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『大魔王様の御言葉は……全てに優先する』


プロフィール編集

所属魔王軍魔影軍団団長
年齢不明
一人称
二つ名魔影参謀 → 魔王軍指揮官 → 魔軍司令
CV難波圭一(1991年版)/子安武人(2020年版)

解説編集

ミストバーン

大魔王バーンに古くから仕える側近で随一の忠臣。物語序盤から謎めいた印象を持つ。

その冷酷ながらも妙に人間味の隠れた人物像から高い人気を誇る。


魔王軍六大軍団のひとつ魔影軍団軍団長で、常にフードで素顔を隠し、台詞も「…」と無言かつ寡黙。一言発すれば数百年は黙る程無口を貫いていたが、時が経つにつれ口数が多くなっていく(理由は後述)。


DQD-22 ミストバーン 開放ミストバーン

緊急時には胸の首飾りの封印を解いてフードを脱いで素顔を曝し、超金属をも破壊する超怪力や、物理的に傷付かない無敵の肉体を駆使して戦うが、大魔王の許可なく行使することは固く禁じられている。

「ミストバーンに闇の衣を剥がさせるな」

魔王軍内には、そんな謎めいた噂が横行している。


また軍団長という立場でありながら、(当時)魔軍司令であったハドラーよりも重要な構成員だったことがわかる。立場的にはハドラーの部下だが、本当の役割は大魔王から不死身の肉体を授けられたハドラーに自らの暗黒闘気を分け与え、幾度も復活させることにあった(そのために部下になったことにハドラーも薄々感づいていた)。


後に超魔生物になったハドラーは死の大地の守護(=乗り込んでくるだろうダイ一行の討伐)を命じられ、六大軍団の指揮官代行にミストバーンが任命された。更にハドラーの離反後はミストバーンが正式に新・魔軍司令の座に就いている。


闇の師弟

ヒュンケルにとってはを司るもう1人の師であり、闘魔傀儡掌をはじめとする暗黒闘気による闘法を教えた。そのため魔王軍の中では身近な者同士であったが彼が言うには「俺に教える時ですら殆どものを喋らなかった」という。


暗黒闘気を用いた数々の技を始めに「無敵の肉体(後述)」を持つ高い戦闘能力から、事実上の魔王軍最強の戦士であり、全体的な能力でハドラーを完全に上回っている。 ※だが当初は戦闘シーンは少なく、戦いにおいても自身が撤退はするが敗退することがなかったため本人の戦闘能力に関しては不明瞭であった。

なお、元弟子のヒュンケルにはフレイザードを捨て駒にしたことで「やはり魔王軍で最も恐ろしいのはミストバーンか」と警戒されていた。


性格編集

基本的に冷酷で魔王軍に歯向かう人間に対しては容赦がない。弱者や卑劣漢を軽蔑し、逆に強い心身や誇り高い魂を持つ者に対して敵味方問わず深い敬意を払う。その反面、魔王軍の中ではかなり仲間意識が強い男である。

ただし敬意を払うと言っても基本的に「自分の方が上」という態度を隠そうともしておらず、最終決戦の際にはクロコダインやチウを見下す言動を取っている。

また、表に出すことは少ないものの、『嫌いな奴は嫌い』として、容赦はない言動は目立つ。その一方で、利用価値がある間は無碍に使い捨てないが、敵として自分の前に立った銀髪のヒムに関しては、ハドラーの後継者である事にむしろ嫌悪感を募らせている。


また前述のように「大魔王様の御言葉は全てに優先する」の台詞のままバーンへの忠義は魔王軍の中でもずば抜けており、己の本心すら押し殺してでも全てにおいてバーンの命令を最優先させている。

ロン・ベルクがバーンの元を去った折には、自分の主の厚意を無下にしたとして顔を十字に切り裂く制裁を与えていた。(ロン・ベルクもバーンに恥をかかせたことは認識していたので、制裁は甘んじて受けた。)

高い忠誠心でバーンからも絶大な信頼を受けているが、同時に手駒としていいように利用されている面も強かった。数千年来の側近でありながら、最終決戦時のバーン本人は自身の用が済んだ後は気にも留めていなかった(光魔の杖のように踏みつぶされたり、魔王ハドラーのように幹部達を役立たずと言わないだけマシとも言える)。


友誼を途中から持つようになったハドラーや、敵として立ちはだかったダイ一行に対しては”熱い”言葉を投げかけ、彼自身も超魔生物となったハドラーから寡黙な仮面の下に流れる熱い魂を感じざるを得ないと評価されている。

自らが戦線に赴くようになった中盤からは激昂する様も見られるようになり、ダイに鬼岩城を破壊された際は自分を見失うほど怒り狂っていた。むしろ自分が激情家であることを理解しているため、失態や失言を防ぐために口数を減らしているとも取れる。


