「…オレはハドラー様の忠実なる兵士(ポーン)! ヒム!!」
プロフィール
解説
超魔生物として再起した魔軍指令ハドラーによって、超金属製のチェスの駒から生み出された「ハドラー親衛騎団」の一番手。司るのは火炎(メラ)系呪文。左利き。
ハドラーが抱く「闘志」や「情熱」を色濃く受け継いでいる。同時に「ヒュンケルのすました顔を恐怖に変えてやりたい」という残酷性も持つ。
ポーンの駒から生まれたが故に、機動力は最も低く誤解されがちだが、親衛騎団の中で一番弱いという訳ではなく、距離を詰めての格闘戦に関して図抜けた能力を持つ。
至近距離で空裂斬を難なくかわした上、武器の上に立ち乗る程身軽である。更に相手の動きを読んで対応策を見出すなど戦闘のセンスも高い。
弱点は、最大の威力を発揮する左拳の一撃を振るう時に一瞬だけ全身が硬直すること。
戦歴
初戦
大魔王バーンに謁見するハドラー達の様子を見て自分だけ権威の座から下ろされそうになり先走るザボエラを連れ戻すべく登場。
ダイの救出にやって来たポップ達を救うと同時に圧倒的強さを見せつけ、不敵な態度に終始した。この時は口調も下記とは大分異なっている。
サババ戦
「…オレの顔は忘れちゃいまい? 新衛騎団の兵士・ヒムだ!!」
人間たちが対魔王軍前線基地の港町サババで死の大地に乗り込むべく軍艦を建造していると聞き、ふるいにかけるべく急襲。わずか5人で人間の戦士たちを壊滅状態に追い込んだ。
そこへ先陣を切って救援に現れたノヴァと戦い、額にノーザングランブレードを受けるが、頭を狙って来るのは読めていたため意識を集中させることでダメージを軽減させ、ほとんど無傷で完勝。
ノヴァにトドメを刺そうとするも遅れてやって来たヒュンケルによって額をぶち抜かれる。
ヒュンケルとの戦いを希望するもアルビナスの指示でダイと戦闘を開始。ダイの剣に頼って慢心していたダイを苦戦させ、ダイが剣を抜けないことを確信して落胆する。そのまま超熱拳で勝負を決めようとしたがノヴァによって阻止される。その姿を見て奮起したダイに逆転され、またもやヒュンケルから手痛い一撃を受ける。ブロックの手当てを優先するべしとアルビナスに言われるも、感情の治まらなかったヒムは戦いを続行しようとする(皮肉にもノヴァと同じことをしようとしていた)。だがハドラーから撤退を指示されたことで引き下がった。
以後は額をブチ抜かれたことからヒュンケルに対して異様なまでの執着心を抱き、自らの宿敵と見据える。
死の大地での再戦
「ダイとバラン以外のやつらを、この場でおさえ、ハドラー様が心おきなく戦えるようにするのがオレたちの使命っ!!!」
「助勢に行くのはこいつらを全員片づけてからだっ!!!」
ダイとバランがハドラーと激突する中、ポップたちを地上に引き付けるべく出撃。ヒュンケルが不在で勇者パーティーの人数が減っていることに「それだけの頭数で戦うなんて思い上がりにもほどがある」と憤り、直後にフェンブレンの死を知り、仇討ちのためにダイたちの元へ乗り込もうとしたがシグマとアルビナスに止められる。アルビナスの言葉でハドラーの覚悟を思い出すと使命を果たすべくポップたちと交戦を開始する。
ヒュンケルが現れた時は復活を知って喜び、ヒュンケルに勝負を挑むが裏拳の一撃でいなされてしまう。直後に黒の核晶が起爆したため引き分けとなった。
ヒュンケルとの決戦
ハドラーが自らのプライドを示すべくアバンの使徒の下へ立ちはだかった際には再びヒュンケルと直接対決する。だが新たな光の闘気に目覚めたヒュンケルに全く歯が立たず、核を膝蹴りで貫かれ、Bスクライドの余波で倒される。そのまま地上へ落ちて砕け散ったかに思われたが……。
原作ではヒムが倒されるシーンしか描写されていなかったが、2020年から始まったアニメではOPにてヒュンケルと殴り合うシーンが追加されている(ヒュンケルの顔面に拳を打ち込むなどあっさりと負けたわけではなかったことが示唆されている)。
地獄からの生還者
