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注意!

本項目ではダンジョン飯に登場したモンスターを紹介している。本作品はどんな魔物をいかにして美味しく調理するかがストーリーのハイライトとなっているため、本編を読む前にこの項目を見てしまうと著しいネタバレとなる。未読の方はブラウザバックを推奨。

またリストの名前はピクシブ百科事典内に存在するページに可能な限りリンクするようにされている。原典に触れればより一層知識を深めることができるので、ライオスのように魔物が好きなへ…探求者は目を通してみるのも一興。


概要

魔物とは

迷宮に多種多様に生息している生物・怪物の総称。

通常の生物との違いは生存に必要なエネルギーを魔力で補っていること、生存本能を上回る攻撃性が主に挙げられる。また、野生動物程度の知能でも相手に幻覚を見せたり水の上を歩くといった魔法を扱う種も見られる。

薬や道具の材料として利用される魔物は少なくないが、食用(魔物食)に関しては一般的には忌避される。主な理由に多量に含まれる魔力による食中毒のリスク、気分の問題(種によっては人に似ている・人を食べている可能性がある、など)が挙げられる。ただしスライム等一部の種は郷土料理の材料として受け入れられている場合もある。


主な種類

魔物の中でも最強の種。

その強大さゆえに我が強く、竜同士が出会えば争いが起こるため竜の群れが作られることは無い。

一般的なイメージ通り大半は大型の爬虫類の姿をしているが、中には水棲哺乳類両生類、果ては無脊椎動物型のものまで存在する。

大型種となれば肉、皮膚、牙、爪、臓器、血液、唾液に至るまで価値が生じる。しかしそれらを得る為に竜を倒したとしても諸々の経費でかえって高くつく、入手・加工の難しさやコストを考えると大半の金属の方が価値があるという考え方(「竜狩りのジレンマと呼ばれる)もある。


魔術によって生み出された疑似生命体。

石や金属などの鉱物、土、紙、肉と野菜など様々な無生物を材料とする。


「人に近い魔物」「魔物に近い人種」の二種類が存在する。

前者は人間に近い体型や知能レベルに進化した魔物。後者は太古に魔術によって魔物と融合した人間の子孫とされる者達。


  • 尾蛇類

尾部から蛇が生えた大型の鳥の魔物。研究者の間では鳥と蛇どちらが本体なのかが論争の種となっている。


登場モンスター

1~5巻

ライオス一行を全滅させファリンを食べてしまった、物語のきっかけとなるモンスター。

迷宮の最深部に生息し、モンスターとしてはかなり強力な部類に入る「オーソドックスな」ドラゴン。鋼のような鱗と分厚い皮膚に覆われた強靭な肉体はそれだけで武器となり、さらには丸呑みした獲物の毛や骨を燃料とし、舌打ち(タンギング)で着火する「炎の息」を吐いてくる。鱗の隙間と急所が重なる喉元の「逆鱗」が弱点だが、普通に戦っていては喉元に近付くことすら叶わない文字通りの難敵。

討伐後はくり抜いた体内をかまど、鱗付きの皮膚を鉄板代わりとしてローストレッドドラゴンやピザパン作りに使われ、尻尾はスープに、モモ肉はボンレスハムにされた。センシ曰くステーキにするのが王道らしいが、劇中で振舞われることはなかった。

正体は迷宮の支配者「狂乱の魔術師」直属の使い魔で、彼の死がライオスたちの存在を魔術師に知らせる事となる。後に狂乱の魔術師が召喚した別個体が登場。

ちなみに雄にのみ見られる特徴として下顎部から伸びたヒゲのような突起がある。後頭部と側頭部から生えた角の形状とあいまってその頭部は山羊のようにも見える。


マイコニドやマタンゴに代表されるキノコ型のモンスター。この迷宮では浅い階層に生息する非常に弱いモンスターの様だが、多種多様な形態を持ち「歩き茸愛好家」も存在するらしい。

『迷宮グルメガイド』によると初心者向けの食材。ライオス達の最初の餌食でもある。しかし、センシによると毒の有無の判別が難しく素人にはおすすめできない、とのこと。足はいい出汁が出て上手いが、尻と表面3㎝ほどは固かったりするので捨てたほうが口当たりがいい。

なお歩き茸を毎日食べ続けた好事家もいたようだが、その結果からするに常食は良くないようだ。


  • 大さそり

人間の頭ほどもある大きな。『迷宮グルメガイド』によると毒を持つ尻尾も食べる分には無害とされる……が、実際は不味いため生で味見したライオスは吐き出していた。おいしく食べるにはハサミ、頭、足、尾は切り落とした方が良い。内臓は苦いが漬けて発酵させると良いつまみになるらしい。

現実でも蠍を素揚げなどにして食べる文化は存在するが、こちらでは歩き茸と一緒に水炊きの具材に。


お馴染みの不定形生物。この世界では火で追い払うのが一般的だが「構造さえ知っていればナイフ一本で倒せる」という、WIZ的スライムとドラクエ的スライムの合いの子の様な存在。

人間でいう胃がひっくり返っており、消化液で体を包んでいるような構造とされる。

刃魚と同じくどう調理しても美味しい魔物らしい。内臓を天日干しにすると高級食材になるらしいが、見た目は白滝心太のそれ。

劇中に登場したような積極的に獲物を襲う大型の種は全体として見れば少数派で、大半は小動物の体内に寄生したり糞を分解して養分としているという。


  • 人食い植物

主に迷宮の地下二階に繁茂する捕食行動を行う植物たちの総称。動物を絞め殺して自ら堆肥を作る「バラセリア」や捕まえた生物の皮膚下に種を植え付ける「シャドーテール」など様々な種類が存在する。

センシは数種類の実を組み合わせ、スープに入れたものをスライムの残りを使って固め、タルト風にした。

地上での栽培、活用を研究する人間も多くいる。中にはとらえた獲物を傷つけず利用するために、絶妙な加減で締め付ける種類もあるらしく、薄い本が厚くなるモンスターである。


合成獣コカトリスとは同じ尾蛇類の別種とされる。この世界の最新の研究では、実は蛇が本体であり鶏が尻尾。生み出すも蛇のものに似て細長く柔らかい。

足の爪には毒がある。頭が二つあり前後に視覚を有するため一見隙がないように見えるが、鶏側と蛇側の両サイドから同時に攻撃を仕掛ければ二つの脳によって混乱するという弱点を持ち、そのほんの一瞬の隙を突かれライオスとセンシによって倒された。

肉は大きいものの鶏肉そのもので、香草詰めならぬ薬草詰めとしてローストされた。卵の方はオムレツかき揚げの素材にされている。


いわゆるマンドラゴラ。魔力を持つ人型の植物。地面から引き抜くと叫び声をあげ、その声を聴くと良くて発狂、最悪の場合は死に至るとされる。マルシルはその危険性を主張し、犬を使う古典的な方法をアレンジして採取したが、センシはマンドレイクが叫び声をあげる前に首を切断するという効率的な収穫を行っていた。

ただし、叫び声をあげることで渋味が抜けまろやかな味わいになるらしく、後でそれを知ったセンシは、マルシルにズレまくった称賛を贈って彼女をキレさせた。

作中では根菜として人参かなにかの様な扱いを受けており、オムレツの具やかき揚げにされている。

又、どれだけ綺麗な人型に育てられるかを競う『マンドレイク品評会』が毎年開催されているらしい。

生息地に異変が起こると走って移動する。残念ながら魔物好きのライオスは見るのを叶わなかった。


  • 大蝙蝠

人間ほどの身の丈をもつ巨大な蝙蝠。群れを成して生息しており、昼間は木の洞などで眠っている。

一匹から400gほどの胸肉が取れるようで、作中ではとり天ならぬ大蝙蝠天ぷらとして調理された。

現実でのオオコウモリは姿焼きや串焼きなどにされることが多く、種類にもよるが味は牛肉や鶏肉に似るらしい。


  • 動く鎧

中身が空洞なさまようよろいリビングアーマーに代表される動く鎧。

鎧は生半可な攻撃を受け付けず逆に剣を砕いてしまうほどで、さらに戦闘技量もダンジョン深部に潜る実力があるライオスを苦戦させるほど高い。

大抵の場合は魔法によって操られていたり、死霊が取りついているといった設定で、この世界でもライオス達が食べる前までは魔法生物の一種というのがこの世界での通説であった。

