CV:國府田マリ子(劇場版第一作目)/冬馬由美(1991年TVアニメ版)/降幡愛(2020年TVアニメ版)
概要
デルムリン島の住人の一人で、ダイと幼い頃より常に傍らにいるゴールデンメタルスライムと呼ばれるスライム。本作のマスコットキャラクター的な存在。
ゴールデンメタルスライムは“伝説の珍獣”とされ、捕らえることの出来た者は巨万の富と名声を得ると伝えられており、冒険者の中にはこれを求めて世界を渡り歩く者がいるほど。
デルムリン島にやってきたニセ勇者一行もこの伝説を知っており、欲に目が眩んでゴメちゃんをダイから奪って捕らえている。
鳴き声は「ピィ」。人語を喋る事ができないが、人語は理解できるようで意志疎通は可能。※ダイから頼まれごとを受けた時は『ぴぴっぴ(わかった)!』と応えたり、レオナの話を聴いてダイと共に『ぴぴぃぴ~(すげぇな~)!』と感銘を受けたり、マァムの脱出を手助けの際には『ぴっぴぴぴ(あっちかな)? ぴっぴぴぴ(こっちかな)?』と言った具合に多少は話せるようである。
見た通り翼を備え、これで空中を飛翔することが可能。翼の先を指のように曲げて指差しをしたり、ガッツポーズをとったりできる。 全身を簡易的に変身してのジェスチャーも可能である。またスライムなので体も柔らかく、ちょっとした隙間なら強引に通り抜けることもできる。
戦闘面では活躍できないものの置き去りにされることは嫌がっており、荷物に紛れ込んだり、マァムやレオナの衣服の中に潜り込んで密かについて来るのが定番。うらやまけしからん。※実際、功を奏した瞬間がいくつかあった
その気になれば燕や隼に匹敵する速さで飛ぶことが出来、非常時には全身を発光させて遠方の味方に信号を送って合図として知らせることも出来る。 ※応用で目暗ましとしても活躍させることも可能
後にチウの「獣王遊撃隊」のNo.2に指名され、左翼にバッジをつけるようになった。
主に情報伝達を行う伝令役として活躍するが勇敢なところもあり、死の大地の戦いではマァムと共に城兵ブロックに攻撃(体当たり)しているシーンが見られた。
不思議な能力とその活躍
デルムリン島のモンスター達が凶暴な性格になってしまっているなか、唯一影響がなかったという不思議な能力を持っている。
スライムらしい形体変化もできるようで、ポップに「ダイの身に危険が迫っている」ことを知らせたり、二人と逸れてしまった時に村の子供達に尋ねる時に披露した。
戦闘能力は低いがクロコダインとの直接対決で倒れたダイを回復させたり、マァムが地底魔城に幽閉された時は、彼女の服の中に潜り込み脱出の手助けをし(これによりマァムは、あるアイテムを入手することができた)、ミストバーンに攻撃を仕掛けてダイ達を窮地から脱出させたり、魂の世界でポップを現世への帰還を手助け、チウをフェンブレンから守る為に突撃して奴の顔面をひしゃげさせ、レオナを魔力炉から守るべく、彼女の服の中に潜り込み自身のエネルギーを持って守り抜くというサポーターとして大活躍をしていった。
その後の大魔王バーンとの戦いでも、ダイ一行を支える仲間として活躍するが、激戦を潜り抜けて来たため身体が一回り小さくなってしまっていた。
小話
2020年版でゴメを演じる降幡は専門学校時代に冬馬由美から指導を受けており、師弟で同じ役を演じる事となった。
3DSのゲームソフト『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3 プロフェッショナル』では何とブラスやチウら等と共に仲間にできるモンスターとして登場。Vジャンプに付いているシリアルコードを入力する事で仲間にできるディスクが手に入った。
性能としては可愛い見た目とは裏腹に圧倒的な強さを持っており、メタル系扱いでありながらステータスが恐ろしく高く、合体特技、合体特性も非常に強力なものなので対戦では高い頻度で使われていた。一方でこれにより、メタルキングやプラチナキングといった一部メタル系モンスターが殆ど使われなくなってしまった…
関連タグ
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 スライム(DQ) デルムリン島
エンゼルスライム:後にゲーム作品に登場した羽の生えたスライム。
ダイ:デルムリン島で出会った人間の男の子。大切な友達。
レオナ:パプニカ王国の姫。デルムリン島にやってきた人間の女の子、大切な友達。
キズブチ:『ドラゴンクエストⅥ』のコミカライズ版のマスコット的なスライム。
※これより先、ある真実が記載されているため 閲覧には注意されたし
『我が無敵の魔王軍が、ここまで追い詰められた理由が・・・今、わかったわ・・・!』
【明かされた真実】
『こやつは、スライムでもなければ生物ですらない』