15年前編集

死の大地にて、地上の魔王その家臣の姿を見送る。

そして、皆既日食が起きたある日に闇の衣を外して呪法を自らにかけ地上の魔王と地上の勇者の決闘の瞬間を見届ける。


魔王の家臣が、超古代の呪法を解くべく奮起する姿を目の当りにすると影から闘魔傀儡掌を用いて呪法を解除する術を教えた。


人間関係編集

他の六軍団長編集

終盤にミストバーンのコンプレックスを見抜いたクロコダインに「自らの肉体を鍛え上げて強くなってきたお前が羨ましかった。私には出来ないことを出来るからだ」と述べており、クロコダインに武人としての高い評価と羨望を抱いていた。実際、クロコダインがヒュンケル共々、捕虜になった際には「お前達ほどの者達を処刑するのは惜しい」と魔王軍に再び忠誠を誓えば助命することを持ちかけたほどである(クロコダインからは即座に拒絶される)。


自らの手で育て上げた弟子(見方によっては後継者とも言える)。暗黒闘気を用いた戦い方を教え、正義の闘気と暗黒闘気を併せ持つ究極の戦士へと育て上げた。

パプニカ王国での戦いでヒュンケルが明確に魔王軍に反旗を翻したことを知っていてもヒュンケルを魔王軍へ引き戻すことを諦めておらず、魔影軍団を率いた鬼岩城揚陸作戦の際には、ヒュンケルを何度も打ちのめした上で再三に渡って暗黒闘気の素晴らしさを説き、光の闘気を捨てて再び暗黒闘気に頼るように促していた。

バーンパレス浮上後、バーンによって魔王軍の裏切り者であるヒュンケルとクロコダインの処刑が大々的に公布された後も、未だにヒュンケルを再び自分の手元へ戻すことを諦めておらず、「暗黒闘気に従い再び魔王軍に忠誠を誓うなら、命だけは助けてやる」と最後通牒として、自らの暗黒闘気で満たされた杯を渡した。


借り物の力を振るうばかりの自分の在り方にコンプレックスを持っているミストバーンにとって、自らのアイデンティティである暗黒闘気を使いこなす愛弟子(最高の武器)には、次の依代という以上に思うところがあったのかもしれない。


ダイ達のレオナ救出作戦の際に、追い詰められたフレイザードに形ばかりの助太刀をし、覚醒したダイのアバンストラッシュによって再び敗北したフレイザードを抹殺した。

ダイの能力を試すために冷酷に使い潰したようにも見えるが、実はミストバーンは敗北寸前のフレイザードの救援に来た唯一の軍団長であり、フレイザードに与えた鎧が魔影軍団の最高戦力であるという話自体も嘘ではなかった。ミストバーン自身が戦うことも出来たのかもしれないが、その時は魔軍司令であるハドラーが敗走し指揮系統が停止していたため、これ以上の加勢は越権行為だと判断したのだろう。

またバーンはダイの力量をミストバーンに問うており、フレイザードを倒したことを聞くと「バランがダイを魔王軍に引き入れたら魔軍司令の座を任せてもいい(つまりダイを部下に迎える価値があると判断した)」と告げている。このことからフレイザードを試金石にしたのはバーンの意思があったことが窺える(つまりハドラーの「軍団長の総攻撃作戦」自体を利用したと言える)。

ダイたちに手を出すことなく引き下がったのも、ここで倒すことはバーンの意思に背くからだろう(バーンが興味を抱いているダイを仕留めることは不興を買いかねない)。

二度の敗北によって瀕死になったフレイザードを処刑したのも、完全な実力主義の組織である魔王軍の中で、ここまで弱体化しきったフレイザードが、この後どんな扱いを受けるのかを見越して早々に介錯したとも取れる。

またフレイザードは独断でヒュンケルを殺そうとしており、危うく『武器』を失う所だった。ミストバーンの性格を考えると怒りを抱いていた可能性は大いにある。

これらのことからミストバーンとしては、フレイザードを生かしておく理由はなかったと言える。


強い魔力を持ちながら、平気で卑劣な手段に出るザボエラには侮蔑の感情を抱くも、その策士・研究者としての実力は認めていた。

ヒュンケルとクロコダインの処刑を餌にしたミナカトール攻防戦の際も『奥の手もなしに自ら前線に出るような真似はしない』と見越し、大魔宮へ戻る直前に地上に置き去りにしたザボエラが切り札を繰り出したのを見届け「叩かれて手の内をようやく見せおったわ」と言い放っており、嫌っている人物でも実力を評価する公平性を持つ。

