『魔王の野郎に、たっぷり礼をしてやらなきゃ気がおさまらねぇからな!!』
プロフィール
概要
桜色の髪に茶色の瞳を持つ筋骨隆々の青年。若くしてカール王国騎士団長を務める。アバンとは同僚にして幼馴染。
マァムに引き継がれたのは、剛力と髪の毛の色と勝気な性格。
冒険開始当初のレベルは18。ハドラーとの決戦から数年後、パーティの中で唯一死亡している。
性格
やや堅物な性格の男性戦士で表面上は脳筋の印象を与えそうに見えて、状況判断と配慮が出来てチーム内の和を無意識に取り持つムードメーカー。
生まれ持った人々を惹きつける人柄からアバンのパーティは彼が中心的な存在とも言え、アバンも言及している。
次世代のパーティーにおけるポップの明るさとクロコダインの理知的な面を兼ね備えている。
しかし、そのまっすぐな気質から、仲間や守るべき人達のために体を張る性分であり、特に魔王打倒のためアバンと愛するレイラに関しては、命を懸けることも厭わず、危うさすら感じさせる。
なお、兵士時代の彼は『俺は、恋をしない! 俺は、一生を剣に生きるのだ!! もし、女性と恋仲になったのなら、裸で(カールの)国中を走り回ってやる!!!』と硬派を気取る堅物であったが、レイラと出会ってから早い段階で惚れて恋仲に発展。旅の途中で子を設けているためマァムと異なり恋愛面での進展は早かった方。
恋仲になっているのはアバン達には秘密にしていたのだが、既に見抜かれていた。
ちなみに「裸で国中を走り回る」という宣言は、自らの「凍れる時間の秘法」により凍結したアバンの復活を願う願掛けという形で有言実行となった。
そしてそのために、マァムが生まれてからもカールに帰郷することはなかった様子。
人望も若くして騎士団団長を任せられるだけの事があり、レイラとマトリフが勇者パーティーに加入したのもアバンでなく彼の人徳あってのものである。
またカール王国王女のフローラの推薦でカール騎士団に加入したアバンに対しても、世間から距離を置いていた彼を見かねて執拗に絡みに行き、段々と意気投合して親友になったという。
能力
力は騎士団長だけあってかなり強く、剣技だけならアバン以上という設定がある。ただアバンが何かと器用だったため自身を不器用と勘違いしていたらしい。
魔王ハドラーの時代を描いた読み切りでは、不意打ちとはいえハドラーの左腕を一刀で斬り落とし極大爆裂呪文(イオナズン)の発動を封じている。また外伝作品では道を妨げている巨岩を軽く持ち上げている。
しかしその力強さゆえに戦闘で困らなかったためか技が磨かれず、ヨミカイン遺跡での戦いまで苦労することになるが、その事を自覚して技を磨いていく様になる。
力はあるが技がないという点は、奇しくも娘と同じである。
特筆すべきは肉体の頑丈さにあり、2度目のハドラーとの対決では、武器を失っても格闘戦で挑み、骨を強化していたハドラーとは真っ向から食い下がっていた。
活躍
騎士団長時代は、アバンがいつも訓練そっちのけで料理教室を開くので心配して呆れていた。
当初はアバンのヘナチョコぶりに憤りツッコミ役に回り、魔王ハドラーからフローラ姫を連れ去るという予告があった時は、アバンが黙って姿を消してしまったので「いくら戦いに自信がないからって逃げ出すなんて見損なったぞアバン!」「お前との付き合いもこれまでだ!」と決別を誓う。
だがしかし、アバンは怪物(モンスター)を混乱をさせて同士討ちを誘発させるための毒蛾の粉を調合しており、これにより形成を一気に覆す。ハドラーとの戦いでは魔王の方に分があったが、ロカが片腕を切り落とすことでイオナズンを封じ、アバンに勝機をもたらしたのだった。
