もしかして
概要
早い話が同人誌のこと。個人もしくは少人数で原稿を制作する同人誌は、商業の雑誌や書籍のような原稿枚数を揃えられるのは難しく、大半の場合は100ページ未満の冊子となる。普通に書店で並んでいる本と比べると明らかに薄い。そんなわけで、いつしか同人誌を表すスラングとして『薄い本』という呼び方が定着した。
合同誌などでは数百ページに及ぶ同人誌もあるのだが、その場合は『ぶ厚い薄い本』という矛盾した名称で呼ばれたりもする。 また、この名の他にも、1980年代のネタ『あーん!スト様が死んだ!』の文中に現れる「よいしょ本」がそうであるように、アンダーグラウンド界隈らしいヒネった同人誌の俗称はいにしえの昔から多数ある模様。
pixivとこの百科事典を閲覧している君たちの部屋にも、いっぱいあるかもしれない(同人ショップのない地方の在住でも、通販やオークション等で購入は出来よう)。近年はネット通販前提のデジタル同人誌も多く、置き場所を気にせず何十・何百と蒐集している愛好家も少なくない。
安易に『同人誌=エロ本』という偏見の目で見るのは、同人誌や即売会を全て否定するのに等しいので、軽率な発言は自重しよう。成人向けの需要が大きいのは事実だが、作成されている数で言えば全年齢向けの方が多いし(成人向けは全体の発行点数の3割程度に過ぎない)、もっと言えば漫画以外の同人誌(私的研究を発表するもの等)も多いのだ。同人小説投稿サイトの小説家になろうとその18禁版のノクターンノベルズ・ムーンライトノベルズの作品数を比較してみるとわかりやすいだろう。
……もっとも、わざわざ「同人誌」でなく「薄い本」とスラングで表記する場合は、エロ同人誌を指していることが多い。これは同人誌全般が薄めとされている中でも、いわゆるエロ漫画同人誌はその薄さがあまりにも顕著だからでもある(12ページや16ページのものなどざらにある)。pixivにおいても、メイン画像のように版権キャラの18禁な二次創作の意味として用いられることが多い。