概要
いわゆる異世界転移ものの一つだが、「科学的に」のタイトル通り、亜人のみならず、『ファンタジー世界が実在するとしたらどんな構造をしているのか』を考察した、
「作者は自分より賢いキャラクターを描けない」を
「レベルを上げて物理で殴ればいい」で体現した作品。
アラクネやトレントなど、主にクリーチャーに主眼を置いて考察しており、『内骨格を持つ虫』や『電流を流す事でブレスを吐くドラゴン』。身体的特徴故に女尊男卑の文明を持つアラクネやそもそも結婚文化を持たないハーピィなど、空想生物学・空想文明学好きにはたまらない一冊となっている。
しかしリアルな考察の分、解体やセックスなどのエログロも容赦なく描かれているため注意が必要。
魔法が存在せず、さらには科学技術に謎の制約を課せられた世界観であり、主人公の持つ現代の科学知識をそのまま使って無双することはできない。
そのため、主人公含め人間や亜人種たちは基本的に強大なモンスターに対して無力に描かれている。
そのような過酷な世界の中で、主人公が知恵と工夫によって制約をかいくぐり、ユニークな機械や兵器を作り上げて戦うのが本作のもう一つの見どころとなっている。
登場人物
主人公
- 栗結大輔
主人公。生物学科の大学生でアラクネやケンタウロスなどのクリーチャー娘が大好き。織津江たちとクリ娘談議をしていた時、急に異世界に飛ばされる。その直後に出会ったネアの手引きでアラクネの里に迎え入れられ、そこで暮らすようになる。
ハーレムを作るという夢を中学生の頃から持ち続けており、事あるごとに「俺はクリ娘ハーレム王になる男だ!」と口にしている。学術的探究心も旺盛でなにかとクリ娘やモンスターの身体構造を調べたがり、一旦そのスイッチが入ると周りが見えなくなりがち。なんなら探究心の方が性欲より強い節がある。
生物学のみならず物理化学の知識も豊富で、頭の回転も速く応用力にも長ける。既存の武器を魔改造レベルに強化したり、水力を利用した工作機械を考案したりしている。
- 織津江大志
もう1人の主人公。大輔と同じ学科に所属していた。大輔とは別の場所に転移したらしく、まだ邂逅してはいない。サバイバル技術に極めて優れており、モンスターが跳梁する山奥で3ヶ月もの間生き延びた末に人間の王国に拾われ、熱交換器などの革新的技術をもたらした。
「織津江流古武術」という忍術のような武術を習得しており、現代人とは思えない鋭敏な感覚と戦闘能力を持っている。また、人の心を読むことにも長けているが対人(特に女性との)コミュニケーション能力は高いとはいえず、そのことが原因で人間関係のトラブルを起こし、王国を出奔。
王国出奔後は偶然助けたゴブリン達と暮らすようになり、未踏の地で新天地開拓に身を投じる。
人間離れした極めて高い能力と、栗結をも超える知識量を持つ傑物だが、自分に対してとにかく自信がない。特に女性に対しては致命的なヘタレであり、それ故に女性からの評価も低い。大輔からは「すげぇやつなんだが自己評価と他者評価がゴミという変なやつ」と言われている。
しかしながらゴブリンたちと暮らすうちに唯一の欠点であった自信の無さが解消されて己の実力に見合った等身大の自信を得たことと、人間社会を外から見て「人間病」に対する強い忌避感を持った結果、人間すら下等生物とみなす精神性を持つようになる。その様は「魔王」と呼ばれ、イメージ図では白い仮面をつけた巨大な魔物として描写される。
また、ヘタレが解消されたことで一転してモテるようになる。奇しくも彼もまたハーレムの王となっていくのであった。
アラクネ
- ネア
ヒロインの一人。ワンサイドアップがチャームポイント。
病気のラネアを救うためサシヨイ村から麦を盗み出し、追われていたところを転移してきた直後の大輔に救われる。お礼として身体構造を大輔に調べさせ、行き場のなかった大輔をアラクネの里に迎え入れた。後に大輔が異世界人だと知ったラネアの指示で彼のハーレムに加わる。以後、正妻扱い。
普段は礼儀正しく純真可憐な性格だが怒ると非常に怖く、大輔に危害を加える者には一切の容赦がない。
- アー
アラクネの女たちのリーダー格で、力も最強クラスな鍛冶屋。トレントによって付けられた傷跡が残っており、それを隠すためか、片目隠れ。
大輔が異世界人だと見抜き、その知識を使った新兵器や革新技術の提供を依頼した。その際、彼に「禁忌」についても伝えた。大輔が考案した武器や機械の製作も行っている。
31歳でこの世界では行き遅れにも程がある年齢だったが、ラネアに唆された大輔と関係を持ち、ハーレムに加わる。
- ラネア
ネアの母親。アーとは親友同士。
「火の呪い」と呼ばれる病気(風邪)に倒れていたが大輔の提案した治療方法で快復する。
一見柔和な性格だがその実かなりの策士で、大輔を里に留めておくためにネアやアーを大輔のハーレムに差し出したほか、自身も色仕掛けで発破を掛けるなどしている。
- アネラ
アラクネ女性。悪魔の森への行軍途中でトレントに襲われるが大輔の機転で助けられる。
ハーレムには加わらなかったが助けられたお礼として種付けさせている。
- ネク
拠点であるラァ族のアラクネの里の里長であるおばあちゃん。
なお、この世界の言葉はかつての転移者がもたらした日本語が公用語として使われているが、「里」の意味は変化しており人口一万人程度以下の中~小規模な国を指すようになっている。
