『ダイの大冒険』の時系列の頃の彼に関しては、アバン先生の記事を参照されたし
プロフィール
概要
学者の家系であるジニュアール家の人間でカール騎士団に所属する騎士。
両親を早くに亡くし祖父であるジニュアール1世と執事のドリファンに育てられた。
だが、普段は飄々としており武術に長けているような雰囲気を感じることができない眼鏡をかけた優男で訓練そっちのけで女性陣のために料理教室を開いている。その様子を友のロカから心配されていたり、『何故、優男なお前さんが騎士団に?』と疑問を抱かれる事もあった。
- 後者に対しては『勉強ができるからでしょ? ジニュアール家は、学者の家系ですからね♪』と答えている。
- 実際、その知恵が最大限に活かされ【鏡を用いた通信呪文】、【魔族の文字】の翻訳を行い、騎士団の警戒状態にまで引き上げた。モンスターの襲撃時には、毒蛾の粉を調合・使用し戦況を有利に進めるなどアバンはその頭脳を戦いに役立てている。
だが、魔王ハドラーがカール王国に侵攻しフローラ王女の命を奪おうとしていたところを、ロカと連携してこれを阻止する事に成功。
魔王がまだ生きている事を察知すると同時に(現在の自分の力量では、ハドラーを倒す事はできない)と悟ると姫に自身の平穏の証を託してロカと共に魔王討伐の旅に出発した。
旅の途中で訪れた村や町の人々には、全員に話しかけて情報収集をすることを初め野営する事になったら持ち前の知識を活かして山菜やキノコを調達・調理したり、自ら周辺の偵察に赴いたりと行動的である。
書物などで得た情報から不思議な形状をした遺跡に入るための仕掛けを解いたり、モンスターとの戦闘中でありながらも冷静に観察・分析して戦闘を繰り広げる。
また料理・食への情熱が強く、訪れた村や町でいただいた料理は食べ切る主義の持ち主。
武具
- 鋼鉄の剣
- 鉄を鍛えて製造された剣。騎士団に所属する前でも愛用しており、多くの怪物を撃退している。激戦を潜り抜けてきたからか、第三の必殺剣を習得する修行の際に折れてしまう。一般で手に入る部類としては強力で入手も容易である事からメイン武器となりやすい。
- 鉄の鎧
- 鉄のプレートを繋ぎ合わせて製造された鎧。騎士団に所属してから愛用している。
- 布の服
- ごく一般的な布製の衣服。動きやすいように袖が短くなっている。
- 稽古着
- 入門したての武闘家が身に着ける稽古用の衣服。隠れ里ギュータで武術の鍛錬時に纏った。
- 檜の棒
- 檜を棒状に加工したもの。軽量の為、身体能力が低い者から鍛錬を積む歴戦の戦士達まで愛用されている。 カール騎士団在籍時代でも鍛錬の際に使用していたり 山小屋で出会った老人からお借りし、昨日の夜に交戦した身体を鋼鉄みたいに変化させる魔物を叩き斬った技を思い出し・振り下ろした事で薪を割ることに成功した。
- 貝殻の手甲
- 貝殻を加工して製造された手甲。海底宮殿の牢屋から脱出する際に製作した即席武具。
- 格闘
- 己が鍛えた身体能力から繰り出される武術。呪文や隠し技との併用がしやすく連撃を繰り出すことが可能。
- バルゴートの杖
- 逢魔窟の最深部で発見した大賢者バルゴートが愛用していた仕込み杖。
- カールの聖剣
- カール王国の秘宝の一つ。地底魔城での最終決戦に於いてドリファンの手で研磨、強化されたアバン専用の武具。鞘とナックルガードにジニュアール家の紋章が刻まれている。
- 魔王ハドラー戦の後はアバンの実家に保管された。
- カールの鎧
- カール王国の秘宝の一つ。ドリファンの手で調整強化されたアバン専用の武具。鉄の鎧の上に重ねて装着できる増加装甲と呼べる代物で、胴部分にジニュアール家の紋章が刻まれている。
- 魔王ハドラー戦の後はアバンの実家に保管された。
- アバンの盾
- カール王国の秘宝の一つ。ドリファンの手で調整強化されたアバン専用の武具。中央にはジニュアール家の紋章が刻まれている。モンスターの熱気、冷気の息吹(ブレス)を弾く事が出来る業物である。アバンが敵の様子を見てマトリフの為に盾を残した事でマトリフの窮地を救い盾は失われた。
道具
