見れば命懸けの特攻が失敗して無駄に命を散らした様にも見えるため、バランでなくても「犬死に」、またはそれに近い表現で判断されるのも無理はない(アニメではカットされたが、現にクロコダインも「(バランにメガンテが効かなかったら)ムダ死にするかも知れんのだぞッ!」と発言している)。

尚且つ、この時のバランは直前に心の傷を無闇に触れられて怒り心頭だった事に加え、竜魔人状態のため、人としての情が薄れつつある事も、その台詞を吐いた一因である事も忘れてはならない。

また、メガンテをまともに食らえば竜魔人でも無事では済まないため、ポップの腕を引きちぎろうとしていた(原作では、発動直前まで引き剥がす描写までがなされなかったが アニメ版では会話している間もポップの腕に掴みかかり、必死に振り解く描写が加えられた)。バランとしても危ないところであったため、竜騎衆を足止めされた事も含め、ダイとの再会を悉く邪魔してきた人間として、この時のバランのポップへの印象は最悪だったと言える。


「そんなゴミ共の事など覚えている価値はない!!」

「再び記憶を消してやる!! 二度と甦ることの無いようにな!!!」


再びダイの記憶を消そうとするが、ダイの紋章が額から右手に移ったため失敗。数千年間、紋章が額以外に現れる事例などなかったため驚愕し、人間の…ソアラの血がそうさせたと思い至る。


(ソ…ソアラよ! おまえまでが…私が間違っているというのか…!!?)


「…ふ…ふざけおって…!! 子供が親に勝てるものか…!!」


「図に乗るなァァァ!!! この餓鬼めがあぁぁッ!!!!!!!!」


そして竜の騎士同士の壮絶な親子喧嘩が展開される。バランは息子という事で無意識の内に力をセーブしていたが、ダイの思わぬ奮闘に幾度もダメージを受け、次第に激情を露わにしていく。ダイの方もポップを失ったことで怒りに駆られており、バランに対して挑発的な言動を繰り返していた。結果、バランは息子であろうとも本気で殺すつもりで戦うようになってしまう。

ダイを手強いと見たバランは奥の手であるドルオーラを放ち、ダイの姿が消えたことで勝負を決めたつもりになる。


「グフフフフッ…燃え尽きよったか…」

「グハハハッ…」

「グワ―――ッハッハッハ!!!」

「ガハハハハッ…ハッ!!?」


しかしダイはドルオーラを耐え凌ぎ、バランは魔法力を大きく消費してしまう。

それでも武器の力の差でまだバランに分があったが、クロコダインやヒュンケルの奮闘により更に魔力を消費してしまい、ギガデインすら撃てなくなる。それでもバランは、ダイがヒュンケルから鎧の魔剣を受け取っても優位であると察し、ライデインを用いた簡易型のギガブレイクで勝負を付けようとする。

わざと隙を作ることでダイの攻撃を誘発し、その一瞬を利用してダメージを与え優位に立つ。だがトドメのギガブレイクを放つ瞬間、死体だったはずのポップが呪文を放ったことで動揺。「バッ…バカなあッ!!? 死人が呪文をぉッ!!?」とダイから完全に注意を逸らしたことで隙が生じ、ダイの全竜闘気を込めた鎧の魔剣によるライデインストラッシュが迫る。バランも咄嗟に反撃したが、一瞬早くダイの一撃が決まったことで、自身の信頼する武器」真魔剛竜剣」すらはるか格下の武器に折られた挙句大ダメージを受け人間の姿へと戻った。ダイはまだ戦うつもりだったが、バランの方からもうお互いに戦える状態ではないと痛み分けを提案する。


(…皮肉な話だ…)

(竜の力と魔族の魔力と…人の心…)

(竜の騎士に与えられた3つの力のうち、最もくだらぬと思って捨てた〝人の心〟に…)

(これほど強く、うちのめされようとは…な…!)