つまり立派な女王様である。
ハルピュイア
- ルピー
ヒロインの一人。語尾に「にゃ」を付ける特徴的な話し方をするが、これは全てのハルピュイアに共通。
アラクネの仕掛けた罠にかかるが大輔のハーレムに入ったことで捕食を免れる。アラクネから狩猟対象(しかも大好物のご馳走)として見られているため、常に大輔にくっついている。
飛行能力を活かした偵察を度々行なっており、また言葉の通じないモンスターとも雰囲気で意思疎通ができたりする。
- ハル
ルピーを強姦しに来た男ハルピュイア。ハルピュイア自体が全体的に子供体型なこともあり、見た目は中性的。
ルピーとの勝負に勝って種付けは性交…成功した。
その後も情報を持ってきてくればルピーとヤらせるように交渉しており、ルピー以上の斥候として働いている。
- アルバ
出張版番外編に出てきた南の方のハルピュイア。翼の形状がルピー達北のハルピュイアとは異なり、滑空能力は高いが乱気流や突風には弱い。
適当にフラフラ生きている北のハルピュイアとは異なり、南のハルピュイアは国家を形成しており、彼女はそこの王女様である。
北のハルピュイアの自由な生き方に憧れて飛んできたが、豊かな暮らしに慣れている自分には厳しいと感じて帰っていった。その前に大輔に種付けしてもらった。
レッドキャップ
- レキ
ヒロインの一人。ドレ族の「迎え送る巫女」と呼ばれる役職に就いている。産婦人科医と(間引きとしての)安楽死、宗教娼婦の役割を担い、宗教を管理する立場にある。
大輔に引き取られた生き残りたちのリーダーで大輔を「人間の体を借りて降臨した精霊」に仕立て上げて一族の結束と大輔への忠誠を保たせている。
- ヒバリ、レイ
二人組のレッドキャップの少女。ヒバリが行動派、レイが頭脳派で互いに弱点を補う関係にある。
自分たちのいたドレ族が壊滅した理由が宗教にあると考え、真実を知るために大輔が本当に精霊なのかどうかを質問する。そしてレキから真実を教えられ、いずれ巫女や長になる立場となった。
作者の過去作ヒロインのコンパチキャラ。
マーフォーク
- カナ
ヒロインの一人。里長の娘でクールな合理主義者。里を救うためイルカに嫁入りさせられる悲劇のヒロイン・・・と周りには思われていたが、実際はイルカを嫌っていないどころか尊敬していた。
大輔が異世界人だと見抜き、ハーレムに加わることと引き換えに知識と技術の提供を求めた。大輔よりも頭が良く、色恋沙汰よりも損得勘定や革新技術に興味があるようである。
- メイ
カナの侍女。サシヨイ村に交易に来た時大輔から身体構造を調べさせてくれと頼まれるがあっさり断り、なおも食い下がる大輔にクラーケン退治を要求する。
価値観が現代人に近く、大輔のハーレム王発言にドン引きしていた。
クラーケン騒動の解決後は、カナや他の侍女と共に大輔に同行する。大輔に対して異性として魅力を感じてはいるものの、ハーレムに対してのドン引きと友人としての関係性の強さから恋人になるつもりもない状態だったが、大輔からセフレの概念を教わったことで友人のまま肉体関係を持つことを決める。でも中出しはさせてくれる。
- シイラ、ハゼ、サヨリ
メイと同じく同行しているカナの侍女。元々カナから大輔に対して彼女たちを手籠めにしてもいい許可はあったのだが、大輔も侍女も遠慮して受け身であったために長い間特に何もなかった。
しかしメイを通して聞いたカナの「侍女が誘ってもいいんですよ」発言を聞いて、玉の輿狙いで速攻ハーレム入りした。
- オジサン
カナの父。フマ族の里長。豪快で少し抜けた性格に見えるが実はカナにそっくりな合理主義者。
名前のイントネーションは富士山と同じ。
- サーバ
カナの幼馴染み。カナのことが好き。
対クラーケンでは男を見せたが、それはそれとしてフラれた。
- イルカ
カナとは別の里の長。太った醜悪な容貌の持ち主で特徴的な笑い方をする。
また、孫のような歳の女性を多数娶ってハーレムを作っており、メイやサーバには嫌われていた。
ただし見た目と性癖を除けばその実態は有能そのものであり、里長(=国王)に相応しい高い能力を持つ人格者である。
ケンタウロス
- タウラ
ヒロインの一人。結婚前に世界を見て回りたいという思いから一人旅をしており、一度アラクネの里の近くにも来ていたが行軍中で危なそうだったので接触はしてこなかった。
マーフォークの里で大輔に接触し、クラーケンをも撃退した彼を見込んで故郷の草原に侵入したミノタウロスへの対処を依頼する。その後も大輔達と行動を共にしており、ケンタウロスの文化や価値観を伝えた。
ケンタウロスの里に到着後は、父親の了承を得て正式に大輔の妻となる。
本作のもう一つのテーマである「人間社会の常識検証」を色濃く体現するキャラクターである。
ゴブリン
- ジャー
ミドリ族の長。山中で一族がモンスターに襲われていた時に織津江に救われ、彼を仲間として迎え入れる。望まれれば織津江に族長の座を譲る気でいるが、織津江はあくまでも徹底して彼を立てている。
- リン、コリン、フーリン
ミドリ族の少女。織津江に特に懐いている3人。リンがベリーショート、コリンがショートボブ、フーリンが姫カットで見分けが付きやすい。織津江にゴブリンの文化を伝えている。