「受けてみろッ!!! オレのっ…オレたち全員のっ…!!!」
「誇りと怒りをこめた、この拳を―――――ッ!!!!」
バーンパレスの城門で追撃部隊と交戦するヒュンケルの前に再登場。死の淵でアルビナス・シグマ、そしてハドラーの最後の戦いの声を耳し、心に燃え残った闘志が再燃。ポーンの駒に備わった昇格(プロモーション)の能力とアバンの使徒たちに一矢報いんとの執念が合わさった結果、金属生命体となって復活。
経緯を窺っていた魔物達が自分やハドラーを侮辱した事への怒りが頂点に達した瞬間、ハドラーを彷彿とさせる銀髪が生え、凄まじい闘気を発し磨きの掛かった格闘能力をもって周辺にいたモンスター達を瞬く間に殲滅した。
ヒュンケルに戦いを改めて挑み、ハドラーや親衛騎団の想いを乗せて奮戦。一方的にヒュンケルを打ちのめし、まったく反撃して来ないことを「戦うことを諦めた」と見て怒りに駆られながら攻撃を続ける。だが実のところヒュンケルはあえて攻撃を受け続けることで活路を見出そうとしており、左拳の一撃を放つ際に全身が一瞬硬直するという欠点を見抜かれてしまう。
その一瞬を突かれたヒムは背後から羽交い絞めにされグランドクルスを撃たれそうなるが、渾身の力で振り解き反撃して打ち倒す(ヒュンケルは事前に二度もグランドクルスを撃っており、ヒムの抵抗を完全に封じられなかった)。
「……なるほど。今の、とっておきの自爆技に、すべてを賭けてたってわけかい…!」
「たしかに、くらったらまず、オダブツだっただろうが…!」
「やぶったぜ!! オレの勝ちだヒュンケル!!!」
しかし尽きかけた闘志を湧き立たせ、ヒュンケルは再び立ち上がる。そして武具を捨てたヒュンケルと最後の激突を展開する。
ヒムは全身全霊のオーラナックルで決着を付けようとするが、決死の覚悟で放ったヒュンケルの闘志を込めた拳の方が先に打ち込まれたことで敗北した。
とどめを刺すよう依頼するが断られる。以後ヒュンケルとの間には新たなる絆が生まれる。
銀髪鬼ヒム
安堵するのも束の間、満身創痍になったところを狙いマキシマム率いる超金属軍団が襲来。戦闘不能状態であったヒムは人質にされ、大魔宮から落とされかかる。間一髪でヒュンケルに救われるも駒たちの攻撃によって絶体絶命の窮地に陥る。
幸いマキシマムは来援したラーハルトによって倒され危機は脱したものの、連戦のダメージが蓄積したヒュンケルは再起不能となる。
ヒムはそのことに責任を感じ代わりに戦うことを決意。
「…静かにしろよ」
「今、こいつは、はじめて安らかに眠っているんだ…きっと、生まれてはじめて…戦いも宿命も忘れて…」
「傷ついた心と身体をいやしてるんだよ……」
「………なあ…ヒュンケル……!」
その意気をチウに気に入られ、彼が率いる「獣王遊撃隊」隊員No.12に無理矢理任命された上でコメディリリーフな三枚目役も追加される。
なお、この時まるでヒュンケルが死んだかのように描写され、ヒムのセリフからもそれが窺えるが、この後何事もなかったかのように(いつも通り)ヒュンケルは復活しているためこの時の安らかに眠っているの意味は「へんじがないただのしかばねのようだ」ではなく文字通り「寝ているだけ」とネタにされている
ミストバーン戦
「…男ならこっちで来いよ……!! 大将!!!」
その先で立ちはだかったミストバーンとの戦いでは、持ち前の格闘技と光の闘気により圧倒。しかしミストバーンが闇の衣の封印を解いてからは防戦一方に回り、片腕をねじ切られてしまう。
大魔王バーン戦
「お…面白ぇじゃねぇか!!! のってやるぜ、その無謀なバクチによっ!!!」
「結果が見られそうにねえのが、ちと残念だがなあっ…!!!」
真・大魔王バーンとの最終決戦では瞳の選別を受けることなく戦力として立ち向かった。一太刀浴びせることすら敵わなかったものの、ヒュンケルとクロコダインの二人掛かりでも破れなかったカラミティウォールを破り、更には「天地魔闘の構え」を破る切っ掛けをラーハルトと共に生み出している。