捨て去った人間の心に手痛く打ちのめされた事で己の過ちを悟り(2020年アニメ版では、死んでいるのに呪文を放った事だけでなく、決死のメガンテの事も頭に思い浮かべながら悟っている)、ポップに竜の血を与えて復活させる。


「…ディーノよ…もはや何も言わん。おまえはおまえの信じた道を進むがいい…」

「だが…! この世に竜の騎士は二人も要らん!!」

「我が剣が蘇り、傷の癒えた時こそ雌雄を決してやる!!!」


去り際にそう言ったものの、内心では「息子に討たれる事で罪を清算する」と考えるようになっていた(ヒュンケルには見抜かれていた)。同時に魔王軍に組する気もなくなり、戦意を喪失する。

ちなみにテラン城の戦いはミストバーンとキルバーンが密かに観戦しており、これらの一件はすべてバーンへと伝えられたようである。その結果、バーンには「余のために人間を殺す気はなくなった(ダイ以外のことで動く気はない)」と見られるようになった。


2020年アニメ版では戦闘シーンが大幅に追加されており、ダイを恐怖させて心理的優位に立っていた。ダイを殴り飛ばして地面に叩きつけた後、ギガブレイクでトドメを刺そうとするがポップの呪文によって阻止され驚愕。


その間に態勢を立て直したダイに接近され、アバンストラッシュとギガブレイクの激突となる。

押し合いへし合いの末に真魔剛竜剣を折られ、魔剣のアバンストラッシュで胸を斬り裂かれ戦闘不能となった。


またポップが竜の血で息を吹き返したのを確認すると、「見かけによらずしぶとい男だ」とポップを評価する台詞が加わっている(同時に竜の血で必ず生き返る訳ではないという説明にもなる)。



竜の騎士バラン編集

ダイに負わされた傷の治療と真魔剛竜剣の修復に時間を要するため、人里離れた洞窟に潜伏していたが、彼を危険視したバーンから暗殺命令を帯びてやってきたキルバーンが現れる。そしてバランは、バーンの本当の目的が地上の消滅にあると知る。バランはそれを地獄と呼び、キルバーンを一蹴。胴体を切断して返り討ちにする。

仮に自分が全力で戦ってもバーンを倒せないと知りつつも、竜の騎士の使命と息子ダイを守るため死の大地に向かうことを選んだ。

なお、この時点でバランは「戦線離脱者」と魔王軍に周知されていた。


探索中、チウをいたぶるハドラー親衛騎団の僧正フェンブレンを発見。両目を真魔剛竜剣で貫き撤退させる。

その後、ヒュンケルとクロコダインに遭遇。自身の胸中を見抜き、自殺行為同然の単独行動を阻止しようとするヒュンケルと一騎打ちになり、互いに必殺の決め技で決着をつけようとしたその瞬間に、親衛騎団の女王アルビナスが一挙に二人を始末しようと横槍を入れる。先の先で仕掛けたバランはもはや技を止めようもなかったが、後の先の必殺技の構えだったヒュンケルはその無刀陣の矛先をバランからアルビナスに変更することで、バランとアルビナスの技をノーガードで浴びながらもアルビナスに大打撃を与え撃退。その際に生じた大爆発からバランはヒュンケルとクロコダインを救うが、本当に命を救われたのは誰なのかは明白だった。バランは命を救われた代償として、ヒュンケルに再起不能同然の傷を負わせてしまうこととなった。


当初、バランはヒュンケルの言葉を口先だけのきれい事と見ていた。だがしかし、命を救われたことで紛れもなく真実の想いであったことを悟る。心乱されながらもバランは己の敗北を認め、クロコダインに問い掛ける。


バラン「…クロコダインよ…私はどうすれば良いと思う…? 何をすればこの男に報いてやれるのだ?」


本来であればクロコダインが言うべきことは一つ「ダイ達と共に力を合わせて戦ってほしい」である。

しかし…


クロコダイン「オッ…オレに聞かんでくれぇッ!」


クロコダインは吠えた、恥ずかしながら自分はバランとバーンが潰し合う方が人間には都合がいいと考えていた、どのみち自分ではそれを止める事などできないからと

しかしヒュンケルはバランを止め、ダイたちと足並みを揃えさせるためだけに命を賭けたのだと。


クロコダイン「オレには何も言う資格が無いっ!! 今はただ…この不器用だが万人に誇れるオレの友の…! 心意気だけを汲んでやってくれっ…!!!