後に里に大きな発展をもたらす織津江を最初に捕まえた3人なので、何気に里内での地位が高くなっている。
- ワカクサ
壊滅したリドミ族の現代表。ジャーと織津江にミドリ族の仲間に加えてくれるよう要請する。
長身で目つきが悪いのがコンプレックスなようで、織津江に親近感を持たれている。
織津江にゴブリン女にとっての「定番の憧れシチュエーション」をされたことで、彼に完全に惚れ込む(織津江は知らずにやっていたが)。
オーク
- ピグ、タブ、トン
3人組のリドミ族の戦士。リドミ族がミドリ族に降ることを不服として織津江に戦いを挑むが返り討ちにされ、服従を約束させられる。
- カツトン、シャブトン
トロールの集落に住みついていたオーク。集落内で産まれたのではなく外から入ってきたオークであり、トロールたちの低い知能を補って集落を発展させていた。
ミノタウロスの危険性についても十分に把握しており、大輔たちと手を組んでミノタウロスの報復から逃れることに成功する。
ヴァンパイア
- パイア・ヴァン・ヘルシング
ヴァンパイアの女性。偶然見かけた大輔に目を付け、寝込みを襲って吸血&逆レイプを仕掛けた上、催眠術を掛けて自分のペットとして連れ去ろうとする。しかし、大輔に催眠術は通用せず、さらにネアが駆けつけたことで失敗する。
ヴァンパイア社会の窮屈さに耐え兼ねて出奔した形で森に住んでおり、ヴァンパイアの種族特性や社会を大輔に語っていたがいつの間にか愚痴になっていた。
トロール
- 集落のボス
トロールの集落を治めていたボス。
ボスだからといって他のトロールと比べて特段頭が良いわけではなく、彼がボスのままだとミノタウロスに狙われた集落が全滅することが避けられなかったため、やむを得ず大輔たちの手で引導を渡されてボスの座を奪われた。
しかしながら大輔が集落のみんなを代わりに守るつもりだということを聞くと、彼に後を任せて事切れた。死の間際まで他の民を心配しているその精神性は、間違いなくボスの器ではあり、大輔も殺してしまった彼の遺志を継ぐことを決意している。
- トロ
トロールの女性。トロールなので他の亜人目線だとかなり図体は大きいが、所作が一々可愛らしい。
新しくボスになった大輔に惚れこみ(懐いた、という表現の方が適切かもしれない)、集落と大輔が別行動になった際に一人だけ大輔に付いていった。
デュラハン
- ユラ
ケンタウロスの里に流れ着いたデュラハンの女性。関西弁で喋る。
3年前にマンティコアに襲われて首が取れ、執着心の強いマンティコアから逃れつつ周囲の人を巻き込まないために旅をしていた。
大輔たちの手助けによってマンティコアの撃退に成功し、ハーレム入りする。
エルフ
- エルゥ
ハイエルフの女性。
最初は「占い」によって出た異世界人である大輔の存在を確認しに来ていたが、接触はせずに立ち去る。
その後は占い師が大輔と会いたがったため、娘と共に追いかけてケンタウロスの里に到着するが、大輔は既に発った後であった。そこから更にアラクネの里に行ってやっと接触できている。
子供が大好きで自らも何人か子供を産んでいるが、既に「出産権」を使い切っている。
しかしながら大輔と接触すれば任務報酬で大輔の子を3人産むことが許されており、もうすでにハーレム入りする気満々である。
- ルフ
エルゥの娘であり、彼女も「成功個体」であるハイエルフ。
ちなみに父親はエルゥの父親、つまり祖父である。ゴリッゴリの近親相姦である。
彼女もまたエルゥと同じく、大輔の子を産む気満々。
ラミア
- カガシ
織津江のいる里に逃げ込んできたラミアの長。
性的なことに関しては人間と同じような価値観を持っており、一夫一妻制の社会であってゴブリンたちの乱交文化とは相いれなかった。
その相いれなさっぷりは人間以上であり、「女子供しか残っていない自分達には生活する上で絶対に必要になる労働力・戦闘力になり、しかも命を救ってくれた恩人たち」を「乱交文化が嫌だから」というただ一点だけの理由で殺そうとしていた。
しかしながら織津江にその腹づもりを見抜かれ、一度価値観を捨てて乱交文化に染まってみることを提案され、結果として正式に仲間となる。
オノケリス
- ノリス
オノケリスの商人である女性。元々アラクネの里に商売に来ていたが、大輔が異世界人であることを聞くと、即ハーレム入りを決めて全力で取り入っている。
ただし他の妻たちからは全力で警戒されており、大輔自身もその警戒を不当なものだとは感じていない。まあヤるけど。
ヤった後、大輔に「禁忌が無い世界であれば生命の完全な絶滅が可能か」を聞き、その答えを聞いて興奮している。
人間
- サシヨイ村の村長
序盤でネアを追っていたが止めに入った大輔と取引し、盗んだ麦の十倍の食糧を持ってくることを条件にネアを見逃した。後日、食糧を届けに来た大輔にレッドキャップなどの敵性亜人の事を話している。
その後、レッドキャップへの報復攻撃を指揮し、降伏してきたレキ達生き残りを射殺しようとするが大輔に止められる。大輔との再びの取引の結果、彼女らを大輔に渡すことと引き換えに彼から洗濯機や織機などの革新技術を提供される。
- マークス
サシヨイ村の住民。妻と二人の娘をレッドキャップに殺される。村長が大輔との取引を呑んだ時も反対したが説得を受けて引き下がる。
- リーン・ケン・ジーンフォース
