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プロフィール

本名ケレンシル家のミスルン
人種エルフ
性別
所属カナリア隊
年齢185歳
出身地北中央大陸
家族構成父・母・兄
身長155cm前後
BMI21
好物特になし
苦手特になし
誕生日5月12日
体力4
3
魔力5
知力5
方向感覚1
酒の強さ2/5(今の体質になる前はよく飲んでいた)
CV内山昂輝

人物

流麗な銀髪と虹彩の無い黒の瞳を持つエルフの男性。エルフの特徴である長い耳が中ほどから欠け落ちており、また右目は視力が失われているのか不自然に半開きになっている。

表情の変化に乏しく、およそ喜怒哀楽といったものを殆ど感じさせない。口数も少なく、必要と思われる事以外は喋ろうとしない。また、方向感覚に著しく欠けている所がありよく道を間違えるという欠点がある。

お腹が空いたからご飯を食べる、疲れたから休む、トイレに行くという基本的な生活能力すら失われており、日常生活ではシスヒスカブルーの介助を経てかろうじて生きている。

戦闘能力

戦闘能力は作中でもずば抜けており、制圧に特化したカナリア隊でも別格の存在。転移術を用いての戦闘を得意としており、物体を任意の場所に「飛ばす」事が可能で、飛ばされた物体は転移先の空間ごと入れ替わらせることができる。

この性質が凶悪そのもので、狙いが外れさえしなければ防御は不可能。例えば対象を壁の中に飛ばした場合は生き埋めになるし、水の中に飛ばせば溺死する。また、相手の体の内側に物体を転移させればその物体は対象の体にめり込み、物体があった場所には対象の肉片が抉り取られて出現する。当然無事では済まない。

ただし当の本人が極度の方向音痴のため、どこにどのように転移するかがかなりわかりづらく、下手すれば周囲にも危険が及ぶ技でもある。

実際に成功はしていないが、相手のを入れ替えて即死を狙うという身の毛もよだつような場面もあるが、これが敵の脳と仲間の体の一部なんてことになった時は大惨事である。

ミスルンはこの魔法を杖などの道具を使わずに手で直接触れるだけで発動する事が出来る。加えて、肉体的には脆弱とされるエルフとしては珍しく機敏で、舞うような格闘技と転移術を組み合わせた戦法を得意としている。

船にある自室では片手腕立て伏せをして筋トレをしている姿も見られた。

そのあまりの強さに、登場時点では迷宮の中で死亡した経験がない。

作中での活躍(ネタバレ注意)

作中の舞台である「島」に上陸し、ライオス達が挑戦している迷宮を封鎖・制圧する為にカナリア隊を率いて侵入する。

穏健策を望むカブルーの提案を一度は聞き入れ、島の裏側を牛耳る人物との交渉を任せるが、その決着を待たずに部下のパッタドルへ指示。浅層の人間の「欲」を煽る。これはあえて欲を餌に魔物を呼び込むことで混乱を引き起こし、迷宮に蔓延る冒険者たちをまとめて追い出す為であった。

ミスルンたちの狙い通り浅層には巨大な歩き茸が出現し、パニックになる。迷宮に心を囚われていた人間を蹴散らしたのち巨大歩き茸を転移術で始末するが、異変を察知して浅層に現れていた狂乱の魔術師の存在に気付き、彼および彼の呼び出したキメラと対峙する。

転移術を使いこなして戦闘を圧倒的優位で運ぶが、事態がエルフ達の主導で解決してしまう事に危機感を覚えたカブルーが乱入。狂乱の魔術師が床に開けた大穴からカブルー共々深層へと落下してしまい、以降なりゆきで彼と同行し迷宮の探索を続けることになる。

その過去(さらなるネタバレ注意)

迷宮の主だった過去がある。

彼の生家であるケレンシル家は投資で財を成し、その名を知らぬものはいないと言われるほどの名家だった。

かつてカナリア隊の一隊員だった頃のミスルンは、そんな名家の出身ながらそれを鼻にかけない人柄の良さを持ち、誰からも慕われる表情豊かな好青年だった。

しかし本人の好青年振りは全て演技のようなものであり、兄をはじめ隊の同僚たちですら心中見下していた。

とりわけ体も弱く頭も弱い兄を一番に見下しており、兄のことをこの家の生まれではないとさえ思っていた。

しかし「名家の中で優先度の低い人物を送り込む」というカナリア隊に自分が送り込まれたことが、心の内に「兄の代わりに入隊する為、想い人への気持ちを諦めざるを得なかった」という闇を抱かせることになった。

