概要
舞台となるメリニ村の迷宮地下三階、かつて「黄金城」と呼ばれた宮殿の内部に現れる魔物。
名前の通りひとりでに動く中身の無い鎧であり、普段は通路などに飾られた鎧に擬態し近づいてきた侵入者に襲い掛かる。鎧であるため頑丈。
魔法で操られた鎧とも、魔物が鎧に入り込んで動かしているとも言われるが正体は不明。
主人公ライオスは本編の3年前、駆け出しの冒険者だった頃にこの魔物との交戦で最初の死亡を経験しており、それからしばらくは鎧を見るのも怖かったと語っている。
正体
その正体は金属の殻を持つ軟体動物。複数体が集合して鎧の姿を形作り、二層になった殻の内部で外骨格の生物よろしく筋肉のように鎧を動かしていた。
社会性の動物であり1匹(鎧1体分の群体)のボスとそれに従う多数の個体による群れを形成する。
頭部(兜)にあたる群体が索敵を担当しており頭が落ちると視界が確保できなくなるという弱点がある。
武器は鍔に翼の飾りがある剣。これは黄金城の兵士の装備を模したものと思われる。
種類
- 動く鎧(兵士)
多数存在する。銀色(メタリックグレー)の体色で飾り気のない外見をしている。
- 動く鎧(ボス)
金色の体色、獅子を模した兜、体の各部にあしらわれた翼や羽毛の装飾、胴体にある花のレリーフなど豪奢な外見。
緩慢な兵士と違い動きも素早く戦闘力も高い。盾の裏側には卵(卵鞘)を貼り付けて守っており、攻撃に対し自分の身体で盾を庇うという不自然な行動を取ることもある。
本編の動向
地下三階にある縄張りの通路を走り抜けようとするライオス一行を襲撃し一度は撤退に追い込む。
出口へ向かうのを妨害するように攻撃してきたことから、通路を抜けた先に鎧を操る魔法使いが居ると考えた一行は他3人が鎧を引き付け言い出しっぺのライオスを奥の部屋へと向かわせる。しかしそこにはボス格の動く鎧が潜んでおり交戦することになる。
ライオスの剣を叩き折り追い詰めるが盾の裏の卵を見られた事でライオスは生物だと確信。外れた兜をわざわざ戻す行動に攻略のヒントがあると考えたライオスにより兜を奪われる。首と胴の接合部分の殻を無理矢理剥がされたせいで兜を元に戻しても胴体に固定できず、その隙を突かれ関節部を引きちぎるように全身を解体された。
正体が判明した後はセンシによって調理され、焼き動く鎧、バジリスクの卵と煮込んだスープ、薬草と炒めたドワーフ風炒め、兜の蒸し焼きという「動く鎧フルコース」となった。ほとんどの料理は好評だったが蒸し焼きは兜の臭いを閉じ込めてしまったのかカビ臭いと不評だった。
ライオスは戦闘で折れた剣の代わりとしてボス鎧の剣をその後の武器として使用するが…。
余談
全く未知の食材で毒の有無も不明なため食べる際にはライオスに先に食べさせて危険性を判断。チルチャックは「死んだらアイツここに捨てていこう」とまで発言している。
単行本のオマケ漫画『モンスターよもやま話』では雌雄同体と言われていたが、小冊子(ハルタ57号に収録された登場人物の性別を逆にする企画の小冊子。「ワールドガイド 冒険者バイブル 完全版」にも再録。)に掲載された1P漫画『性別逆転』において魔法の鏡が映した「もしも〇〇の性別が逆だったら」というifの世界に動く鎧の性別逆転版が登場。「メスの方が強い」という文章と共に兵士の鎧がライオス一行を蹴散らしている。
つまり性別が分かれた雌雄異体の生物であり、ボスが雌で兵士が雄という事になる。
関連タグ
ウロコフネタマガイ:金属(硫化鉄)の殻を持つ実在する貝類。