しかし作中の冒険においてダンジョン内に存在する鎧や剣に擬態する、「鎧の様な殻をもった貝の様な生き物の群れ」と判明した。

の様に卵を産むリーダーの個体(ライオン型の兜や翼を模した装飾があり豪華な外見)と労働階級の個体に分化しており、さらに「兜」「篭手」「胴鎧」「剣」などに擬態した「貝殻」を形成した役割分担個体同士が手をつなぎ合い、群体として立ち歩く人型をとって活動していたのだ。卵鞘の保護は「盾」個体が担当しており、全ての動く鎧はこの個体を最優先で守る習性がある。また、手足や兜が取れた場合は元通りに結合することを優先するためその間は隙が出来る。

味は「うまい!」「味が遅れてくる」「きのこっぽい」「ねっとりしてる」らしい。貝類は毒素を蓄積しやすい傾向があり、未知の生物を口にして生きていられたことはやはり幸運というべきか。


  • 動く鎧(剣)

動く鎧の武器である剣。当然ながら、この剣も動く鎧の群体の内の一匹である。

ライオスが卵を守る上位個体との戦いで剣を折られたため、相手が使用していた剣を自身の佩剣(後にケン助と命名)として持ち出した。この剣(に宿っている生体個体)は擬態した魔物の気配を察知して逃避行動を起こしており、その度に一行の窮地を救っている。だがライオスはこの剣が生きている事(=魔物を同伴している事)を他のメンバーには隠していたため、この異常なまでの『危機察知能力』を「ますます人間離れしてきた」と白い目で見られるようになってしまった。

この危機察知能力は、後に思いもかけない形と機会で、仲間達に露見することになった。

なお、ケン助も上位個体の一つであったため、単体生殖で増殖が可能。また、世代の移り変わりがあるのかもしれないが、100年以上この魔物は生きる可能性があると判明している。


泥と土、石で人型を模したモンスター。動く鎧とは違い正真正銘の魔法生物。

センシは土でできた彼らの身体を利用し人参かぶじゃがいもキャベツといった野菜を育てている。

この世界では許可のない魔法生物の起動は法の下に禁じられているが、センシ曰く土を掘り返して埋め戻しているだけだそうだ。

この世界のゴーレムは人の形をした「核」と呼ばれる魔法具に命令を吹き込むことで大きさや行動を定義されているが、我々の世界で言う「ー(長音)」と「一(漢数字の1)」を手書きで書き分けるような苦労が必要であり、意図せぬ動作などが頻発して大問題となったため、現代ではほとんど禁止されている。



煌びやかな見た目のおどるほうせきクリーピングコインの様な擬態型のモンスター。チルチャックのお気に入り。

コイン型の「コイン虫」ネックレス型の真珠ムカデ、ブローチや指輪などの宝石を用いた宝飾品に擬態したもの(聖水を作る際の材料に「太陽信仰の聖獣=スカラベ」の代わりとして使われたので甲虫の一種らしい)、ティアラの形をした卵と幼虫の巣など多様な種類が生息しているようだ。本物に比べて軽いため水に入れると浮いてくる。

地上でも比較的なじみ深い生き物の様で、佃煮などの郷土料理に使われたり、収集家が高値で取引したりするらしい。

作中ではコイン虫のせんべいや真珠ムカデの串焼きのほか、宝石型の虫は砂糖で煮込んでジャムとして、ライオス達のおやつとなった。


  • 幽霊

典型的なゴーストタイプのモンスター。

肉体を失った生物の魂で血の通った暖かい体を追い求め彷徨っており、生者を見つけると取り憑いて体を奪う。その後肉体は死に至りグールと化す。肉が腐って骨のみとなっても動き、スケルトンになるがその骨も朽ち果てると再び肉体を求め彷徨う。

迷宮全体に施された魔術により人間の霊魂は死後も遺体に縛られ、体が朽ち果てた後も迷宮内に留まり抜け出すことができない。冒険者はこれ利用し、遺体に魂を呼び戻すことで死者の蘇生を可能としている。しかし他人の霊が憑りついた状態で蘇生されると魂が入り混じり人格の混乱を引き起こす危険性がある。

劇中ではセンシが魔を祓う力を持ちそうな材料(塩、宝虫、酒、ハーブなど)を火にかけた水に混ぜて無国籍風聖水を作成。霊体が物質を透過する性質を逆手に取り、掛けるのではなく聖水を詰めた瓶で殴ることによって撃退した。

霊の体は凍り付くように冷たく、戦闘が終わった後の聖水はソルベになっていた。宝虫と同様ライオス一行のおやつにされた。

その正体は迷宮のどこかにある『黄金郷』の住人。狂乱の魔術師の支配に反発したため肉体と魂を分離させられた者や無理に黄金郷を抜け出したことで肉体が崩壊した者たちである。第5階層の城下町に居る者たちは自我を保っており冒険者やオークと敵対していないが、浅層階に現れる者はすでに正気を失っている。

迷宮崩壊後は新しい王の戴冠式のアイデアを出し合って生き生きとしている。


  • 生ける絵画

かつて王宮だった食堂に飾られている動く絵。近づくと絵の中に取り込まれる。

一種の記録装置のような役割の魔術であるのか、絵画の中では絵画に描かれた情景そのままの出来事が再現されている。またライオスが描き込んだ落書きにもライオスの意識らしきものが芽生える描写があった。

一般的には取り込まれたら最後、絵の中から一生出てこれないようで、死因の6割が餓死、次いで自死と発狂。

食糧事情が逼迫した状況の中、地下3階にて発見されライオスが命綱を付けて絵に中に潜入。描かれた料理を取り出そうと試みたが…。

「絵に描いた餅という言葉を知ってるか?」


王子の誕生王子の結婚式新王の戴冠式の3枚の絵画に入り込むが、その中でライオスはダークエルフとおぼしき人物に何故か覚えられており……。


ドラクエなどでもおなじみのひとくいばこ系統である擬態系モンスターの代表格。

鍵師のチルチャックはペーペー時代このモンスターに何度も辛酸を舐めさせられており、一番嫌いなモンスターとして名前を挙げている。

この世界では、本体は大型のヤドカリヤシガニのような姿をしており、激しい攻防の末、罠を利用したチルチャックに倒され、塩茹でにされた。身の部分の味は「すげえ うまい…」との事だが、実際のヤドカリと同じくカニ味噌にあたる部分は不味いようだ。爪部分の殻は馬油石鹸の容器に利用された。

なお、生態もヤドカリのそれに準じており、幼体は瓶、頭骨、兜など様々なものを利用して隠れ潜む。

実は宝虫とは寄生者と宿主の関係にあり、宝虫はミミックの箱に入り込んで卵を産み付け、孵化した幼虫はミミック本体を食べて成長、宝箱と勘違いした冒険者によって持ち出され繁殖先を広げるという生態を持っている。

