概要
ドラゴンクエストシリーズに登場するフレイムの色違いで、氷のモンスターである。
公式ガイドブックによれば「精霊属」。
企画段階では「フロストジャイアント」であったとされる(出典求む)。
『ドラゴンクエストⅧ』では、愛する者に裏切られ、心まで凍てついて死んだ人間の魂が生まれ変わった姿と言われている。
このモンスターを語る上で外せないのが「ザラキ」。命中すれば確実に相手を倒せる即死呪文を、こいつはバンバン使ってくる。
後のシリーズには「命の石」という身代わりになってくれるアイテムがあるが、『ドラゴンクエストⅡ』には無い。ザラキ対策は運頼み、神に祈るしかないのだ。
集団で現れることが多い上、行動パターンは「ザラキ」か「ルカナン」の二択。通常攻撃すらしてこないため、こいつらだけなら「ルカナン」はサービス行動と言えるが、「ザラキ」と「ルカナン」が等確率+同作は素早さにかかる乱数が非常に大きいため、戦わずに逃げるにしても「ザラキ」を使われる前に逃げられるかどうかは完全な運ゲー。
おまけに「マホトーン」は完全耐性、「ラリホー」も強耐性があるために、先手を取って呪文を封じるという手段すらも取りにくい嫌な敵である。
運が悪ければ「ザラキ」一発で全滅してしまうが、ステータスはロンダルキアに出現するモンスターとしては低い為、「ザラキ」から生き残れたら割とあっさり倒せる。ロンダルキアの敵の中ではこいつはマシな方と言わざるを得ないあたり、いかにロンダルキアが危険地帯であるかが窺える。
ちなみにザラキを使ってくるモンスターはこいつとあくましんかんがシリーズ初。
「ザラキ」をよく使う行動パターンと言えば他にもミミックが連想されるが、あちらの登場は『ドラゴンクエストⅢ』が初。後述の小説『ドラゴンクエスト モンスター物語』では関連性があるように語られている。
なぜ氷の化身であるこいつらが「ザラキ」を連発してくるかというと、『ドラゴンクエストⅡ』の時点では「血液を凝固させて即死させる」という呪文と説明されていた事と、当時はヒャド系呪文やモンスターの特技として氷の息系の技が存在していなかったため。
同作の「ザラキ」の成功率は1/8程度だが、1ターンに1回飛んでくるならともかく、1/2で「ザラキ」を使うやつ×4体なので運が悪いと4連発される事も普通にありえる。
復活手段が1つしか持てない「せかいじゅのは」かサマルトリアの王子の「ザオリク」、「パルプンテ」のランダム効果しかない事を考えるとかなり恐ろしい連中である。
ボロボロになりながらロンダルキアへの洞窟を踏破したパーティーに対し、「ザラキ」で即死するか他のモンスターに普通に殴り殺されるという嫌すぎる二択で襲いかかってくるため、「ふっかつのじゅもん」が聴けるほこらへたどり着けずに全滅したというプレイヤーも多い。
もちろん、そうなればロンダルキアへの洞窟前からやり直しになるため、シリーズでも屈指の鬼畜難易度ポイントとして知られている。
めちゃくちゃレベルを上げまくれば他のモンスターは安全に倒せるようになるため、突破率は上がっていくとはいえ、レベルも守備力も関係なしに即死するザラキを使ってくるこいつだけは最後まで運が絡む事を嫌がる人も少なくない。
流石に問題視されたのか、リメイク版の『ドラゴンクエストⅡ』では通常攻撃に加え「スクルト」も使うようになっており、行動パターンが増やされて「ザラキ」の使用率は落ちている。
…とはいえ、「ルカナン」と「スクルト」を使うのは地味に厄介ではあり、ギガンテスやアークデーモンのお供としてはむしろ強化された感もある。
ちなみにオリジナル版と違い、レベルの高さによっては「トヘロス」で出現自体を封殺できるという意外な対策も。
トラウマ級のモンスターとして知られる一方で、実は『ドラゴンクエストⅡ』での登場を最後にずっとナンバリングタイトルには登場しておらず、やっと再登場したのは17年後に発売された『ドラゴンクエストⅧ』だった。
相変わらずザラキを使うほか、「こおりのいき」を使ってくるようになり、火力も侮れない。
なお、その直後の『ドラゴンクエストⅨ』でまたリストラ対象となっており、『ドラゴンクエストⅩ』ではランガーオ山地等に出没するものの、『ドラゴンクエストⅪ』でも登場していないなど、トレードマークでもあるザラキ連発の扱いが難しい事から冷遇されがち。
冷気を司るモンスターがザキ系呪文を使うという性質は、後のブリザードマンやホークブリザード、アイスチャイムにも引き継がれた。
特にアイスチャイムは『ドラゴンクエストⅧ』においてブリザードと同じ地域に出現。先輩が可愛く見えるほどの頻度でザキ系呪文を連発し大半のプレイヤーにトラウマを植え付けた。
外伝作品での登場
- トルネコの大冒険シリーズ
『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン』で初登場したが、アイスソードや魔法使い時のヒャド系から受けるダメージが激減するという微妙な特性しかなく、ここまでこれたトルネコなら難なく対処できるレベル。
『ドラゴンクエストⅡ』や『ドラゴンクエストⅧ』で共演しているバーサーカーとは今作でも共演したのだが、バーサーカーの方は高速で強引に道を作りながら無差別に殺戮してゆき攻撃力が段違いになるというトンデモ属性を抱えてトラウマメーカーとなっており、本編と不思議なダンジョンではトラウマ関係が逆転しているというちょいと珍しい現象に。
ゲームボーイアドバンス版『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン』にも登場。
氷結攻撃を受けると強化されるという特性がある。
「3章 マイラ・ガライヤ編」に登場。ひょうがまじんの部下であり、主に「旅のとびら・赤」「旅のとびら・緑」の先にいる。
フレイム同様、通常の武器では一切ダメージを与えられず、「ほのおの弾丸」や「まじんのかなづち」などの魔力のこもった武器でないと倒すことができない。
同作では「ザラキ」は使用してこないのでそこは一安心。
物質系として登場。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』では夜のサンドロ島に出現。加入時期を考えると高いHPが魅力で守備力もそれなりのため、ある程度の時期までは前衛のを任せられる。
メディアミックスでの登場
暗黒闘気により偽りの生命を吹き込まれたエネルギー生命体として登場。魔王軍の氷炎魔団の構成員でありフレイムと共に登場。氷炎結界呪法を発動させる一翼を担った他に、中央塔に乗り込もうとするダイ一行と遭遇、『我らの面目を保つために、お前達を倒す!』と攻撃を仕掛けのだが・・・ばくだんいわに張り付いてしまい「メガンテ」で吹き飛ばされてしまう。
更に、ダイの真空呪文(バギ)とポップの火炎呪文(メラゾーマ)による連携攻撃で消滅してしまった。
- ドラゴンクエスト モンスター物語
ミミックの中身がこれであるとされる。
実際、マホトラでMPを吸収しながらザラキを連発してくる…と、ブリザードを連想させるような部分もあるものの、使う攻撃呪文は氷とは逆の炎の呪文であるメラミだったりするという謎もあったりする。
ちなみにこれを考慮するならミミックとしての参戦も含めればそんなに欠場していない事になっている(むしろミミックとの兼ね合いで登場していないとも取れる)。
関連タグ
ホークブリザード:後の作品に登場したザラキを使う氷属性モンスターの後輩。ただしこちらは氷属性の攻撃も使用する。