「……罪。存在そのものが……罪なのだ」
CV:三木眞一郎(『ドラゴンクエストライバルズ』)
概要
『ドラゴンクエストⅨ』の登場人物。
英語版ではCorvus(からす座)となっており、天使たちの名前は鳥の星座の名前由来で揃っている(イザヤールがAquila=わし座、ラヴィエルはPavo=くじゃく座、長老のオムイがAps=ふうちょう座)。
元はナザム村の守護天使を務めていたが300年前に消息を絶ち、話題に出すことは避けられている模様。しかし彼を「気高き心の大いなる天使」と称えた石碑は残っている。
最高位の天使であり、イザヤールの師匠。イザヤールは主人公の師匠なので、主人公からすれば大師匠ということに。
創造神グランゼニスは人間を愚かな存在と称しているが、彼は人間を深く愛し守るために力を尽くしていた。
300年前、何らかの理由で重傷を負い自分が守護するナザム村に落ち、その際に光輪を失ったことで人間に姿が見えるようになる。
村長の娘であるラテーナに介抱されてからは相思相愛の関係になり、彼女には星空の首飾りを渡していた。
しかしガナン帝国がナザム村に進軍した際に彼の天使の力に目を付け捕らえようと襲撃。村を守るため無理に戦おうとするが、ラテーナの父である村長が村の安寧のために彼を帝国に売るために芝居を打ち、「恩人だけは逃すため」と嘯きラテーナに逃げ場のない洞穴に連れて行かせたうえで、傷薬と称して睡眠薬を飲ませられ昏倒してしまう。その結果帝国地下で300年幽閉されることとなった。(なお、ガナン帝国兵は村長との約定を破り村長とラテーナを殺害した)
この時の紆余曲折で村長だけではなくラテーナまで自分を裏切り売ったと思い込んでしまった。
帝国では天使の力を利用する暗黒皇帝ガナサダイによりさまざまなおぞましい実験が行われ、彼(および他の捕らえた天使)から奪った天使の力を兵士の増強や闇竜バルボロスの強化に使用していたらしい。
長い時を経て人間への絶望や憎悪が増幅して堕天使となり、本編開始とほぼ同時に、滅んだガナン帝国を復活させて手駒として操り世界を滅ぼそうとした。
物語冒頭で天使界を襲った謎の閃光は彼が放ったものである。その光は神の国にまで到達しており創造神グランゼニスをどこぞへ追いやってしまった。
その後、神の国を乗っ取り「絶望の憎悪の魔宮」に変化させて玉座につき本作のラスボスとして立ちはだかる。
堕天しても最高位の天使であるという事実は変わらないため、上位の天使には絶対に逆らえないというシステム「天使の理」は発動している。
このため主人公は人間になることと引き換えに天使であることを捨て、絶望と憎悪の魔宮に乗り込み、対峙することになる。
天使の時の姿は金髪碧眼の美青年であったが、堕天使と化した際は後述のように醜い風貌となった。
戦闘
第一形態
ガナン帝国城地下の閉ざされた牢獄の最深部で囚われていた時の姿。幽閉されていたせいか襤褸を纏っている。
天使としての面影は残しながらも頭からは角が生え、翼が悪魔のような翼になりかけている。
『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』等の派生作品では肌色がやや緑がかった色合いになっている。
完全2回行動で通常攻撃や急降下(強化打撃)で一人に、「バギクロス」や「激しいいなずま」で全員にダメージを与えてくる。「いてつくはどう」を放ったり、テンションを溜めることもあるが、不敵に笑うという無駄行動をすることも。
1形態であるためかそれほど強力な攻撃はなく、状態異常などの搦め手もないため比較的楽に倒せるはず。ただし、ガナン帝国城での初戦は、天使の理のせいで強制負けイベントとなる。
第二形態
憎悪と絶望に身を焦がし完全に堕天した姿(メイン画像のもの)。天使だった面影がなくなり、緑の体色の禍々しい悪魔の姿をしている。基本的に外部出演する際にはこの姿。
この形態での戦闘の際にはBGMが『決戦の時』という勇ましい楽曲に切り替わる。
こちらの形態も完全2回行動なうえに行動パターンが非常に多く、初見でパターンを見極める事が困難になっている。
歴代のラスボスと比べ攻撃力が低いため直接攻撃は「スクルト」で対応できるが、「あやしいひとみ」や「やけつくいき」で回復役が行動不能になったり「つうこんのいちげき」を受けるなどすると、「マダンテ」などの強力な呪文に対処出来なくなる。
レベル40前後に到達出来ていればそこまでの強敵ではないが、ブレス系攻撃や「マダンテ」を連続で放たれると厳しい相手。
結末