連載開始前の読み切り版でも登場。こちらでは箱に酒を流し込まれ酒蒸しにされた。


『水棲馬』と書いてケルピーと読む。

その名の通り水中に棲息する美しい馬。鬣は水草に似ており、長く太い尾の先には魚のようなヒレが付いている。

見目麗しい姿で相手を誘惑し、背に跨ったところで水中へ諸共に没し、騎手を餌食にする。馬の形こそしているが肉食で、歯は犬歯の発達した禍々しい並びとなっている。

乗らない限りはどれだけ仕留める好機であっても決して襲う気配を見せない。魔物の考えを見通すことはできないという好例のような存在。

他の水棲の魔物に無い能力として水面を歩くことが可能。一度発動させると効果が切れるまで水に潜れなくなる「水上歩行の魔法」と違い、ケルピーは水上と水中を自在に行き来できる。

地下4階の湖を渡るための魔法を拒むセンシが、自分のやり方で湖を渡るために利用しようとした。センシはこの湖に住むケルピーをアンヌと名付けて可愛がっていた。

アンヌは最初は大人しくすり寄ってきたが、センシが背に乗った瞬間本性を現し水中へ引きずり込んで襲いかかってきた。

傷心を抱えたセンシがただ一人アンヌを解体している途中、マルシルは脂身の部分で石鹸を作る。

その石鹸で絶縁体となっていたセンシの髭を洗い魔法が効くようになったため、それによってライオス一行は全員水上を渡る事が出来、センシも魔法に対する印象がちょっとだけ良くなったようだ。

のちに肉を焼き肉とされる。負傷で血液を失っていたマルシルはレバーばかりを食わされる羽目に。また後述のシチューの具にも使われた。


上半身は人間のような、下半身は魚のような姿をした定番のモンスター。この世界の人魚はほ乳類と魚類の二種類が存在し、3巻の裏表紙では前者が「Mermaid」、後者が「Merman」として区別されている(後者は「魚人」とも呼ばれる)。

ほ乳類の人魚(CV:早見沙織)は歌で人を魅了し、水中に引きずり込むとされる。劇中では登場した個体は全て乳房があるため女性と思われ、男性の個体は確認できない。

    • 撃退、というか退散の方法としては合唱に強引に加わるというものがある。考えてみてほしい。見ず知らずの他人が出し抜けに自分たちの歌に混じってくる恐怖と不快感を。まあオデュッセウスよろしく耳栓をした方がいいとは思うが。
    • 一方魚類の方の人魚は腕が生えて槍を持っている以外はほとんど魚のような形態であり、水草を頭に生やして人間に擬態している。この水草には卵が付着しており、チルチャックは卵を守るための習性ではないかと推測している。

ライオスは死んだ魚人を食べようとしたが、チルチャックに猛反対されたため断念。しかし拾った麦で作った雑炊にちゃっかり魚人の水草をトッピングしており、マルシルやセンシは普通に食べていたが、正体を知るチルチャックだけは複雑な表情を浮かべていた。


  • 刃魚

エイのような扁平な形状の小魚で、名前の通りヒレの縁が鋭い刃になっている。同種の魚で群れを形成しているらしく、水面にいる生物に対してはトビウオのように水上に飛び上がって一斉に襲ってくる。

センシ曰く「どう料理してもうまい」らしい。劇中で刃魚料理が振る舞われる事は無かったが、黄金城外のお屋敷にてローフとして振る舞われた。ただ、他の料理と同様、味の類はなかったと思われる。


イカメンダコのヒレが生えたような姿をした巨大なモンスター。

元々巨大な魔物だが、劇中ライオス達が遭遇した個体は通常の数倍の大きさを持つ「ジャイアントクラーケン」と呼ばれるもの(ライオス達は単に「クラーケン」と呼称)で、魚人達を食べ荒らしていた。

マルシルの攻撃魔法もセンシの斧も通用しなかったが、水上歩行の魔法で水中からはじき出されもがいている隙に両目の間にある急所を銛で刺されて絶命した。

頭足類を食べたことのなかったライオスが試しに生食してみたものの臭くて不味く、放置された死骸は刃魚のエサとして自然に還っていった。

現実のダイオウイカも筋肉中に多くのアンモニアを含むため、劇中同様に臭く苦くてとても食べられたものではない味だと言われている。


  • ジャイアント寄生虫

ジャイアントクラーケンに寄生していた巨大な寄生虫

ウナギのように捌かれた後、蒲焼きと白焼きにして供された。味はライオス曰く「ふわふわしてておいしい」とのこと。マルシルもチルチャックも嫌がったが、調理するといっちょ前に美味しそうな匂いを醸し出したことから結局折れて食べることになった。

しかしライオスは一部を生食しており、結果寄生虫に寄生していた寄生虫に当たって一晩中うなされる羽目に……。


空中に浮かぶ巨大な水の球の姿をしたモンスター。厳密には極小の精霊(魔力を食べる微生物のような生き物)の集合体であり、全身の精霊が世代交代を繰り返すことで代謝を行う。

圧縮した水をウォーターカッターのように高速で打ち出すことで攻撃する。この攻撃は人間の体どころか迷宮の石柱や石壁ですら破壊してしまう強力なもので、頑丈な金属の盾でようやく防げるといった代物。一方水の精霊ゆえに熱に弱く、焚き火程度の火力でも死滅してしまう。

体内に摂り入れることで微量ながら魔力を回復でき、劇中では吸収を助けるためにケルピーの肉や野菜、後述のテンタクルスなどを加えてシチューにされ、魔力切れを起こしたマルシルの回復に利用された。


  • テンタクルス

ツタや根などに似た姿をしたモンスター。所謂ローパーなどと呼ばれるタイプの触手生物である。

内部に空洞のある場所を好んで生息する習性があり、罠や宝箱の周りにも多く生息するためチルチャックがミミックの次に嫌う生物でもある。

その正体はクラゲなどに代表される刺胞動物であり、身体に絡みついて相手を捕えた後、ひどいミミズ腫れを起こす麻痺毒を注入して殺す。

ただし胴体への攻撃に対しては非常に貧弱であり、攻撃を受けると捕えた相手を放してしまう。

様々な種類があり、センシの手から取れなくなった「アイビーテンタクルス」は刺胞の動きを抑える目的で酢をかけられ、そのまま酢和えにして食べられた。 ちなみに現実のクラゲも、種類によっては酢をかけることで刺胞の動きを抑えることができる。


読んで字の如く、巨大なカエル型のモンスター。毒々しい外見だが、実際の毒の有無は不明。

冒険者の武器を奪ってから襲い掛かる器用なモンスターであり、更に絶えず体液を分泌する体皮はテンタクルスの毒を受け付けないため、テンタクルスが大量に自生する螺旋階段を縄張りとしていた。

刺胞を防ぐ仕組みは絶えず体表に分泌される粘液に拠るものと推察されており、乾いてしまえば用を為さなくなると考えられている。

劇中では三体が次々に襲い掛かったが全て倒され、モモ肉は「テンタクルスのニョッキ」の具に、皮はテンタクルス避けの「カエルスーツ」に利用された。

ただしこのカエルスーツが問題であり、皮を丁寧になめす時間がなかったため内側には血が残っており着てしまうと貼り付いて脱げないという実に困った代物であった。その後も大事に取ってあったようだが、一着はチェンジリングの治癒薬の触媒として利用され、その役目を終えたようだ。

のちにレッドドラゴン戦の直前に食べていたカツレツも大ガエルのモモ肉が材料として使われている。

    • ちなみに現実のカエルは、その土地・文化にもよるが、大型のものなら大概が食用にされる。脂肪細胞が蓄積されないため淡薄で、鶏のササミに似て美味だそうだ。日本でも至る所に居るウシガエルは、もともと食用として輸入されたものであり、普通に食べられる。
    • カラーページでの色合いや、触手で痺れさせて相手を捕まえるテンタクルスの中に巣を作る、テンタクルスの毒を防ぐ体液を出すといった生態から元ネタはおそらく『ファインディング・ニモ』でも有名なカクレクマノミと考えられる。