そもそもザボエラを置き去りにしたのは、バーンから早急な帰還命令が出たからであり、ミストバーンとしては人間達の連合軍が全滅するまで処刑場に残っているつもりだった。


ザボエラはバーンに忠義を示すために直属の上司であるハドラーを裏切った形となり、それでも「バーン様を救った功績だけは認める」と言い、同時に「主を裏切った者は絶対に信用しない。また裏切るからだ」とも言い放っている。この台詞が出たのもザボエラがハドラーを侮辱したからであり、これがなければミストバーンもあえて触れるようなことはしなかっただろう。

バーンへの忠誠心と、ミストバーンの個人的感情が混ざり合った台詞と言える。


ミストバーン率いる魔影軍団が当初担当したカール王国攻略に手こずっていたため、後任としてバランがカール攻略を担当している。バランの魔王軍離反後、バーンの命令でバランを抹殺すべく黒の核晶の爆破に動くも、その際に自身の正体を概ね察したらしいバランに対し「猶更、生かしておく訳にはいかない」との言葉を口にした。ミストバーン本人としてはバランに対しクロコダイン同様に羨望を抱いていたことが終盤の言葉から窺える。


他の魔王軍幹部編集

本来なら自分が魔王軍のNo2の地位であるにもかかわらず、魔軍司令であるハドラーの命令には忠実に従っており、二人きりの折にはハドラーを呼び捨てにする事はあったが、皆の前ではしておらず上司の面目を潰すようなことはしなかった(内心では見下していたのかもしれないが)。


そんなハドラーにミストバーンが一目置くようになったのは、彼が保身をやめ、全てを捨てて超魔生物になろうとしていた折であり、その覚悟を買って、ハドラーのパプニカ王国での人類首脳会議を潰して欲しい要望を快諾し、鬼岩城と魔影軍団を率いて侵攻している。

その信頼と尊敬の念は、パプニカ侵攻で敗北したミストバーンを超魔生物となったハドラーが律儀に救援に来た事、そして、バーンとの謁見の前にダイ達を斃す命令を果たしていない事から処刑も覚悟したハドラーから「その沈黙の仮面の下に流れる熱い魂を感じずにはいられん」と彼のコンプレックスを払拭するかのような言葉をかけられたうえに感謝の言葉を受け、より友情に近い高いものとなっていた。

その為にバランとダイの竜の騎士親子を無謀にも単独で相手する彼を案じ、その体内に黒の核晶を埋め込まれていたと知った時は思わず絶対的忠誠を誓うバーンに「ハドラーの体内にあのような物を埋め込んでおられたのですか」と非難めいた言葉を口に出し、戦いが劣勢になり、ハドラーの敗北を察したバーンが黒の結晶を爆発させようとした時は激しく動揺しながら、「できることなら勝って生き残ってもらいたいが、敗れし時はせめて華々しく散れ。バーン様のために死ねることを光栄に思いながら」とバーンの為にハドラーは名誉の戦死を遂げるのだと自分に納得させようとし、バランの竜闘気で抑え込まれた不発となった黒の結晶が己が体内にある事を知り、己が全てを捨てて挑んだ戦いを侮辱されたハドラーが男泣きをする光景を「ハドラー……」と悲し気に眺める程であった。

しかし、バーンが自らがハドラーとバランの戦いの場に赴き直接黒の結晶を爆破させようとする仕草を見せた時には、バーンを危険に晒す訳にも、その手をわずらわせる訳にもいかないと、無言でその場に赴き黒の核晶を爆発させている。

だが、ハドラーに「お前も…お前もバーン様と同じなのか!!? オレを道具として始末しに来たのかッ!!?」「…お前にとっても…オレはやはり駒に過ぎなかったのかッ!!?」と問われての返答である「大魔王様の御言葉は全てに優先する」も返すのに一拍の躊躇があり、黒の結晶を再起動させた後にはバーンが一目置いた男としてバランと共にハドラーの事は決して忘れないと告げている。

ハドラーの生存が判明した後も、彼によって主のバーンが苦境に追い込まれているにも拘らず、非難するどころかその力を称賛するような気持ちを抱いていたり、ハドラーを侮辱したザボエラには勿論、銀髪の髪となって闘気をあやつるヒムにも尊敬するハドラーの面影を見て「人形風情がハドラーの生まれ変わりのような顔をするのはっ…身の程を知らぬにも限度がある…!!!」と激怒しており、バーンから離反後もハドラーに対しては友情に近い敬意の念をもっていた事が窺える。