主人公達に倒されて驚愕するが、そんなことはどうでもいいとばかりに闇の力を増幅させこの世界を消滅させようとする。
そこへラテーナの霊が現れ自身の記憶を垣間見せて誤解を解いたことで、エルギオスを元の天使の姿に戻す事に成功する。
自身の誤解のために多くの人間を不幸にし、自身の大切な少女を何百年も現世を彷徨わせた事を恥じ、涙を流しながら主人公に感謝を述べ、ラテーナと共に光となり、その光で絶望と憎悪の魔宮を元の天界の姿に戻して昇天していった。
派生作品
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』より2形態で登場。名前は「堕天使」は付かず単に「エルギオス」表記。
1枠モンスターでは数少ない2回行動できるモンスター。その分、能力が凄まじく低い。HPはわずか600、すばやさは380しか無かった。
しかし、2回行動できるモンスターの中で唯一デメリット特性を持っておらず使い勝手の良いモンスターだった。
元天使だからか「てんしのきまぐれ」という特性を持っているのがミソ。
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』ではHPが1000以上まで上昇、守備力をスキルで強化すれば耐久力を実戦レベルまで補強でき、2回行動の強みを活かせるようになった。当時は『ドラゴンクエストⅨ』がナンバリング最新作であったためか、歴代ラスボスの中では最も位階が高いモンスターとなっている。
『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』ではHPがさらに上昇。攻撃力も高く、キラーマシンなどと組んだステルスアタックパーティによく使用される強豪モンスターとなる。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』以降は攻撃力は高いもののすばやさが異常に低く使い勝手が悪くなった。ただし耐性は優秀である。
ドラゴンクエストライバルズ
第10弾でようやく登場。外見は1形態であり相変わらず肩書きが付いていない。
共通の魔王系ユニットであり、自らに「さくせん」を4回発動させるという効果を持つ。
運要素も強いが、その時の状況に応じて防御型にしたり攻撃型にしたり…と汎用性の高さが魅力的。
本作では原作で関わりのなかった人物に対する台詞が設定されていることも多いのだが、彼の場合は面識のないはずのリッカ等に対し人間の存在が罪だ何だと説いている様が実にシュールである。
余談
あまりにインパクトのある蔑称であるせいかプレイヤーからも呼ばれることもしばしば。
後発作品である『ドラゴンクエストⅪ』の登場人物ホメロスが魔物化した姿は彼にそっくりというウワサ。
また、そのニンテンドー3DS版『ドラゴンクエストⅪ』及び『ドラゴンクエストⅪS』には彼のパロディキャラである「メガトンギオス」なるモンスターも存在している。相方のネルゲルデーモンと共に追憶の神殿第3層にて出現。
『ドラゴンクエストライバルズ』での中の人は以前『CDシアター トルネコの大冒険』で、ネネに惚れ込む王子役を演じていた他、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』アニメ版(2020年)でハドラー親衛騎団の歩兵ヒムを演じることとなった。
ちなみにエルギオスはドラゴンクエストのラスボスの中では唯一経験値をくれるラスボスでもある。その値は同作のはぐれメタルと同じくらい。これを高いとみるかはプレイヤー次第である。
関連タグ
イザヤール ラヴィエル 主人公(DQ9) ラテーナ ガナン帝国
魔軍司令ホメロス:そっくりさん
キュロノス:鳥山キャラ、ナンバリング作品のラスボス、人間を滅ぼそうとする点が共通。
アモス:『ドラゴンクエストⅥ』の登場人物。小説版ではある事情から本当に姫(想い人)から拒絶されてしまう。
竜騎将バラン:『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の登場人物。かつては平和を守る存在で、人間の女性と恋に落ちるが、身勝手な人間の愚行のせいで人間を憎むようになり闇堕ちしたという共通点がある。変身後の姿も若干似ている。
ザマス:『ドラゴンボール超』の登場人物。鳥山キャラ、中の人、緑肌のイケメン、人間の存在を罪として滅ぼすことを目論んでいる点が共通(ただし性格自体は異なる)。
ドラゴンクエストシリーズのラスボス