アバンの飄々とした一面は偽りであることを知り、光る剣が人の希望だと確信し、アバンと共に魔王ハドラー討伐の旅に出る。
その道中に訪れたネイル村で僧侶レイラと出会うが、凍れる時間の秘法と彼女との間に命が授かっている一件で一時期解散の憂き目に会う。
呪法が不完全であった為に1年後再び結成され、パプニカ王国の地底魔城まで参戦した。
装備
- 鋼鉄の剣
- 鋼鉄を鍛えて製造された剣。カール騎士団在籍時代より愛用しているもので、ハドラー討伐時に持ち出した。しかし、サババでアバンとレイラに加勢する形でハドラーと戦った際にはその剛腕で折られてしまった。
- 檜の棒
- 檜を棒状に加工したもの。軽量の為、身体能力が低い者から鍛錬に打ち込む歴戦の戦士達にも愛好されている。 木こりの家で世話になっている間に借り、レイラと共に鍛錬に勤しんだ。劇中でも無加工状態の代物や刀剣状に加工した物を使用している。
- 鉄兜
- 羽根飾りが付いた鉄製の兜。ハドラー討伐時に持ち出した。 ※カール騎士団在籍時に装備していたものは、飾りがない仕様。
- 鉄の鎧
- 鉄製のプレートを繋ぎ合わせた鎧。カール騎士団在籍時代より身に着けていて、ハドラー討伐時に持ち出した。
- 格闘
- 己が鍛え上げた身体能力から繰り出される武術。本人は『剣術より殴った方が強いなんて・・・』と少々複雑な心境を抱いていた。サババではハドラーと格闘戦で食い下がる健闘を見せつけていた。
- 鉄の斧
- 鋭い刃をもつ斧。木こりが薪割りなどに用いる農具である。※新たな生命が誕生した後、薪割りに使用。
- 布の服
- 一般的に普及している布の服。動きやすい様に丈が短くなっている。
道具
重要アイテム
- 不死鳥のかがり火
- 天界の不死鳥が羽ばたいた時に発する火の粉と云われている不思議な火。魔力に反応して火の色が変わる。
技
- カール騎士団正統の構え
- カール王国騎士団に伝わる構え。力を溜めつつ、相手の動きを分析・最良の一撃を繰り出す為の動作。ここから下の豪破一刀に繋がる。実はこの構えそのものにも大きな意味があり修行の結果、地底魔城での決戦でその成果を発揮することになる。
- 豪破一刀(ごうはいっとう)
- カール騎士団正統の構えから放たれる強烈な攻撃。相手の攻撃を見極めて反撃の一閃を決めるカール騎士団の流儀を体現する技で、「正統の構えから放たれる正統なる初撃」と称される。その威力は高く、呪文はもちろん、奥にいる詠唱者にも届く。正統の構えは相手を見極めるだけではなく、攻撃のために力を溜めておくという意味合いもある。
- この一撃からヒントを得たアバンは、第二の必殺剣を生み出すことになった。
- 力に頼りきりで技巧の伴っていなかった習得当初はレイラのピオラの効果を受けることが前提の技だったため、ロカ単独ではこの技を扱うのは困難だった。隠れ里ギュータで鍛錬を積んだことで技量が上がりピオラによる強化抜きでも発動可能となり、逢魔窟の最深部に現れた魔王軍の怪物に会心の一撃を喰らわせた。
- アバンも習得しているが、練度の差かロカの物と比べると精度も威力も劣る。実際パプニカにおけるキラーマシン戦で使用するが、アバンの一撃はキラーマシンの頭部を半ば切断しかけるに留まった(ただしこれ以外の攻撃はまともに効かなかったので十分に高威力だった)が、ロカの一撃はキラーマシンの頭部を斬り飛ばしていた。
- 身代わり
- 自らを盾にして仲間を守る防御術。海底宮殿でオトギリ姫、港町サババで魔王と交戦時に行い、アバン達を勝利に導いた
意地っ張りの裏側に隠れた真実とは何か?