なおハドラーのパワーアップは修行ではなく超魔生物への改造であり、鍛え上げるというのとは違うのでは、と言う意見もあるが、ミストバーンは肉体を改造して強くなることすらできないと共に、彼が評価したのは不死身の身体ばかりか本来の魔族の身体をも捨て、短命のうえに怪物の姿になってまでもダイ達に勝とうとした姿勢であり、ミストバーンがミナカトール攻防戦で魔界のモンスター軍団を退けたモブに等しい人間たちの戦いにも敬意を示すと宣言したように、彼が憧れていたのは単純に鍛えて強くなることだけではなく、命を激しく燃やして使命や目標を果たさんとする執念や意気込みなのかもしれない。


死神と影

ミストバーンの親友。卑怯者、悪辣な手段を使う者を嫌うミストバーンであるが、バーンに対しても臆することなく接するその胆力に興味を抱き、不思議と気が合う友人となる。単なる卑怯者の枠には収まらない器量に敬意を示したのであろう。

また軍団長の身でありながらバーンの密命を帯びているミストバーンにとって、あくまでも外部勢力の協力者であるキルバーンは、数少ない対等な立場の人物だった。

また両者には正体を互いに隠している身の上であるという部分でも共通点がある(奇しくも互いの真の姿は本来は強いとは言い難いモンスターから成り上がった者達である)。なにより、キルバーンもまた真の主の為に働き続けた忠臣であった。


(現在の同僚の中では)マキシマムとだけは折り合いが悪く、彼の死後は『手負いの獣とネズミの区別もつけられない』『自分がバーン様に買われていると思い込んでいる』と嘲笑していた。

実力ではかつての自分達には遥かに及ばないのに、バーンの忠臣を自称している彼のことを目障りに思っていたのかもしれない。

マキシマムの言い分では「ミストバーンはいつも我輩を掃除屋呼ばわりして快く思っていないようだ」とのことで、これを信じるならミストバーンの方がマキシマムを嫌っていたようである。(姑息な上に戦いは他力本願という、武人肌のミストバーンが一番嫌いなタイプなので、当たり前といえば当たり前だが。)


ハドラーの代わりに魔軍司令になるかもしれなかった男。かつての同僚にして、因縁深い宿敵。前述の通り、彼が身勝手な理由で魔王軍を離脱した際には、ミストバーンの独断で制裁を加えるなど激しい怒りを燃やしていた。

ロンが魔王軍から抜けて以降は顔を合わせることもなかったが、ミナカトール攻防戦の際に再び相見え、激闘を繰り広げることになる。

ロンと戦っている間は口数が極端に少なくなり(再会した際に「お前にも喋る口があったのか」と言われて、咄嗟に口をつぐむ様子を見せたため、観察眼に優れる上にバーンと直に接していたロンを「バーンの秘密=ミストバーンの正体を知りうる者」として警戒していたのが判る)、撤退の際に投げかけられた「(俺との戦いに)怖気づいて逃げるつもりか」という屈辱的な挑発にも「そう取って貰っても結構」という投げやりな返答をしており、ミストバーンの憧れる誇り高い戦士である筈のロンには、そこまで敬意を払っている様子はなかった。

ミストバーンの秘密に気付く可能性がある人物であること、周囲の人間達と違って決死の覚悟で戦いに臨んでいたわけではないこと、我が身可愛さに全力の力を出し惜しみにしていたのをミストバーンが見抜いていたこと、魔界出身の魔族の身でありながら魔界の未来のため=太陽をもたらすためという大義(ミストバーン曰く「バーン様の大望という花」)を掲げる魔王軍を裏切った不忠者であることなど、様々な要因が重なってロンのことは本気で嫌悪していたのだろう。

彼が武器職人としてのキャリアを捨ててまで繰り出した必殺剣を見届けていたなら、ミストバーンの評価は変わっていたのかもしれない。


ハドラーが率いていた魔王軍の幹部。おそらくはバーンの命令で秘密裏に凍れし時の秘法を解除の手助けをした。コンプレックスを払しょくするため並ならぬ努力をし主君の為ならその努力すら曲げる忠誠心の厚さはミストバーンと相性がいいと思われる。


漫画版クロスブレイド編集

3巻から登場。ただし一切の台詞を発さず、また行動も起こさないことから扱いは完全に背景のモブ。

5巻ではついにミストバーンが動くことに。主人公ユウキたちの強さに興味があったバーンから試金石として遣わされる。ただし実力が足りていないと感じれば殺しても構わないと伝えられていた。

最初はロラドムド軍にユウキたちの相手を任せて静観。しかしロラドムド軍の魔物が卑怯な手でユウキとメイロを押さえ付けた上に「(卑怯と謗られても)ザコのたわごとなんか聞こえない」「卑怯でも構わない。これがロラドムド軍とバーン軍のやり方」と吐き捨てたことから激昂。「偉大なるバーン様の戦い方が貴様らのような小物と同じと言ったか……!?」といきなり襲い掛かり、命乞いをされても「聞こえんな、ザコのたわごとなど」と見下しながらトドメを刺した。