その言葉の通りバランは戦闘不能状態のヒュンケルに代わってダイたちに合流する。だが先の仕打ちからダイは沈黙を保ち、とても共闘できる雰囲気ではなかった。ダイには「竜魔人のバラン」のイメージが強く焼き付いており理知的ではないとまで見られていた。

そこで自身から『何か話さぬか?』と歩み寄り、息子から母親がどういう人だったのかと問われる。バランは「ただそこにいるだけで皆が温かい気持ちになれる…そんな不思議な輝きに溢れていた……あれほど深く人を愛する事は…もうあるまい…!」と答え、父親も人を愛せる人物だったと知ったダイはやっと警戒を解いた(それでもまだ「強さだけなら誰よりも信じている」という心境だった)。


二人の力で魔宮の門を砕きに向かうが、そこへ雪辱を胸にフェンブレンが立ち塞がる。一度撃退したことで格下と見ていたバランは油断から不意を突かれるが、そこをダイの剣によって救われる。成長した息子の力を認めると同時に、二人の力で魔宮の門を突破。その先でパワーアップを果たし超魔生物となったハドラーと対峙する。当初はハドラーを甘く見ていたが、ダイを退けたことで「恐ろしい男になった」と認めた。

その体内に埋まっていた「黒の核晶」の誘爆を避けるため思うように戦えなかったが、ギガブレイクと超魔爆炎覇の打ち合いに勝利し、ハドラーの首を斬り付ける。しかし、キルバーンを返り討ちにした際に剣の切れ味を鈍らされていたためハドラーを倒すだけの威力が出せずに失敗。その際に地獄の爪で反撃されるが、庇いに入ったダイが重傷を負ってしまう。怒れるバランはダイを眠らせ、二度とならないと誓った竜魔人に再び変身する。


その力はハドラーを完全に圧倒し、更に自身の竜闘気によって核晶の爆発を防ぐことに成功する。これにはバーンも驚嘆した。

だが、闇の衣を解放したミストバーンの魔力で核晶が起爆、自らの全ての力と命を代償にダイ達を守り抜いた。ダイとの最期の別れを迎えた直後、現れたバーンのメラによって遺体は焼き尽くされてしまった。我が身を挺して家族を守り、炎の中へと消える……その最期はバランが愛した妻と同じものであった。


「私は真の竜の騎士ではない…………力も魔力もあったが、心が無かった。しかし、おまえにはそれがある。おまえをここまで育ててくれた怪物(モンスター)というのは、私などよりも遥かに正しい…人の心を持っていたのだろうな……私の死などで泣くことは無い……おまえにとってはそのお方こそが本当の父親なのだ!」と息子に言い残し、最期を迎えた。もはや意識も残されていなかったが今際の際ダイに最初で最後「父さん」と呼ばれた。

遺体はバーンによって焼き尽くされ滅したが、その魂はダイと共にあった。ダイがバーンに敗れて聖母竜が迎えに来た際に姿を現し、バーンを討つための希望としてダイを復活させてほしいと『母』に懇願する。


聖母竜の前に対し竜の騎士が子供を授かったことを「竜の騎士の限界を悟った神が与えてくださった最後の希望」「力ではなく魂で悪を討つ。そのために神が授けたのではないか」と述べている。