帝都から来た貴族の青年。現実が見えていない理想主義者。レッドキャップにも人権はあるとして駆逐に反対し、大輔にも賛同を求めるがラネアに黙らされる。
レッドキャップの生き残りを村長達が射殺しようとした時も彼女らを庇い、憎しみを断ち切ることを叫ぶが村長からはその姿勢を無責任だと一蹴される。
- オサマ8世
オサマ王国の国王。織津江を厚遇すると同時に彼の持つ知識や技術が他国に渡ることを何よりも恐れ、彼が出奔した際は全力を挙げて取り返すよう命じた。
- ピエーロ
「嘲笑の道化」と呼ばれる本人曰く「国の脳みそに水ぶっかける」役職に就く人物。何を言っても止められず、罰されないが、周囲の人間は彼の言葉を一切無視できる。織津江が出奔した原因を見抜き、国王に善後策を奏上した。
織津江を自身の若い頃にそっくりと評しているが、「魔王」になり得るとして恐れてもいる。
- メイヤ
織津江にあてがわれたメイド。貴族家出身の才色兼備。本人は恋愛や結婚をしたがっているが、あまりに優秀すぎるが故にほとんどの男は恋愛対象にならず、20歳を越えても結婚相手を見つけられずにいる。(オサマ王国では20代独身は行き遅れとみなされている)
実は諜報メイド部隊を率いるプロのスパイであり、暗殺者。表向きは織津江によく仕えていたが内心では見下しており、彼が王国を出奔する決定打を与えてしまった。
その後、織津江を連れ戻すために死の山脈へと向かうが、自信を得た織津江に対して強い畏怖を覚えつつも恋をしてしまい、織津江の下に残ることを決意する。
本人も自覚は薄かったが、恋愛においてはかなりMっ気が強い。
ワカクサとはお互いにキャラ被りを微妙に気にしている。
- オルワ
織津江にあてがわれたメイドであり、メイヤをリーダーとする諜報メイド部隊の訓練生。
まだ訓練も途中でほとんどただの女の子だが、織津江の好みが分からなかったので採用された。
メイドの中では一番小柄かつ年少で、純真さを売りにするために性知識もほとんど与えられていない。ロリ巨乳。
織津江を連れ戻すためにメイヤと共に死の山脈へ向かう。
メイヤを母親のように慕っており、共に織津江の下に残る。そのため当初はゴブリンの里の中にあって処女を維持しているという奇特な状態だったが、乱交文化に身を置いていて性行為に対する興味が出ないわけが無く、結局織津江に抱かれたのであった。
陶器作りにハマっている。ゴブリンの里ではガラス製品まで作っており、その精神性は既に職人の域に達している。
- パーラ
織津江にあてがわれたメイド。既に諜報員としてかなりの功績をあげている。
実家の借金を返すために自分を洗脳して織津江と子作りしようとするが断られ、必要分の金貨を与えられて追い出される。この一件以来織津江に惚れ込んだが、実家から戻った時既に彼は出奔した後であり、呼び戻す役目をまっ先に買って出た。
メイヤに従って死の山脈へと向かい、織津江の下に残ることを決意する。
何気に瞬間記憶能力持ちであり、それ故の変化に対する敏感さを活かして、ゴブリンの里では子供たちの世話と広域観測を担当している。
- ノーブレス
女性冒険者。姉をゴブリンに誘拐された過去を持つ少女。ミドリ族の里を襲撃するが織津江の作った兵器によって返り討ちに遭い、繁殖用家畜として飼われることになる。
脱走を試みるが失敗し、織津江に明確な殺意を向けられたことで「捻じ曲げ」と呼ばれるストックホルム症候群のような状態になり、ゴブリンの社会に適応する。以後は仲間扱いされるようになる。
ただし冒険者は「捻じ曲げ」に対する対処法を教わっており、彼女も例外ではない。冷静に自己分析を行った上で、改めて彼女はゴブリン社会に適応することを選んだ。
- オブリージュ
ノーブレスの従者。ノーブレス共々繁殖用家畜として飼われる。
檻の中で織津江との対話により、ノーブレスより先にゴブリンの社会に適応し、仲間扱いされるようになる。
- ユミ
女性冒険者。仲間共々ミノタウロスに追われていたところを大輔に救われる。その後はアラクネの里に滞在しており、そこで戦争の火種になりかねない革新技術の数々を目撃する。
活動拠点であるシガヒの街がケンタウロスの草原に近く、道案内を買って出る。
- 訛葦笛地
大輔・織津江と同じ学科に所属していた大学生。その名の通り足フェチ。
高校生の頃に織津江の噂を聞いて喧嘩を売り、ボロ負けした過去がある。
彼もまた異世界に飛ばされており、リパブリック共和国の臨時特殊兵員教導官として兵士たちに織津江流の考え方を叩き込んでいる。
しかしながらリパブリック共和国は織津江の仲間のゴブリンやラミアたちと敵対しており、お互いにそれと気づかないまま敵陣営として戦争になりつつある。
- 芸鋤ビエル
大輔・織津江と同じ学科に所属していた大学生。その名の通りBL好き。
彼女の「異世界でも魔界でもとっとといきやがれ」という発言の直後、異世界に飛ばされることとなる。
彼女自身も飛ばされているのかは現状不明。解説シーン等で出てくる事がある。
その他
- パピ
ファイアードラゴンの子供。親なしのままアラクネの里に迷い込み、大輔に飼われることになる。大輔やルピーに懐いており、滅多に離れることはない。
子供ではあるが火炎放射は可能でその威力は丸太の柵を軽く焼き落とし、キャタピラーを数体まとめて焼き殺せるほど。
登場種族
人間・亜人