ユウキ「たっ…助けてくれたのは感謝するよ。けど、嫌な奴だからって仲間を殺してなんとも思わないの…!!?」

ミストバーン「…思わぬ…。ロムドラドの部下であるコイツらと違い、私の主人はバーン様、唯1人…!!! 側にいただけで仲間ではない!!!」


そしてミストバーンはここへ来た目的を明かし、ユウキ、ポップ、マトリフの3人と対決する(ダイは不在だった)。「私に左手以外を使わせたら見逃そう」と言い放ち、3人と互角以上に渡り合う。

ユウキのアバンストラッシュを闘魔最終掌でパワーを奪って不発させ、至近距離から放ったポップのメドローアをフェニックスウイングと似たモーションの技で弾き返す。背後に回り込んだマトリフのメラを猛スピードで躱して同士討ちを誘発させようとするなど文字通り圧倒する。

しかしユウキの提案によって放たれた、ポップとマトリフの“ギガメドローア”は弾き返せず、咄嗟に素顔を晒し両手を使って受け止めるのがやっとだった。

結果として素顔が露見するが、原作のように逆上することなく約束を守って引き下がった。なお、転移した先で身体がよろめいており、相当なダメージ(あるいは疲労)を感じたことから主人公たちを侮れないと評価した。


6巻ではバーンに挑むバランに対し、キルバーンと共に背後から攻撃して負傷させた。

その後、竜魔人となったダイ&バランの親子ドルオーラで逆襲される。3人で何とか堪え抜き、満足したバーンが「この世界での戦いは終わりだ」と宣言したことで共に別世界へと旅立っていった。

このため最終的な決着がつかないまま退場となった。しかし最終巻ではバーン軍の置いて行かれた残党がバーン側最後の刺客として暗躍する。



能力編集

ミストバーン

暗黒闘気を用いた戦闘を得意としており、必殺技にもそれが現れている。見かけによらず身体能力を活かした物理攻撃力も非常に高く、ダイをダブル・スレッジ・ハンマー(プロレスにおけるパンチの一種。ベジータがよく使っているアレ)で叩き落すシーンも見られた。剣技に関しても相当なものでロン・ベルクと互角に渡り合っている。

更にパプニカ急襲時には霧(ミスト)を発生させることで鬼岩城の姿を多い隠し、上陸させることに成功させている。この時は事前に分身のシャドーを生み出していた様子。


  • 究極の肉体

能力と言うよりは特性。物理的な攻撃や魔法でもダメージを与えることができず、どれだけの実力者でも長期戦を強いられ疲弊を余儀なくされる。そんな自分をミストバーンは「究極の肉体」と呼んでいる。

ただし後述にもあるように弱点は光の闘気による攻撃である。ミストバーンもそれはわかっており、「ヒュンケルやアバンならわからない」と述べている。


センシティブな作品

 掌から発する糸状の暗黒闘気で相手をマリオネットのように操る技。相手を痛めつける技としても強力。元々は無数の骸を操る児戯にも等しい技であるが、ミストバーンが使うと途端に魔技と化す。

 パプニカの港との戦いでは闘魔滅砕陣の最中にヒュンケルにこれを仕掛け、より強力な力を加えることで身体を引き裂こうとした。二つの闘気技を組み合わせるという点では、アバンストラッシュXや獣王撃裂掌に通じるものがある。

 勇者アバンと獄炎の魔王ではかなり精密に操ることができるらしく腕だけを操ることで他者のペンから魔法陣を描いた。


 足下から蜘蛛の巣のように暗黒闘気の糸を張り巡らせ、周囲にいる者達を同時に縛り上げる技。使用頻度は高く、この技で幾度もダイ一行をピンチに陥れた。


 ミストバーンの最終奥義。掌に全ての暗黒闘気を集中させ敵を握りつぶす技。その掌圧は、オリハルコンなどの超金属ですら防げない。後述の「フェニックスウィング」の攻撃版とも言うべき技。

 前述の通り漫画版クロスブレイドでは、接近して来た相手に掌の暗黒闘気を絡み付かせてパワーを奪い取る技になっている。


 鋭い爪を高速で伸ばし相手を貫ぬき絡め取る技。伝説の防具をも容易く貫き、爪は切られても即座に再生する。地面に突き刺すことで地中から奇襲するという攻撃も可能。また対象を拘束することも可能。人間程度なら簡単に引き千切ることもできる。