バランの説得を聞き入れた聖母竜は、精神体として残されたエネルギーをダイに与え、復活させたのだった。


「……ダイよ。これからはおまえが竜の騎士の歴史を作っていくのだ。愛する女性と子を作り、育てて……」

「そのためにも必ずバーンを倒せ! おまえになら……できる…!!!」

「おまえは一人ではない。仲間がいる。そして私も……ソアラも……常に…一緒だ…」


自分にはできなかったことを成し遂げて幸せになってほしい。竜の騎士として、そして父として息子に言葉を送り、こうして最後の竜の騎士バランは聖母竜と共に姿を消した。

しかしバランの竜の紋章はダイに受け継がれ、死後も幻影として現れて彼を奮い立たせ、バランの遺言に従ったラーハルトがダイの下に馳せ参じ、大魔王との闘いに挑む息子を助けるために最後の味方を向かわせた。


「ダイ…今こそ、おまえも太陽になるのだ! 仲間たちを、地上を輝き照らす太陽に…!!」


息子を助けるために向わせたモノにバランの魂が宿ったような描写があるが、魂を込めた一振りも竜魔人とバーンの激突に耐え切れず折れてしまい、バランの魂も消えてしまった。しかしこの時の一撃でバーンの片腕を破壊しており、これがダイの勝利に大きく貢献することとなった。



1991年版編集

原作同様の経緯でダイと相見える。しかし打ち切りが決まったため展開が大きく改変されている。

紋章の共鳴を利用してダイの記憶を奪おうとしたが、ゴメちゃん、ポップ、レオナ、クロコダイン、そしてこの場にはいないブラス、マァム、ヒュンケルたちの想いと絆によって生まれた剣と、それから放たれたアバンストラッシュを受けて敗北する。だが殆ど無傷で姿を消したにすぎず、遠目から「ディーノは既に私に匹敵する力を持った。これが友情の力か……しかし、この次に会う時は、対等の力を持つ敵として相見える。油断はせんぞ、我がライバルよ!」とつぶやいて立ち去って行った。

このため1991年版ではラスボスを務めた。


漫画版クロスブレイド編集

5巻から登場。ただしどの時間軸のバランがこの世界に来たのか不明であり、ヒュンケルとの対決前か対決後かは読者の想像に任せる形になっている。


主人公ユウキたちは“ヤバいモンスターが守るお宝”があると言われている森に向かうが、そこにいたのはゴーストのゴーシュであった。彼は亡き父親が遺した宝を守り続けていた。しかし宝がどこにあるか分からないとしてユウキたちは捜索を手伝うことに。

そこへ宝を狙った悪党カンダタが森を放火してしまう(金銀財宝なら燃えない、更地にした方が探しやすいため)。彼こそゴーシュの父親を殺した仇であり、今度はゴーシュも手に掛けようとする。だがそこへ駆け付けたバランによって阻まれ、ダイとのスペシャル連携(同時攻撃)でカンダタを撃破した。

去り際にバランは「ゴーシュの父親の宝は『息子』だ。責任を感じさせないために言わなかったのだろう。良い父だな…」と言い残して姿を消した(ゴーシュが人間たちに虐められないように嘘のうわさを流したところ、尾ひれがついて財宝があるという風になってしまったらしい)。


6巻にて再び登場。ユウキたちを守るべく大魔王バーン(老人)と激突する。ただしダイたちの力は認めておらず、自分一人で戦いに出る。

バーンのカイザーフェニックスを真魔剛竜剣で斬り裂くという活躍を見せるが、実力はバーンの方が上回っていた。真魔剛竜剣の連続攻撃を素手で防がれバランは殴り飛ばされる。そこをミストバーンとキルバーンの二人から攻撃され窮地に陥る。


その様をキルバーンから「情けない姿」と嘲笑われるが、ダイは「どんな姿だろうと俺の大切な人だ!」と吠えて加勢に入る。

息子の成長を認めたバランは、竜の牙を握り締めながらダイに触れる。これよにより二人は竜魔人に変身し、親子かめはめ波ならぬ親子ドルオーラでバーンたちに逆襲する。しかし大してダメージを与えた様子がなく、ダイも竜魔人化が解け慣れない力の反動をモロに受けてしまう。

