概要
天空の扉とは、日本文芸社「コミックヘヴン」で連載中のKAKERU氏による漫画。
同作者の「魔法少女プリティ☆ベル」同様、ファンタジー世界にガチ戦略理論を持ち込んだ異色のファンタジー漫画になっている。
一言で言うなら、ドラクエ版プリティ☆ベル。ただし、あちらほど政治色は強くないのでどっちかというとマイルド目。エロ要素はギリッギリだけどな!
ルーラ最強説だったり、「戦士<魔法使い」の不等式が絶対だったり、風魔法地味に強くね?だったり、さらわれのお姫様が敵幹部を軽く全滅させたりと「非予定調和」には定評がある。
登場人物
ルーシュ・モーデリア
主人公。「マクロドライブ」という最高速度マッハ50の長距離移動魔法を継承する一族「モーデリア家」の息子。
ただし、出力が大きすぎて自分自身や味方を運ぶには危険すぎるため、作中ではもっぱら「羽毛(石ころ以上の物体だと衝撃波で自分もまきこまれる)」を撃ち出しての長距離砲撃が仕事。
姉のルサルカをレイから取り戻すため旅に出る。
ルサルカ・モーデリア
ルーシュの姉。弟とは違い、出力調整ができており移動魔法の使い手としてはルーシュを上回る。
「天空の扉」を目指すレイにさらわれるが、鳴り物入りで登場した六大軍団長を単独で全滅させうる実力者であり、食わせ物。怖いっす、姉さん。
マギア・ドトーレ
ルーシュの幼馴染。様々な魔法を使いこなす魔導士。ルーシュの「マクロドライブ」のような大技こそないものの、使える魔法の幅が極めて広いのが特徴。特に家系上回復魔法を得手としているが、その練習風景は直視に耐えるものではなかったりする。
故郷をレイに滅ぼされた後ルーシュに同行する。
ディアボロ
かつての魔王。勇者レイに討伐されたはずだったが、力の大半を失い小動物同然のマスコットと化している。ただし、以前の魔法知識及び戦略眼は健在。諸事情あってルーシュに救われ、以降レイの野望を打ち砕くため旅に同行する。
プリティ☆ベルに登場した「ジロウ・スズキ」同様の「政治家としての魔王」という側面が強く打ち出されている。悪人ではないが、同時に必要とあればどれだけ汚い手も辞さない。
レイシャ・ソルディド
ディアボロを伴って魔界を脱した凄腕の剣士。風の魔法も得意としており、前述の世界観上攻防に大活躍する。
ルーシュに惚れているようないないような微妙な言動を取る。
スタンピード
ルーシュの友人で行商人。立派な鎧にポールアックスを持っておりパッと見戦士っぽいが、戦闘経験はほとんど皆無。
行商に出ていたため、レイの襲撃から難を逃れる。以降馬車の御者としてルーシュたちの足となる。
レイ
「雷光の勇者」の異名を取る勇者。かつてルーシュの父ルイと共に魔王ディアボロを倒すも、その後彼の存在を疎んだ人間に毒を盛られ仲間たちと共に死亡。なぜか彼だけ蘇り、レイシャの姉などの魔族を洗脳し、空に浮かぶという伝説の「天空の扉」を目指すべくルサルカを誘拐する。
「勇者が悪、魔王が味方」という最近のフィクションではありがちなパターンではあるが…。
ゴブリン
本作のマスコット(?)。一般的にイメージされるゴブリンとは違い、人間のくるぶしぐらいの身長しかない犬のような頭にヒラヒラの服を纏った愛らしい小動物である。
ただし、その性質はいわゆるGを遥かに上回る繁殖力で所かまわず脱糞し、農作物を食い荒らし、伝染病をまき散らす人類最悪の敵。有史以来、実質的に最もたくさんの人間を葬って来た魔族らしい。別名「国食らい」。繁殖すると小さな村ぐらいなら平気で滅ぼすため、こまめな駆除が重要とのこと。
そのため、作中に登場するあらゆる人間から目の敵にされており、基本的に登場した次のコマでは臓物まき散らして死ぬか、脱糞してあわあわ震えているかのどちらかである。でも繁殖力だけはヤバイのでいくらでも登場する。でもやっぱりすぐ死ぬ。ある意味本作の世界観を如実に表しまくっている存在。
実はテレパシー能力を持ち、人間を始めあらゆる知的生命体と会話可能。しかし、その性格は肥大しきったプライドと中途半端な知性で恐れを忘れた傲岸極まりない代物であり、人間の恐ろしさを欠片も理解していないため、余計にあっさり殺される。
しかし人間を恐れて人里離れたところに巣を構える親ゴブリンも存在し、子供にも人間は自分たちを殺しに来る危険な存在であると教育している。
安全なところにいるはずなのに頭を吹き飛ばされたり、子供達は言いつけを守らない(まあ人間や他の動物も子供も無謀なことをするので似たようなものだが)せいで殆どが死ぬなど不幸な目に遭うわけだが。
まあ繁殖力が高くても、成体にならなければ数を増やすことは出来ない。
警戒心が強い個体が一定数いるからこそ、あちこちに現れる程の数がいるのだろう。
ちなみに元ネタは、ふたば☆ちゃんねるで生まれた「翠星石」の二次創作キャラクター実装石であると作者が公言している。