ビロードのような体毛を持つ、オオカミないし大型犬のような姿をした魔物。犬好きのライオスは「最も気に入ってる魔物の一種」と称する。

性格は賢く獰猛であり、現実のオオカミ同様群れを作って生活する。時に群れで竜を狩ることすらあるという。人には決して懐かないとされる一方オークとは共生関係にあり、よく連れている姿が目撃されている。地下5階でオークと暮らしていた群れは、レッドドラゴンに立ち向かったため全滅してしまったようだ。

    • 劇中ではあるミームの影響か時間停止能力に耐性を持つ。

  • 「魔術師の目」

狂乱の魔術師が倒された炎竜の血から作り出した人工生物。

カラスほどの大きさの翼竜で、上空を飛び回り見たものをリアルタイムで魔術師に伝える斥候の役割を果たす。


巨大な蛇に魚のヒレが生えたような姿のモンスター。水の中に棲んでいるが、水上を歩く冒険者や彼らを狙い飛び出した刃魚など水上の獲物に誘われて唐突に顔を出すこともあり、非常に危険。本来は海に暮らしているようだ。

牙にはクジラすら気絶させる程の猛毒を持っており、人間がこれを喰らおうものなら即死してしまう。ただし毒に強いコボルトに対しては、顔が不恰好に腫れる程度にしか効かない模様。

湖の上を移動中のカブルー一行を襲うがシュローと家来たちに倒された。腹を減らしていたイヌタデは大根と煮たら美味そうと発言するもヒエンからは「アホか」と一蹴された。


植物の魔物。人のような姿をしているが、木との間にツタが伸びていることからもわかる通りその正体は花であり、皮膚のように見える花弁の中には雄しべや雌しべが隠されている。単性花(雄花と雌花が別々に咲く花)であり、キスで受粉する。

受粉前の花が実を守る役目を担っており、敵を見つけると手にあたる部位を槍のように変化させて攻撃してくる。植物にもかかわらず動きは俊敏で、更に雌花は傷口から激しいアレルギー症状(=即効性の花粉症)を引き起こす花粉を放出してくるという極めて厄介な魔物である。

なおこの花粉症、当然アレルギー反応によって成り立つものなので一度目はさほど効果がない。これはある人物の来歴を推測する上でのヒントとなった。

受粉を済ませると頭が果実となるためカボチャめいた不気味な人面果になるが、ポタージュにすると花のような香りと甘みで美味な上に魔力も回復できる。また、シャキシャキした蕾のソテーはわずかな苦味がチーズと相性抜群だが、生の蕾は日持ちせず、すぐに変色してしまうため、ザワークラウトに。種子は炒ることでお茶の材料にもなった。


「冷酷なる石毒」の異名を持つ。

上述したバジリスクの近縁種だが、チルチャック曰く「その数段ヤバイ」。バジリスクに始祖鳥のような羽毛恐竜の要素を足したような見た目をしている。

蛇の頭は噛んだ相手を石化させる毒を持っている。厳密には毒というより呪いの一種らしく、魔術に対する抵抗力の如何によって自然治癒の速度が変わるという。ちなみに自然治癒にかかる期間はトールマン種で半年から十年(ブレ幅が非常に大きいのは才能の偏りの激しい種族ゆえか)

劇中では魔力酔いを起こしたライオス抜きで探索をしていた際に遭遇。バジリスクと同様の戦法で戦おうとしたが、マルシルが噛まれて石化してしまう。ライオス達の必死の対応でなんとか石化は完治。もののついでにドライアドのザワークラウトを作る際に漬物石にされたマルシルは憤慨していた。

肉はアイスバイン風に、卵は調味料と混ぜてあんかけ用の餡に調理された。

最終巻のオマケ漫画にも登場。種類の違いか本編の個体よりも鳥部分がニワトリに近い。魔力の影響で自然迷宮となった洞窟に住み付きセンシを石化させた。ファリンに倒され肉は焼き鳥となる。


  • ダンジョンクリーナー

名前の通り、ダンジョンをきれいに保つ掃除屋。魔物ではなく、魔法で作られた生物。

ダンジョンが破損するとどこからともなく現れる。分泌液には破損箇所を補修して倒壊や延焼を防ぐ効果があり、最終的には細かな傷や経年劣化なども含めて元通りの姿に復元する。また、ゴミと判断したものを有機物無機物問わず分解する能力も持っている。

劇中では「コカトリスの石焼き親子あんかけ」の器として使われた。ダンジョンクリーナー自体も完全に固まる前は柔らかいため食べられなくもないが、味は非常に不味いため食用には向かない。ライオス曰く「第一印象は」「よく味わうと青虫と鉄とレモンをマジカルに混ぜたよう」とのこと。


蜘蛛の身体に鬼のような牛のような頭を持った魔物。

食事中のライオス一行を奇襲してライオスを糸でぐるぐる巻きにした。

後述の山姥と同じくマイヅルの使い魔。


6~10巻

人間の顔を持つ鳥のモンスター。見た目こそ人間に近いが、髪は羽毛、乳房のような胸部も卵やヒナを抱いて温めるためと生態は完全に鳥類のそれである。口中には歯らしきものも見える。

非常に臭い糞を撒き散らして他の生き物を追い払い、獲物を横取りするという習性を持つ。

劇中では狂乱の魔術師に操られた「とある魔物」に率いられた一団が登場し、ライオス、シュロー、カブルーらのパーティに襲いかかった。戦闘後、センシの拾った卵は卵焼きピカタなどに利用された。

そのうち卵焼きはカブルーにも振舞われ、カブルーは内心酷い拒絶反応を示しながらもライオスに取り入るために無理やり完食した。


キメラ種。レッドドラゴンをベースに人の半身と鳥の翼や羽毛恐竜的な特徴がかけ合わさった造形となっている。魔力の薄い地表付近の階層では著しく活動に制限を受けるものの、ベースとなった生物の長所を併せ持ち、素早さや力のほかに知恵にも優れ魔術を行使することすら可能。

    • 人の姿を持ったキメラの出現は迷宮の主が暴走しかけている兆候と言われている。従順さ、知能、外敵排除のための戦闘力、そうしたものをこだわりなく合理的に追求した結果の現れであるらしい。反面、生物として不自然な身体構造になるため短命である。
    • 正面きっての戦いでは勝ち目はないと判断したライオス一行は「体躯の割に口腔が小さすぎるため満足な食事が取れておらず空腹になっている」という仮説を立て、食欲の湧く香りがあり、流し込みやすく、炭水化物が含まれ眠気を誘いやすいみんな大好きあの料理を喫食させ、ダメ押しで酒も飲ませることで眠りに誘い、その隙に仕留める作戦を計画、実行に移す。
    • 食事の風景から口腔の数も一つであることを突き止め、結果選ばれた攻撃法は「窒息」。
    • 眠りこけた標的にライオスは単身で挑みかかる…。

土を媒介とした精霊の集合体。

カブルーの仲間の術師ホルムはエシエと名付けたノームで敵モンスターの攻撃を防いでいる。

劇中の世界には人間の人種としてのノームも存在している(ホルムもその一人)。


幻覚を見せる魔物。生物の思考を読んで身近な者の姿を真似るが、その姿は対象の記憶が元となるため、対象の中での身近な者のイメージが本物とかけ離れていればいるほどその精度は下がる。

それを利用して間違い探しの要領で偽物を区別することは可能だが、間違いを正す=正しい姿を全体で共有してしまうと、残った幻覚の精度が更に向上してしまうため全てを見分けることは困難を極める。

また本人からかけ離れたイメージ(極端に不細工、性悪など)も反映されるため、判別は容易であるにせよ、「誰が自分をそう捉えているのか」という犯人捜しが始まってしまうのも厄介の種。