内心では焦るバランだが、バーンは哄笑を上げ「この世界での戦いには満足した」と言い残し、クロブレの世界から姿を消した(メイロは「向こうの方がピンチだった!」と憤慨していたが真相は定かではない)。


6巻ではロムドラドの極大召喚によって原作最初期のハドラーが出現。凄まじい巨体を誇っていたが超魔ハドラーの一撃で怯み、そこをダイとバランの合体攻撃で撃破した。


7巻の最終決戦ではユウキたちに加勢すべくクロコダインらと共に参戦した。


使用した武器、呪文、特技編集

竜の騎士に代々受け継がれている竜闘気の衝撃に耐えうる武器。神が作ったとされるオリハルコン製の片刃の大剣で、自己修復能力を持つ。 ※ロン・ベルクはこの剣に匹敵する武器を作ることが最大の目標であった。


  • 兵士の槍

一般的に普及している兵士用の槍。※1991年版で奇跡の泉に向かう時に杖代わりに使用した。


  • 格闘

己が鍛えあげた身体能力から繰り出される武術。


  • 布の服

ごく一般的に普及している布製の衣服。動きやすいように袖が短くなっているのが特徴。


竜の騎士の額に輝く竜を模した紋章。人間との混血であるダイの紋章は手の甲にある(元は額にあったが、自力で移した)。

ダイとの初戦では紋章同士の共鳴を利用することでダイの記憶を消し去ったが、バラン自身もかなりの負担がかかるようで撤退している。


竜の騎士の基本にして最大の能力。竜の紋章が輝くとき、生命エネルギーの気流が体を覆う。

攻防どちらにも優れ、メガンテ以外のあらゆる呪文を受け付けず、クロコダインの渾身の一撃さえ棒立ちで防ぐがそれを上回る力で攻撃されるとダメージを負ってしまう。現に彼自身も「私がクロコダインを徹底的に叩いたのは奴のようなタイプが一番恐ろしいからだ。竜闘気をもってしてもそれ以上の力で攻撃されれば私の体も傷つけられてしまうからな・・・奴の様に力や闘気を持って戦うタイプが一番怖い」と発言している。

ダイとの二度目の戦いでは、竜闘気だけでは防げないと判断したのか両手を構えることで拳打を受け止めようとしていた。この戦いでダイもまた同じように竜闘気と両腕を防御に使用している。


竜の紋章に力を集中し、貫通性の光線を放つ技。全開で放てばをも砕くほどの威力を持つ。剣の技では自分に引けをとらなかったカール王国最強の騎士ホルキンスを一撃で沈めている。


  • 竜の牙(ドラゴンファング)

左目を覆う形で装備している、ドラゴンの頭を模した装飾品。これを天に掲げて雷を受けることで竜魔人に変身するほか、ダイやハドラーとの戦いでは隙を作るため攻撃に使った。

漫画版クロスブレイドでは、これを握り締めたままダイに触れることで共に竜魔人化した(クロスブレイドの世界だからこそ出来た芸当とのこと。ドルオーラを撃っただけで二人とも元の姿に戻ってしまった)。


雷雲を呼び寄せ、強力な電撃で攻撃する呪文。

ライデインはレオナへの牽制に使用した他、ダイたちとの二度目の戦闘の際には仲間の捨て身の援護により魔力を大きく消費してしまいギガデインを使用できなかったため、ライデインで代用してギガブレイクを発動させている。

ギガデインは電撃系最大の呪文だが、剣に纏わせるために使ったのみで、直接相手に当てる使い方をしたことは無い。


真空の刃を巻き起こす攻撃呪文。レオナに対して発動。


瞬間移動呪文。自身が行った事がある場所なら瞬時に移動できる。発動する際は、目的地をイメージするのがコツ。


飛翔呪文。魔法力を放出することで空中移動を可能とする。魔法力が続く限りどこまでも飛翔する事ができる。


睡眠呪文。バランは竜魔人となった姿をダイに見せないために使用。ある程度以上のレベルの相手には効きにくい呪文だが、重傷を負っていたダイにはこの呪文の効果があった(ダイが眠った後 『相変わらず、寝かしつけるのが下手だな・・・』と昔の頃を思い出した)。


