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「ワシの理想!!」

「それは、自分の肉体はいっさい、傷つかずに思い通り動かせて、なおかつ、一方的に敵をいたぶれる…」

「そんな能力っ…!!!!」

ノヴァ「さ…最低の発想だ…っ!」


解説編集

CV:岩田光央(2020年版)

ミナカトール攻防戦に登場する死霊系(アンデッド)モンスター。超魔生物の三体目であり、『大破邪呪文』が描く光の五芒星を守るべく地上に残った戦士達が最後に戦った相手でもある。

魔軍司令補佐ザボエラが開発した超魔生物の中では二体目だったことから、当初は「超魔生物第2号」と呼んでいた。


切り札として作り上げ、魔界の精鋭たる魔物数百匹の死体を魔法力によって超魔合成したゴーレムである。死体故に自我はなく、胸部に乗り込んだザボエラが魔法力によってモビルスーツのように動かす。

起動、というか成型時はザボエラの「超魔合成」の号令の下に数多の死体がザボエラに結集し、一度固められたのちに再形成されて例のフォルムになる。


他人の犠牲の影に隠れて自分の身を守り、その上一方的に他人をいたぶろうとするザボエラの思想の化身のような存在である。



性能編集

元々死肉を凝縮した存在であり、その肉体はゴムのような状態になっているため物理攻撃には滅法強く、地上のノヴァクロコダイン等といった戦士達を圧倒し、ロン・ベルクの一撃さえまともなダメージにならない程の耐久力を誇っている。また骨の剣である「ボーンスキュル」を武器として扱うこともある。

そして当然ゴーレムのような存在であるため超魔ゾンビがいくら殴られようが内部の操縦者にはダメージが無く、同じ理屈で呪文にも強い。その防御力はロン・ベルク製の武器グレイトアックスすら歯こぼれさせ、仮にその肉壁を貫いたとしても、ザボエラの創り出した猛毒により武器は腐食して役に立たなくなる。


また腕力においても肉体的には貧弱なザボエラが屈強なクロコダインを「非力」と呼べるほどのものを得ており、純粋な肉体強化という面で見るとかなり効率が良い。

「歩兵にとっての最強を突き詰めると戦車が出来る」とも言われるように強固な装甲とパワーに機動力を持たせて蹂躙するという理屈は戦車のコンセプトと同じで、ザボエラの言う通り「自分の肉体は一切傷つかずに思い通り動かせて、なおかつ一方的に敵をいたぶれる能力」としては最適と言える。


とは言え、それだけの能力を「敵の拠点や障害の粉砕」や「敵兵の排除」ではなく「敵をいたぶる」発想に行き着く思考、素材が味方の死体、重傷を負っていた味方を殺害して死体を調達している辺りはノヴァの「最低の発想」の酷評は止むなしである。


弱点はいくつかあり、その1つは「死体故に回復呪文などによる再生不能」であること。『閃華裂光拳』に対抗するための処置だが、同時に強力な物理的ダメージを受けた際のリカバリーが施せない。

またそもそもがただ死肉をかき集めただけの代物なので、仮にクロコダイン達がいなかったとしても人間が足や腕に集中的に剣や武器を何本も突き刺していけば、蓄積したダメージで部位破壊くらいはできそうである。


ただのダメージだけなら持ち前の耐久力でいくらでもごまかせるが、ザボエラの元々の得意分野であった呪文の類が一切使えなくなる欠点も抱えている。

またその大きさとザボエラの格闘術への知識の乏しさゆえにかなりどんくさく、純粋なスピード勝負では他の強者には負ける側面もあり、実のところ高い耐久力と攻撃力だけではザボエラの非力を補うにはやや足りていない。


だがそんな欠点も「敵の本懐がミナカトールの魔法陣という動かないものの防衛」であったため、敵の戦力はミナカトールの魔法陣に集結せざるを得ず事実上帳消しになっていた。

他にも戦場が山奥で行軍自体が困難な場所の上に、ルーラの使い手も少なかったために人間側は大規模な武装(例としてベンガーナの戦車)の準備が困難だった。仮にだが人間側が魔法陣を守ると言う状況でなければ散り散りに取り囲んで積極的に攻撃をしなければ、スタミナ勝負で後れを取っていた可能性は十分にある。逆を言えば、そういった戦場の諸条件で優位だとみたからこそ追い詰められたザボエラはこれを切り札として出したのだろう。


2020年版では原作よりも体躯が大きい。細かい部分で修正がされ「事前にモンスターに手を加えていた(フローラによる言及)」「猛毒によって武器を腐食させる」などが削除された。


