概要
ドラゴンクエストシリーズに登場する呪文。
敵の守備力を低下させるという弱体呪文のひとつで、単体版の「ルカニ」に対してこちらは基本的には敵1グループに対して効果がある。
完全上位互換かというとそうでもなく、「ルカニ」の方が消費MPが少ないのに加え、低下量自体は「ルカニ」の方が多くなっている事が多い。
そのため、「ルカナン」はどちらかというと硬い敵が集団で出現する場合に使われる呪文である。
ただし、残念ながらモンスターの耐性によっては効果がなく、特に呪文耐性に隙がないメタルスライムやはぐれメタルに対しては絶対に効かない。
初登場の『ドラゴンクエストⅡ』の時点では、単体版の「ルカニ」が存在しておらず、唯一の守備力低下呪文であった。また、1グループではなく敵全体の守備力が低下して消費MPはたったの2である。
しかし、1回あたりの効果量は元値の8%~17%程度と非常に低いうえ、オリジナルであるファミリーコンピュータ版の『ドラゴンクエストⅡ』では高守備力のザコ敵自体が少なく、さらにその一部の高守備力ザコは単騎で出がちな為に全体が対象であった事すら知られていないレベルである。
…とはいえ、異常に高い守備力を持つアトラス(200)、シドー(255)には様子を見てちまちま入れながら殴っていくしかなかったりする。
モンスターではタホドラキーやブリザード等が多用してくるが、1回1回の効果量が低い為に一緒に出現する打撃中心のモンスターからの被ダメ増加もそこまでではないため、連発され続けなければ大きな脅威にはなりにくい。
また、これを使うモンスターの中には行動パターンの中に通常攻撃が一切入っていないものもおり、該当モンスターだけで出現した場合は実質無駄行動である。
一方、リメイク版では後発の作品同様に元値の50%を低下させる強力な効果となり、使い勝手が上がると共に、敵側に使われる脅威も増していった。それまで空気だったメイジバピラスが脅威のサポーターへ進化を遂げたほか、シドー戦では「スクルト」と「ルカナン」の掛け合いが幾度となく繰り広げられるなど、見せ場も増えた。
『ドラゴンクエストⅢ』にて、呪文体系が整理されたのに合わせて単体版の「ルカニ」が登場し、こちらは効果範囲は1グループになった。
『ドラゴンクエストⅣ』と『ドラゴンクエストⅤ』では現在値or元値の50%の守備力を低下させる効果になったため、1回使う場合のコスパが抜群になったが、『ドラゴンクエストⅥ』で元値の25%程度に抑えられ、以後の作品でもその水準となった。
「ヒャド」などおなじみの呪文が何故かすごく冷遇されている『ドラゴンクエストⅦ』では「ルカナン」も同じく冷遇されており、モンスター職のリザードマンかデスマシーンにならないと覚えられなくなっている。
しかも魔法使い+吟遊詩人orくさったしたいに転職で覚えられる「のろいの歌」という特技は消費MPが0で「ルカナン」と全く同じ効果になっており、ますます存在意義が危うかったりする。
リメイク版では習得できる職業が増え、まものハンターやパラディン、ゴッドハンドや勇者、モンスター職のエビルエスタークでも習得できるようになった(どっちみち習得範囲が上級職ばかりなので常時使用したければモンスター職に頼るしかないが)。しかし、「のろいの歌」の方も職歴特技の廃止に伴いスーパースターとてんちらいめいしで習得できるようになってしまっている。
道具として使用する事で「ルカナン」の効果を発揮するアイテムとしては、「くさなぎの剣」「みなごろしの剣」「ゴディアスの剣」「大おやぶんの盾」等がある。