ギガデインを纏わせた電撃呪文の魔法剣。ハドラーに「オレの首ひとつ刎ねられぬ威力だとは絶対に思えん」と言わしめる凄まじい威力を持つ。

後に『ドラゴンクエストⅧ』にて主人公の隠し特技(ゆうきのギガデインと剣のギガスラッシュを覚えると揃ったタイミングで会得する)として逆輸入される。

ダイとの決戦では魔力を消耗してしまったため、ライデインを用いた魔法剣を発動させた。


竜の騎士の究極戦闘形態。圧倒的な戦闘能力に加え、変身すると血が青く変色する。

竜の騎士の中の3つの力の内、『竜の力』が強く作用するため、バラン自身の人間に対する憎しみも合間って彼自身でも制御しきれるかどうか分からないという程の力を見せ付けるに至った。

かつてダイとの戦いで変身した後、二度とこの姿にはならないとの誓いを立てるが、黒の結晶を抑え込むために誓いを破った。


竜闘気砲呪文。魔力で超圧縮した竜闘気を放つ(魔力は竜闘気の圧縮に使っているだけなので反射呪文「マホカンタ」でも反射できない)。

竜魔人となったバランが撃つ際には拳の構えが竜の口を彷彿させるフォームとなる。

消耗が激しく、バランでも3発は発動できない。



親子の比較編集


同じ竜の騎士であり、竜の紋章を持つ彼らには共通する箇所や対になる箇所がいくつか存在する。


内容バランの場合ダイの場合
大切な女性アルキード王国の姫パプニカ王国の姫
竜の騎士の血脈代々受け継がれてきた正当な竜の騎士人間との間に生まれた新たな竜の騎士
紋章発動の瞬間大切な女性の命が奪われた時大切な女性の命を救う時
人間の手によって奪われたもの愛する妻と子大切な友達
人間への嫌悪自国の姫の命を奪ったうえ平気で侮蔑した事自国の姫の命を奪って、権力を手に入れようとした事
人間との隔たり一国の家臣達から異形の者と恐れられる一国の民達から異形の者と恐れられる
人間への価値観憎むべき対象守るべき対象
竜との戦闘単身で竜族の王と戦う単身で複数の竜と戦う
対峙した戦士から感じ取った精神正義を貫く献身正義を憎む心
第三者の視点に立って得たもの強者弱者を痛めつけることの醜さを知る種族の垣根を越えて堂々と付き合う事ができる可能性を知る
背負いし剣歴代の竜の騎士から受け継がれてきた剣自分のために生まれてきた新たな剣
発動させる主な電撃呪文ギガデインライデイン
操る闘気竜闘気光の闘気、竜闘気
電撃呪文の魔法剣ギガブレイクライデインストラッシュ
自分の力で手に入れた宝物妻と子友達

など


小話編集

  • 名前の由来は、おうし座α星【アルデバラン】から。


  • 1991年版の最終話はオリジナル展開ということもあり、ダイが最後のアバンストラッシュを放つ際、絆の力を見せられたバランが怯え動揺するという珍しい表情が見られる。1991年版では一人称が「俺」になっている場面もあった。

  • アルキード王国を滅ぼしたバランが人間を見限るシーンでは、原作では普通の涙だったが、2020年版では血の涙(それも人間としての赤い血)になっており、よりバランが抱いた憎悪と怒りの強さを表現している。

  • 息子への父性愛やヒュンケルに説得されるなど改心した様子こそ窺えるが、実は罪もない人間たちを殺した罪悪感や反省といった心情は一切描写されていない。この辺りはラーハルトも同様である。

