概要
竜神族の長老の1人で父グルーノの1人娘にして、『ドラゴンクエストⅧ』の主人公の実母である女性。
好奇心旺盛にして明るく、天真爛漫な性格の持ち主で、かつて掟で交流を禁じられていた人間界に密かに降り立った際、当時サザンビークの王子であったエルトリオと出会い、恋に落ちる。
だが人間と一緒になっても幸せになれるはずがないと思い込んでいたグルーノにこのことを知られてしまい、激昂した彼に無理やり仲を引き裂かれ、故郷の竜神族の里に連れ戻されてしまう(なお、この時、エルトリオとの間に子供を授かっていたが、妊娠の兆候が表れていなかったらしく、恐らく当人以外は誰も気づいていなかった模様)。
更に追い打ちをかけるかのごとく、自分を追って来たエルトリオが里の手前で力尽き亡くなっていたことを知ると、悲しみに打ちひしがれた彼女は次第に衰弱してゆく。
この時すでに身籠っていた彼女は、彼女の身を案じる周囲の反対を押し切り、最愛の人の子供を産む決意を固める。だが衰弱しきった彼女の身体は出産の負荷に到底耐えられるものではなく、主人公を産み落とすと共に息を引き取ってしまった………。
なお彼女の墓は『天の祭壇』にあるとされるが、他の里の民たちへ体面を保つための偽物であり、実際には彼女の亡骸は「せめて死んだあとぐらいは一緒に…」という配慮から、竜神族の里へと続く山道に設けられたエルトリオの墓に密かに埋葬されている。
この真実はグルーノ(とおそらく竜神王)以外、誰も知らない。
また、彼女の形見はエルトリオから贈られた『アルゴンリング』であり、里の実家で大切に保管されていたが最終的にはグルーノから主人公へと託される事となる。
余談
エルトリオと共に既に故人である為、物語において主人公が対面することはないが、その容姿は(グルーノの紙芝居が忠実に再現されたものであれば)ミーティア姫にそっくりだと一部のファンからいわれているらしい(まぁ…グルーノが紙芝居では妙にイケメン化していることは気にしてはいけないんだろうが…)。
なお、似たような悲恋物語が『ドラゴンクエストⅣ』でも描かれているが、こちらは亡くなったのが主人公の父親で、母親らしき人物が健在であることを考えると、その悲壮さがよく伝わってくる…。
関連タグ
ソアラ:漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場する主人公、ダイの母。こちらは人間族で、出産後もしばらくは夫と共に幸せな生活をしていたがある出来事により帰らぬ人となってしまった。
やまたのおろち:小説版ドラゴンクエストⅢでは内縁の夫を暗殺された心労と難産で命を落とした処を化け物に改造され、人格まで破壊されてしまったウィニアの更に悲惨な類例。最期は命懸けで産んだ娘と殺し合った挙句に、我が子と認識できぬまま殺されてしまった。因みにこの母娘がⅠ主人公の先祖と言う設定である。