概要
初登場は『ドラゴンクエストⅢ』から。
無念の死を遂げた兵士の魂が鎧に乗り移ったモンスターで、かつては兵士だっただけあって剣で攻撃したり盾で防御したりする。
基本的にステータスが高めに設定されており、「つうこんのいちげき」を出して来たり、回復役としてホイミスライムを呼んで来る等攻守両面に長けている。
初登場した『ドラゴンクエストⅢ』~『ドラゴンクエストⅧ』の間、通常攻撃、「つうこんのいちげき」、ホイミスライムを呼ぶの3つの行動だけで無駄行動が一切ないという非常に単純な行動パターンだったのも特徴の一つ。
『ドラゴンクエストⅨ』でやっとテンションを下げる効果のある特技「ロストアタック」を使うようになったが、ひたすら殴ってくるかホイミスライムを呼ぶかという行動パターンに関してはあまり変わっていない。
高めのステータス+無駄行動なしパターンなので序盤に出会う敵としてはやや強めだが、呪文への耐性は低めな事が多いため、おとなしく呪文を使って攻めるのが安牌。
作品別の解説
ドラゴンクエストⅢ
ロマリア周辺から登場。
同作において最初に遭遇し得る「つうこんのいちげき」持ちの敵である。最初のうちは1体でしか登場しないが、攻防ともに高くいざないの洞窟を突破したばかりのパーティーには少々荷が重い敵である。
戦う場合は、「つうこんのいちげき」が来ないことを祈りつつ魔法使いの「ヒャド」で攻めるか、僧侶の「ルカニ」を起点に集中攻撃を仕掛けるのがセオリー。確実ではないが「ニフラム」も効くので、とにかく場を切り抜けたい場合は僧侶と勇者2人がかりで仕掛けるのも一考である。
ロマリア~カザーブ周辺においては、集団でマヒ攻撃を仕掛けてくるキラービーと並び、新大陸での洗礼を食らったプレイヤーも多いことだろう。
ドラゴンクエストⅤ
同名の鎧が防具として手に入るが、当然の様に呪われている。そしてこれまた当然のように、仲間になったさまようよろいは自分その物であるこれを装備できない。貴重品ではあるが結構な高値で売れるのでコレクターとして残しておきたいという気持ちが無ければ売却してしまっても問題はない。
リメイク版では仲間モンスターに抜擢された。一匹目の名前がサイモンなのはファンならば納得。しかしこの時期のモンスターとしては仲間になる確率が低く、仲間になっても高HP高攻撃力ザル耐性で一切の呪文・特技を覚えないのは変わらずなので、ピエールの株を奪うまでは行かないのは残念。とは言え晩成型の成長なので、育ちきれば白兵能力に関してはピエール、ロビン、バトラーに比肩する物を得られる。
呪文や特技をひとつも覚えないという欠点も逆を言えば戦闘中は彼のみ作戦を「ガンガン行こうぜ」に設定してひたすら殴らせていれば良いということでもあるので物理攻撃の方が強い本作では充分戦力として活躍できる。
街中で連れている時に話すと「たたかいのあとのいっぷくはたまらんね」とモンスターでありながらかなり人間味のある返答が返ってくるためなかなかにシュール。
外伝作品での登場
ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー
物質系のモンスターではなく、ゾンビ系のモンスターとして登場した。
スライムもりもりドラゴンクエストシリーズ
しっぽ団の一員として登場。語尾に「~ガチャ」と付けるのが口癖。
名前の通り、エリアをさ迷い歩き、スラリンを見つけると剣で突き刺してくる。更には盾で正面からの攻撃を防ぐので、気付かれないように後ろから攻撃しなければならない。一度ダメージを与えると、盾を落としてやや弱体化する。
倒すと剣を落とし、最終ステージではこれが攻略の鍵になる。
『スライムもりもりドラゴンクエスト2 大戦車としっぽ団』からは、攻撃後の硬直など攻撃が通じる場面が多くなり、倒すとはがねのつるぎを落とす。一定数を町に送ると、戦車バトルやふねバトルに参加できるようになる。リーダーを守ったり、敵地に乗り込んで暴れ回る事ができ、盾を持っているのでやられにくい(もっとも、スラゾーやうごくせきぞう、スライバにはめっぽう弱い)。
『スライムもりもりドラゴンクエスト3 大海賊としっぽ団』では二つ目に訪れるフナデルの町の館に出現し、往年プレイヤーを驚かせた。体力も高いのでトロッコで町に送らず倒そうとするとかなり苦戦する。ふねバトルでは、相手の船に体力が残っている場合は大砲で乗り込むしかないが、並みの弾なら1発までなら弾くことができる。
他媒体での登場
ドラゴンクエスト ダイの大冒険