ロカをよく知るアバン曰く『意地っ張りな性格のため、時々【心にも思っていない事】を口に出してしまう』との事。
実際、満足に回復していない身体を無理に起こして『もう大丈夫さ!』と平気なフリをしたり、本当は傍らに誰かがいて欲しいけど『一人で大丈夫だ』と心配させたくない故に強がっていた。
それを発する時のロカの癖を彼女は見抜き、(そうか、本当は・・・)と彼の考えを読み取る事に成功した。
友の為に出来る事は、何か?
ウロド平原で魔王と決闘し、奥の手を発動させたアバンによって各国で魔王配下のモンスター達が沈静化し、平穏が訪れた。 更に月日は流れ、ロカはレイラの故郷「ネイル村」で結婚式を挙げ、夫婦となり新たな生命に「MAAM(マァム)」という名を授け育んでいく。
久しく出会ったマトリフに様々な出来事を伝えていくが、その日々を過ごしていくうちに嬉しい事と悲しい事の二つが自身の中で渦巻いている事を打ち明ける。
マトリフとの会話から、かつて【友と交わした約束】を果たすためにカール王国へ赴いた。
勇者の盾、ロカ
地底魔城へ乗り込む際、アバンを魔王の所へ送り出すための作戦の指揮を執る。
マトリフから不死鳥のかがり火を預かり、先頭に立って乗り込むが勇者一行の進攻を食い止めるべく現れた魔王の側近の計略に乗せられてしまい、闘技場へとおびき出された。
その場は、マトリフが引き受けてくれたため魔王の膝元までアバン達と進むことができたが、魔王を護るために現れた無数の怪物達が何かに恐怖している姿を目の当たりにする。 最初は何が起きているのか不明でだったが、手にしていた不死鳥のかがり火の異変に気付き怪物達の視線の先を眼を向けると 異変を生み出した存在に驚愕した・・・
ロカはその存在の危険性を感じ取り、魔王と戦うアバンを温存させるべく、その場に1人留まった。
小話
演じる三宅健太氏はDQソードで試練の騎士とアークデーモン、11Sでネルセンを演じている。
アバン一行の中で演じる声優が最後に明らかになった。
※1991年版では、回想のみの出演だった
元々死因が不明とされており少なくとも若くして死んだことからファンの間でも議論があった。
「魔王軍による暗殺」や「事故死」、「衰弱や病死(これについては後遺症、難病、奇病以外は呪文で治癒可能ということが判明している)」、死因が謎にされているため「実は生存していて『魔界編』に登場する予定(ただし今のところ死亡自体は確定している)」などの説が以前からあった。
その後、『勇者アバンと獄炎の魔王』の連載が始まり過去のパーティから外伝のメインキャラクターとして深掘りされたことで前述の説に近いもののより発展させた「グランドクルスなどの闘気技で生命エネルギーを使い果たした」「キルバーンによる暗殺」のようなドラマ性を求めた説も増えている。
さらには「約束を守って裸で逆立ちして一周したせい」なんてものも…。(こちらはアバンが凍結した際にやった)
ダイ大本編でアバンがグランドクルスをヒュンケルに見せた際に、「あなたは戦士、呪文が使えない。もし剣を封じられたら最後に残された武器は命そのものしかない」と語り、剣を使えなくなった際の急場を凌ぐための隠し技として伝授しようとした。
しかし呪文が使え、その気になれば手近にあるものですら武器にできるアバンが急場を凌ぐ技として開発するには違和感があるため、実はグランドクルスまたは原型となった技の発案者はロカであり、死因も最終決戦でグランドクルスを発動し、それにより多大な反動を受けて衰弱したからなのではないかという推測があった。
しかし、『勇者アバンと獄炎の魔王』第28話においてアバン本人がグランドクルスを編み出すに至った経緯が描かれたたため、発案者がロカであるという推測については否定された。