- パデキアの根っこ
- 特殊な酵素を含んだ土で発芽する高い薬効成分を持つ薬草。磨り潰してスープなどの料理に加えることで更に美味しくなり栄養価が上がる。
- 毒蛾の粉
- 森に生息する毒蛾の鱗粉を用いて製作された薬。相手にぶつけることで混乱させる。
- 飴
- アバンお手製の飴。薬草の成分が含まれていて、身体回復効果を高める。味はロカも保証済。
- 軟膏
- アバンお手製の軟膏。傷口に塗り込むことで生体組織を活性化させ、回復を高める。魔力を込めたキギロによるダメージもこれで大丈夫。
- お弁当
- アバンお手製のお弁当。勇者アバンが料理番である為、仲間達の栄養管理もバッチリ。
- 金鑢
- 金属加工用の金鑢。身体の一部に隠しており、とある経緯で牢屋から脱出する際に使用した。
- キメラのつばさ
- 雷に打たれたキメラの風切り羽。瞬間移動呪文(ルーラ)と同じ効力を持ち、一度訪れた事がある場所ならどこへでも一瞬で移動できる。ジニュアール家にも多数貯蔵されていたが、地底魔城の決戦時にマトリフが用意した援軍達に配ってその在庫は無くなった。
- 消え去り草
- 一定時間、自身の姿を視えなくすることができる不思議な薬草。その効果は透明化呪文(レムオル)に近い。
装飾品
- 輝聖石
- 美しい宝珠が付いた首飾り。魔力を増幅させる輝石と魔力を蓄積する聖石の二つの力を持っている。複数持っていたため、内一つをフローラ姫に渡している。
重要装備
- 伊達眼鏡
- ごく一般的な黒縁の伊達眼鏡。アバンにとって大切なもので魔王討伐への出発前、フローラ姫に預けている。魔王ハドラー討伐後、フローラ姫から返却してもらった。
- カールの守り
- 魔王討伐の旅の出発前にフローラ姫から授かったお守り。肌身離さず身に着けている。フローラ姫には輝聖石を渡した。
技
- 大地斬
- 力に特化した第一の必殺剣。巨木を始め大岩や岩盤などを容易く斬り裂くパワーを持つ剣技。
- 海波斬
- 速度に特化した第二の必殺剣。モンスターが吐く熱気や冷気の息吹(ブレス)や水や炎、風など不定形なものを斬り裂くことができる剣技。
- 空裂斬
- 闘気に特化した第三の必殺剣。光の闘気を武器に蓄積させ邪悪なエネルギーを斬り裂く剣技。
- アバンストラッシュ
- カール王国でハドラーとの戦いで繰り出した強烈な閃光の一撃。
- 豪破一刀
- カール騎士団正統の構えから放たれる一撃。相手の攻撃を見極めて反撃の一閃を決めるカール騎士団の流儀を体現する技で、「正統の構えから放たれる正統なる初撃」と称される。
- パプニカ王国に現れた謎の殺戮機械を倒すために、ロカと同時に繰り出した。
- 当時の騎士団長のコバルトの訓練をサボりがちだったこともあり練度はロカにやや劣る。
- ???
- 自身の闘気を小さな一点に圧縮・開放する闘気技。
呪文
- 火炎呪文(メラ、メラミ、メラゾーマ)
- 火球を放つ攻撃呪文。メラゾーマは、火炎(メラ)系最上級の呪文で魔王に対して発動させた。
- 閃熱呪文(ギラ、ベギラマ)
- 熱閃を放つ高度な攻撃呪文。使い方次第で、金属などの加工にも役立てることができる。
- 鋼鉄変化呪文(アストロン)
- 身体を鋼鉄に変化させる防御呪文。物理攻撃や魔法攻撃からも身を守る事ができる。
- 氷系呪文(ヒャド、ヒャダルコ)
- 冷気を放つ攻撃呪文。攻撃以外にも火災の鎮火などでも活躍できる。
- 真空呪文(バギ)
- 真空の刃を巻き起こす攻撃呪文。真空呪文同士を組み合わせることで、巨大な真空の渦を作って爆裂呪文の効果範囲を最小限に押さえ込むことができる。
- 破邪呪文(マホカトール)
- 隠れ里ギュータで発見した呪文。光の魔法陣で強力な結界を生み出す。アバンは『私の故郷の近くなら習得できるかもしれない』と睨んでいる。
- 瞬間移動呪文(ルーラ)
- 自身が訪れたことがある村や町に一瞬で移動できる呪文。目的地をイメージするのがコツであるが、術者の印象に残っている場所が強ければそちらが優先される。幽霊騎士団との戦闘後に契約したが、力量不足のため使用不可。
呪法
- ???