暗黒闘気により偽りの生命を与えられた鎧兵士として登場。魔王軍六大軍団の一角・魔影軍団の構成員(主戦闘員)として活躍している。2020年版のアニメでは、指揮官級としてのポジションでキラーアーマーが登場している。
中盤に差し掛かった時点での一大決戦である「バルジ島の戦い」で妖魔士団の魔術師と共に勇者ダイ一行を襲撃、ダイ達の助太刀にやってきた戦士にも果敢に挑むのだが目覚ましい戦果を上げることは難しかった。中盤以降は魔影軍団の団長が魔王軍の重要な秘密を握る大幹部として活動する機会が増えたため、その直属的な立場で魔王軍の雑兵役を担う事が多かった(これは鎧を派手に壊す形で主人公達に倒されても、ビジュアル的に残酷にならないため、少年漫画として都合がよかったという背景もある)。
さまようよろい系のモンスター
- じごくのよろい
地獄でうまれた鎧のモンスター。色は黒。
ファミリーコンピュータ版『ドラゴンクエストⅢ』では「つうこんのいちげき」を出す確率が非常に高い。エルフの里近辺で稀に登場するため、運悪く低レベルで出遭って全滅させられた覚えのあるプレイヤーもいる。
『ドラゴンクエストⅧ』では剣を地面にさして雷を発生させて攻撃したり、ベホマスライムを呼んだりする。
また何気に「デイン系」の攻撃が使える数少ないモンスター(似たような技に「いなずま斬り」や「いなずま」があるが、それらはイオ系として扱われる)。
- キラーアーマー
返り血で赤く染まった殺人アーマー。
「ラリホーマ」を唱えてきたり、ベホマスライムを呼ぶ。
ちなみに『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』を除くドラゴンクエストモンスターズジョーカーシリーズでは悪魔系のモンスターとして登場し、剣ではなく斧を装備している。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』では災厄後のヨッドムア島の個体を♂♀1体ずつスカウトして配合することで、スカウトした個体のレベル的に即席で「かしこさアップ」を「かしこさアップ2」にスキル進化させることができる。加入時の能力値もMP以外は軒並み高水準でお得である。
スライムもりもりドラゴンクエストシリーズでは、さまようよろいの2本兵バージョンとして登場している。
外伝作品『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』では本編クリア後の隠しボスとして登場。剣神度100以上ある状態で町の洞窟にある鏡を調べると戦える。こちらは二体で登場しHPも共有されており、能力や攻撃速度は同作品に登場するさまようよろいや第1章のボス「試練の騎士」より早く、落ち着いてタイミングよくガードし、隙をついて反撃して必殺剣も駆使すれば比較的簡単に倒せる。お供にベホマスライムも登場し、早めに倒さないと回復されてしまう。倒した後は戦利品で古びたつるぎをゲットし、お金と素材が集まっていればメタルキングの剣を作成出来る。ちなみにこの作品のキラーアーマーのデザインが大幅アレンジされている。
上記の通り、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の2020年版アニメにおいて、さまようよろいの集団の中に一体だけ彼が混じっているのが確認できる。赤=隊長格という認識だからだろうか。
- シュバルツシュルト
漆黒の鎧を纏ったモンスター。
『ドラゴンクエストⅩ』ではさまようよろいの転生モンスターとして登場。
ゲームボーイカラー版の『ドラゴンクエストⅢ』にのみ登場。銀色。
「ルカナン」「スクルト」「バイキルト」などの補助呪文を使う。
名前的に隠しダンジョンで出てくる敵にしてはかなり地味だが、『ドラゴンクエストライバルズ』で久々に再登場を果たした。
- カンダタこぶん
『ドラゴンクエストⅢ』に登場するモンスター。名前の通りカンダタの子分として登場する。攻撃方法は通常攻撃のみ。
『ドラゴンクエストⅩ』では親分のカンダタに非常にぞんざいな扱われ方をしており、そのせいでカンダタ団を脱退してしまった。
- サイモン
『ドラゴンクエストⅣ』に登場するモンスター…というかキャラクター。戦闘時のグラフィックこそさまようよろいの色違いだが、モンスターではなく完全な人間である。
素早さこそ低いが、攻撃と防御が高い上に薬草でたまに回復してくるそこそこな強敵。
リメイク版では移民としても登場するが、この頃にはアリーナの事がトラウマになってしまっている模様。