神々の嘆きから生まれたとされる「神の涙」と呼ばれる生きたアイテムで、力無き心を通わせた者が手にすると、思った通りの願いを叶えるとされている。
古来より天地魔界が度々形勢が逆転される事態はこれが関係されているとも言われ、「竜の騎士」と共に神話の時代から畏怖されてきたとも。
ゴールデンメタルスライムの伝承はその謂れと「スライムのような見た目」「金属のような光沢」「金色」の見た目が合わさって曲解し伝わったもので、その様な魔物は最初から存在しなかった模様。(事実本物のゴールデンスライムは非常に巨大なうえ、その頑丈さ故便宜上メタル系だがメタル系のスライム達とは系統が異なる)
「神の涙」に意思があるのは、悪しき者の願いを叶えない為のセーフティでデルムリン島に落ちてきたのも、利己心や欲に塗れた人間のいない「地上で一番汚れ無き土地」であったからである。
幼き頃のダイが、茂みにあったのを発見し『ねぇ・・・【僕の友達になってよ】』という願いから現在の姿になったのである。オフィシャルファンブックによればデルムリン島に「神の涙」として落ちたのは劇中の約10年前。それから間もなく、ダイに見つけられ、ゴメとなったようである。
そのためゴメとしての人格はダイのイマジナリーフレンドと言え、神の涙の意思とは厳密には別物である。
冒険の旅に出発してからも幾度もダイ一行の願いを無意識下であれ聞き届け続けて力を消耗しており、魔力炉から魔法力を放出してレオナを救った時点で小さくなってしまっていた。
瞳を動かす力と理由を知ったバーンはレオナから奪い取るが『お願い・・・あたしたちの友達の命を奪うのは、やめて! 』と懇願されるが、バーンはそれを受け入れず自身を脅かす驚異として握り潰し一片も残さず砕け散ってしまう。
刹那、ダイは初めて共に言葉を交わすものの、自らは死なないが、再生にも過ごした時間だけ掛かり完全復活を果たした時には、かつての記憶も忘れてしまっているだろうと。それだけがゴメの唯一な心残りだとも。
『最後に・・・【叶えたい願い】は・・・ない?』
『今、俺が一番願う事・・・・心を一つに・・・【世界中の人々の心を一つに】できたら・・・』
『心を・・・一つに?』
『ほんの僅かな時間でいい! メルルとポップみたいに、【俺達の知っている事】を、【世界中に伝えられたら】・・・もしかしたら!』
『・・・やってみるよ!』
残された最後の力を振り絞り、ダイの「自分達を知っている世界中の人々の心を一つに」という願いを叶え、バルジ島、ベルナの森、オーザム王国に投下され残ったピラァ・オブ・バーンに内蔵した黒の核晶はそれぞれアポロ、マリン、マトリフとニセ勇者一行により凍結。願いを実現できたことを見届けて天へ還っていく。
空が黄金色に染まっていく光景はダイ達を知る者だけでなく世界中の人々の目に焼き付けられた。ミーナ、レイラ、ナバラ、フォルケル王、ジャンクとスティーヌ夫妻、メルル、バダック、フローラ、そしてダイを勇者と知らず言葉を交わした少年にも……………
ダイは涙を流しつつも決して落胆することもなく「その時は大人になっているが、いつかまた探し出して友達になってくれるように願いに行く」と笑顔でつぶやき、ポップやレオナと共に再会を約束する。
【さよなら】は、言わないよ・・・・・だから、【またね】・・・・・
長い年月(約10年間)はかかるが、地上へと帰って来るだろう。友と交わした約束を果たすために・・・
アニメ版のラストではチウがデルムリン島に築いている砦の柱に「獣王遊撃隊」No.2としての雄姿が刻まれていた。遊撃隊隊長や隊員達も再会を期していることだろう。
【余談】
ゴメちゃんの言葉によれば「神の涙」の再生と出現には現世で過ごした(願いを叶え続けた)時間と同じ時間がかかるという。
10年前にデルムリン島に落ち、幼きダイに発見された時の「神の涙」が、その前は何時使われ(それから使用されたのと同じ期間の時間をかけて)再生してきたのかは不明である(記憶が失われるためゴメも憶えてはいないだろう)。
しかし、デルムリン島に落ちてきたのが「冥竜王ヴェルザーの封印、すなわち天地魔界の形勢が激変した大事変から約3年後」というタイミングだったのは、単なる偶然ではなかった可能性もある。ダイの父・バランは数年間の死闘を経た末に奇跡的にヴェルザーに勝利し、これを封印している。この時期に「神の涙」(ゴメの前世)がどうなっていたのかについては一切、語られていないものの、あるいは…。
【真の関連タグ】
トリィ(知恵のかりもの):知恵のかりものに登場するマスコットキャラクター。神々によって地上のために遣わされた存在。金色のスライムモチーフという点でも似ている。ゴメちゃんと同じく牢屋に幽閉されたヒロインを助けたこともある。何よりラストシーンのお別れが……。