活躍編集

ミストバーンに見限られたザボエラは、成果もなしに大魔宮へ逃げ帰れば即処刑されるような状態であり、クロコダインから降伏を勧められるが、これを哄笑して一蹴。瀕死の部下達を殺害し、その死体を用いて合成した。その戦闘力は圧倒的で、ロン・ベルクの斬撃は肉を断てず、格闘戦を挑んだクロコダインすらも非力扱いした。そのまま魔法円を消滅せんとフローラたちに迫るが、ノヴァの命を懸けて挑む姿に感銘を受けたロンは切り札であった試作品の剣を呼び出す。互いに隠し続けた切り札をぶつけ合うが、ロンは回避し続け一切攻撃を仕掛けない。


調子づいて嘲笑するもロンが放つ気迫に圧され、恐怖を露わにしながら振り払うように襲い掛かるも、そのまま星皇十字剣に叩き斬られてあえなく敗北した。


十字に斬られ行動不能のゾンビから命からがら抜け出すことに成功したザボエラのその後は本人の記事を参照。


改良点編集

以前妖魔学士ザムザが超魔化した際には、「再生能力が高い故に過剰に回復させられると細胞が壊死する」欠点があり、ここを突いた『過剰回復呪文』や『閃華裂光拳』に対して弱かったが、これに関しては生体活動が停止している肉体には回復呪文は効果が無い事に注目して解決した。


また、改造による強さと引き換えに生命力を消費する問題は、自身ではなく素材となるモンスターを改造して操ると言う形で解決している。


圧倒的であったが、それ以上の力を持ってすれば破壊可能で、最終的に『星皇十字剣』に斬り捨てられた。しかしロン・ベルクの両腕に剣士としての致命的な傷を負わせ、これ程の力をもってしないと打ち破れない超魔の強さを証明するものでもあろう。


敗北後、ルーラも使えぬ程力を消耗していた様子から、超魔ゾンビは倒されると操縦者の魔力を根こそぎ失わせる性質もあるとみられ、キメラのつばさなどの自分が倒されたときに魔力に頼らない撤退手段は必須となる。


そもそも超魔ゾンビの「耐久力に重きを置いた強さ」を前提とするならば、高い防御力と持久力をある程度兼ね備えることが絶対条件であり、どちらかが欠けるとそれは必ずしも高い耐久力を持っているとは言い難い(特にメタル系の魔物がここに当てはまる)。

このことからザボエラが超魔ゾンビを兵器として使うなら魔力の燃費の問題は避けては通れず、賢いザボエラがその問題を見逃すとは考えづらい。

ロンとの戦闘で息切れを起こす場面はあったが集中や想定外の妨害ゆえの焦りとも考えられ、仮に致命的な程魔力の燃費が悪いという問題があるならば、劇中のようないたぶり方はせずにもっと決着を急ぐはずである(そもそも極端な話だが、誰も殺せなくてもミナカトールの魔法陣さえ破壊してしまえば魔物側は結果的に勝利となるため、決着を焦るならば人間を相手にする必要は無い)。

そもそも、もし魔力の消耗が問題となるならザボエラ本人が気にしたり超魔ゾンビの動きの鈍りなどで現れるはずであり、倒される直前までザボエラ含め誰も魔力の消耗を考えないのは不自然である。

これらから見ると「超魔ゾンビの操縦によって魔力を著しく消耗する」というより「超魔ゾンビが倒されたことで一気に魔力を失った」と言った方が正しいと思われ、この辺りはバーンの「光魔の杖」とも性質がよく似ている。


自己保身と合理主義の権化である性格と「前回の課題をすべてクリアして初めて改良と言う…!!」と宣う科学者としてのスタンスを考えると、ミストバーンに切り捨てられなければ、この場で使用するつもりのない試作・試験品レベルだったと見られる。


由来編集

本キャラは1994年の週刊少年ジャンプで行われた「オリジナルモンスター大募集」のコーナーの「三条賞」に選ばれた公募キャラ「ハイパーザボエラ」がモデルとなっている。ちなみに「堀井賞」は大魔宮動力炉の番人・ゴロア、「稲田賞」はキルバーン所蔵品のジャッジが該当。


小話編集

超魔ゾンビは、第二話に登場した賢者バロンが乗り込んだキラーマシーンとまったく同じコンセプトの敵である。こちらはハドラーが討たれたことで活動を停止していたが、司教テムジンの改造によって搭乗者の魔法力で動くように改編され、強靭な装甲であらゆる攻撃を弾き返す。


オフィシャルファンブックでは「超再生能力を持つ」と表記されている(ノヴァの紹介ページより)。

劇中では自己再生をしている描写はないが、ノーザングランブレードを喰らった右腕の傷が消えていることから自己再生が出来る可能性はある。


関連項目編集

ダイの大冒険 魔王軍(ダイの大冒険)

アンデッド フランケンシュタイン パワードスーツ

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