プロフィール
※1:王女時代の頃且つダイの大冒険の時からの逆算。
概要
カール王国の女王でレオナが最も慕う女性。
ミストバーン配下の魔影軍団の猛攻に耐え続けたものの、竜騎将バラン率いる超竜軍団にたった5日で滅ぼされたが、一握りの兵たちと共に破邪の洞窟付近に根城を建て大魔王バーンに対抗する組織を結成する。
カール出身であるアバンとは幼少期、こっそり王城を抜け出して森にいたところを助けられ、その礼として彼を騎士へと取り立てた。
その際に彼が力を誇示することを拒む姿勢を聞いていたこともあり、道化としての振る舞いも容認していた。
10代の頃から病床の父に代わり、国民の前に若き指導者として立ってきたこともあって、ハドラー率いる魔王軍に対しても毅然とした態度を見せていた。内心は魔王軍に恐怖を感じていたが、そんな折にアバンが発した「何もしなければまさに何もはじまらないでしょう?……ジタバタしかできないなら方法はひとつ……!!」 「みなさん!ジタバタしましょう!!」 という言葉に感銘を受け、長年その言葉に助けられてきた。
アバンに想いを寄せていたが、ハドラー討伐後に再び出奔した彼とは疎遠状態であり、更に大魔王の侵攻以降は祖国カールが魔王軍の猛攻の末に壊滅したにもかかわらず全く姿を現さなかったため、その死を確信。彼の遺志を継いで魔王軍と戦うべく指導者としての立場に徹していた。
それだけに、最終決戦にてバーンパレスから脱出してきた一同の中にいたアバンが急に話しかけてきたことには非常に驚き、思考停止の末卒倒する有様だった。
「少々嫌がられても、しっかりつかまえとかないとダメよ」
「勇者なんて、事が片付いたら、すぐどこかに消えてしまうんだから…!」
最終話では上記の台詞をレオナに言いつつも、実際はアバンに対する当てこすりなのは明白であり、事実アバンはこの言葉に動揺し、直後にポップやクロコダインからも「責任を取れ」とダメ出しされるという有様だった。アバン自身も観念したのか漸く結ばれた。どうやらフローラの方はしっかりと捕まえられたようである。
1991年版では登場前に打ち切られたが、2020年版では原作が完結した為か原作での初登場シーンに先駆け、アバンがハドラーにメガンテを唱える際彼女の姿を思い浮かべた。
装備
- チェーンクロス
- カールの法衣
- 邪気を祓う効力を持つ法衣。破邪の洞窟攻略時に身に纏った。
- 鋼鉄の剣
- 主武器として使用。
- 鉄兜
- 鉄で製造された兜。王女として活動していた時に使用。
- 鉄の鎧
- 鉄のプレートで構成された鎧。女性用に設計・製造されている。
魔法
- 火炎呪文(メラ、メラミ)
- 火球を相手にぶつける攻撃呪文。攻撃以外にも燭台などに着火する際にも応用できる。
- 迷宮脱出呪文(リレミト)
- 洞窟や迷宮を脱出する呪文。発動すると一瞬で洞窟や迷宮の入り口まで移動する事ができる。
- 回復呪文(ホイミ、ベホイミ)
- 生体組織を活性化させて傷の治療を行う呪文。
勇者アバンと獄炎の魔王
アバンとロカの旅立ちを見送った後、国の統治をしつつも自ら前線に赴いて魔王軍の侵攻を食い止め続けていた。
アバンとは旅の最中も手紙でのやり取り(近況報告など)をしていた。
ウロド平原の戦いの後、魔王軍の侵攻が弱まっているのにアバンが帰ってこないことを訝しむ日々を過ごしていたが、ある夜に王城を訪ねてきたマトリフの案内でジニュアール邸に赴き、凍結状態のアバンを目の当たりにする。
経緯をマトリフから聞かされ気丈に振舞いつつも、彼が席を外した後は動かないアバンに抱き着き大粒の涙を流していた。
魔王軍との決戦ではマトリフからの要請を受けて元騎士団長のコバルトを始めとする配下の騎士団と共に参戦し、カール王国所蔵の武器、防具を授け、アバンを助けることになる。