ファミリーコンピュータ版では下のピサロナイトと同色だが、リメイク版では薄紫色に変更された。
『ドラゴンクエストⅣ』に登場するモンスター。ロザリーヒルで人間からロザリーを守っている。
せいじゃくの玉を使ったりアイスコンドルを呼んでくる。
『小説 ドラゴンクエストⅣ』では、「アドン」という個人名を持っている。
『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』ではヘルバトラーの部下になっており「鉄鋼砦の魔界・初級」のボスとして登場。「パーシヴァル」という名前を持っている。戦いの後ピサロにヘルバトラーを倒して欲しいと頼み、その後中級エリアで再会し、ヘルバトラーへの打倒理由を自身の過去を含めて話す。中級エリアのボス「術者ダライラス」を倒した後は自身をダライラスの攻撃から身を呈して庇ったピサロに忠誠を誓い、ロザリーヒルへ訪れてピサロに紫のトラベライトを渡した後は『ドラゴンクエストⅣ』と同じようにロザリーを守る騎士となる。上級エリアでは決戦の前に自身の名前と関係の理由を明かした後改めてヘルバトラーの元へ赴き決戦の時がやってくる。決戦の後はパーシヴァル自ら引導を渡す形でトドメを刺した後は身体が崩れ消え去ったと思われたが寸前のところでかつてヘルバトラーが命と名前を与えたのと同じようにピサロが「ピサロナイト」と名前を付けたおかげで命を救われ、改めて忠誠を誓うのであった。
- デルカダール兵
Nintendo 3DS版『ドラゴンクエストⅪ』および『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めてS』で選択できる2Dモードでは、この系統の姿となる。
デルカダール地下やダーハルーネのイベントバトルで襲ってくる。後者ではれんけい技の「ダブルスラッシュ」を使ってくることがある。
- 黄金兵長
『ドラゴンクエストⅪ』に登場するモンスター。
黄金兵と組んで出現することが多い。
見た目はさまようよろいが金色になっただけだが、その正体はバイキングのボスである。
終盤になると強バージョンも出現する。
- さまようロトのよろい
3DS版『ドラゴンクエストⅪ』及び『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めてS』における「冒険の書の世界」にて、ロンダルキアの洞窟で登場。「ロトのよろい」や「いなずまの剣」を装備しているためその実力は洒落になっておらず、剣の効果だけでなく「ギガデイン」や「ギガスラッシュ」など多彩な方法で雷を呼ぶ。「ベホイム」で自己回復をしたり、「マホトーン」や「ルカナン」で妨害してきたりと搦め手も多彩。
このゲームの主人公は本物の勇者ロトなのだがまさか本人も自分の装備と戦わされるとは思わなかっただろう。
- 受付嬢セシリー
CV:鬼頭明里
『ドラゴンクエストトレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』に登場。
竜の鉄道カンパニーに所属している。
- サンドランダラー
同じく『ドラゴンクエストトレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』に登場。
クフィ砂漠島に生息し、砂で削られて焦げ茶色。
- タンザーナイト
同じく『ドラゴンクエストトレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤』に登場。
タンザナイトのような身体を持つ。
関連モンスター
『ドラゴンクエストⅥ』で登場。さまようよろい同様、鎧だけで動いているモンスター。
剣ではなく槍を持っており、「しっぷう突き」をくりだして攻撃してくる。
同種としてさまようへいたいがいる。
- さまようしんかん
『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』に登場するモンスター。
神官が着ていた服に魔力が宿ってモンスター化したもの。
野生では「ザキ」を唱えてくる。
関連イラスト
関連タグ
ゴブリンスレイヤー…スレ版での主人公のイメージモデル。書籍版の背表紙にはさまようよろいのポーズをした彼が描かれている。
日本ハムファイターズ…90年代以降北海道移転までのロゴ(ペットマーク)が「バットを振り上げるさまようよろい」に似たものだった。公式には「鉄仮面」というもの。