  • デストリンガー・ブレード

 爪を揃えて剣状に伸ばし、敵を切り刻む技。過去にロン・ベルクの顔に傷を入れたのもこの技である。


  • 呪文吸収・反射

 相手の呪文を闇の衣の内側正面から受け、そのまま吸収・倍増して撃ち返す。劇中ではポップのベギラマをベギラゴン級にして撃ち返している。ダイの剣の鞘とシャハルの鏡の美味しいとこ取りといったコンセプトだが、どのような技かは不明。素顔を晒してからは使用しておらず、闇の衣着用時のみでしか使わなかった他の幾つかの技と同じく「ミスト」としての技・能力(暗黒闘気技の一種)と思われる。


  • 掌圧

 闇の衣を剥いでから使用した技。掌を突き出すことで衝撃波を発生させる。ポップたちを壁に叩きつけるほどの威力を見せた。後に若バーンもハーケンディストールを跳ね返す際に使用した。


  • 闘気弾

 闇の衣を剥いでから使用した技。老バーンが使った闘気弾と同じく掌を突き出して放っている。ビーストくんとの戦いで用いたがジャンプで躱されてしまった。


 闇の衣を剥いでから使用する超高速の掌撃。呪文を正確に弾くその様は燃え羽ばたく不死鳥。使用を頑なに禁じられた技だが、この技からヒュンケルは大魔王との共通点を垣間見る。


 主にバーンとの交信に使用。これにより終始無言のミストバーンもバーンと意思疎通ができていたと思われる。


名言録編集

口数は決して多くないミストバーンだが、その分セリフに重厚感がある故に、名言を意外と多く残している。

  • 「………………」
  • 「ハドラー…これだけは覚えておくが良い…お前の肉体は我が全能なる大魔王バーン様の物なのだ…お前には生死を選ぶ権利も無い…ただ修羅のごとく戦うのだ…死してもなお蘇り戦うのだ…お前の主バーン様の為に…!」
  • 「…あれは紛れもなく我が軍最強の鎧…壊されたのはそれより相手の技が勝っていたというだけの話だろう?」
  • 「命令する……死ね。お前達には一片の存在価値も無い。大魔王バーン様の大望の花を汚す害虫だ……降伏すら許さぬ……死ね!」
  • 「…ゴミ共がああっ…!!よくも…よくも決して誰にも見せてはならぬ我が素顔を暴きおったなッ!!!」
  • 「ハドラー。その質問に対する私の答えは常に一つだ…大魔王様の御言葉は全てに優先する…!」
  • 「……消えよ…!!黒の核晶の閃光とともに…!!!」
  • 「詮索は無駄だ。直ぐさまお前達はこの世から消える…!!この顔を見てしまったからには尚更生かしておけなくなった…!!」
  • 「……さらばハドラー…そしてバランよ…バーン様が一目置かれた男たち…!!私はお前達の名を忘れはしないだろう…永遠に…!」
  • 「…では…さらばだ…ロン・ベルク!そして、思ったより骨のあった人間共よ!!私は強靭な肉体と精神を持った者は敵味方問わず尊敬する」
  • 「人から人へ成り上がりだけを目あてに彷徨くドブネズミなど、私は絶対に信じぬ!己の欲のために主をいずれまた必ず裏切るからだ!」
  • 「人生のツケというやつは、自分にとって最も苦しい時に必ず回ってくるものらしい。色々な奴を今迄己の為に利用してきたお前だが、最悪な相手に最後の最後でぶつかったようだな。……たまには自分の手足を動かせ!!」
  • 「フッ…仲間か…そんな正義の使徒どもの金看板の様な言葉をとうとう出してきたな…?だが、ザボエラ。それほど付き合いの長い仲間ならば、こういう時に私は何と答えるのかも十分承知しているはずだが?」
  • 「私は強靭な肉体と精神を持った者は、敵味方を問わず尊敬する。諸君らの活躍を永遠に心に留めておく事を約束しよう!」
  • 「…私は…幾千年も前から元々一人だった!一人でバーン様を守り抜いてきたのだ!!」
  • 「笑わせるなっ!!!人形風情がハドラーの生まれ変わりのような顔をするのはっ・・・身の程を知らぬにも限度があるっ……!!」
  • 「私が魔王軍最強なのだ!!!」
  • 「感謝しながら死んでいけ…! これほどの相手に殺されるなど何百年生きていてもまずあり得ぬ事!!うぬらには過ぎた冥土の土産だわ!!」
  • 「……やはりお前だったかヒュンケル。最初にその事実に気づくのは…」
  • 「貴様は死神ではないッ!私のミストバーンという名前は死神が現れてから命名された新たな幹部名!奴は私のことを"ミストバーン"とは呼ばない!それ以前の名……ミストと呼ぶのだ!!偽者ッ!!正体を現せッ!!!!」
  • 「……あの死神が………敗れたッ!!!」


闇の衣が剥がれた影の男の姿編集

バーン様……お許しを……お許しください…………

お許しくださいバーン様!貴方様の御言葉を初めて聞かずして、この姿を見せる私を……!!