ハドラーが討伐された後は亡き父に代わり王位を継ぐことが決まり、勇者として箔が付いたアバンとの婚姻を家臣たちからも望まれていたが、フローラ自身は「アバンがカール王城に戻ることはない」と予感しており、自室に保管していた眼鏡を彼がこっそり持ち去ったことでそれを確信し追跡。ヒュンケルと共に旅に出ることを告げる彼を、「普通の町娘なら、一緒に連れて行ってと言っていたが、それが出来ない立場である事を知っていたから黙って姿を消そうとした」と指摘し、ばつが悪そうなアバンに激励の言葉と共に自分の手でアバンに眼鏡をかけ、彼の旅立ちを見送った。
「いってらっしゃい、アバン先生!あなたの目指す未来を見つける旅に!」
「でも忘れないで」
「どんな姿で、どこの国で、何をしていても…」
「あなたは、私のたった一人の勇者だということを!」
つまり、本編でレオナに「しっかり捕まえてろ」とアドバイスしていた割にはちゃんとお互い合意の上でアバンを旅立たせた事になるのだが、フローラからすればまさかアバンが以後カールに一切顔を出さないというのが想定外だったのだろう(アバンの書をカールに届けるエピソードが残っているのでそこで1回顔を出す可能性はあるが)。そりゃ怒りますって……
作中での人物関係・関連人物
カール王国
フローラの想い人にして魔王を倒して世界を救った勇者。
アバンの友である家臣にして(アバンが勇者だった頃の)カール騎士団団長。
ダイの大冒険の頃は故人であるがフローラとは面識がある。
(ダイの大冒険の頃の)カール騎士団団長にして最強の家臣(ただし劇中では共演するシーンは描かれなかった)
前述のホルキンスの父親にして、(アバンが勇者だった頃の)カール騎士団先代団長。
アバン一行とハドラー軍の最終決戦では、フローラや後述のエルドラと共にアバン一行に加勢した。
ロカの後輩で、ロカがアバンに同行する形でカール騎士団を抜けた後の騎士団長。
ロカ同様にダイの大冒険の頃は故人になったためか前述のホルキンスが騎士団長になっている。
アバンの実家であるジニュアール家に仕えている老執事。
彼に、カール王家に伝わる武具(聖剣、盾、鎧)をアバン専用の武具として鍛え直すのを依頼した。
その他
アバン一行に仲間として加わった大魔導士。
アバンが魔王封印の策の巻き添えを食う形で封印状態になった時は、ロカとレイラには『ショックを与えないように』という配慮から二人には封印状態のアバンを見せなかったが、フローラは『特別』という事で見せ、それと同時に封印状態のアバンを隠す場所をドリファンと一緒に教えた。
パプニカ王国の王女で公私ともに思い入れがある。
また、『勇者に好意を寄せる一国の王女』としてのフローラの後輩とも言える。
かつて存在した国『アルキード王国』の王女。『勇者アバンと獄炎の魔王』におけるアバン出奔の場面での言動は、ソアラの一種のアンチテーゼにもなっている。
関連イラスト
余談
原作の連載期間中に発売された『ドラゴンクエストⅤ』にて同名のヒロインが登場している。また『ドラゴンクエストⅠ』にはよく似た名前の姫も登場している。
原作ではポップが彼女の年齢を詮索してレオナとマァムに制裁されるシーンがあったが、アニメでは台詞が変更されている(制裁されるのは変わらず)。
劇中の年代から逆算するとアバンと出会ったのは9歳前後の頃という事になるが、61話で当該シーンの回想が描かれた際には9歳というにはあまりにもグラマーな体型でデザインされていた。
フローラを演じる高橋女史は当時27歳でフローラの年齢と近かったが、それまでは10代の少年少女・後輩キャラを主に演じていたことに加え、主要キャストの中でも最年少(それまで最年少だったゴメちゃんを演じる降幡愛よりも誕生日が8日遅い)であり、配役発表時は各所で驚きの声が上がった。なお、ダイの大冒険公式YouTubeチャンネル「ダイ好きTV#67」においてオーディションで採用されたことが判明した。
しかし、実際の演技はまさしく「大人の女性」であり、彼女の演技の幅の広さが改めて評価されることになった。
ちなみに普段の少女の演技は、フローラの若かりし頃を描いた「勇者アバンと獄炎の魔王」で披露している。