概要
自らの意志で動き回る鎧(作品によっては和風の鎧兜であることも)。『リビングメイル』とも呼ばれる。いわゆる付喪神的なモノとも、低級霊や亡霊の魂が憑依したモノとも言われている。中身はたいていがらんどうになっていることが多い。
創作では、着用した者を体内に取り込み、人質兼依代として利用すると言ったケースもある。
最も分かりやすい例は、漫画『鋼の錬金術師』に登場するアルフォンス・エルリックだろう。
キャラクターとしての扱いはギャグとシリアスでやや両極端に分かれがちである。
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | リビングアーマー / リヴィンアーマー / アニメイテッドアーマー / アニメイティドアーマー / アニメイティダーマー / ウォーキンアーマー / ワンダリンアーマー / カースドアーマー / カーシドアーマー / カーシダーマー | Living Armor, Animated Armor, Walking Armor, Wandering Armor, Cursed Armor |
ドイツ語 | レーベンデ・リュストゥン | Lebende Rustung, Lebende Rüstung |
スペイン語 | アルマドゥラ・ビビエンテ | Armadura Viviente |
フランス語 | アルミュール・ヴィヴォント / アルミュール・アニメ | Armure Vivante, Armure Animée |
イタリア語 | アルマトゥーラ・ヴィヴェンテ | Armatura Vivente |
ロシア語 | ジヴァーヤ・ブローニャ | Zhivaya Bronya |
タイ語 | チュッグロミーチーウィ / チュットグロミーチーウィット | Chut Kro Mi Chiwit |
インドネシア語 | ハントゥ・ジラ(鎧のお化け) / ジラ・ブルジワ(命のある鎧) / ジラ・トゥルクトゥ(呪われた鎧) / ジラ・トゥルクトゥック | Hantu Zirah, Zirah Berjiwa, Zirah Terkutuk |
アイヌ語 | ラマッコロハヨクペ(“魂を持つ”という意味のramatkorには“賢い”という意味もあるらしい) | Ramatkor Hayokpe |
中国語 | 活鎧甲(ホォカイチア) | Huokaijia |
リビングメイルの登場する作品の例
- 『スレイヤーズ』:ナタリー、ナーマ
- ドラゴンクエストシリーズさまようよろい、ぬけがらへい、デビルアーマー
- 『ドラゴンクエストダイの大冒険』:アーマードフレイザード(氷の右半身を失い追い詰められたフレイザードが岩石の身体を捨て、自らの本体である炎をミストバーンが用意した鎧に乗り移らせたもの)
- 映画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険ぶちやぶれ!!新生6大将軍』:ダブルドーラ(体を分離させる機能を持つリビングアーマー)
- 2020年版:あくまのきし(本家ゲームでは鎧を着た人型モンスター扱いだが、令和版および後述のスピンオフではさまようよろいやデビルアーマーと同じ物質系モンスターとして登場している)
- 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王』:ドルディウス、フューレ(悪霊など肉体を持たないモンスターで構成された盗賊団「幽霊騎士団(ゴーストナイツ)」の首領と幹部。鎧に憑りついており、他の構成員も同様)
- ファイナルファンタジーシリーズ:ブラックナイト
- 『スウィートホーム』:銅の鎧、銀の鎧
- 『MOTHER』:カッチュウ、オバケカッチュウ、オバケナイト
- 『鋼の錬金術師』:アルフォンス、スライサー兄弟、バリー・ザ・チョッパー(人間の魂を鎧に定着させたもの。旧アニメでは軍の錬成した試作型も登場している)
- 『鎧伝サムライトルーパー』:妖邪兵(同作における敵対勢力・妖邪帝国における戦闘員ポジションの存在だが、『今週の怪人』に相当するキャラが後半までなかなか登場しないためかポジションの割にはかなり強い部類。)
- ヴァンパイアシリーズ:ビシャモン(元々は呪いの甲冑に操られた侍だったのだが、その侍が解放された結果続編であるヴァンパイアセイヴァーでは鎧のみが動くようになった)
- 『HEROMAN』:怨侍(漫画版第1話の敵)
- モンスターファームシリーズ:デュラハン
- 『ヴァルキリープロファイル』:グレイ
- 『ダンジョン飯』:動く鎧(この作品では金属の殻を持つ貝類型モンスターの集合体が鎧に擬態したもの。兜部分が索敵を担当し、卵を盾の裏側に張り付けて守るなど部位によって役割が分かれている)
- 『おざなりダンジョン』:覇王の鎧(ドミノ・ローブ)
- スーパー戦隊シリーズ