この戦いを通しアバンの使徒との絆を深め合い、ポップの奇策で砕け散ったシャハルの鏡を見て、戦いで散ったシグマを思い起こしその事を呟き、バーンパレス心臓部に落とされ脱出する際には仲間に対して抱いた絆を吐露しある技を発動させて仲間達を窮地から救った。
ポップの回復呪文で介抱され一命は取り留めたが、ヒムが死んだと早合点したチウは永久欠番を宣言した。
最終決戦後
最終決戦後は、戦後間もない種族間でのいさかいが再び起こらぬようデルムリン島でブラスとチウ・クロコダインら獣王遊撃隊として仲良くやりあっているようである。
人物・性格
超魔生物化したハドラーの「闘志」を色濃く受け継ぎ、前のめりで荒削りな行動が目立つが、誇り高く卑怯な戦法を良しとしない。また敵の「死」に対しても相応しい美しさというものを意識している。
血気盛んな熱血漢で、先陣を切る事が多く戦いを楽しむ傾向にある。短気で感情的過ぎるきらいもあり、ハドラーやアルビナスに手を焼かせる事もしばしばあるが、忠誠心や仲間意識も人一倍強く五人の中で最も人間臭く、仲間が犠牲になった時も声を常に一番かけている。涙を流す場面も多くある。
サババでの初対決で、すでに戦えなくなったノヴァを哄笑を上げながら殺そうとしたり(この展開は、氷魔塔の戦いでのハドラーとマァムを意識したと思われる)、わざわざブロックに軍艦を破壊させて周囲を火の海に変え、倒れていた人間たちにも追い打ちのようなマネをするなど残酷な面を見せていた。
一方でヒュンケルとバランの一騎討ちには横槍を入れず静観に徹しようとするなど卑怯なマネはしない。アルビナスが横槍を入れようとすると「ハドラー様からどんなお叱りを受けるか」「待てアルビナス!」と最後まで止めようとしていた。そのアルビナスが負傷してよろめいた際には咄嗟に支えるなど男らしさを見せている。
後にダイ達に決闘を挑む前、ハドラーから「一番よく似ている」と言われるが、 血涙しながら死の淵から甦る瞬間や、昇格後にハドラーの面影が映るなどハドラーの性格・外見が最も強く投影されている。(なお、ミストバーン的にはハドラーの後継者面しているのが勘に触るようで「人形風情」「身の程知らずにも限度がある」と明らかに他と比べて低すぎる沸点でブチギレている)
ダイ達の仲間になってからもハドラーへの忠誠は変わることはなく、主を高く評価していたミストバーンと戦うことに後ろめたさを感じていると述べている。もっとも戦いに関しては一切手を抜いておらず、ミストバーンを倒すことにも躊躇はなかった。
チウ率いる獣王遊撃隊に半ば無理やり入隊させられる前後からは三枚目的な表情が目立ち、 チウの妙に高いカリスマ性とキャラ性の強さに圧倒されて以降、凸凹関係めいたやり取りを繰り広げるようになる。以降チウからは「ヒムちゃん」とちゃん付けで呼ばれる(愛称の候補は他に「ヒーたん」、「ヒムすけ」、「ポンちゃん」が存在)。
なお、かつてアバンが凍れる時間の秘法でハドラーを封印したと聞いた時は複雑そうな顔をしていたが、後にアバンが命を懸けてグランドクルスを放とうとした時にその役割を買って出るなど、アバンを恨んでいるというわけではないようだ。
能力
徒手格闘主体で戦うスタイルを好み、武器や呪文は全く使わない。接近戦は拳の乱打、相手の攻撃には身軽さを活かした回避からの反撃を行う。
生まれつきメラ系呪文の力を宿されているが、呪文として使うことはなく拳に纏う「超熱拳(ヒートナックル)」として使う(ただし劇中では不発に終わる)。昇格してからは闘気を纏えるようになった為、超熱拳に闘気を上乗せし「闘気拳(オーラナックル)」を新たに習得。
因みにサウスポーらしく、それらの必殺技を繰り出す時は大抵左手を主軸に使う。
加えて段違いなスピードをも身に付け、ヒュンケルやラーハルトをして認める程(ラーハルトからは木偶人形とバカにされていたがミストバーンを圧倒する姿を見て見直している)。
