CV:銀河万丈(『CDシアター ドラゴンクエストⅡ』)/鈴村健一(『ドラゴンクエストライバルズ』)(前者、後者ともにハーゴンと兼任)
ハーゴン
「わが はかいの かみ シドーよ!
いまここに いけにえを ささぐ!
ぐふっ!」
「我は 創造に満ちた世界に生まれ出ずる 破壊の神。」
「我が前に すべては ほろぶ!」
概要
ロトの子孫たちに討ち倒されたハーゴンが、死の間際に自らを生贄に召喚した破壊の神。
ネーミングの由来は死を導くもの=「死導(しどう)」から。もしくはシヴァ神の破壊的な側面からなど様々な説が存在するが、正式には言及されておらず不明。
戦闘BGMは「死を賭して」。
ファミリーコンピュータ版・スーパーファミコン版ではパッケージに大きく顔が出ており、『ドラゴンクエストⅥ』のデスタムーアと並んで自己主張が強い。しかし、作中ではその存在は全く語られておらず、ハーゴンを倒すと突如として現れ、問答無用で襲いかかってくる。
その際にセリフなども一切無いため、ラスボスでありながらその目的や素性など一切不明な点が多いという異色の存在だった(『ドラゴンクエストⅡ』はギリギリまで容量を使っているため、入れる余裕が無かったものと思われる)。
そのため、後発作品の図鑑説明文や書籍での解説も「すべてを破壊する邪神」「信者の魂を生贄として喰らえば喰らうほど強化される」など、かなりざっくりとした説明しか書かれていなかったりもする。
結果、彼の詳細が描かれたのは『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』になってからだった。
また、その都合上最後の最後で初めて世界に現れるため、シリーズ中唯一何も悪いことをしていないラスボスとなる(登場時にハーゴン神殿の一部を破壊する演出はあるが、主人公や人間側にとっては「悪いこと」ではないだろう)。
図体が大きいので、ファミリーコンピュータ版では羽がステータス窓を覆い非常に見えにくい(バーチャルコンソールでは改善されている)。
能力
ステータスが全て最高値で、特に守備力は脅威の255(はぐれメタルと同値)。
攻撃呪文も全く効かないので、「ルカナン」で守備力を下げないととても戦えない。
攻撃方法は眠りの追加効果つきの通常攻撃に「はげしいほのお」と非常にえげつない。
加えてボス敵としてはある意味タブーである「ベホマ」を使う(※)。
『ドラゴンクエストⅨ』の宝の地図でも、あるレベルへ達すると「ベホマ」を使うようになるが、完全回復するわけではない。
※ファミリーコンピュータ版では容量の関係からHPの数値を255以上に設定できなかった為、苦肉の策として「ベホマ」を使用している。しかし上記の様にその他の行動が少ないために「ベホマ」を引き当てる可能性が高く(判断力が低い為、HPが減っていない時でも使用する)結果的にユーザーに強烈な印象を残すこととなった。
リメイクでは行動が変化し、2回攻撃をするようになり、通常攻撃から眠りの追加効果が削除、そして「ベホマ」を使用しなくなった代わりに「スクルト」と「ルカナン」を使用するようになった。
さらに「はげしいほのお」の威力がリメイクされるたびに強化されている。
- ファミリーコンピュータ版…49~91
- 『ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ』(スーパーファミコン)…90~110
- スマートフォン版…100~120
ステータスは攻撃力230、守備力240と地味に低下している(「ルカナン」と「スクルト」を追加したため)。
しかし、HPは1750と実に7倍近くまで上昇。HP満タンでも「ベホマ」という無駄行動は行わなくなったため、回復をしないから楽になったなんてことはない。
一部機種ではムーンブルクの王女の専用装備に「あぶないみずぎ」があり、これを着用していると敵が魅了されて行動不能になることがあるのだが、
これはなぜかシドーにも通る。それでいいのか破壊の神。
少年シドーは「エッチなほん」を知らない描写があるので、この「欲」は破壊由来のものなのだろうか。
ちなみに、シドーとの戦いのBGM「死を賭して」は『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』の隠しボス・ギスヴァーグとの戦いにも使われている。
他作品での登場
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
ラスボスであるため、初代から皆勤で出演(ハーゴンは登場しなかった作品がある)。
- ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド
ジャミラスとローズバトラーという地味にめんどくさい組み合わせで誕生(特に、ローズバトラーの為に魔王系を1体別に素材にしないといけない点が非常に厄介)。
シドー自体も耐性・能力の伸び共に高水準であるが、ゾーマからさらにデスタムーア、ダークドレアムといったモンスターを産み出すためには配合素材にしないといけない。
敵としてはクリア後の「はかいのとびら」の真の主として登場。
「はかいのとびら」は一度目はハーゴンが主なのだが、ハーゴン撃破後に再度最下層まで行くとシドーが待ち受けている(シドーを倒さなければクリアした扱いにされない)。
- ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 イルの冒険・ルカの旅立ち
ジェノシドーというねつ造進化形態が登場したが、ジョーカーシリーズからは登場しなくなった。しかしリメイクの『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』で久しぶりに登場する。
- ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D
Sランクモンスターとして登場。『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』までは2枠の能力の高さが生かしきれず、スキルのせいもあってネタモンスター扱いを受けることもあったが、今作で2枠および複数回行動のモンスター全体が調整を受けた。
その結果、シドーは
- AI2回行動という行動回数の安定さ
- 2枠の中でも高いHPで耐久性が高く、2枠なので各種耐性も素で高いものが多い
- 素早さが低く行動が最後になりがち、つまりターンの最後に蘇生や回復を行える
- 特性「回復のコツ」がある貴重な2枠
以上のことから非常に高水準の回復役として評価される。
事実、公式大会では優勝者が使用しており、決勝大会でもそのポテンシャルを発揮し勝利している。
- ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵
やっぱり(ry
特性入れ替えが追加されたことにより3枠化も可能になった。
前作同様に安定した回復役として対戦では広く使用されていた。
ドラゴンクエストモンスターズジョーカーシリーズ
何故か『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』に至るまでずっとランクS。あろう事かハーゴンと同じ。
仮にもラスボスなのにSSランクじゃないのはコイツだけであった。スキルも一貫して「HP回復」となっており、シドー自身の能力も呪文寄り。ある意味わかってるけど何か違う。
が、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』でようやくSSランクに昇格。同時に固有のスキルも貰えたが回復特化なラインナップなのはともかく、「ザオラル」や「フバーハ」「ベホマズン」と言ったパーティ全体に恩恵を与える特技ばかり修得する。やはり何か違う。なおあまりにも有効過ぎるスキルだったのでマイナーチェンジ版の『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3 プロフェッショナル』では弱体化が為された。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』ではまおうのつかい×バッファロンorうごくせきぞうでの特殊配合で作成できる。位階配合だけで配合素材を用意できる上に配合素材に使われる系統はすべてノビス島で序盤から調達できるため、理論上はノビス島時点で作成可能。そこまで無理しなくとも、素早さ以外は高ステータスでテンションアップを持ち、ガルマッゾ戦でドルマ系吸収耐性が役立つため、シナリオの攻略要員として使い道がある。