ミストバーン

当初は魔族と思われていたが、真の正体は暗黒闘気の集合体である魔界の魔物ミストであり、凍れる時間の秘法で凍らせたバーン全盛期の肉体を預かっていたことが終盤で判明する。


バーンの肉体に纏わり付き、それを隠すために闇の衣を羽織っていた。これが“ミストバーン”の正体である。衣から時折見える人間のような顔は、バーンの顔だったのだ。

ミストは暗黒闘気そのものでもあるため光の闘気以外の攻撃は一切寄せ付けない。これが「究極の肉体」の正体である。そしてミストバーンは、その肉体の内に「無敵の肉体(バーンの肉体)」をも隠し持っていたのだ。


素顔を晒す時のみバーンの肉体に入り込み、その力を行使する。それが上記画像の姿である。

ちなみに前髪のような、眉毛のような黒塗りの部分が表出したミスト本体である。


端的に言えば彼自身が「(コールドスリープされた)バーンの肉体を護る闇の衣」そのものであり、前述の噂は自身の正体と真の使命を悟られないために作り出したものだと思われる。


素顔の一端が描かれた頃は「決して誰にも見せてはならぬ我が素顔」と述べている。その際は歯ぎしりするなど上記の設定とは矛盾点も多いのだが、当時のジャンプではこういうのはよくあることだったので気にしてはいけない。


魔影参謀、最後の戦い編集

ミストバーン

ヒムに圧倒され、敵であるはずのマァムに庇われるという醜態を曝したミストバーン。ヒムにトドメを刺される瞬間、ついにバーンの肉体に入り込み素顔を明かす。

途端、ヒムラーハルトでも歯が立たないほどの力を発揮。だがビーストくんに「凍れる時間の秘法(アストロンの状態で襲い掛かってきているような状態)」であることを見抜かれ、一対一の対決に。

格闘技術ではビーストくんに圧倒されるが息切れにより捕らえることに成功。人質にしてメドローアを放とうとしていたポップを牽制する。


しかしポップは呪文を放つと共にルーラを用いてビーストくんを救出。その際に蹴りを受け体勢を崩したミストバーンに抗する術はないと思われたが、『フェニックスウイング』を用いて跳ね返し二人を消滅させた(と思われたが、実は二人ともアバンによって助けられていた)。


ポップを失ったことで戦意喪失したアバンの使徒たちにトドメを刺そうとするが、「フェニックス(不死鳥)」の名を冠する技を披露したミストバーンこそが本物のバーンではないかとヒュンケルから指摘される。

ヒュンケルの言葉を一部肯定しながらも「残りの謎解きはあの世でやってもらおう」と今度こそトドメを刺そうとしたその時、キルバーン(に化けたアバン)が現れ、彼からもミストバーンの正体について問われる。


一度は「お前とて正体に迫れば命は無い。それは自分も同じ(鬼岩城パプニカ王国を襲撃した際、素顔を晒すのをやめさせたのもそのため)」と抗弁し引き下がらせようとする。だがキルバーンから「ボクは大魔王に協力する義理はあっても義務はない(自分は大魔王の部下ではない)」「大魔王の影であるミストバーンが本物なら、ボクはずっと偽りの大魔王に仕えていたことになる(騙され続けていた)」と口にされ「自分たちの仲は偽りではない」と否定する。


そこですべての秘密を話すように言われたが、この時に「ミストバーン」と呼ばれたことで偽物と看破。アバンの化けの皮を剥がす(本物のキルバーンは「ミスト」と呼ぶ)。

しかし凍れる時間の秘法で停止したバーンの肉体に怪物が憑依しているという真実を暴かれる(アバンは凍れる時間の秘法をよく知っていたため、それが掛けられた状態で動けるのは「他者が憑依して操っている」と見抜いた)。


直後、ダイに追い詰められていたバーンから肉体返却が要求、それに従い己の不利よりも命令を忠実に守り肉体を返却。全盛期の肉体を取り戻したバーンは真・大魔王バーンとして降臨。そして憑代を失ったミストもまたアバンたちの前に正体を現す。


「…………そう…これが……私の本当の姿だっ!」


ミスト自身の能力及び活躍については「ミスト」のページを参照。


闇の衣編集

ミストバーンが纏っているローブの通称。上述どおり、バーンの肉体を覆うための装備。本体が単なる暗黒闘気の集合体であることから、闇の衣はバーンが自分の肉体を覆い隠すためにミストの能力に合わせて用意した道具と思われる。