ライオスは状況から、シェイプシフターそのものの本質は「肉食または雑食」「力はなく臆病」「寒さに強く匂いや聴覚を頼りにする"獣"」であると推理し、渾身の猟犬のモノマネを敢行。これが見事に当たり、怯んだシェイプシフターは”巨大な九尾たぬきムジナ?)”という正体を露呈し、討伐された。

後に肉を茶碗蒸しの具にされる。


イヅツミの呪いを解呪しようとした際に呪印から飛び出てきた怪物。魔物ではなく魔法生物の一種と思われる。

術者であるマイヅルを般若面にして筋引(包丁の一種)を持たせたような姿をしている。見た目は恐ろしげだが紙製のためあっさりと体を両断される。しかしそれにも構わず上半身だけでイヅツミを襲うが、センシに鍋で押さえつけられた所をライオスに火をつけた下半身をぶつけられ燃やされた。

また、筋引も見た目の割に薄く繊細であり、センシがこれを道具の誤った持ち方・使い方の例としてイヅツミにマナーを説く教材となった。

    • シュローの父は過去、これを焼いた火で餅を焼いて食べている。
    • 別名、忍法・ベビーシッター。加害が目的ではなく迷子になった際に家まで送り届けるための術であるらしい。

人に悪夢を見せて感情を食らう魔物。

夢の中では相手の恐怖を煽ることで精神エネルギーを引き起こすが、夢の中における夢魔の化身を倒すことで夢から醒めることができる。また、夢魔に憑かれた人を枕に眠ることで相手の夢の中に潜り込み、夢だと気付かせる手助けをすることも可能。

正体は枕の中に潜む二枚貝のような生き物。見た目は貝そのものだが実は竜の一種であり、別名をシンという。

劇中ではマルシルに取り付き「親しい者が自分より先に死ぬという不安」に付け込んだが、ライオスの説得により打倒に成功。本体は酒蒸しにされた。死亡する(殻が開く)際にため込んだ夢を開放する。調理後の蒸気が蜃気楼となりマルシルの夢の内容を映し出したが、ライオスはオオカミに変身したはずの自分が薄汚い犬として描かれていたため、一人不満気な様子であった。

後に狂乱の魔術師が竜の群れを召喚した際に出現。後述するアクアパッツァに利用された。

    • なお餌とする精神エネルギーは別に恐怖以外でもよく、夢の主が望めば様々な夢を見ることができるようだ。
    • モチーフとなった『蜃』の有名な2つの説からハマグリの姿と龍の性質とを取り入れている。

  • 悪夢の怪物

夢魔が作り出した悪夢に現れた存在。マルシルの不安の具現化。

眼球、牙、爪、翼、毛皮、鱗など動物の様々な部位が一塊に混ざり合った外見で、触れた者を急激に老化させる。


名の通り氷で形作られたゴーレム。形状は土の物に準ずるが、材質の関係で非常に硬質。弱点である核を破壊すればいいのも同様だが、透明な体には水に交じった様々な不純物(魚や破片など)が混入しており戦いながら核を見分けるのは至難の業。

口から発せられる大音声で共振現象を引き起こし、つららを矢の雨の如く落下させるなど地形や状況も手伝って中々の難敵と化していた。

上層でゴーレムの管理をしていたセンシがうっかり排水溝に落としてしまった核が流れ着いたのが出来上がった原因という、なんとも巡り巡った迷惑な話であった。

当然食材にはならなかったが、氷に収められていた魚を解凍し、イヅツミのために焼き魚として供された。


大型の狼の魔物。野生のものの他、黄金郷では犬の代わりに家畜化されている。


裸子植物状の樹木のてっぺんに羊そっくりの果実を実らせるという何とも珍妙な植物、いや、動物?魔物?作中世界でもどう扱うべきかは議論の的のようだ。

バロメッツ自体に危険性はないが果実を狙って肉食動物が集まりやすいため、採集には危険を伴う。

劇中でも成羊をダイアウルフに持ち去られてしまったため、未成熟の果実(巨大なトマトに似ている)に収められていた胎児の姿の羊を利用。刻んだ果実部分と焼いたリブを組み合わせたバロット(形態としてはラムチョップ)として食された。食味は羊ではなくカニに似るとのこと。、また外見がそっくりな動物の羊とは内臓や骨など中身の構造は微妙に異なる。


我々の世界の創作物と同様半人半牛の魔獣の姿の魔物。メスは牛と同様2対の乳房がある。

劇中では黄金城外の村にて乳牛として利用されている無害化したメス、食肉として調理されたオスが登場。ライオスが乳絞りを体験することになった。絞り方も牝牛のそれに準ずるが、絵面は牛のコスプレをした成人男性がミノタウロスに抱きかかえられながらという、かなりアレなもの。

オスもリブステーキとして供されたが、味覚の衰えた村人の手で調理されたからか、味はほとんどなかったようだ。


鼻先に角を持つ馬型の魔物。黄金郷では角の先端を削った姿で家畜化され馬車を牽いている。

その角には水を浄化する力があり、ダンジョン各所に設置された泉の吐水口の装飾部分にはユニコーンの角が使われ濁った泥水を清水に変えている。

角が額ではなく鼻先から生えているのは、アジアのがヨーロッパへ伝わりユニコーン伝承の起源になったという説から取ったと思われる。


虫の翅を持つ人型の小動物。姿かたちこそ妖精に似ているがホムンクルスという人工生命体。

使い魔としてカナリア隊の通信機のように使われる。

血液を与えて維持する関係上、使役者の姿に似た容姿となる。


カナリア隊が連絡や探索用途で運用する使い魔。本編中では主に鳥(カラスやオウム)や蝶など飛行する動物の形のものが登場。使役者複数人で群体を操作するという大規模な用法も。

ただしダメージは本人へフィードバックされる。


鷲の頭部と翼に獅子の肢体が組み合わさったキメラ種の魔獣。非常に獰猛で縄張りを持って行動し、馬を好んで襲う。センシはこの魔物をどういうわけか非常に恐れている。

メリニ村の迷宮では発見報告がなかったが深部の未踏破区域にて出現、センシを攫い速贄にする。

最終的にマルシルの作り出した召喚獣の攻撃を受けて墜落したところでとどめを刺され、肩ロース(鷲)とモモ肉(ライオン)をそれぞれシンプルなスープとして供されることになるが…?


グリフィンとは似て非なる魔獣。その名前には馬を食すグリフィンとそれが交わることなど有り得ない与太話、という意味合いが込められている。

最大の違いは後肢が馬の物になっているという点。現実の馬同様背後の相手を蹴り上げる習性があるようで、頑丈な金属兜にべっこり凹み痕をつけるほど強烈。

食性も草食よりの雑食で、肉質も草食動物のそれに近く、美味。

分類も鳥ではなく馬の近縁種とされ、魅力的な馬を連れているとしつこく追ってくるという。


  • マルシルの召喚獣

グリフィンに攫われたセンシの捜索救出のため、手元にあった食材とマルシルの頭髪を触媒にして生み出された生物。体内には利用した肉や野菜がみっちり詰め込まれている。

骨(軟骨)が通っている割に形状は後から自由に成形できるようで、子供の落書きのような姿で合成された3体のうち、1体はライオスの手で狂乱の魔術師が使役していたワイバーンに近いものに、1体はマルシルによってスカイフィッシュ状に形作られ、グリフィン打倒の役目を果たし、その生を終えた。

そして食べられた。世にも珍しいスカイフィッシュ&(羽の)チップスとして。

肉と野菜が渾然一体として美味しいらしいがマルシルの頭髪も渾然一体となっていたため、イヅツミは毛玉を吐き出す羽目になった。


  • チェンジリング

現実においては妖精との取り替え子伝説として語られる現象だが、この世界での正体はなんとキノコ。これで作られた菌輪(フェアリーサークル)に足を踏み入れると近縁種に姿を変える胞子が噴出、同族の群れから孤立させ死亡させた後、死体を苗床に繁殖するという生態。当然非常に危険であるため正体の判明後は刈りつくされた。見た目はエリンギに似る。