- 『重甲ビーファイター』:ブラックドラゴン(異次元傭兵パーラが着用したが彼女の身体を乗っ取る)
- ウルトラシリーズ:アーマードダークネス
- 『ウルトラゼロファイト』:カイザーダークネス(ベリアルの魂がアーマードダークネスに憑依した存在)
- 『ウルトラマン超闘士激伝』:邪生鋼(エビルブレスト)(ゴーデスの分身である生きた鎧。装着した怪獣や宇宙人の身体を乗っ取りゴーデス五人衆へと変えた)
- 『ダイヤモンドの騎士』:魔法生物と化したKOD's装備の回収がこのシナリオの目的。アーマー(胴鎧)、シールド、聖剣ハースニール、ヘルメット、ガントレット×2が迷宮各階層で固定出現。
- 『サクラ大戦』:脇侍(要するに魔力で動くロボット)
- ソウルシリーズ:ナイトメア(本体は手に持っていた剣だったが、操っていた中身が解放された際身に纏っていた鎧に逃げ込み、結果新たな宿主を見つけるまでしばらく鎧を体として行動している)
- 『四度目は嫌な死属性魔術師』:リビングハイレグアーマー(サリア)、リビングビキニアーマー(リタ)
- 『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』:リビングアーマー
- 『妖魔夜行/百鬼夜翔』:夢魔、小袖の手、リビングアーマー他多数
- 『キン肉マン』:悪魔将軍(肉体を持たず、悪魔六騎士が合体した甲冑と本体である黄金のマスクのみの存在)
- 風来のシレンシリーズ:セルアーマー
- ゼルダの伝説シリーズ:ファントム
- 『SPRIGGAN』:水魔(アクア)、砂魔(ディザート)、影魔(シャドウ)(魔術師ヘウンリー・バレスの3体の使い魔。鎧の内部に魔術の媒介となる生物(水魔はトカゲ、砂魔はサソリ、影魔は不明だが騎士の亡霊と推測された)を核として甲冑の身体を動かしている)
装着者が行動の主体となる例
- 『聖闘士星矢』:聖衣(聖闘士が纏う星座を模した鎧。自意識を持っており、悪行を重ねた主から離反した事もある)
- 『強殖装甲ガイバー』:ガイバー(異星人「降臨者(ウラヌス)」の技術で作られた装甲服。他の生物と融合・強化する細胞「強殖生物」で出来ており、装着者と融合し肉体を作り替える。脳を著しく損傷するなどして装着者が行動不能となった場合、自己防衛の為にガイバーユニット自身で戦闘を行う)
- 『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』:ブラックシーザー(胸部に獅子頭の飾りが付いた鎧。口から各種ブレスやいてつくはどうを吐き相手に噛み付くなどの行動で持ち主であるキラをサポートする。キラのレベルが上がるに従い体を覆うパーツが増えていき最終的には全身鎧となった。パーツを組み替え本物のライオンさながらの姿で自律行動も可能)
- スター・ウォーズシリーズ:ヴォンドゥーム蟹/ヴァンドゥーム・クラブ(小説作品『ジェダイ・ニューオーダー』シリーズに登場。ユージャン・ヴォングのバイオテクノロジーで作り出された甲殻類。ライトセーバーやブラスターすら防ぐ強度を誇る生きた鎧となる)
- 『覚悟のススメ』:強化外骨格
- 『うしおととら』:石喰い(正体は石化させた鎧に潜む百足の変化。後にハマー機関によって改造された鎧を潮が装着する。見た目に反して非常に軽快に動ける上、敵の攻撃に対しては「石の蛇」を生やして反撃する)
鎧以外の生きた防具
兜のみ、籠手のみ、盾など
- 『轟世剣ダイ・ソード』:ヨゴ、コ・ズー(異世界の神によって作られた8体の巨大兵器群「神の武器(ゴッド・フォース)」。神の盾ヨゴは最も防御力に優れ、神の籠手コ・ズーは最も魔法を得意とする)
- ドラゴンクエストシリーズ:サターンヘルム
- 『映画クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ!金矛の勇者』:ギンギン(異世界ドン・クラーイに伝わる「三つの宝」の一つ。少年のような口調でしゃべる盾)
- 『SSSS.DYNAZENON』:ゴルドバーン(飛竜型の怪獣。盾に変型してダイナゼノンをサポートする)
- 『妖怪ウォッチ』:カブトさん
リビングアーマーとは異なる例
本体が別にいる
- 『COBRA』:ソード人(中身の無い甲冑がひとりでに動いていると思われていたが、剣の姿をした種族が念動力で甲冑を動かしていた)
- 『HUNTER×HUNTER』:リモコンラット(グリードアイランド内に出現するモンスター。物陰に隠れ操作系の念能力で空の鎧を操る)
- 『キングダムハーツ』:留まりし思念(鎧の持ち主の強い思いが焼き付いて動き出した存在。他にも様々なキャラクターの思念体が登場している)
中身(実体)が存在する
- 『ゴブリンスレイヤー』:小鬼を殺す者(常に薄汚れた鉄兜と革鎧を身に着けているため、初見の相手から鎧の怪物と間違われることもある)
- 『バイオハザード4』:アルマデューラ(宿主を失ったプラーガが甲冑に入り込んで動かしている)