『偉大なる大魔王バーン様。 今ここに邪悪の六芒星を司る、最強の精鋭が揃いました』
概要
大魔王バーン率いる魔王軍において軍団を統率する六人の団長の総称。六団長、六大軍団長と表記されることもある。
直属の上司は魔軍司令ハドラー。
軍団長たちは、得意分野においてはハドラーを上回る実力者によって構成されている。例外を除けば基本的に軍団長たちの仲は悪い(ハドラー、ザボエラ、フレイザードはヒュンケルを「人間のくせに生意気」との理由で嫌っており、ミストバーン、ヒュンケルはザボエラの「他者を利用して自分は手を汚さない卑劣さ」を嫌っている)。
この衝突にはあえて組織内での競い合いを誘い、強い軍団を作るためにはこうした様々な個性がもみ合うことが必要不可欠との大魔王の組織に対する着想が大きく反映されている。
離反や戦死が相次いぎ、六軍団が三つに減った際に劇場版に登場したハドラーの影武者豪魔軍師ガルヴァスは新生六大軍団を結成し自身の部下に率いさせようとしていた。
ここで言う軍団とは以下を指す。
百獣魔団
軍団長:獣王クロコダイン
凶暴な魔獣の群れ。その姿は無人の野を往くが如し
ドラゴンを除く通常の生物型、虫・獣・鳥・植物・スライムなどの系列のモンスターにより構成された軍団。
獣王の響き渡る咆吼とともに現れ、攻略対象であるロモス王国を恐怖に陥れた。モンスターの種類と総数は軍団随一を誇る。物語の最初に登場した軍団であるが、クロコダインが敗北、直後に離反したため、退場も最も早かった。
【主な構成員:グリズリー、ライオンヘッド、じんめんじゅなど】
不死騎団
軍団長:魔剣戦士ヒュンケル
死を超越したアンデッドの軍団。倒れても再び蘇り、絶え間なく前進する
ゾンビや骸骨など通常は動くはずのない死人、アンデッドで構成された軍団。
アンデッドたちは大魔王バーンの力に異変が生じれば戦力が低下するため、無理なく統率するには生命ある人間が最適ということでヒュンケルが抜擢された。
かつてハドラーの本拠地であった地底魔城を拠点に、パプニカ王国を一度は滅ぼしたが、ダイ一行の活躍だけでなく、フレイザードの策略によって壊滅させられた不遇な軍団。
氷炎魔団
軍団長:氷炎将軍フレイザード
炎で焼き尽くし、冷気で凍てつかせる殺戮の使徒。
通常は命や意思を持たぬはずの岩石や冷気、熱気の怪物により構成された軍団。
必勝の氷炎結界呪法を操り、北方のオーザム王国の人間を根絶やしにした。
部下のフレイムとブリザードたちは人語を介するが、どこかコミカルなところがある。
(ハドラーを除いた)六大団長の中で最もヒュンケルを嫌っており、ヒュンケルがハドラーの意向を無視して抜け駆けする形でダイと戦った際は勝敗に関わらず殺す気だった。バルジ島の戦いで大敗しフレイザードが軍団長で最初に戦死したことで壊滅した。
妖魔士団
軍団長:妖魔司教ザボエラ
絶大な魔法力を持つ魔術師の軍団。
魔導に長けた魔族、魔術師や魔導生命体で構成された軍団。
基本的に表立って戦闘を繰り広げることはなく、本来ならばベンガーナ王国の担当だが、各国への侵攻を碌に行わず事実上、鬼岩城での後方支援が主な任務となっている(これはザボエラの性格や方針も大きい)。またあくまのめだまによる情報収集や軍団長への伝達なども行う(覗き見も日常的に行っており、ザボエラはこれを利用してクロコダインの敗退をいち早く知った)。ただし作戦の際には戦力として参加することもあり、炎魔塔攻略時や氷海に落ちたダイ捜索時(こちらは上司であるハドラーを無視したザボエラの抜け駆けだが)にはクロコダインと対決した。
肉体面で頑強でないモンスターが多いこともあり、ドラゴンや伝説の竜の騎士を超えた究極の魔獣超魔生物の研究をしている。自業自得とはいえ周囲から信用されなかったザボエラの地位が安定しなかったこともあり、軍団としては物語の舞台からひっそりと退いていった。