なおこの胞子、対象の種族や大きさや命の有る無し、果ては無機物であるかを問わず変化させるという凄まじい力を秘めている。尚生命体は変化に時間がかかるが、それ以外は瞬時に変化する。

変化を促しているのは胞子であるため、これを洗い落とせば元の姿に戻ることができる。逆に胞子を放っておくと茸に成長し、宿主の全身から生え、自我を失わさせる危険もある。仕組みを理解すれば治癒薬も作れるようで、マルシルが完成させている。

調理…と言えるかどうか微妙だが、山のように作ったダンプリング(各地域で多種多様な調理法がある料理。所謂餃子すいとん)を輪にくぐらせて食材や調理法の異なるものに変化させ、さながら闇鍋&食べ比べのような形で利用された。他にも雑多な穀物を米に変化させる際にも用いられるなど、はた迷惑な性質を逆手にとって非常に重宝された。


意思持つ石像。劇中の物は悪魔の姿を象った造形物であり、用途も現実と同じく魔除けの類として設えられたものなのだろう。探索が始まって間もない迷宮ではよく見つかるとのこと。

チェンジリングの胞子を利用して一体を真実の口に、もう一体を小便小僧に変化させて撃破した。

調理の余地のない相手だが、小便小僧は噴出する水を調理・入浴に利用し、真実の口は口=輪であることを活かしてダンプリングの変化に役立てるなど少なくない貢献を果たした。


  • 大歩き茸

上記歩き茸の巨大化版。とは言ってもその巨大化ぶりは尋常ではなく、迷宮の高い天井を覆わんばかりの巨躯にまで成長。

その結果か胞子をまき散らす能力も身に着けており、吸い込んでしまえば何らかの不具合を来すことになる。この胞子の機能はどの茸が元になったかによって決まる。そして当然、その中にはチェンジリングも含まれているのである。

チェンジリング大歩き茸の方は傘の裏の皮を変化の治癒薬の触媒に、そしてその治癒薬がハンバーグのソースに無断で用いられた。犯人は「あんな飲み薬ではイヅツミが口にしないと思ったから」と供述している模様。

出現すると胞子で意識を奪われゾンビ同然となった人や野次馬(歩き茸愛好家)を集める為戦い辛いという。


二本角を持つ馬の魔物。遠目で見る分には角の生え方もあってヤギのよう。

ユニコーンとは対照的な性質を持ち、善良を嫌い堕落を好むと言われ、角も水を清める一角獣のそれと異なり汚水に変じさせる禍々しい逸品。好戦的だと見られていたが逃げこそすれど終始大人しいもので、このあたりも気性の激しいユニコーンとは表裏一体。

肉類を切らしたライオス一行の獲物として目を付けられ、堕落の概念(所謂七つの大罪)を実行することで誘き寄せる算段だったが効果が薄く、最終的に不貞行為の前科(自称)があったチルチャックが文字通り餌食にされかかることでようやく討伐と相成った。

なお、バイコーンは人を食うとも言われるがその対象は「善良な夫」に限られる。何故に彼が食われたかは推して知るべし。

良質な肉類として調理されるはずだったが落とした首以外を下記のデュラハンに差し出してしまったため、頬肉とタン、そして眼玉と脳を用いた料理プランへと急遽変更となった。マルシルの心情は語るに及ばず。一応、脳は白子に似て美味しい。


首のない騎士の亡霊。妖精としての出自ではなく騎士王伝説の一説から派生した姿での登場である。霊体であるため物理的な攻撃は通用せず、振るわれる剣は対象の肉体にのみ傷を残す。

ライオスが出くわした個体は何故か馬に騎乗しておらず、その点を突いて首のないバイコーンの遺骸を差し出すことで助命を嘆願。騎士もこの取引を受け入れたことで難を凌ぐことに成功した。

そもそも何故彼は馬に乗っていなかったのか?それは一行より先に出会った相手のせいだとかなんとか…。


対象の性別に合わせて(当人の思う)理想の相手に化け、誘惑したところを精気を吸い取り死に追いやるお馴染みの魔物。

本人すら思いも及ばぬ深層意識に宿る姿を映し出すため、相対すれば文字通り腰が抜けて身動きが取れなくなる。このためサキュバス狩りは二人一組が鉄則(相方の好みに化けた方を攻撃する)。その性質からか戦闘力そのものはさほど高くない。また獣に化けた個体(後述)も鋭い爪や牙を攻撃に利用しなかった辺り対象の能力や身体機能を再現したりもできないようだ。

正式名称は「サキュバス・モスキート」。その名の通り正体は。吸い取った精気を体内でミルク状に変換し、ボウフラのような幼生に授乳することで子育てをする世にも珍しい昆虫である。因みに蚊なので刺された痕は猛烈に痒くなる。魅惑の過程で接吻の形をとられようものなら猶のこと。

イヅツミが体液を用いて(得体のしれない粉末入りの)ホットミルクをこしらえ、精気を吸い取られた一行に力を取り戻させるべく振舞った。適当な調理だが栄養価のグラフは色々突き抜けたものになっており、精力剤として用いられるのもむべなるかなというところ。

幼体はバイコーンの脳漿と組み合わせてドリアの具材に。見た目はエビのようで、ミルクの風味が口いっぱいに広がりとても美味とのこと。こちらも栄養満点。

    • この虫タイプサキュバスとは別に、劇中には悪魔としてのサキュバスも存在しているとのこと。
    • ちなみに現実でも蚊を食べる文化は存在する。とは言っても大量の成虫をこね集めてパテ状にし、ハンバーグとして食するといったもので、ボウフラを食べるという話は聞かないが。

死を迎えるたび炎を纏い、その中から蘇る文字通りの不死鳥。狂乱の魔術師の邸宅の見張り番をしていた。

復活の際だけでなく炎を自在に操ることもできるようで、迂闊に対峙すれば大やけどを負い、高熱を発すれば近寄ることも難しくなる。

その上不死身とくれば難物難敵だが、迷宮の法則を知悉したライオスの手によって工夫された方法で退治(討伐)に成功する。

更には食してしまえば復活はできないというこれまた迷宮の法則に則りコンフィに仕上げることに。勝手に発火する特性を活かした調理法は必見。しかして出来上がった一皿も胃の中で発火されては堪らないため非常に気まずい状況下で喫食する羽目に。

挙句尾羽ははたきに利用される始末。不死鳥を骨の髄まで活用した。


  • 迷宮のウサギ

見た限り変哲のないウサギ。とは言え迷宮の深層に住むそれがただの愛くるしい哺乳類であるはずもなく、その実人の首を音もなく切り裂く恐怖の殺人ウサギである。

後肢の踵付近に鋭い刃物状の突起があり、これを首に当てがって蹴りを加え、その勢いで切断するという寸法である。ウサギは体重に対する筋肉比が50%以上もある非常にマッシヴな生き物(人は概ね30から40%)なので、体重を乗せた斬撃を食らえば首が飛ぶというのも頷ける話。(ただしその分骨密度が低くキックで自分の骨が折れかねないほど脆いのだが)

警告を知らせるスタンピングで逆に狩人を誘き寄せ、バックトラック(止め足)を行い相手を撹乱するなど、逃げるための習性を狩りに活用し獲物を追い詰める。さらには複数羽で連携もするのだからたまったものではない。

ライオスの先見がなければあわや全滅もあり得た相手であり、噂に違わぬ実力を見せた怪物である。

どうにか仕留めた後はとある人物に馳走するためのカレーの具材として用いられた。ちなみにその数二十数羽。相手の大きさに沿う食材の規模もあってパーティーメンバー総出の大料理会となった。

