概要
アルキード王国の王女で、心優しく、慈愛に満ちた女性。
12年前のある日テラン王国の【奇跡の泉】に出かけていた時だった、ソアラは泉の辺に倒れていた瀕死の戦士を発見。急ぎ その戦士に泉の水を飲ませ命を救い、自身の城へ招き入れた。
その戦士は冥竜王ヴェルザーとの死闘で傷ついた竜の騎士バランであり、両者の仲はとても良好で愛し合うまでの間柄になっていた。その様子は、王である父も喜んでいたのだがバランの存在を危険視した家臣達の計略により引き裂かれてしまう。
バランが追放された事を知ると、急ぎ城を抜け出し彼を追いかけた彼女は『私達を置いて行かないで!』と自身の中に【新たな命】が宿っていることをバランに打ち明け、ソアラは王家の身分を捨ててバランと駆け落ちをする。テランまで逃げ延びた二人は、そこで新たな生命にディーノと名付け幸せな日々を送っていた。
1年の月日が流れるとアルキード王国の兵により一家は発見され、夫は【魔王軍の残党】として処刑されてしまうが・・・
太陽が沈む瞬間
処刑されかけたバランを火炎呪文から庇って瀕死の重傷を負ってしまう。
残された最後の力を振り絞り愛する夫に「人間を怨まないで、皆・・・臆病なだけなの・・・・」と『ディーノと二人で・・・幸せに・・・』と言う言葉を最期に残して世を去る。
その後はバランの回想などで登場。彼が“人間に対する憎悪”と“人間達への復讐”を抱く動力源となっていた(もっとも、バランが僅かな間でも父性を見せた描写が描かれていたことや、人間をただ憎むばかりでなく、侮れぬ存在として評する一面を捨てきれなかったところを見るに、夫の暴走を抑える鞘でもあったと思われる)。
どのような女性(ひと)だったのか?
まだ赤子で共に過ごした時間は僅かだったため、母のことを知らぬダイは魔宮の門に挑む前、背合わせであるが『その・・・・母さんって、どういう女性だったの?』と父に訊ねた。
父は彼女と出会った時のことや一緒に過ごした時間を思い出しながら『【どういう女性だったのか】・・・か、そうだな・・・“太陽のように優しい女性”であったよ。ただ、そこにいるだけで皆が温かい気持ちになれる・・・そんな、不思議な輝きに溢れていた・・・』と語っている。
2020年アニメ版では物語初期のレオナと同じ髪型になっていた。こちらは王女としてではなく家庭的な女性を感じさせる。
最愛の家族との再会
決戦前夜のディーノの夢の中で姿を現す。
花が咲き乱れるどこかの場所。戦いも諍いもない平穏な世界。そこでソアラとディーノは、ただの母子として幸せなひと時を過ごし、叶うことがなかった未来を息子と刻んでいく。
だが、夫が現れた瞬間、そんな安らぎは終わりを迎える。ディーノには地上界の勇者として、竜の騎士として地上の人々を守る使命があった。
バランと入れ替わるように息子はその場から進んでいく。ソアラは最後まで不安でいっぱいの表情を浮かべていたが、自分の意思で戦いに赴く我が子をしっかりと見据え、夫と共に我が子を見送るのだった。
人間は誰もが過ちを犯す。その時によって善にも悪にも傾く。それを知っても尚、ダイは地上を守ることを選んだ。
ダイには間違いなく、誰よりも優しい人間であるソアラの血を色濃く継いでいたのであった・・・。
余談
バランが竜の血を与えれば生き返った可能性もあるが、作中ではバランがソアラに竜の血による蘇生を試みたかどうかは語られていないため真相は不明である。
ラーハルトを生き返らせようとしたバランも「成功するのは万に一つの可能性」としか思っておらず、事実生き返るのに長い期間を必要とした。悲しいことだがソアラの場合は失敗に終わってしまったということだろう。
ポップの時のように誰かが死の世界に行くのを引き留めていてくれればあるいは生き返れたのかもしれない。
名前の由来は太陽のような女性、ということで「ソーラー(Solar)」から来ている。
後年、三条陸がファンから寄せられた「バランとソアラはどちらが告白したのか?」という質問に対し、「ソアラから告白しなければバランは絶対に心を開かなかっただろう」と回答している。
関連タグ
バラン:最愛の夫。異国の戦士。
ディーノ:最愛の息子。
ウィニア:『ドラゴンクエストⅧ』に登場する女性。結婚相手や息子など共通点が多い(厳密には逆だが)。
スカーレット:同じくジャンプ作品で身分違いの恋に身を投じた女性。彼女の場合、表向きは死者として新たな身分を得て王族との縁を絶っており、問題を回避している。演じたのは、1991年版のソアラを演じた山崎和佳奈氏。
ローラ姫、イルーシャ、ロミア、メルトア、アメリア(『ドラゴンクエストライバルズ』):茅野愛衣氏が演じたドラゴンクエストシリーズのキャラクター。
ゼルダ姫:ゼルダの伝説シリーズのヒロイン。ダイ大と同じく89年に刊行された未将崎雄のコミカライズ版では「ゼルダ姫の母親(名前はゼルダ)」が登場する。異種族の青年と結ばれて子を授かるが、国王(父親)が差別意識の強い人物だったため捨て子ということにして気難しい老人に託した。実は世界を守る使命にある一族であり、彼女亡き後は息子がその役割を果たすこととなる。などなどソアラとの共通点が見られる。