多くの亜人種が登場するがほとんどは人間から分かれていったものである。種族同士の仲が悪い場合もあり、友好性亜人や敵性亜人などの区別が存在する。
- 人間
ヒューマン種と呼ばれ、多くの亜人種の始祖。全種族中最大勢力を誇り、「サシヨイ村」「エペラーン帝国」、「オサマ王国」などの国家や共同体が登場する。
亜人種たちとの間に多かれ少なかれ思想的に相容れない断絶が存在しており、「人間病」なる概念が語られているほか、一部の敵性亜人種からは「麻薬漬けの病気猿」と呼ばれて忌避されている。
- 異世界人
大輔や織津江のような転移者のこと。作中世界に共通語や文字を伝えたとされる。
既存のそれを遥かに凌駕する知恵や技を持つとされており、あらゆる共同体で重宝されるが、国家間の戦争の火種になりかねない危険物としての側面も持つ。
男性は人間とほぼ変わらない容姿をしているが、女性は蜘蛛のような下半身と合計12本の手足を持つ種族。力も強く、手数の多さも相まって人間を遥かに上回る戦闘能力を持つほか、蜘蛛のような糸を出すこともできる。
女性の方が戦闘力が圧倒的に高いことに由来する女尊男卑社会で、男性は妻もしくは母親の所有物であるが保護対象ともされており、優しく扱われる。子育て期間中を除き女性が狩りや力仕事を担っている。
女性の身体構造は人間3人が胎内で合体していることに由来する。
アラクネ糸はただでさえ頑丈な蜘蛛糸が更に寄り集まったような極めて強固な構造をしており、手触りもいいため戦闘用品から高級布製品まで様々な用途で使われている。
腕が翼になっている小柄な種族。高速走行と滑空を併用して飛ぶ「トビウオ型」の飛行を行う。
結婚の概念が存在しない乱婚文化であり、ハーレムに入ることに抵抗がない。また、翼が重くなるという理由から私物も持たない。
アラクネからは鳥だと思われており、狩猟対象である。
「殺人妖精」と呼ばれる敵性亜人。極めて俊敏で夜目がきく。脚は馬のようになっており、先端には蹄がある。夜戦ではほぼ無敵である一方で、昼間はほとんどものが見えない。
人間を殺害し、その血で帽子を赤く染める文化を持っているがこれは宗教上の理由によるもの。レキのいたドレ族はサシヨイ村の住民を殺害したことで報復攻撃を受け、十数名を残し全滅している。
この宗教は種族全体で社会の根底に根付いているものではあるが、一方で実際に群れを統率する立場にある長や巫女はその教えを決して信じてはおらず、民の心を掌握するための道具として利用している。なお、「敬虔な信徒」が長になってしまったのがドレ族であり、その末路は前述の通りである。
下半身が魚のようになった種族。水中生活に順応しており、エコーロケーション能力まで持っているが陸上では鈍重。ただし尻尾は重い筋肉の塊なので、いざという時には鈍器としても使える(機動力はないので短射程の敵に対する本当の最終手段でしかないが)。
一夫一妻制で社会や価値観は現代日本に近いが、異性に裸を見せることに対する抵抗感は薄い。
馬のような下半身を持つ種族。亜人種の中でも一際変わった文化を持つ。ケンタウロス社会はフェミニズムの対極を目指した社会とされ、女が「ひれ伏す支配者」、男が「君臨する奴隷」とされている(なお、女尊男卑のアラクネ社会では逆になっている)。一見すると男尊女卑に見えるが、その実かなり合理的な価値観と社会構造を持つ。
人間病に対して強い忌避感を持つ種族の一つで、人間とは敵対していないだけで評価は低いが、反面教師として全力で参考にしているのである意味では人間大好きな種族とも言える。
その結果生じた社会は、「個々人は他人の助けが無くとも生きていける」ことを前提としており、その上で互いを高め合って協力し合うものとして存在している。
アラクネの女性と同様に結合双生児がデフォルトの構造。
敵性亜人。小柄な緑色の肌と角を持つ種族。人間とは根本的な価値観や文化様式の違いから敵対関係にあるが、ゴブリンの価値観を理解して共存ができる人物ならちゃんと仲間として扱う。製鉄や鍛冶の技術はなく、原始生活を送っている。
乱交文化であり、男側に「父親になる自覚」を刷り込むことで女はヤった男全員から優先的に守られる存在となる。
この世界の亜人は異種間でも問題なく子供ができ、通常は母親側と同じ種族となるが、父親がゴブリンかオークの場合は例外的に父親と同じ種族が産まれる。
敵性亜人。大柄で筋肉質な肉体を持つ。男性しか存在せず、他種族の女性との間に子を作る。人間には「強姦魔」と呼ばれるが、その実態は母親側の種族に逆らえない奉仕種族。労働力としても戦闘力としても役立つので、積極的にオークと交わる種族も少なくない。
強姦魔の敵性亜人扱いされているのはゴブリンと同じく性行為に対する価値観の違いが原因。その敵対関係から「オークやゴブリンを殺しに来た人間の女を捕虜として捕まえて」、「性行為を特別視する傾向の強い人間」に対して「性行為を特別視していない種族が種付けする」という形にしか基本ならない。当然犯される側の女は暴れ、犯す方のオークやゴブリンもそんな女に対しては子供を産むための苗床以上の扱いをする気がなくなるのである。
逆に、女側がオークやゴブリンの社会に慣れて受け入れてしまえば、元々殺しに来た人物であっても仲間扱いしてくれるくらいには寛容。
そもそもの敵対関係がなぜ生まれたのかは作中での描写はないが、この世界観だとほぼ確実に人間側が先に余計な手出しをしてそうである。