最短ではフラワーゾンビ×ベビーサタン等で作れるまおうのつかいと、フラワーゾンビ×わらいぶくろ等で作れるうごくせきぞうを素材に使えば、すぐにシドーの完成である。フラワーゾンビは夜のモルボンバ島にラフレシアの上で主人公の特技「くちぶえ」を使えば簡単に出現する上に、ベビーサタンとわらいぶくろはサンドロ島の北の洞窟で簡単に手に入る。さらに、フラワーゾンビ×ミイラおとこ(これもサンドロ島の北の洞窟で手に入る)等で作ったなげきのぼうれいを、ノビス島の頂上でたまに出現するキングスライムと配合し、そうして出来上がったワイトキングをシドーと配合すれば、攻略から対戦までの花形となるゾーマが誕生する。そこまでできればシナリオでは無敵と言えるモンスターで1枠が確保できる。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』からはメガボディの2枠モンスターであり、これは後述のリメイク作品でも同様。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』では『イルとルカの不思議なふしぎな鍵』までの活躍から一転、麻痺が半減止まりかつ本作でも重要なハック体制が皆無という弱点を抱えてしまう。スキルなりでフォローすればなんとかなるが。
ドラゴンクエストライバルズ
レジェンドレアの共通ユニットとして参戦した。
登場時のBGMは「死を賭して」。
9MPという重量コスト、5/5というそれなりのステータスに加え、召喚時に自身を除く全てのユニットに4ダメージを与えるという能力を持つ。
破壊神という設定を活かした豪快な能力であり、半端なステータスのユニットばかり並んでいた場合シドー1枚で盤面をひっくり返すことができる。ただし全体ダメージは味方のユニットにも被害が及ぶ点には注意が必要。
星のドラゴンクエスト
常設イベント「レジェンド オブ ロト 〜ルビスの光に導かれ〜」のラストクエスト「世界を守る強き決意」のボスとしても登場。ハーゴンを倒した後に「破壊神シドーが あらわれた!」の大きな文字とともに出現。BGMもハーゴン戦で流れた「戦い」から「死を賭して」に変わる。また、2019年1月に行われた『ドラゴンクエストビルダーズ2』とのコラボイベントにも登場した。
ドラゴンクエストヒーローズ Ⅰ・Ⅱ for Nintendo Switch
『ドラゴンクエストヒーローズⅡ』の時空の迷宮に追加ボスとして登場。「破壊神の間」で戦うことができる。倒すと強化版の「破壊神シドー・強」「破壊神シドー・極」とも戦えるようになる。
倒すと「シドーの涙」を落とすことがある。
ドラゴンクエストビルダーズ 破壊神シドーとからっぽの島
『ドラゴンクエストⅡ』の世界観をベースとした同作では物語の根幹に関わる存在として登場。
本作では既にロトの子孫たちによって一度滅ぼされているが、同じく滅ぼされ霊魂だけの状態で自らの作り出した幻の世界に入り込んだハーゴンはシドーを再臨させ、元の世界諸共に滅ぼすべく奸計を巡らせていた。
物語の終盤ではその目論見通り、ビルダーの持つ創造の力が幻の世界に満ちた事で対となる破壊の力も増大。
「破壊天体シドー」なる小惑星がからっぽ島の上空に出現し、幻の世界を吹き飛ばし復活しようとする。
本作では少年シドーがシドーの一部分として登場する他、こちらのシドーの人格も「破壊は破壊対象となる創造物があって初めて成り立つ」と、自らが破壊と創造のうち、片方だけの存在である事を認めているなど、今までラスボスであるにもかかわらず殆ど掘り下げられて来なかったキャラクター像が掘り下げられている。
破壊天体シドー編ではほとんどの資源が普通には手に入らずシドーが脱皮した際に剥がれ落ちた体の一部を錬成して素材を生み出す、シドーの名を冠した不思議な液体金属「シドニウム」が存在するなど、前述の「破壊と創造は表裏一体」というテーマにシドー自身も組み込まれている。
余談
漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』の続編『紋章を継ぐ者達へ』で、まさかのサプライズ出演を果たしている。竜王の城の深淵、かつて大魔王ゾーマと勇者アレスが戦ったその場所に現れ、アロスを幻惑して闇に落とそうと画策。しかしアロスには通じず、そのまま力尽くでアロスを滅しようとしたが返り討ちに遭い、再来を予言しながら何処かへと消え去った。実は前作の魔王軍の通信用の呪物がシドーを象った魔像であり、アロスを襲ったときも魔像を特異点にして姿を現した。
ちなみに悪く言えばアロスの噛ませ犬的な登場であり、『ドラゴンクエストⅡ』の主人公たちを結果的にディスっているのでは、と批判意見も多かった。のちに作者の藤原カムイは「この時のシドーは未熟な邪神でしかなく力は全然弱い状態だった」とフォローしている。
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バージョン5.2の末期に実施された破界編のクエスト第1話で名前が登場し、災厄の王やダークドレアム同様に同盟ボスのラスボスを担当した。