概要
勇気や名誉を重んじ、女性を大切に扱う(レディーファースト)等の要素が特徴で、これに近い精神を『武人肌』と呼び、その持ち主を『武人』と呼ぶこともある。
創作作品における騎士道
漫画やアニメ、ゲーム等の作品では以下のような特徴を持つキャラクター・人物に用いられる。
- いかなる時も正々堂々で、それに反するなら味方を手にかけたり、自分を傷つけたり、勝利への好機をあえて放棄することもある。
- 基本的に仲間は見捨てない。
- 女性・子供など、弱者に暴力等の危害を加えるのは言語道断。
- 敵に対しても武器破壊や気絶等の可能な限り無力化にとどめ、殺害はしないあるいは最終手段とするなどのケースもある。
- また弱者を悪から守るのは当然のこと。
- 弱者が苦難を抱えていれば、それを肩代わりして窮地を救うことも辞さない。
- 自身が主君と仰いだ人物(その子供も含む)に対して絶対的な忠義を重んじ、主君と任務遂行のためなら嫌われ役や主君への諌言も厭わない。
- 人質や脅迫等の卑劣・卑怯な手段を忌み嫌い、下記の通り、卑怯者や卑劣漢は嫌悪の対象である。
- どんな敵に対しても逃げずに勇敢に立ち向かう。
- また負け戦だろうと、味方を守るため命を張るものには敬意を示す。場合によってはその意志を賞し、一騎打ちを申し出たりもする。
- 誇りを賭けた誓約は、敵の申し出だろうと意を酌んで尊守する。
- 同時に敬意を表した相手を侮辱することは許さない。それが敵対して自身が倒した者だとしても、それを侮った相手には刃を以って思い知らせる。
主人公やヒーロー等の正義側のキャラクター・人物だけでなく、主人公やヒーローと敵対する勢力(その場合でもれっきとした悪玉である場合もあれば、善人でははあるが主人公たちと主義主張・価値観の違いなどで対立している場合もある)に所属しているキャラクター・人物が持っている場合もある。後者の場合は後に改心or和解したり、洗脳が解けたりして、主人公側の味方になる場合もあれば、最後まで敵として立ち塞がって退場する場合もあるが、いずれにせよ主人公サイドに負けず劣らずの人気キャラになる場合が多い。
この類いの人物は卑劣漢を毛嫌いしていることが多く、それが味方側であろうと卑怯な手段を取る者を殺害していまう可能性もある。なお卑劣漢にとっては武人肌や騎士道精神の持ち主は基本的に邪魔者で両者の利害関係が一致する以外、両者が絡んだりわかり合えることは絶対にない。一方で敵側であればある程度以上の地位についている場合両方併せ持っている、あるいは場によって使い分けると残酷だが卑怯でない者もおり、リーダー格までになると合理的であれば些細なイカサマ程度は見逃すこともある。
弱点としての騎士道精神
卑怯な敵勢力からしてみれば、相手の騎士道精神は格好の狙い目である。
悪く言えば生真面目さが災いして融通を効かせることが苦手で、卑怯な手段を取った敵に対して騎士道精神が邪魔をしてしまい、必要・あるいは有効な対応と分かっている方法が取れないという葛藤もしばしば描かれる。
- 本人の圧倒的な実力や主人公の人徳などで事態が解決する。
- 本人は解決できないが、味方の卑怯キャラなどが代わりに解決する。
- その場では卑怯な敵勢力に屈した上で、後で騎士道精神に則った方法でリベンジする。
- 葛藤の末「騎士道精神より被害を抑えるのが大事」などと考えて卑怯な手法を使う(この際「こんなことは好ましくない」のような台詞を発することもある)。
ということが多く、中には
ということもある。
関連タグ
武人肌:類義語に等しい言葉で、意味合いがかなり近い。
武士道:日本の侍における類似の概念。似てはいるが、真逆な部分も多い。
卑劣漢:騎士道精神を微塵も持たない男のこと。ただし実力自体は認め合うこともまれにある。
スポーツマンシップ:「騎士」がメジャーでなくなった現在、「騎士道精神」に最も近いのはこれかもしれない。
ノブレス・オブリージュ:「身分の高き者は民のために努力すべき」という意味で、騎士道精神に近い。
ダークヒーロー、哀しき悪役:騎士道精神の持ち主が悪役・敵サイドのキャラの場合は、これらの属性に当てはまることも多い。また、本来は善良な人物が悪の親玉によって洗脳されている場合(悪堕ち)なども含まれる。コメディリリーフやネタキャラ的な性質が強ければこれに該当する場合もあるが、少なくとも騎士道精神とは正反対の属性である小悪党や極悪人、人間のクズ等に該当することはまずない。
残念なイケメン:騎士道精神を持つキャラには総じて美形キャラが多いが、その中でも残念な要素を併せ持っているキャラはこれに分類されてしまうことも多い。