敵性亜人。体格の割に力が強く瞬発力に優れる一方で、持久力が無い。人間の血液が好物だが、これは消化器官の問題で固形物を摂取できないため。
人間以上に「人間病」を強く患っている種族であり、自分たちを人間より上位の種族と自認しており、人間を家畜として飼っている。
女性の人権保護と社会進出を追求した結果、非常に窮屈で生きづらい社会になってしまっている。
5歳児並の知能しか持たないが、身長2.5m、体重500㎏程度というオーク以上の巨躯と力を持つ。
騙されやすいが自分たちが騙されやすいことは認識しており、他の種族には基本的に牙を剥く傾向にある。
協力しなければならない場面でも協力できないということでもあるが、原始的故に群れのボスに従うため、武力でボスの座を奪うことで群れを丸ごと支配下に収めることは可能である。
また、決して地頭が悪いわけではなく、文字を持たないがゆえに情報を正確に記憶・伝達する能力に長ける。
首と体が分離している定番のアレ。
作者が知恵熱出すレベルでその合理性を考察した結果、「頭と上半身と下半身のそれぞれに生存に必要な器官が揃っており、危険が迫ったら自切が可能であり、分離しても生き残れる種族」という結論に至った。その生態は知られておらず伝説の種族や怪談扱いになっており、人前で首が取れるとオバケ扱いされる。
一度分離してしまうと再結合はできないが、逆に言えば体が分かれてしまうような事態にならない限りは人間と見た目上の差異は一切ない。そのため、お互いに同じ種族だと勘違いしたまま人間と共存しており、生存能力を除けばその戦闘力や文化も人間と完全に同一である。
ただし頭は栄養や空気を大量に消費する割に肺が小さいため、分離してしまうとどうしても効率が悪くなる。不足すると脳が機能停止し、呼吸して体からおっぱいを吸うだけの生き物になる。
再結合はできないが断面をくっつけると気道や消化管が開通し、生体電流も微弱ながら伝わるようになる。
高い知能を持つ種族。更に知能を上げるために自分たちの「品種改良」を行っているようで、その中でも最高傑作と評されるほど賢いものをハイエルフと呼称する。
ハイエルフがどれくらい賢いかというと、普通のエルフとすら話がかみ合わず、5歳でこの世の虚無を悟ってうつ病になりかけるほどである。
自分たちの人口が増えすぎないように出産権という制度があり、エルフの女性は通常2人までしか子供を作れない(いらないなら他者への譲渡が可能なほか、任務の報酬で得られる場合もある)。また、ハイエルフの場合は優秀な個体を産むまでハイエルフ同士で子作りをする出産義務がある。検討の結果問題が起きにくいと判断された場合には近親相姦が行われることも。
下半身が蛇になっている種族。マーフォークの近縁種であり水中活動も可能である他、ゴブリン以上に夜目が効く。
色んな種族から子供をさらう怪物扱いされて敵性認定されている。その理由は女性ラミアの母性本能が異様に強く、子供を全員亡くしてしまうと狂気に侵されてしまうため。通常は夫が無理やり種付けすることで正気に戻すが、狂気に侵されたまま他の場所に行ってしまうとトラブルの原因となる。
- オノケリス
悪魔と称される種族の一つ。
外見はそう変でもない亜人だが、言い知れぬ不気味さを常に漂わせており、人のフリをしている機械のようだと評される。
異世界人に対して莫大な価値を感じており、一商人でしかないノリスが「国中の女全員が大輔からの性交を断れない法律」を通してしまえるほど。
その根底には致命的なほどの破滅願望(あるいは滅亡願望とでも言うべきか)が存在しており、世界を滅ぼすことに対して本能レベルで強く惹かれている種族。
教育の上では命の尊さを説いているが、それでもなお本能レベルで周囲に滅びをもたらしたいという欲がつきまとう。そのため、子供も幼いうちに「世界」の広さを教えることで、「世界を滅ぼしたい」という欲望をたやすく実現させないようにしている。
生物として破綻している存在だが、大輔は2つの仮説を考えている。一つは「ギリギリ生き残れる程度に破滅願望が強い生物」である可能性、もう一つは「人為的にそのように創造された」可能性である。
モンスター
亜人以外の地球にいない種は大体モンスターと呼称されるが、中には人類とは別の進化系統で生じた「人間」や、人間と同等以上の知能を持つ知的生命体も存在する。
飛行型のドラゴン。大輔が異世界に来た時最初に目撃したモンスター。地上を走り、加速することで風のない場所でも飛び立つことができる。
無数の小さなミミズのような生き物が集まった群体生物。筋肉になるものや骨になるものが役割分担しており、跳躍や素早い動きを可能にしている。
噛まれると蓮コラのような小さな傷が無数に付くため、トラウマになりやすい。
樹木に擬態し、不意打ちで襲ってくる巨大なモンスター。トレントじゃない樹に付けていた印を真似るほどの知能を持つ。
刃物や炎で攻撃しても死なず、力も非常に強いため、アラクネの戦闘力をもってしても歯が立たない。そのため、殺せない存在だと思われていたが、速筋主体でバテやすく、自重が重すぎるためある程度の重さを追加されると動けなくなるという弱点がある(それでもアラクネの集団なら対処できる、程度だが)。
植物に擬態した動物であるが、既存のどのグループにも分類できない未知の生物。
