概要
女性向けポルノ漫画であるレディースコミックやティーンズラブ（TL）に対し、基本的には男性向けに描かれた漫画を指す。
エロ漫画とTLやBLに跨って活動している作家もおり、ガールズラブ作品の一部など内容的には男性向けなのか女性向けなのか曖昧なタイトルもあるのだが、基本的には発行レーベルで区別される。
なお、一般の青年漫画誌や少年漫画誌に掲載されている性的描写のある漫画の俗称として使用されることもあるが、このような用法は相応しくない（成人向け漫画誌との混同を招くため）。
流通
出版社側が18歳未満の者への販売を自主規制により禁じており、流通や販売方法などに制限を設けている成年コミックマーク付きの雑誌と、出版社側の自主規制の対象外で18歳未満の者への販売や販売方法を書店側の裁量に委ねているもの（いわゆる「無印」）が存在する。
前者と後者では内容の過激さや修正の度合いに違いがあり、後者を「ソフトエッチコミック」と称する場合がある。
また無印のエロ漫画誌はコンビニエンスストアでも入手できるが、各都道府県の条例やコンビニ側の自主規制により18歳未満の者は購入できないこととなっている。
令和期に入ると成年コミックマーク付きの雑誌は一般の書店ではまず手に入らなくなった。過去には乳首や性器を丸出しにした表紙の成年向け雑誌がビニール無しで公然と書店に置かれていたのを考えるとコンプライアンスには随分と厳しくなったものである。同様にコンプライアンスという意味で成年向け漫画は大手古本屋では殆どコーナー自体を設けなくなった。
傾向
当然ながら性描写があるのだが、読者を性的に興奮させなくてはならないのでニッチなシチュエーション、属性を突くか、高いストーリー能力等がない限りある程度以上の画力は必須とされる。
ストーリーは一話完結が主体であり、最低限のキャラの紹介を済まして即座に行為に移行するような作風が基本だが、稀にやたらと凝った内容や規制の薄さを生かした悲恋物や猟奇的、挑戦的な作品もある（基本的に「エロシーンで読者を興奮させられれば」最低限作品としての使命を果たしたといえるため、前出の規制の薄さも相まって実験的な内容に踏み込める）。
長編連載であってもコミックス1巻以内、長くても3巻以内に収まる事が多く4巻以上となるとかなりの長期連載という扱いである。
また、連載と言っても毎号毎号載っているとは限らず、掲載率の高い連載作家でもコミケ前には連載が載っていない事も有り、正業と副業の境界が曖昧である等、いわゆる一般漫画に比べると異なる点が多い。
エロ漫画を出している出版社は比較的小規模なところが多く、原稿料や単行本発売時の印税も３％前後と一般の漫画単行本と比べて安く設定されていると言われており、連載よりもコミケを優先させるなどの漫画家のフリーダムさはこの報酬の安さとのバーターと言える。
電子書籍
当然だがエロ漫画も電子書籍として販売されている。
雑誌や単行本はもちろんだが単話売りとして16ページほどの漫画を個別にバラ売りするというスタイルも多い。
なお、その場合の値段は200円から300円ほど。
エロ漫画誌やエロ漫画単行本は800円から1500円前後の価格で10〜20話ほど掲載されているので単話売りを複数買うよりは雑誌や単行本を買った方がコストパフォーマンスに優れているが、特定の作者の漫画だけ可能な限り早く読みたいというような場合は単話売りを買うのも良いであろう。
Webtoon
中国韓国系の企業がよく手掛けるフルカラーで縦読みいわゆるWebtoonにもエロ漫画がある。