火力強めの父




作中の関連人物編集

家族編集

ソアラとの間に設けた最愛の息子。


最愛の妻。

バランが愛した唯一の人間族の女性であり、ソアラの父やその配下達が彼女の命を奪った事からバランは人間を憎悪するようになってしまった。


魔王軍編集

魔界の神の二つ名を持つ魔王軍の総支配者。

人間によってソアラの命が奪われ、バランの必死の捜索も虚しくディーノを見つけることができなかったことにより人間に絶望・憎悪していた所をバーンが勧誘したことから、バランは魔王軍への加入と人間を滅ぼすことを決意した。


勇者によって討伐されるまでは世界を脅かした魔王であった魔軍司令を務める魔族。

魔王軍内のカーストとしてはバランより上なのだが、バランの竜の騎士としての戦闘能力は勿論のこと、デルムリン島で交戦したダイバランと同じ竜の騎士(バランの生き別れの息子)であることを悟ると、『バランがダイを自分の右腕として魔王軍に引き入れる事で、(カーストとしての)パワーバランスが崩れて自らの地位が脅かされえる』という事態を恐れていたため、バルジ島では理由をつけてバランをアバンの使徒殲滅の作戦に参加させなかった。


バランの親衛隊である『竜騎衆』のメンバーにして配下。

特にラーハルトにはその境遇から感じる物があったのか、血縁関係こそないがもう一人の息子として信頼している。


どちらもかつては百獣魔団と不死騎団の軍団長であったが、ダイとの戦いを経て彼に味方する事になった(魔王軍全体として見れば)裏切者の二人。

しかし、バラン自体はそのことに関しては特に恨んでおらず、むしろ卑怯や卑劣とは無縁なの持ち主である彼らを好ましく思っていた節がある。


その他編集

本編開始前より15年前に竜の騎士としてバランが討伐した(勢力として)バーンと対になる竜


同作品において王宮に招き入れられたものの、王家から嫉妬から冷遇された点が共通。


同じく、世界を救った英雄にも拘わらず、マトリフが語ったところの戦後国内政治の息苦しさも一因となり国を長く離れるに至ったかもしれないもう一人の勇者。こちらの英雄もまた報われたとは言い難かった。


関連イラスト編集

バランドラゴンの騎士、共闘

竜騎将バランバラン


関連タグ編集

ダイの大冒険


哀しき悪役 ダークヒーロー 必要悪 漢の中の漢 父親 実父  竜騎士 涙腺崩壊


ピサロ:『ドラゴンクエストⅣ』の登場人物。バランと類似点がある他、リメイク版では改心するが罪もない人間たちを殺したことへの罪悪感が一切なく謝罪する気もない。


主人公(DQ5):『ドラゴンクエストⅤ』の主人公。助けた人間たちから魔物の仲間と誤解されて掌を返される、王城に迎えられるのを快く思わない大臣から追い出されそうになる、そのせいで生まれたばかりの子供と生き別れになるなどバランのオマージュが窺える。


エルトリオ:『ドラゴンクエストⅧ』の登場人物。バランと類似点があるが、こちらは人間の王族である。


堕天使エルギオス:『ドラゴンクエストⅨ』に登場するボスキャラクター。かつては平和を守る存在で、一人の女性と恋に落ちるが、人間に裏切られた為に人間を滅ぼそうとしたという共通点がある。


ベロニカ(DQ11):『ドラゴンクエストⅪ』に登場する仲間キャラクター。物語中盤で大魔王が起こした大爆発から仲間たちを守るために犠牲になる。死後は双竜紋の如くベロニカの力が宿ったようにがパワーアップを果たす。


獣王グノン:漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』の登場人物。「幹部格の配下を率いて王国に侵攻する」「当初は優勢だったが主人公PTから離れて行動していた戦士が援軍に駆け付ける」「主人公側の魔法使いからメガンテを受けるが生き延びる」「その犠牲によって主人公の仲間が新たな力に覚醒する」「勝負の後、新たな刺客が主人公の仲間たちを眠らせて襲撃する(その後で主人公は新たな剣を求める)」など展開面でよく似ている。


世直しマン:アニメ版のラスボスを飾ったがバランと同じく決着が付かないまま終了となった。


外部リンク編集

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