作品情報
概要
「月刊少年ガンガン」の伝説の冒険ファンタジー作品、その続編に当たる漫画。執筆は前作から引き続き藤原カムイ氏が担当。
前作から25年後の世界を舞台に、前作よりもややダークファンタジーを濃くした作風となっている。
最大の特色は勇者オルテガの伝説の外伝、「呪文」の存在とその成り立ちを焦点に置いたストーリーで、ロトシリーズをより全体的に包括する視点が存在することにある。
今作では「謎説き」要素が強く、冒険活劇としての前作よりも壮大な数多くの難問が山積している。
同時に中盤から『ドラゴンクエストⅢ』から『ドラゴンクエストⅠ』へのミッシングリング要素、さらに『ドラゴンクエストⅡ』への伏線ともいえる個所も登場し、シリーズ全体への穴埋めといえる設定も散見される。
そして32巻からはロトシリーズの根幹への挑戦として、「勇者と魔王の関係」へとメスを入れた『ドラゴンクエストⅢ』前史というべき因縁にまで言及を開始。エピローグまで行くと、何故あの場所に重要アイテムがあるのか?アレフガルドとロトの末裔の行く末が描かれる。
あらすじ
異魔神(イマジン)が倒れてから25年……。
ある日、突如として呪文が地上世界・地下世界から消え去った。
また翌日には、ラダトーム城の人々が一瞬にして消え去るという事件も発生し、世界を混沌と荒廃が支配し始めていた。
それから5年──。盗賊団【鷹の師団】に一人の少年がいた。その少年の名はアロス。
彼はラダトーム城事件の生き残りであり、また記憶を失っていた。そんな彼は地上世界から来たリーとユイに出会う。その出会いを機に、アロスは運命に導かれるように、自らの失ったものを求めて旅立ったのであった。
呪文が消滅した意味は?またラダトーム城の人々は一体どこへと消え去ったのか?謎が謎を呼ぶ王道ファンタジーがここに!!果たしてアロスは失ったものを取り戻す事ができるのか──?
余談
本作では、
- なぜ地下世界アレフガルドが存在するのか
- ルビスとは何者なのか
- メルキドのゴーレムがなぜ勇者に襲いかかり、妖精の笛で眠るのか
- ロトの剣がなぜりゅうおうの城の地下にあるのか
- ロトのしるしがなぜ毒の沼地に落ちてるのか
等々に理由付けがなされている。
また、完全版の単行本は主に青いカラーを中心とした表紙だが、これは「ロトブルー」を「空や海」「地球」そして「無償の愛」の色であると定義し、「赤」を「血」および「欲望」の色としていることによる。
前作『ロトの紋章』におけるジャガンが着用していた頃のロトのよろいのカラーが赤だったのも、このあたりのニュアンスが含まれていそうである。