普段はこの衣と自身の能力でバーンの肉体を覆い隠して行動し、非常時にはこの封印を解いてバーンの肉体に入り込んでいる。


つまり、ミストバーンを確実に倒す方法は『闇の衣を纏っている内に光の闘気で衣の状態で行動するミストを滅ぼす』か、『バーンの肉体に憑依している状態で空裂斬等で憑依しているミストを倒す』の二択しかない。例外としては、『メドローアでバーンの肉体諸共消滅させる』という方法もある。


しかし、元々ミストバーン自身の戦闘能力が軍団長ではバランと同等かそれ以上であり、これらを易々と相手にさせるわけもなく、更に強大な暗黒闘気で防がれる、またはメドローアも実際にそうなったように跳ね返される可能性もあるために、どの方法を取るにしても,極めて困難である。


またヒムから光の闘気を込めた拳を幾度も打ち込まれて弱りはしたが、ダメージ(負傷)を受けた様子はなかった。このことからミストを滅ぼすにはヒュンケルがやったように膨大な光の闘気を用いる必要があることが窺える。


実践はされなかったが、ドルオーラやグランドクルスという規格外の闘気技ならば衣の状態でも倒せた可能性がある。


余談編集

  • キルバーンが現れるまでは「ミスト」の名前で呼ばれており、キルバーンが来てから「ミストバーン」という新たな幹部名を授かった。
  • 過去に何度か闇の衣を剥ぎ、素顔の状態で戦ったことがあるという。また数百年の付き合いがあるキルバーンは、その様を何度か見ていたとのこと。
  • 鬼岩城を破壊されたミストバーンが激昂して衣を脱ぎ捨てようとした時、その威圧感を感じ取ったヒュンケルは「ミストバーンの暗黒闘気は、ヤツの真の姿を隠すためのものに過ぎないのではないか」と推測していたがまさにその通りだったわけである
  • 1991年版でミストバーンを演じた難波圭一氏は同作でメインキャラクターのポップを演じているが、二者を全く違う声色で演じている。
  • 2020年版でミストバーンを演じる子安武人氏は3DSドラゴンクエストⅧからドルマゲスを演じていることでもお馴染みである。
  • 原作漫画では、彼の台詞は他の登場人物とは違う書体で写植されていた。
  • 凍れる時間の秘法で時間が止まっていたにもかかわらず、バーンの肉体が嘲笑したり汗を掻いたりしているのはご愛敬。
  • ミストバーンは魔王軍関係者ほぼ全員に共通する部分を持つ。
    • 「バーンから新たな『肉体』を与えられ、その力を使って戦う(ハドラー)」
    • 「人間を見下し、その生命を軽んじるような言動を取る(ハドラー)」
    • 「仲間同士で友情を築く(クロコダイン)」
    • 「悪の組織の幹部でありながら、卑劣な策謀を嫌う気位の高さ(ヒュンケル)」
    • 自分の体は傷つかず思い通りに動かせ尚且つ一方的に相手をいたぶる(ザボエラ)」
    • 「他者を利用した生き方をしており、強者に縋り付く(ザボエラ)」
    • 「自分の在り方にコンプレックスを持っており、それ故にバーンへの忠誠心が高い(フレイザード)」
    • 「部下というポジションだが実は上司より強い(バラン)」
    • 「表立っている姿が正体を隠すための目くらましに過ぎない(キルバーン)」
    • 「自分が最も主に買われていると思い込んでいる(マキシマム)」

などなど。

というよりもむしろ、ミストバーンのパーソナリティーそのものが、大魔王バーンに心酔する典型的な魔王軍だったのかもしれない。

  • アニメを新規で見たある視聴者はミストバーンの額の本体を「額についてる百均のハロウィン飾りみたいなやつ」と評してしまい、その正体を知っている古参のファンを爆笑させた。また、スパロボシリーズのプロデューサーとして知られる寺田貴信からは「白いハンブラビ」と評される等、外見をネタにされる事も多い。
  • 勇者アバンと獄炎の魔王の16話では死の大地で「魔界の神」と交信していたハドラーを影で見守っていた。その後も「魔界の神」の意志を受け各所で暗躍している。ヒュンケルがアバンに離反した際に即座にヒュンケルを拾っているが、ここからも、ハドラー討伐後のアバンを主のために自ら監視・偵察していた事がわかる。
  • ハドラーとの付き合いはそこそこ長く新生魔王軍の中ではヒュンケル、ザボエラに次ぐ長さ。ハドラーも「無口だが只者ではない」と初見でわかっていた模様。

関連タグ編集

ダイの大冒険 大魔王バーン キルバーン ロン・ベルク ヒュンケル ハドラー ミスト   六大団長


凍れる時間の秘法 フェニックスウイング 闘魔傀儡掌 憑依 闇の衣

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