- 隠れ里ギュータで発見した呪法。【魔王を倒すことができなかった場合】の【切り札】として用意している。
- 鏡通信呪法
- 鏡を用いた通信呪法。 魔族が自身の血液で文字を書いて相手の身辺の鏡に届ける事が出来る。 ※アバンは人間の為、魔族の血液を何処かで入手した事で発動できた。
友よ、君は何故チカラを隠すのか?
それは、アバンの祖父「ジニュアール1世」の時代まで遡る。祖父は災害を予測したり危険が迫っている場所などを言い当てて民を守り、国を支えていた学者であった。 それらの情報は時期や場所などが全て的中していて、被害も最小限に食い止めることもできたのだが、その的中率の高さが逆に周囲から気味悪がられてしまった。
ジニュアール家は王家や世間から距離を置く羽目になり、アバンもそのような家柄に生まれた。
若くして父母に先立たれてしまい、祖父と執事のドリファンと共に生活を送っていた。
祖父の出来事を知ったアバンは自ら本来の力量を抑え、人との距離も本来の力量や考えなどを悟られないように置き、精神に壁を作り鍵をかけて生活をしていくようになったのだ。
自身の本来の力量を知っているのは、モンスターに襲われた姫君を始めとした極僅かの人物だけである。
※姫には、『有事の時は、私も全力でお守り致します。』と前以て告げていた。
最強の必殺剣を完成させる鍵は何か?
港町サババで魔王との再戦時、今までの成果として発動させるが今一つ。カール城で交戦した時のような目覚ましいパワーは発揮されなかった。
交戦後、マトリフから怒りに達した瞬間を尋ねられた時に『自分の場合、怒りに達すると一気に冷静になります。』と説明。
それを聴いたマトリフは、『武術における最上級に位置する【心眼】を用いた【戦闘術】がある。アバン、お前さんは無意識のうちに【心眼状態】になっていたんだ。』と答えを出した。
そこからアバンは、自身の発言を再度確認し【最後の必殺剣】を習得するためにマトリフの故郷を訪れるのであった。
隠れ里ギュータで10日間、剣術・格闘術・魔術に更なる磨きをかけていきながら【第三の必殺剣】を習得するための鍵を発見し、「ギュータの最深部に通じている」といわれる【逢魔窟】で習得を試みる。
アバンの秘策を発動させる鍵は、何か?
カノンから授かったあるモノの成功度を高めるべく、マトリフと共に故郷「カール」にある自身の家を訪れる。 その書庫は、祖父が研究・記録していった自然現象に関する情報と併せてマトリフの協力の下で発動可能であるという答えが導き出された。
だが、『俺達、二人だけでは難しい。 より確実に発動させるためには、もう一人 人材が必要だ。』と新たな問題が生まれてしまう。 それを聴いたアバンは、『一人だけ・・・心当たりがある』とある人物を訪ねに向かうのであった。
そして、ウロド平原にて魔王と決闘を挑み二人の猛者の助力もあって発動に成功。
だが・・・
作中での人物関係
仲間
カール王国騎士団の騎士団長。友であり、頼れる相棒。
ネイル村で出会った僧侶。
ロモスの山奥で出会った武闘家。見た目から侮れぬ身体能力を持つ。
ヨミカイン遺跡で出会った魔法使い。左右で異なる呪文を発動させることが可能な技術を持っている。
カール王国
カール王国の王女。
魔物に襲われていた所を救った事から、彼女の推薦でアバンはカール騎士団に入団することとなった。
また、作中では輝聖石とカールの守りを交換するなど単なる『王女と騎士』の関係ではない模様で……
- コバルト
ロカの上司にして先代のカール騎士団長。
アバンがロカと共にカール騎士団に所属していた頃は指南を受けていた。
ジニュアール家の関連人物
- ジニュアール1世
祖父である学者。アバンの両親が亡くなった後は後述のドリファンと共に、親代わりとして育ててきた。天文学者として、その天変地異への予測はもはや予知の域に達する程優れていたために周囲から恐れられ、アバンが周りと距離を置く遠因になった。
- ジニュアール1世夫人