元ネタは古典RPG「ウィザードリィ」に登場するボーパルバニーとその元ネタたるモンティ・パイソンの映画『モンティ・パイソン ホーリーグレイル』に登場する殺人ウサギ。特にモンティ・パイソンの映画通りに洞窟を守っているなど、モンティ・パイソンの影響は大きい(ちなみに勇者ヨシヒコシリーズで毎回マスコットキャラクターに襲われるくだりがあるのもこの映画のパロディ)。大概は元ネタ通りである鋭い門歯で首を噛み千切るといった描写が多い中、ウサギの強靭な後肢を利用した新しい頸刎ね像の開拓はさすがの一言。


深紅の鱗に覆われたそれがレッドドラゴンなら、深緑の鱗に包まれたのがこちら。本編登場以前にも扉絵でライオス一行との関わりが描かれている。

背中の翼、サイズの割にスリムな体格、長い首が特徴の竜。作中では特に貴金属を好む習性が強調されており、それが理由で人里に害をなすことも多いようだ。

巨大化した狂乱の魔術師宅の台所で他の竜種の魔物と共に召喚され、ライオス一行へと襲い掛かり鍋の中に隠れたセンシを炎の息で蒸し焼きにした。

単身で討伐するには到底厳しすぎる相手だが、東洋龍の呼び寄せた落雷が直撃して絶命。肉の一部は夢魔と合わせてワイルドすぎる調理法でアクアパッツァに。台所が元の大きさに戻った際になぜか一緒に小さくなったので残りは七面鳥サイズのまま照り焼き風に調理された。

世界中に広く分布して人間と接触する機会も多く、記録や物語が残りやすいことから竜を代表する種と認識されている。「ドラゴン=緑色で有翼の巨大爬虫類」というイメージに理由付けがなされた設定となっている。


雲龍図』などで表される蛇のような長い胴、枝分かれした角、たてがみ、細長いヒゲを持つ龍。

翼も無しに空を飛び嵐を呼び寄せ雷を自在に操る。狂乱の魔術師の騎乗獣として立ち塞がるが、我の強い竜種全体の特徴には抗えず専ら同士討ちに及ぶ描写が目立った。


寒冷地に潜む白銀の毛皮に包まれたドラゴン。強烈な冷気のブレスを吐き出し標的を氷漬けにする。

毛皮はホッキョクグマのように表面積を増やし、空気を取り込んで一定の温度を保つためのもの。この保温性と空気量が包囲突破の糸口となった。


現実においてはイモムシなどの語源となった手足の目立たない竜種。見た目はオオサンショウウオに類似しており、暗い洞窟を根城にしているためか視覚は衰えている。

神経性の毒ガスブレスが武器であり、皮膚を通して浸透するため呼吸を止めた程度では気休めにもならない。ただし、体内で精製したガスを吐き出すため、連続して使用すると効果が一段落ちる。これは他の竜種でも同様。


大海原を支配する大海龍。原典では海蛇の姿で登場することが多いが、こちらではクジラシャチなどの海生哺乳類の意匠を盛り込んだ造形となっている。

海水を自在に発生させるという強大な能力を持ち、ライオスの奇策で潜んでいた樽を爆破されたことで台所一面を海水で満たしてしまった。原典において最強の獣と評されるので、こちらでも最強の竜の一角である。


翼状の前足を持つ小型の竜。複数体が狂乱の魔術師によって召喚されるも、ライオスたちを積極的に攻撃することは無く死んだ緑竜の肉を貪っていた。

種類の豊富な生物で扉ページや回想シーンで大きさや頭部の形状が異なるワイバーンが登場している。


複数の頭部を持つ大蛇。狂乱の魔術師によって召喚された竜の1体。

ライオス一行と絡むことなく戻された。


11巻~最終巻

  • 大蜘蛛

我々の世界で見かける蜘蛛が大の大人サイズにまで巨大化したもの。吐き出す糸も現実同様に細さの割に非常に頑健で、束になればドラゴンすら絡めとる。牙には麻痺毒が通っており、噛まれてしまえば抵抗は不可能。劇中に登場した個体は背中に迷路のような模様がある「アリアドネ」という種で、西方の地域ではこの糸を織り軽く丈夫な鎧(クロースアーマー)に加工する。

新たな迷宮の主によって呼び出されるも気色悪い外見を厭われた結果、可愛らしい姿にイメチェンすることに。

ただ、元の頭を食い破るように変化した上、習性は全く変わりがないので襲われる側にとっては更に恐怖感が倍増することになった。翼獅子からも「余計に気持ち悪くないか?」とツッコまれている。


先天的な種としての存在と、人為的な処置で後天的に変じた者があるらしいが、本編には後者が登場。

ある人物が臨戦するにあたって変身。意識や発声能力は元の人間と変わりなく、あまつさえ攻撃本能に拠らない鷹揚な態度すら示してみせた。

おまけ漫画や『ワールドガイド』内記事など本編外での出番は比較的多い。


長大な身体に何対もの翼を備えた大蛇。

マルシルの好みが反映された結果、体表には花柄の模様があしらわれ、血しぶきも花が舞い落ちる現象に改変されているなど大幅にアレンジが加わっている。


雪だるまの姿をした小型の魔物。


人間の姿を真似る魔物。正体は擬態能力に長けた巨大なタコ

軟体を活かして対象の大まかな形を真似、体表の色素細胞の色を調整する事で細かな質感や凹凸も疑似的に再現する。人間になりすますため相応に知能も高く、手足はちゃんと関節の位置で曲げ、頭の部分に自身の頭部を持ってくるなど人体の構造も理解している。タコ由来の怪力も健在で、丸腰だったとは言えライオス一行が総掛かりで襲いかかっても易々とはね除けてしまった。

鏡で自分の顔を見せられると擬態が解けてしまう弱点がある。

本編では調理されなかったが、単行本のオマケ漫画でたこ焼きにされた。


鹿のような角を生やしたウサギ。


  • 空飛ぶ豚

背中に翼を生やした空飛ぶ豚。


  • 最強の魔物

ライオスが考えた最強の魔物

狼・山羊(鼻先に犀の角)・猛禽類の3つの頭、虎と猛禽類の前足、コウモリと鳥の翼、馬と猪の後ろ足、ライオンと蛇の尾を備えたキメラ。ライオスが様々な動物の長所を選りすぐったであろう外見は「子供の落書きみたい」と評されるが、ライオスはこれを本気でカッコイイと思っている。

ライオスの空想上の存在だったが迷宮の力により実体化。ライオスが直前に書き足したとある設定が事件解決の鍵となった。

これ以前にもイメージ映像や夢魔が作り出した悪夢の中に何度か登場していた(狼の頭が無いなどデザインは若干変遷している)。また、扉絵では翼の左右の配置が違う別バージョン(?)も描かれている。


番外編

本編で直接登場せず、会話内や回想、扉ページや描きおろし漫画で登場した魔物。

  • チルチャックが思い浮かべた魔物

魔物を食べながらダンジョンを進むというライオスのプランを聞いて想像したもの。

後頭部やエラに角のような突起がある魚、果実をつけた人面樹、何の変哲もないウサギ(迷宮のウサギ?)の3種。作中で実在するのかは不明。

マルシルが思い浮かべた魔物(ガーゴイル、幽霊、ゾンビ、足の多い虫)に比べればまだ食べられそうな見た目をしている。


  • 大ネズミ

名前の通り巨大なネズミ。ツチブタのような細長い鼻が特徴。

食材候補として第2階層に生息する魔物の中で大蝙蝠と共に名前が挙がったが、衛生上の理由からマルシルに反対される(大蝙蝠の方は食べることになったが)。


亜人の一種。

第2階層の魔物の一つとして弓矢を持った「森ゴブリン」に言及されている。

また、センシの野菜の取引相手がオークだと知ったチルチャックが「せいぜいゴブリンだと…」とつぶやいていた(=最悪でもゴブリンを想定していた)ことから、オークほど人類に敵対的ではないらしい。