(だがこの家の生まれではないと見下していた兄ではなく、自分こそが妾腹であることを後に知ることになる)

ある日ミスルンは、迷宮の調査中に発見した魔法の鏡に映る「兄と想い人が楽し気に食事をする光景」に、見下していた兄が自分の大切な人を奪う姿に激しく心を揺さぶられ、その鏡を打ち壊す。

すると、そこから一匹の子山羊が現れ、「入隊しなかった自分の人生を見たくはないか」とミスルンに語り掛けた。そして、ミスルンはその山羊の提案に乗り、入隊しなかった自分の人生を「欲して」しまった。

そうしてミスルンの欲望によって迷宮が生み出され、彼はその主となった。

想い人と結ばれ、多くの仲間に囲まれて過ごす迷宮での生活はミスルンにとってまさに理想そのものだったが、やがて迷宮には宝を求めて冒険者が跋扈するようになる。

ミスルンはそれを排除するために山羊に様々な望みを叶えてもらい、その度に迷宮は複雑になり、魔物の数は増え、山羊の力も増していった。いつの間にか仲間の数は減っていき、ミスルン自身の気力も徐々に失せていった。

そして、ある日のこと。

既に人間の何倍もの大きさになった山羊……いや、悪魔は、ミスルンの体を鷲掴みにするとその体から「欲望」を食らい始めた。ミスルンは必死に抵抗するが最早抗う事叶わず、片目と両耳を潰された上に欲求を食いつくされ捨てられた。そうして、ミスルンは自分の作り出した世界からも放逐されたのである。

センシティブな作品

だが、ミスルンは死んではいなかった。

他のあらゆる欲求を失いつつも、彼の体には悪魔への復讐心だけが食べ残されていたのだ。その執着に目を付けたミルシリルによって保護されたミスルンは、以降の人生を悪魔を殺すためだけに生きることになったのである。

カナリア隊に復帰する前の精神状態はひどいもので、ほぼ廃人状態だったようだ。

自傷癖があるため、常にお付きの従者に監視され、自傷しないよう刃物は遠ざけられ、時には四肢を拘束されるような生活だったらしい。

傷が癒えてからも老人のような骨と皮だけの有様だったが、20年以上続くリハビリで原隊復帰を果たす。

ミスルンの体はほとんどあらゆる欲求を感じなくなっており、感情表現の乏しさはそれが原因である。それどころか「食べたい」「寝たい」といった生理的欲求すらも喪失しており、生きていくためには周囲の人間の介護が欠かせない。

一方、方向感覚の欠如はあらゆる欲求を食われたことで悪魔に対してだけに執着するようになった結果、目の前に壁があっても最短距離で悪魔のいる方に向かうような半ば短絡的な行動するようになったことが原因のようである。

このように家柄の良さや高い戦闘能力を差し引いても多くのリスクを抱える存在でありながらカナリア隊の隊長を務めているのは単純に有能でやる気(打倒悪魔の意思)がある人員がカナリア隊に不足しているということに加え、

「元迷宮の主としての経験と悪魔の所在を感知できる嗅覚」、

「『悪魔に欲望を食われた者の末路』という他の隊員への反面教師」、

「一度欲望を食われたことによる、欲望を叶える悪魔の誘惑が効かない状態」、

「すでに死んだも同然のため、現場突入班として危険地帯に送り込んで仮に死亡しても問題ない」という判断、

「女王の血縁者であるフラメラを隊長にせず、現場に突入することがない地上待機班にできるため」、

そして「純然たる悪魔への復讐心」を買われての部分が大きいと推測される。

その先へ(さらなるネタバレ注意)

物語の最後に人生のすべてをかけて倒したかった相手である悪魔が滅び、自分の人生の欲望を全て失い倒れてしまう。

しかし共に迷宮を探索したカブルーの手により再度活力を得て立ち上がり、以降の人生は迷宮と魔物の調査と、なんと蕎麦打ちに捧げることを決意。

除隊後はメリニに留まり、新たな人生を出発することにした模様。

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