アバンの祖母。祖父よりも早く先立たれてしまった。階段に肖像画が飾られている。
- ジニュアール2世
アバンの父。既に故人で学者だったらしい。肖像画から祖父と同じくモノクルを身に着けた美男子である事がわかる。
- ジニュアール2世夫人
アバンの母。病により先立たれてしまった。階段に肖像画が飾られていて、美しい長髪を持つ貴婦人である事がわかる。
ジニュアール家に仕える老執事。
ジニュアール1世がなくなった後は、アバンの唯一の身内となる。
ハドラー軍
カール王国を襲撃してフローラを攫おうとした魔王。
アバンはこの時(ロカを傷つけられた怒りも相まって)とっさに繰り出した閃光の一撃でハドラーを撃退したことから、その因縁はずっと続くことになる。
アバンが、閃光の一撃の完成と魔王討伐を目的にカール王国を旅立ってからハドラー軍のアジトである地底魔城の魔王の間に辿り着くまでの間に戦ったハドラー軍の四天王。
関連タグ
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主人公(DQ8):騎士と兵士で違いはあるがアバンと同じく物語開始当初は「姫に仕える身」だった。
【警告】これより先、この男の未来が記載されているため閲覧に注意されたし
【世界の希望・希望の勇者、アバン】
地底魔城へ乗り込む際に、カール王国・パプニカ王国・ギュータ・ディードック一味による連合軍が魔王軍の部下を引き受けてくれた事から始まり。
勇者一行を倒す為に立ちはだかる者はマトリフ、復讐の為に蘇った邪悪なる者はロカ、勇者一行抹殺の為に生まれた悪の化身はレイラが引き受けたため、自身の被害を最小限に抑え地底魔城の最奥部へと進むことができた。
魔王の間へ続く地獄門に辿り着くと、『見事だ・・・幾多の強豪を突破しなければ地獄門に来れなかっただろう』と番人から称賛される。
ここまで来れた事は自分一人の力だけではない事を告げると『それも、お主の徳があればこそ。 信じるに値しない者に、仲間は身を投げ出さないだろう』と仲間が自らの意思で引き受けてくれたのは、信じてくれているからと更に称賛された。
地獄の騎士バルトスと名乗る番人の正々堂々とした姿勢と態度に胸を打たれ、それに応えるように自身も名乗った。
世界中の人々が、想いを込めて呼んでくれた【勇者】という称号と共に・・・
変幻自在・千差万別の太刀筋を持つバルトスの剣技に翻弄される中、地獄の騎士という怪物が、優れた身体能力を持つ剣士の骸に優れた剣術を持つ剣士の腕の骸を融合させて生まれる存在である事、自身が6人の剣術の達人を相手にしている事、バルトス自身が自己鍛錬を積み重ね技量を磨き、力量を上げ、自身を育てている事を分析していった。
アバンは、瞬時に各々の腕が得意としている剣術に対応した剣技で対応しバルトスの剣を取り払っていく。力と技の剣術の応酬の末、バルトスの一撃の威力に集中させた迎撃の構えを攻略するべく、渾身の一撃と凄まじい速度で全ての剣を払うことに成功したがアバンは突如として剣を鞘に納める。
最初はバルトスから『情けをかけるつもりか!? 屈辱でしかないぞ! 何故、そんな真似をする!』と激怒された。
『何故かは、自分にもわからないんです。 理由があるとするなら、貴方の首に飾ってあるモノに気付いたからです。 貴方には、貴方の帰りを待っている人がいるでしょう? それは明らかに子供が作った物。 もしかしたら、貴方にも家族が・・・と そう考えたら・・・斬れなくなりました』
と剣を収めた理由を打ち明けた。
バルトスから『これを見ただけで、背後にいるかもしれない家族を考え・・・あえて不殺の戦術を取ったというのか?』と問われると『小さな生命の存在に心が揺れるのは、当然の事・・・どんな種族・生物であれ、無条件で守りたいと考えます。 その小さな生命が私達の世界の未来を紡いでいってくれる希望なのですから・・・』と答える。