また若輩の彼がカール王国の騎士団長になっていたのは年上の人材が軒並み戦死していたということが理由にあげられている…と思われたがロカの前の騎士団長であるコバルトは師範として後任の教育をしていたため軒並み戦死したわけではなかった模様。
人物関係
仲間
カール騎士団の同期にして友である勇者。
ネイル村の女僧侶。後に妻となった女性。
魔法使い。偏屈な彼からもストレートに「いいやつ」と評価されている。
武闘家。見てくれとは裏腹に優れた身体能力を持っている。
カール王国
カール王国の王女。
- コバルト
ロカの上司で先代のカール騎士団長。
後述のホルキンスとその弟の二人を息子に持ち、彼らも後にカール騎士団の一員となる。
先代騎士団長コバルトの息子。コバルトの下で共に修行をした。
- エルドラ
カール騎士団の一員にしてロカの後輩。
ロカがアバンに同行する形でカール騎士団長の座を降りた後は、その後釜としてカール騎士団長となった。
家族・血縁者
レイラと紡いだ生命にして最愛の娘。アバンから武術と魔術を習う。
- アリアム
レイラの父であるため、ロカからすれば義父に当たる。
ネイル村の神父。
魔王軍
勇者であるアバンが敵対する魔王軍の首領である魔王を名乗る魔族。
第一話ではロカはアバンに気を取られているハドラーの隙を突いて左手を斬り落としたが、アバンほどは気に留められていない。
ハドラーに仕える幹部である四天王。
どちらともアバンの仲間として戦っている。
関連タグ
外部リンク
【警告】これより先、この男の未来が記載されているため閲覧に注意されたし
アバンの親友(とも)・未来を紡ぎし者、ロカ
交戦の中で抱いたアバンの予感が見事的中、キギロが持つ異様なまでに禍々しい邪悪な闘気によりロカの身体能力と戦闘能力が削がれ、兜を砕かれ満身創痍の状態に陥っても【アバンのために】と身体を起こし扉の前で仁王立ちで立ちふさがる。
不退転の決意と己の全生命をかけて・・・
最大の一撃を繰り出すための構えと己の持つ闘気、光の闘気を合わせた攻守一対の陣を組み
お互いが極限まで高めた一撃を繰り出し大ダメージを負ってしまい…
辛くもキギロに勝利できたが、呪いが込められた攻撃を受け続けたため『もう、先は長くないぞ!』と宣告される。絶望の表情を浮かべさせられたが、友であるアバン・自分と夫婦になってくれたレイラ、彼女と力を合わせてマァムという未来を紡ぐ事ができたことに充実していた事を吐露する。 自分が【アバンのために敵を食い止める事が出来た】なら、運命が自分にやってきても何も問題がない事を・・・
『俺が村まで戻って、マァムをこの手に抱く事ができたなら・・・それで充分だ。 だから、俺がこの後どうなったとしても・・・』
『今日の俺は・・・勝者だ・・・!!!』
と満足そうな表情で剣を構え佇んだ・・・
【技】
- 武峰円
- 自身が手にする武器が届く限界範囲を示す円陣。これを地面に描いたうえで、正当な構えを取る事で闘気の巨山を生み出す事が出来る。
- 武峰・豪破一刀
- 発動の瞬間に己の闘気と光の闘気を武器に纏わせて繰り出す渾身の一撃。その比類なきパワーは、武器の一部を焼きつかせる。カール騎士団でも長年使い手が現れておらず、半ば伝説に近い技だった。
- ただし己の全闘気を込めた一撃を放つため、文字通りの命を懸けた最後の一撃。
- 小話にあるようにグランドクルスを発動して衰弱死したのでは?という考察があったが、グランドクルスではなかったものの同じような全闘気放出技を使用して命を削ったため、この考察もあながち外れではなかった。