ヒュンケルはヒムとラーハルトではラーハルトに分があると分析している(闘気技はラーハルトではダメージを与えられなかったミストバーンを圧倒しており、相性の問題が大きい)。
崩壊するバーンパレス心臓部から脱出する際には見よう見まねである技を繰り出せるほどに成長した。
当初はハドラーの魔力で破損部分を修復されていたが、昇格後は 「はぐれメタル」や「メタルキング」と同等の体質の生命体となった為、ホイミ等の回復呪文を受け付けるようになり、ハドラーの魔力が失くても破損したボディを修復することが可能となっている。痛覚も芽生えている。
なお回復呪文を受け付けるようになったということは、それまでは効果が無かった「閃華裂光拳」も有効になってしまったということであり、新たな弱点が生まれてしまったことにもなる。
味覚もちゃんとあり、食べ物を食べることは出来るようだが、体質上薬草が効かないらしく、薬草による回復はできない(因みにその薬草は相当に苦いらしく、まずそうに吐き出していた)。
必殺技
超熱拳(ヒートナックル)
拳にメラの呪文を込めた炎の鉄拳。サババでの戦いでダイに使おうとしたが不発に終わった。ポップの新品の杖を容易く溶解させるなど超高熱を持つ。
2020年版では改めてダイに対して使用。しかし竜闘気を全開にした拳に撃ち負ける。
闘気拳(オーラナックル)
生命体に昇格したことで習得した“闘気”を炎熱拳の応用で放つ新たな必殺技。威力は炎熱拳と比較にならぬほど強力でミストバーンを封印解放にまで追い込んだ。
闘気と超金属オリハルコンが合わさることで「ダイの剣」による闘気剣並の威力を持っていると言われる。
余談だが、彼の創造主であるハドラーも15年前のアバンとの決闘の際、暗黒闘気版のこの技と思しき技を使用している。
グランドクルス
バーンパレス心臓部からの脱出で発動。見様見真似な為に威力の調整ができず、オリハルコンの身体ですらその反動に耐えられずに両腕が砕けてしまったが、その一撃は心臓部の壁どころか大魔宮の残骸の半分以上を吹き飛ばしてしまった。会得しないままに見様見真似で撃てばどうなるか、という恐ろしいサンプルともなった。
そもそもの話、これは本来命懸けの大技、或いは消費と威力の低い小技としての使い分けによる二者択一的使用が主でありこの技の考案者もそのように想定していた。それを精密な威力調整のもと最後の切り札とはいえ最大威力でぶっ放してその後も平気で動き回っている現使用者が特殊なだけである。
人物関係
魔王軍
ヒムをはじめとするハドラー親衛騎団たちを禁呪法で創造した魔族。
文字通りの生みの親にして、自分達が仕える王(キング)でもある。
ハドラー親衛騎団としてのヒムの同僚。
自分と同じくハドラーによって禁呪法で創造されたため、兄弟とも言える関係である。
魔影軍団の軍団長にして六大団長の一人。
現時点での六大団長の中で唯一好印象なのもあってか、ヒムは『さん付け』で呼んでいる。
が、ミストバーンからしてみればある意味で自分の理解者であったハドラーに外面だけ似ているうえ半端に面影を感じさせる性格をしているのが兎に角気に入らないため不快感と嫌悪を一切隠さず、キレ散らかしている。
この場面の読者からの評は「推しのアイドルが引退するからってちょっと雰囲気が似てるだけの新人が後継者面してブチギレる厄介オタク」
なお、ヒム本人はハドラーの魂を受け継いだだけで別に「ハドラーの後継者」かのような振る舞いをしたことは一度もない、ミストバーンが勝手に盛り上がってブチギレているだけである。
妖魔士団の軍団長にして六大団長の一人。
武人肌なヒムにとって、卑劣漢そのものなザボエラのことをアルビナス共々ダニ呼ばわりする程に嫌っている。それもあってか後述のガンガディアがザボエラに対して嫌悪の態度を表した際には、怒り顔で「一字一句同感だぜえ デカい人!」と強く肯定した。
『バーンパレスの守護神』を自称するキングの生きた駒(リビングピース)
バーンがハドラーに授けたオリハルコン製のチェスの駒は全てマキシマムの配下であるため、もし確率八分の一(12.5%)に選ばれていなければ、ヒムは文字通りマキシマムの手駒として終わっていたことになる。