魔王の間へ向かう直前、頼まれごとを受ける。その内容に対して、自身を卑下する彼に対し『礼を言わせて下さい。貴方のおかげで、小さな生命が戦火の中で死なずに済んだ。 貴方は敵であっても、小さな生命を見過ごせなかった・・・私と同じです。』
『貴方は、尊敬するべき戦士だ・・・!』と感謝と敬意の言霊を彼に放つ。
そして、『あなたを救い、魔王を倒す術が現在の自分にない事を許して下さい・・・』とバルトスに告げ、魔王の間へ足を運んだ。
【勇者の決断、敢然と立ち向かう】
魔王の間にて、ハドラーと対面。 君主の為に決死の覚悟で挑んできた家臣達を「不甲斐なし」と蔑んだ魔王の精神を肌で感じ取り悟ったハドラー、既に破れたりと。
だが、『俺の部下になれ! そうすれば、世界の半分をお前に与えてやるぞ?』と魔王は誘いをかける。
幾度も戦いを繰り広げる中で振り絞ってきた力を「底知れぬものを持つ人間族の異能者」と称され、優秀な能力を持つ存在が魔族やモンスターだけでなく人間族にも現れた事に気が付いたハドラーから【人間族の世界を支配する権限】を報酬に持ちかけられた。亜人面樹、デストロールと種族にこだわらず優秀なものを部下に集めてきた魔王にとって、それは当然の事。
それに対するアバンは『断る・・・答えは、NOだ!』
幾多の人々と出会いと繋がりが、自分を育て、大きく強く成長させてくれたおかげである事・自分だけの力で大きくなれたわけではない事を言い放ち、誘いを断ち切る。力の強い者、優秀な者なら他者を支配するが当然というハドラーの論理を理解できないと断じる。
交渉決裂を知った魔王から雌雄決する戦場(玉座の裏に続く大広間)へ案内され
『俺の部下にならぬのなら、お前は邪魔な存在だ・・・死ねぃ、勇者よ!!』
『それも・・・断る!!』
己の信念を胸に世界の暗雲を晴らすための戦いへ挑むのであった。
全力で斬り、呪文をぶつけ、相手の傷の回復の時間を与えぬ猛攻で魔王を地に伏す事に成功するが・・・魔王は立ち上がり反撃に出る。
『アバン・・・貴様に感謝するぞ! この俺に、魔王となる決意を想い出させてくれた事を!!』
繰り出されるは、火炎(メラ)系 閃熱(ギラ)系の猛攻。 それに加え、魔王自身が鍛えた身体能力から繰り出される格闘術。 勇者に痛手を負わせ、その身を焼き尽くさんとする炎を操るその姿は【獄炎の魔王】の称号に相応しいほどの気迫に打ちのめされるだけだったが・・・希望を捨てなかった、【打倒、魔王ハドラー】への勝利への光明を見つけ出した。
【勇者の挑戦、血路を開け】
ハドラーに与えていたダメージの一つ一つを観察し、一番大きなダメージの分析に成功。魔王の弱点、それは最大の攻撃の際に、ダメージの再生に廻す力がなくなる、という点だった。だがそれが解ったところで、獄炎の魔王の猛攻を受け過ぎてしまい、もはや身体に力が入らない。 立ちあがるのさえも怪しい状態に陥ってしまった。
心の中で仲間達からの助言を受け、世界の暗雲を晴らすための一つの希望を見出す。
己の拳に力を注ぎ込むハドラーに対し、アバンは自分の武器を手放して怒り・殺気・闘気などの気配も発さない静寂の姿勢を取って魔王の一撃を受けるも致命傷を負う事なく体勢を整え、希望の一閃を魔王に喰らわせる事に成功したのである・・・。
【新たなる旅路、地平の彼方へ】
大戦後、ヒュンケルと言う名の少年を家へ招き入れ【戦いと無縁の世界】を生きて欲しい故に豊富な知識を授ける事を重視していたが、「勇者を倒して箔を付けようとする輩」と遭遇し【生命(いのち)を狙われる側】になり、自身の勇者以外の新たな道を模索し始める。
明くる日、ヒュンケルから『自分は、家族ではなく・・・知識や技術を授けて成長させてくれる先生が欲しい!』と告げられ、人材育成業という新たな道を志す事を決意し、身支度を整える。
そのまま静かに故郷を出発しようとするが、異変に気付いた姫君に見つかってしまう。
経緯・理由を打ち明け新たな旅の許可を貰い、預けていた伊達眼鏡を受け取って
改めて出発、【アバンが目指す未来への旅】が始まった。