【主な構成員:あくましんかん、サタンパピー、あくまのめだまなど】
超竜軍団
軍団長:竜騎将バラン
最強の生物ドラゴンによって構成された竜の軍団。その戦闘力は、六軍団最強なり
ドラゴンによって構成された、六大団長最強の軍団。
その無敵の破壊力に加え、竜騎衆という、バランの親衛隊を兼ねた三人の最精鋭が君臨する。
精強さを誇るリンガイア王国やカール王国を滅ぼした。六軍団の中では最後に登場してきた軍団。バランの離脱によって事実上、退場した。
魔影軍団
軍団長:魔影参謀ミストバーン
実体を持たない闇の狩人。
実体を持たない、影、ひとりでに動き出す甲冑や煙のような化け物を中心に構成された軍団。2020年版では甲冑の中にあくまのきしやデビルアーマーなども加わり、うごくせきぞうやひとくいサーベルといった所謂物質系モンスターも(甲冑と同じくひとりでに動く魔物として)加わっている。
鬼岩城によるパプニカ王国襲撃の際は、ミストバーンの分身であるシャドーが城を操って攻め入るなど副官を務めている。
大魔王の魔力を生命の源として世界を暗黒に染め上げる得体の知れぬ者たち。
本来ならバーンの幹部名を持つミストバーンの地位はもっと高い(大魔王の最側近で事実上の魔王軍ナンバー2)のだが、彼がハドラーの部下になったのには理由がある。それはハドラーが死んでも暗黒闘気で強化復活させるため。つまり「死んでもバーンのために戦わせるため」である。
カール王国攻略が当初の任務だったが、自身の正体を明かせないミストバーンの自重もあってか、戦果は著しくなく、超竜軍団にその任を譲った。その後、大魔王の側近として本来の顔を見せ始めたミストバーンに率いられパプニカ王国を襲撃するも鬼岩城を破壊されるという敗北を喫し、壊滅した(ミストバーンは魔王軍指揮代行に、更にハドラー離反後は魔軍司令に異動)。
本来の目的
バーンの真の目的は「地上の消滅」にあった。つまりハドラーの前に姿を見せる際に言った「地上の支配は任せる」というのは真っ赤なウソということになる。キルバーンを通して地上消滅を知ったバランも「人はそれを地獄と呼ぶのだ」と述べており、人間憎しのバランですら否定していた(もっとも当初はそんな大それた事が出来るのかと半信半疑だったようで、ハドラー戦で黒の核晶を見てから本気だと確信した)。
嘘が露見すればハドラーらが裏切った可能性は十分あり、実際経過は異なるがハドラーは裏切っている。
なぜこんなリスクを冒してまで六大団長を結成したのかと言うと、ミストバーン曰く最強の軍団を生み出すため(単なるお遊び)である。
もとより軍団の統率や地上の破壊は最側近のミストバーン一人いれば事足りたとのことで、六大軍団など本来なら地上消滅計画には不要な存在だったという。もっともミストバーンに預けていた真の力と姿を取り戻したバーンには「自分一人で事足りる」と言われているのだが……。
実際、地上消滅計画が本格的に動く物語終盤の魔王軍は大魔王と極少数の幹部、大魔王直属の多数のモンスター達だけで何ら問題なく活動している。
また軍団長の仲の悪さに反して、バーンの側近であり最高幹部であるミストバーンとキルバーンはすごく仲が良い。
バーンのこの台詞から察するに、老人の身体であったバーンとしても手足の代わりが欲しかったようである。チェス風に言えば『駒』が欲しかったという感じだろう(そもそも地上侵攻自体が冥竜王ヴェルザーとの賭け=ゲームである)。
詰まるところ、大魔王バーンにとって六大軍団とは邪魔な人間達を効率よく消し去るための道具であり、地上侵攻作戦を盛り上げるための演出に過ぎなかったのである。
軍団長たちを戦いによって成長させ最強の軍団を手に入れるという辺りは、アバンの使徒のアンチテーゼと言えなくもない。
関連タグ
竜騎衆:バラン直属の三人衆。
ハドラー親衛騎団:ハドラー直属の親衛隊。