アバンの使徒
かつては不死騎士団団長及び六大団長として魔王軍に在籍していた人間の戦士。
ハドラーの命令で親衛騎団で港町を襲撃サババを襲撃した際に、ノヴァにトドメを刺そうとしたところで額を貫かれたことから、《自分の手で倒すべき因縁の相手》として認識するようになる。
その他
ヒムとヒュンケルが、『人質作戦』という卑劣な手段によって絶体絶命の窮地に立たされた時に。*文字通りの意味で横槍を入れてマキシマムを倒すことで救ってもらったため恩人ではあるのだが、ヒム曰く「俺はヒュンケルと特別な関係なんだぜって感じの態度」が気に入らないようで、いずれヤキを入れる予定らしい。
ヒュンケルの後を継ぐ形でラーハルトがダイ達の元へ向かった後に、ヒュンケル達アバンの使徒の救援に後述のブロキーナ(とクロコダイン)と共に対面したおおねずみの格闘家。
『自分のせいで戦えない体になったヒュンケルに替わって本当だったら戦うはずだった敵は全てオレが倒してやる』という心意気を気に入って、強引にヒムを自分の部下にした。
実力としてはヒュンケルやヒムには遠く及ばないが、なんだかんだで『隊長さん』と呼ぶなど、ハドラーに変わる自分の主として認識している。
前述のヒムとマァムの武道家としての師匠である拳聖の二つ名を持つ老人。
ミストバーンを相手に猛攻を軽々と躱し、捌いていくその立ち回りに『まるで格闘の教科書みてぇな戦い方だ』と絶賛した。
『ハドラーに禁呪法で創造された魔王軍の一員』としてはヒム達ハドラー親衛騎団の大先輩及び兄に当たる者達。
魔王だった頃のハドラーにバルトスと同じく仕えていた四天王の一人。
前述の通り、オマケ漫画ではハドラーに仕える者としての大先輩かつ忠臣そのものな働きぶりにシグマやブロック共々好印象を抱いていた。ちなみに『勇者率いる敵対勢力の中に自分の手で倒したい因縁の相手がいる』という点もヒムと共通する。
余談
親衛騎団の各メンバーはモチーフとなったチェスの駒にちなんだ能力を持っているが、ヒムのモチーフである兵士の駒は昇格以外にも「初回移動時のみ前方に二マス進める」
「敵のポーンが二マス移動してきた時のみ、斜め一マス進んで駒を捕獲する」(アンパッサン)という能力を持っている。
前者はヒムが先陣を常に切って敵に突撃すると言う性格に反映されたのだと思われるが、後者は特にそれらしい能力は見られない。特殊な状況でのみ使える能力なので、無理があったのだろう。
強いて言うなら、サババでの戦闘時にダイに接近戦を挑んで自由移動を阻害したことだろうか(これをアルビナスは「勇者を封じた」と述べている)。
バルトス、グランナードら旧魔王軍、フレイザード、親衛騎団と続いたハドラーが己の魔力によって誕生した疑似生命体達はハドラー消滅によって全て消え去る運命にあった。
しかしヒムは生来の能力、昇格(プロモーション)とアバンの使徒たちへの執念が合わさった結果、金属生命体として進化。疑似生命体達の最後の生き残りとなった。
余談の余談で言うのなら、ハドラー製モンスターの括りで考えると(あくまで人間的観点であり、魔族的観点では無いが)、ハドラー=製作者=親なので、バルトスとは材質(母体)違いの異材質兄弟としての見方がとりあえず可能。なのでヒュンケルはヒムの義理の甥としてみる事が可能ではある(公式ではないので注意)。
2020年版にてヒムを演じる三木眞一郎氏は、かつて『CDシアター トルネコの大冒険』にてブルーノ村の王子を演じていた他、『ドラゴンクエストライバルズ』にて『ドラゴンクエストⅨ』のラスボスであるエルギオスも演じている。
勇者アバンと獄炎の魔王の特別コラボ4コマではハドラーの側近だったガンガディアに対する評価は「……スゲェ、めっちゃ働いてるぞ このデカい人」との事。また彼のザボエラ評(「魔力とか頭脳が優れてるのは認めるけど全く憧れない」)に対しては「一字一句同感」との事。