大輔は「クトゥルフの生物に遭遇した気分だ」と称した。
動く死体。比較的簡単に倒せるが切り刻んでも動き続ける上、人間よりも力が強い。
その正体は「肉虫」と呼ばれる小さな生き物が死体の筋肉部分に大量に入り込み、筋肉の役割を代替したもの。スライムと違い、骨は作れないため、死体の骨を使って重量を支えている。
ヤギのような双頭とコウモリのような翼を持つ巨人型モンスター。悪魔と称される種族の一つ。
別の進化系統の「人間」であり、ものを掴んだり投げたりするのに適した身体構造を持ち、投石や打撃武器で攻撃してくるほか、どんな傷を負っても死ぬまで戦い続けるという厄介極まりない性質がある。
アーからは母親の仇として敵視されている。
宗教的なふるまいも見られ、ナレーションでの内容から「人間病」に罹っている種族と思しい。でも肉はうまい。
- ジャイアントスコーピオン
巨大なサソリのようなモンスター。一見節足動物だが内骨格であり、気門が肺に進化している全く別の生物。「骨サソリ」と呼ばれている。
地上型のドラゴン。生体電気の火花を体内で生成した可燃性ガスに引火させての火炎放射が可能。眼を保護するための膜があり、火炎放射時に閉じる。
成体が吐く炎は現代の火炎放射器並みの飛距離50メートルに達する。
ドラゴンがファンタジー最強の座は『この世界』においても変わらず、圧倒的な攻撃力・防御力を併せ持つ知的生命体である。子竜の時点でアラクネが恐れ『重戦車』と呼ばれるキャタピラーが思わず逃走するほどの脅威である。
巨大なタコのようなモンスター。腕が10本ある。マーフォークの漁場を占拠していた。
ただでさえ強力な上に知能が人間並みに高く、討伐に向かってきた人間の艦隊を返り討ちにできるほど。
巨影との戦いの果てで見えた光景は、『この世界』の底知れなさを思い知らされる。
スピンオフでは織津江が子ども連れに遭遇。波力水車をおもちゃと勘違いして破壊し、織津江にひどく怒られた。二度目の遭遇では織津江に警戒されていたが、陸まで連れて行ってくれたことと前回怒られたことを気にしていることを察して態度が軟化、不要になった水中翼船を譲渡された。
半魚人のようなモンスター。えら呼吸であり、魚から進化したと思われる。クラーケンの餌でありながらクラーケンを崇めている。
水棲の雑食のモンスターで、陸の生き物を溺れさせて食べることもある。
馬っぽいがその実態はより水に適応した細いカバ。水中でも陸上でもそれなりの速度を出せ、水辺に住むことでその性質を最大限に活かしている。鯨に近い味で、刺し身はビーフジャーキーっぽい味。
登場した個体はタウラに発情してちょっと挿れたので矢の雨に晒されることとなった。
鶏のような頭を持つ羽毛恐竜に似たモンスター。人間の悲鳴を真似た「人釣り」を行い、石器を使いこなすなど高い知能を持つ。
土塊でできた巨人型モンスター。「ダンジョン」と呼ばれる地下迷宮を守る古代の魔法兵器とされる。力が強く、矢も刃物も通用しないため、近づくことさえできない相手。
その正体は草でできた鎧に土を付けたものを纏った大型の類人猿だと思われるが詳細は不明。
人の腕と肩を持つ牛のモンスター。地下に迷宮を作ってそこで生活している。
普段は比較的大人しいが、必ず復讐するという性質があり、仲間が殺されると大挙して復讐に向かい、殺された仲間と同じ数の敵を殺す。10より大きい数を認識できないため、10体以上殺すと手がつけられなくなるらしい。
ただし知能が低いわけではなく、むしろ「他種族の動きを理解して真似する」「幽霊の存在を想像する」という人間に近いほどの知能の高さを有しており、更に地下で地熱を利用した食糧生産を行っている可能性が高い。
「たくさん」殺されたことに対する復讐に関しても、遠距離からの投擲や兵糧攻めなどありとあらゆる手段を用いてたとえ数十年でも狙い続け、相手を全滅させるまで終わらない。高い知能ゆえの行動であると言えるだろう。
トゲの生えた巨大なイモムシのようなモンスター。ジャイアントスコーピオン同様、節足動物に似ているが内骨格。雑食で肉が好物。強固な装甲を持ち、並みの矢や槍では傷つかないが炎の熱や酸欠には弱い。
ドラゴンを恐れており、パピを見ただけで逃げたほど。実際丸焦げにされた。
- レッサーリザードマン
死の山脈に生息するリザードマンのような小型竜。馬より足が速く、強固な鱗を持つ上、集団で行動し、簡単な道具を使いこなす脅威度の高いモンスター。
極めて高度な擬態能力を持つ、タコのような見た目のモンスター。
全身鎧に入って操ると「リビングアーマー」と呼ばれるが、全身鎧なんてその辺にあるものではないため、リビングアーマー自体が怪談扱いになるほど珍しい。
全く身体構造が違うのに人間の動きを真似て鎧を動かせるほどの知能を持ち、その知能の高さは人間と同等かそれ以上。
人間を含む他の生物に化けることすら可能であり、誰にも気づかれないまま人の街を乗っ取ってしまえる恐ろしいモンスターである。
蛇の尻尾を持つ双頭の犬のようなモンスター。
だがその実態はジャイアントスコーピオンの近縁種であるサソリ型モンスター。犬の頭のように見える部分はハサミであり、毛の下に殻や本当の顔が隠れている。
肉はかなり美味く、鶏の色で牛の食感でエビと魚と豚の味だという矛盾塊みたいな存在。
