合体魔法(ロトの紋章)
がったいまほう
『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』及びその続編『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~』に登場する魔法。
左右の手から2つの呪文を同時に繰り出し合体させることで、二つの特性を混ぜた呪文を生み出したり、同じ呪文の効力を倍加させたり出来る。変わった所では、本来自分にしかかけられない呪文を他人にかけるといった事も可能。
本編では賢王ポロンのみが使用していたが、設定上はカダルが新たに編み出した魔法である。カダルが合体魔法を使う姿は『ロトの紋章Returns』で描かれている。
続編の『紋章を継ぐ者たちへ』では賢王に覚醒したベゼル、シルシル、ミシルが使用している。ベゼルは単独で使用しているが、シルシルとミシルは二人で協力して発動する。
パーフェクトガイドブックによると、消費MPは「マダンテ」を除いて元になった呪文に『ドラゴンクエストⅢ』時の消費MPを足したものとなっている。
【メラゾーマ】×2、【マヒャド】×2、【ドラゴラム】×2、【ベホマ】×2、【トヘロス】×2など単純なネーミングのものもあるが、元の呪文の名前を混ぜ合わせつつドラゴンクエストらしい雰囲気や響きに仕上がった、『ロトの紋章』名物と言える呪文も多数産み出されている。
呪文と同時に性質を現す枕詞を添えたり、決め台詞までまとめて叫びながら放つ事もあった。
ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズで賢者が扱う賢者の杖はこの合体魔法を再現しており、2つの魔法を混ぜ合わせたような呪文を唱えることが出来る。
『ロトの紋章』の世界における「マダンテ」は全ての属性を合体させる究極合体魔法という設定なので、「メラゾーマ」と「マヒャド」のように相反する属性の合体も不可能ではなさそうだ。ということは…?
バイバーハ
【フバーハ】×2
相手のブレス攻撃を倍加して跳ね返す魔法。
後にゲームシリーズで登場する「おいかぜ」や「といきがえし」を先取りする倍返し技である。
ダフォーラとの戦いで最初の合体魔法として登場しており、その後も獣王グノン戦、やまたのおろち戦など要所で登場したことで知名度も高い。
遊び人を自称していたポロンが無意識に合体魔法を発動した事は、彼の正体と秘められた力の伏線となった。
バギラ
火炎の渦が敵を切り刻む魔法。
アリアハンにて、賢王として未だ覚醒していないポロンがやはり無意識に使用し、ゴールドオークを一撃でマンガ肉に変えた。
偶々かそれとも作者が意図したのか、ギラもバギもゴールドオークも『ドラゴンクエストⅡ』に登場するため、合体こそ出来ないものの実際にゲームで撃ち込む事が出来る数少ない呪文である。
『ドラゴンクエストⅡ』のゴールドオークのHP設定が100、ギラとバギで与え得る最大ダメージ値がそれぞれ20と33なので、ゲームシステムに倣えば単に二つの呪文をぶつけたとしてもゴールドオークのHPはほぼ半分までしか奪えない。一撃で倒すほど威力が増すしたのは、呪文の合体が単なる足し算ではない事を示す描写とも言える。
ちなみに、他の攻撃系合体魔法は、いずれも敵に大ダメージを与えたり状況を打破したりと大活躍してはいるが、敵にトドメを刺して戦闘を終わらせたのはこのバギラぐらいで、そういう意味では最も見せ場のあった合体魔法だったりする。
なおこの技は『ドラゴンクエストけしケシ!』のサーティーワンアイスクリームとのコラボキャラ、「バニラアイスライム」の技にも登場している。
バニラと掛けたのだろうが意外なところで参戦を果たした。
「閃熱大炎」メゾラゴン
ポロンが賢王に覚醒した直後に使用した魔法であり、巨大な火炎を打ち出す魔法。獣王グノンに対して使用した後にメラゾーマ×2を唱えてるので、メラゾーマ×2より範囲で勝って威力で劣る魔法というところだろうか?
