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一般論としての「男性向け」

用途、機能、デザイン等々を男性に合わせて作られたものの総称。
機能重視で地味ごつい大きい多い重いといった傾向が認められるが、「女性向け」と比べて殊更に性別が意識される事は少ない。
それはファッションで言うなら「マニッシュ女性」という存在がいても「フェミニンな男性」は通常いないように、男性は一般的に「気にしない」と言うよりもむしろ「考えるまでもなく当たり前に「男性向け」を選び取る」からである。


そもそも人類の歴史において、社会の主導権を持っていたのは基本的に男性であったため、商品やサービスを購入するのも基本的に男性が多く、作る側もわざわざ「男性向け」を意識することは少なかった。
一般向けと言い換えても概ね通じる事も「女性向け」との大きな違いである。

例えば、自動車を個人的な趣味とする男性は多いが、それをいちいち「男性向け」とは言わないだろう。一昔前まで自分用の車を持つ女性自体が珍しく、そうした場合であっても男性に買い与えて貰うのが一般的だったからである。
あるいは自動車文化は「キャンペーンガール」や「レースクイーン」といった存在と密接に結び付いているが、その男性版はいない。女性の好感度をいくら上げたところで、決定権が男性にあった以上意味が無かったからである。
そもそも「趣味」という概念自体が多分に男性的なものであり、「マニア」いう言葉で思い浮かぶのは今でも大抵男性の姿であろう。そのイメージは概ね正しく、そうした行為もまたごく最近まで(国や地域によっては現在でも)男性が一手に担ってきたものであった。
pixivにおいても便宜上「男オタク」という記事が作られてはいるものの、内容は「オタク」記事への誘導になっている。そういう事である。


ここに「女性向け」との二重の非対称性が生じている。
早い話が男性にとっては「女性向け」など無くても特に困らないし、あったところで現実的な選択肢にはならない可能性が高いという事である。
男性向けと示される、その必要性のあるものは、歴史的に「女性向け」が基本となっている(化粧品など)、物理的に女性の使用が危険・困難(一部の医薬品など)、コンセプトとして男らしさをより強調したい(嗜好品など)といった場合に限られるのが実情である。

なお、この場合の「男」「女」は伝統的な性別二元論と異性愛を前提としており、LGBTその他の「革新的な」思想は基本的に考慮されない。
近年はそうした思想に基いてこれまでのカテゴリ分けを再編する動きが目立っているが、こと「男性向け」に関しては歓迎されているとは言い難く、むしろ「女性向け」その他の煽りを食ったと捉える傾向が強い事に留意する必要がある。地獄への道は善意で舗装されているのだ。

創作における「男性向け」

もちろん二次元においても例外ではない。
詳細は「女性向け」との重複になるため割愛するが、一口に「漫画」と言っても「少年漫画少女漫画」「青年漫画女性漫画」の間には厳然とした線引きがある。

と言うか文学出版の世界は伝統的に性別の垣根が特に高く、対象の性が楽しむことに特化した作品を作る傾向が強かった。今日のオタク文化もその影響を色濃く受け継いでいると言っていい。
基本的に少年漫画や青年漫画は女性の鑑賞を想定していないし、成人向けに至ってはこれまたごく最近までレイティング単位で男性向けとされていたほどである。
今でこそ表紙男の娘が飾ったりする事例も珍しくなくなっているが、それも男性読者を欲情させるための戯画化された存在であり、現実のLGBTや、まして女性向けのBLとは相容れないものと捉えられている。

もっとも、近年は「ショタ」や「百合」程度であれば男性向けに含める事が許容されるようになってきている。と言うか、そうした界隈でも棲み分けの重要性が意識され始めている。

棲み分けに対する注意

例えばこのような事例がある。
コードギアス反逆のルルーシュ』はロボットアニメの大御所サンライズが制作し、業界のスマブラに等しい『スーパーロボット大戦』にも参戦するほどの作品であったが、そのコミカライズは何故か少女漫画誌の「月刊Asuka」で行われ、ロボ要素が全てオミットされていた。
しかし、いずれも好評の内に完結した。多くの女性読者にとってロボ要素はどうでもいいものだったからである。

それぐらい男女の意識には差があり、仮に同じ作品が好きだからといって視点・解釈・嗜好は一致する方が珍しいと言っても過言ではない。トラブル回避のため棲み分けはしてしすぎる事は無い

そもそも少年漫画や青年漫画は女性読者を想定していない関係上、女性にとってセクハラパワハラと映る描写が出てくる事も珍しくない。成人向けに至っては人間扱いすらされておらず、ひたすら性処理道具とされる作品さえ稀によくある
君子危うきに近寄らず。不愉快な思いをしたくないならば、最初から見ないのが一番と言える。
その分女性向けで何をやっていても文句を言わないからと言うのが、界隈の一般的なスタンスであり、彼らなりの男女平等である。


そうでなくとも、男性の中には「男性向け」に女性が関わる事を良く思わない者も多い。
これは二次元の場合、一部の心無い女性ファンからBL二次創作の垂れ流しやその支障となる女性キャラへのアンチ活動、ラブコメをセクハラと見做した抗議運動などが頻繁に発生し(有名な一例)、作品を荒らされる事が常態化してきたからである。

一般に女性の方が男性より守備範囲が広いとされ、「男性向け」とされている作品を好んで消費する女オタクもまとまった数がいる。
しかしそれは、美談でもなんでもない。男オタクにとっては「俺らの世界はいずれ女性に潰されてしまうのではないか」という不安要素でしかなく、下手に口を出されるくらいなら最初からいない方がマシというわけである。

あえて大げさに言うなら、「男性向け」と「女性向け」は相互に不可侵の存在であるべきなのである。


余談だが、似た概念である「男のロマン」は強い」・「カッコイイ」・「エロい」の3条件と定義されているが、このタグは専ら「エロい」に特化して用いられている。

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