  • イビルカンピロバクター

食中毒を引き起こす細菌の魔物と思われる。

チルチャックがバジリスクのローストに時間を食ったとぼやきセンシが鶏肉の生食は危険と反論するシーンにイメージとして登場した。カンピロバクター菌に似ているが鞭毛の先が鏃のように尖っている。


  • 体の長い魚(名称不明)

全身に大きなヒレを持つウツボのような魚。

第16話の扉絵に人魚や刃魚など水棲の魔物と共に描かれる。


  • ヒヒに似た魔物(名称不明)

迷宮から溢れ出しカブルーの故郷ウタヤを滅ぼした魔物の一種。


槍を持ったトカゲ人間とその騎乗獣。

第54話の扉絵で迷宮に住み付きトラブルを起こす亜人の例として描かれた。


  • 偽魚人

カブルー一行が遭遇した亜人。魚、タコ、亀などの頭部を持つ人型生物。

実は幻術で姿を変えられたカブルーたち自身。悪質な死体回収屋が蘇生代をせしめるため同士討ちさせようと仕掛けた。


「脳を複数持つ魔物」の例として名前が挙げられた。


  • 大猫

東方に生息する猫の魔物。イヅツミと融合している。


ハーピーに似た人面鳥。海鳥がベースとなっておりハーピーよりも翼長がある。

かつてセンシ一行を襲ったという「鳥の魔物」がグリフィン以外である可能性を考えるライオスが思い浮かべた魔物の一つ。


クジラを捕食する巨鳥。「鳥の魔物」の正体候補。

大きすぎるためダンジョンには入らないと考えられた。


片足で象を捕まえる犬頭の巨鳥。「鳥の魔物」の正体候補。

やはり大きすぎるということで除外される。


翼を生やした馬。「鳥の魔物」の正体候補。

もはや鳥ですらないが、結果的にこれが最も正解に近かった。


古今東西様々な物語に登場する亜人。

「巨体で怪力」「強欲でものを荒らす」「ちょっと抜けてる」などの特徴を持つ。

チルチャックの故郷には森へ遊びに行った子供がトロールと入れ替わってしまう伝承が存在する。

正体はトールマン(人間)であり、人種間の交流が乏しかった時代にハーフフットが異なる人種を怪物視した事に由来する(名前も「トールマン」が訛ってトロールとなる)。上記の特徴もハーフフットから見たトールマンの特徴が誇張されたもの。

現在でもハーフフットの間では躾のため悪い子をさらう怪物として伝説を利用されている。


ハーフエルフを装ってライオスらと行動を共にしていたマルシルの真の姿。上半身はマルシルに近い人型であるが、狼のような体毛とケモミミを持ち、下半身はスキュラが如く6頭の狼の頭と尾を持つ。噛むことによって人間を魔物に変える力があり、魔物としてファリンと共に暮らす道をライオスに示す。

その能力によって同道していたパーティメンバーを「ギガダブルヘッドフレイムアイスセンシ」、「ギガダブルヘッドフレイムアイスチルチャック」、「イヅツミ」へと変え、残すはライオスのみとなったのだが……。


  • 黒豹のような獣(名称不明)

母親らしき女性に擬態したサキュバスと交戦中のイヅツミの前に出現。

イヅツミと融合した大猫の心理を読んだサキュバスが「理想の相手」の姿に擬態したもの。

これが大猫そのものの姿なのか、理想を具現化した本来とはかけ離れたものなのかは不明。


  • 魔法の鏡

見た者にとって理想の世界を映し引きずり込む鏡。

ミスルンは任務で赴いた迷宮でこの鏡を見たことで欲望を刺激され、新たな「迷宮の主」となってしまった過去がある。

第60話の扉絵では「心を奪う魔物」の一例として登場。センシにかつての仲間である鉱夫団と現在の彼が楽しそうに笑い合っている光景を見せている。

1P漫画『性別逆転』では手鏡サイズで登場。「もしも性別が逆だったら」というifの姿を一人ずつ映し出しライオスたちに見せている。


迷宮の主となったとある人物が想い人の似姿として傍に置いていた魔物。

当初は人間の姿だったが、ある時期を境に下半身がサンゴヘビのような毒々しい模様を持った蛇体へと変化している。

上述のドラゴンが変化したものと同様のキメラの一種と思われる。


  • 全てを終焉らせる者

狂乱の魔術師がかつて召喚した最強の魔物。

迷宮の入り口の番人をさせていたが魔力の薄い地上の環境では数分で餓死。死体も跡形もなく消滅した。


魚の魔物。読み切り版の回想で1コマのみ登場。

陸上を歩く足を生やしているなど本編の魚人よりも人間寄りの形態を持っているが、主人公一行は気にすることなく煮付けにして食した。フライにしても美味いらしい。


魔物以外のもの

モンスターではないが食材や調理器具などに利用されたものを記載。

  • サカサイモ

ダンジョン地下1階となった地下墓地に自生する植物。

一見すると地上の木の根が地中の空洞まで達したように見えるが、実際は迷宮の天井から上下逆さまに生えており、根のように見える可食部は茎の部分。「イモ」と付くがあくまで似ているだけで別の種類である可能性が高い。

大さそり鍋の具材に使われる。


  • 花苔

湿った場所に生えるごく普通の藻。花弁のような形をしている。

大さそり鍋の具材となる。


  • 薬草
  • いい薬草
  • 毒消し草
  • 麻痺消し草
  • 石化消し草
  • 火傷草
  • 魔力草

冒険者に必須の回復薬となる植物。

ローストバジリスクの詰め物をはじめ野菜や香草代わりに使われるが、そのせいで回復手段が無いという状況を何度か招いている。

魔力草は精霊を含んだ水で育てたマンドレイクと説明されている。


侵入者を阻むためにダンジョン各所に設置された仕掛け。

火炎放射器、高温の油の噴射、天井から落ちてくるギロチン、床や壁から突き出される槍など、その種類は多岐にわたる。

炎と油(オリーブオイル)は天ぷらに、ギロチンは大蝙蝠の肉を切断するために利用された。


迷宮の各所に設置されているいわゆる壁泉。冒険者やダンジョンに居住する者の喉を潤す。

獅子の頭の装飾から水が流れ出る際にユニコーンの角で出来た牙の部分に触れることで水が浄化される仕組みになっている。

冒険者の欲望に応じて現れるとされ、センシがかつて仲間たちと迷宮内をさまよっていた際、食糧が見付からない時も泉は喉が渇けば出現したと語っている。


  • 謎の植物(名称不明)

狂乱の魔術師が食事の重要性を説いたライオスの話を曲解して生やした植物。

ライオスを拘束し口に果実を突っ込んで栄養豊富な蜜を流し込み続ける。その様子はさながらフォアグラ用のガチョウ。

センシによって蜜を調味料と混ぜて緑竜の照り焼きのタレに使われた。


上位存在

冒険者を襲うモンスターを生み出し、管理している側の存在。強大な力を持つが元々この世界に存在する生物でありモンスターではない。しかし冒険者側からすればその脅威からモンスターと同一視されている。


舞台となるダンジョンの支配者であり黒魔術(古代魔術)の使い手であるエルフ族。

ダンジョンのモンスターを配下に収めている。特にレッドドラゴン(炎竜)には厳命を下している描写がある。

詳しくはリンク先を参照。


  • ???(ダンジョン支配者に迷宮を生み出す力を与える黒幕

関連項目

ダンジョン飯

エンターブレイン ハルタ(漫画誌)

グルメ 料理 ファンタジー

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