五頭の巨大な蛇型モンスター。ドラゴン並の戦闘能力を持ち、人間や亜人が普通に戦って勝ち目がある存在ではない。
狙った獲物への執着心が強く、何日も追ってきていつ諦めるかは分からない。狙う理由も合理的なものがあるわけではなく、気に障ったという「感情」で動く。
足は遅いが、毒牙を飛ばして100m以上の遠距離攻撃も可能なので距離を取っても油断は禁物。
石化の邪眼を持ち、8本の脚とトサカを持つ蛇の王と言われているモンスター。
この言は正確ではなく、脚は前足の指が巨大化したものであり、石化の邪眼は強力無比な神経毒付きの牙を鼻先から飛ばしているもの。
柔軟な身体構造による機動力、ピット器官による感知能力、毒針による一撃必殺能力、人間の武器を理解して動きを読む知能、と暗殺者としての能力が極めて高い危険なモンスターである。
人の言葉を真似して喋る人面ライオン。
高い知能と獲物に対するストーカーじみた執着心を持ち、毛や皮は並の攻撃は通さないほど硬い。
知能の高さは人間並みで、聞いた言葉の意味を推理してある程度の会話すら可能とする。
- シャイニングドラゴン
巨大な光る蜂と共生しており、ファンネルとして扱って戦うドラゴン。
本人は草食獣であり、獲物は蜂のエサになる。
虐殺王と呼ばれて恐れられており、それに見合うだけの圧倒的な手数による攻撃性能を持つが、一方で蜂の攻撃が通らないほど高い防御力を持つ敵には滅法弱い。
実際ファイアードラゴン相手には手も足も出ていなかったため、ドラゴン同士でのタイマン性能という意味ではドラゴン最弱なのかもしれない。他の種族からしたら別ベクトルの脅威でしかないのだが。
筋肉と呼吸器と消化器官を手に入れた植物。通常はせいぜい象くらいの大きさのようだが、群体のように見える程巨大化したものもいる。
光合成だけでは栄養が足りないため動物を捕食するようになり、根を張ることで周囲の栄養も根こそぎ貰っていく究極の雑食。脳は獲得しておらずアホの子であるが、それで問題なく生きていける程危険性も高い。
悪魔と称されるモンスターの一つ。
原典同様、5つの脚を持ちゴロゴロと転がって移動する。トレントに比較的近い種族。
弱った生き物に寄り添って癒やしてくれ、元気になったら見送ってくれる優しい生態を持つ・・・かと思えば、元々元気な生物は普通に襲う。ブエルに癒やされた子供が、翌日同じ個体を見つけて近づいたら普通に襲われ殺された、なんて事例も珍しくない。
更に、作中ではまるで殺されに来たような行動すら見せた。
用語
- 禁忌
科学技術に対する謎の制約。火薬・電気・蒸気機関・内燃機関が禁じられており、これらに相当するものを作った場合、モンスターの大群に襲われて城塞都市でも滅ぼされる。そのため、動力源は全て人力や家畜、水力などの自然由来のエネルギーである。
過去には禁忌を利用して他の国を滅ぼそうとした国もあったが、諸共滅ぼされたため逆用はできない。
メタ的には現代知識無双を防ぐための制約である。
- 織津江流古武術
織津江が修めている彼の実家の武術。
戦争レベルの「実戦」を想定した総合武術であり、ニンジャを理想像とした達人養成機関。直接戦闘力よりも情報力を重視しており、「自分は姿を隠し敵を一方的に感知する」という理念を基本にして奥義としている。
そのため、夜襲や不意討ちをはじめとした所謂「汚い」行為に長ける。戦士ではなく暗殺者なのである。
- 人間病
正式名称は根底自己認識実体乖離症候群。
一定以上の知能を持つ生物(異世界人=現代人含む)が陥りやすい状態で、簡単に言えば自分を本質以上に過剰に特別視すること。本質的には獣でしかない生き物が、自身を獣よりも神に近い存在として認識する状態である。この世界では「人間社会の不幸と迷妄の根源」とされ、簡単に気持ちよく酔っ払って頭がおかしくなる事から麻薬と同義とされている。
具体的には「自分達が特別な存在から尊い存在であると認められた気分」になり、「自分達が自分達の気分と都合で尊厳(絶対化した気分)と正義(自分達が正しいと思う事)を決めるんだから自分達は常に無限大に正義で自分達に逆らう相手は常に無限大に悪。だから自分達の行いはどんなことをしてもすごく尊い。(つまり自分達の気分と都合は絶対)」という考え。
亜人は人間種から発生している後発であるため、大なり小なり人間を反面教師としているものが多く、この状態を精神疾患と認定して人間病に陥らないような社会を構築しているものが多い(人間に近い社会をしている種族や、逆に人間以上に人間病に深く陥っている種族もあるが)。
- 悪魔
理解不能な行動をとる危険なモンスターにつけられる総称。
生き物として不合理な存在であり、恐怖の対象として見られている。
余談
本作において、生物オタクな大輔はモンスター娘をクリーチャー娘。略して『クリ娘』と読んでいるが、これはモンスターが『空想の生物』に対するニュアンスなのに対し、クリーチャーが『実在するかもしれない生き物』に近い意味合いを持つことに由来すると思われる。
作者であるKAKERU氏のこだわりが窺える。
同じ作者が並行して連載中である「ふかふかダンジョン攻略記〜俺の異世界転生冒険譚」とは世界観を共有しており、同じ種類のモンスターや亜人が登場する。ただし言語や敵対関係などに差異があり、時系列が大きく違うのか似てるだけの平行世界なのかは不明。