『ロトの紋章Returns』でカダルが冥王ゴルゴナに使用したのもこの魔法であるが、この際の枕詞は「閃熱火炎」になっている。
「氷刃嵐舞」マヒアロス
氷の刃をバギの風に巻き込み敵を切り刻む魔法。メゾラゴンを唱えた直後に、連撃として空中のグノンに放った。
後に『星のドラゴンクエスト』とのコラボでも登場。バギ系とヒャド系のうち、相手に与えるダメージが大きい属性の攻撃が反映される仕様となっている。
「双竜変化」ドラゴラム×2
【ドラゴラム】×【ドラゴラム】
対ヤマタノオロチ戦にて、崖崩れによって川に落下しつつも無傷のままジパングの中心部へ進撃するヤマタノオロチを食い止めるべく使用し、双頭のドラゴンに変身した。
ヤマタノオロチ自体、火炎を吐く際にトサカを発光させるなどの怪獣めいた描写が加えられていたためか、ドラゴン化した際のポロンの姿もどことなく特撮怪獣を思わせる鈍重な感じのフォルムとなっていたが、
素早く回し蹴りをくらわせたり突撃してきた相手の頭を掌底で払っていなしたりオロチの首を肩腕でヘッドロックして締めあげたりと、身のこなしやフットワークはそれなりに軽い。もちろん炎も吐ける。
しかし、1度は倒れたオロチを見て油断した隙をつかれて足に首を撒き疲れて引き倒され、そのまま水中に引きずり込まれてしまうという失態を侵す。
見かねたアルスの一撃によって急所を突かれたオロチが動きを止めた隙にキラによって水中から引き揚げられたことで事なきを得た。
「閃吼爆裂」イオラゴン
漫画では3人のケンオウが「トライアングルアタック」と叫び魔人王ジャガンに向って必殺技を放つシーンで使われた。
大仰な肩書きの割にはたいした効果が得られなかった。相手が相手だったので仕方なくはあるが。
「火炎竜巻」メラゾロス
【バギクロス】×【ドラゴラム】
飛行能力を持った風の竜に変身する。ローラン城(竜の女王の城)突入の際に岩山を乗り越える為に使用。この合体魔法を見たタオ導師は驚いていたが、アルス達は予め知らされていた様子。
「強制変身」モシャサス
【モシャス】×【モシャス】
敵の姿を強制的に変身させる魔法。モシャスさせるからモシャサスか。
オリビア海峡突破時に使用し、アルス達に迫った敵の一団を身代わりに仕立て上げた。この時のアルスもどきやキラもどきは鎧などの細部が微妙に本人と違っており、本物と似ても似つかないカッコ悪い顔など、やたら不格好な姿になっている。
ポロンの遊び心か、混戦時の見分けの為かは不明だが、身代わりを立てると同時に「レムオル」で姿を隠す作戦だったこともあり、敵モンスター達は見事にひっかかって同士討ちとなった。
スカラル
【スカラ】×【スカラ】
味方全員の守備力を増強させる魔法。
「スクルト」が存在する以上、おそらくファミリーコンピュータ版『ドラゴンクエストⅢ』で敵が使ったような、上がり幅だけスカラのスクルトみたいな魔法だと思われる。ジパングの洞窟、リハク&イズナの師弟コンビとの対決で使用。
スピオキルト(バイピオルト)
攻撃力、守備力、素早さを限界まで高める魔法。
3種類の呪文を倍化させた上で合成しているとの事で、マダンテの修行による成果がうかがえる。
ほとんど即興に近い呪文だったようで、呪文名もその場で「さしずめバイピオルト……いやスピオキルト?」などと言い直していた。
その性質からなのか、秀逸なネーミングセンスのおかげかは定かではないが、合体魔法に於いてはバイバーハと並んで知名度が高い。
『星のドラゴンクエスト』では真・ダークドレアムがこの魔法で途中強化してくる。
「究極六芒」ギガガイアマダデイン
グノン戦終盤、極大五芒星かつガイア級の「ガイアマダンテ」に「ギガデイン」を合わせる事で発動したもの。完成には多少時間がかかる。
撃破まではいかなかったものの、グノンが瀕死になるほどの甚大なダメージを与えた。
異なる属性、効果の魔法を組み合わせて威力を増幅させるという発想は他作品でも使われることがある。
『ロトの紋章』のように常用の必殺技まで昇華していることは少ないが、とっさの思い付きで連携を取り、合体呪文めいたチームプレイを見せるのは魔法バトルの常道のようなものである。
漫画 ドラゴンクエスト ダイの大冒険
ダイ、ポップによるバギとメラゾーマ、バギとヒャド系呪文などで連携を見せた。
マァムの魔弾銃の弾に強引に二つの呪文を詰め込むという変わった方法も採られた。
バルジ島の戦いでは、襲ってきたフレイムとブリザードの群れを「バギ」で空中に押し留め、そこに「メラゾーマ」、次いでヒャド系呪文(どの呪文かは明言されていない)を気流の中に流し込み、足元のばくだんいわを刺激することなく撃破している。
劇中の描写を見るとヒャド系呪文も「メラゾーマ」も指向性があるようで、「バギ」の嵐流に乗せることで広範囲を巻き込ませている。
「フィンガー・フレア・ボムズ」はメラゾーマ×5っぽくもあるが、これは5連発なので合体では無いのが惜しい。
「メラゾーマ」を収束して見せた「マホプラウス」は、別種の呪文を同時収束させたら合体効果が出るのだろうか?
また、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』で呪文の合体と言えばヒャド系とメラ系のエネルギーを合わせて生み出す「極大消滅呪文(メドローア)」が有名だが、こちらは効果や特徴の合成ではなく、全く新しい効果を発生させるというものだった。
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王
ギュータにおけるキギロとの決戦時にマトリフが『ロトの紋章』の合体魔法のような連携を見せた。
左手からヒャド系の氷柱を生み出し、右手からバギ系の旋風で回転を伴いながら押し出すことによって、魔法でありながら尖った氷柱を回転させつつぶち当てる、さながらドリルのような貫通性の高い物理攻撃にした。
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