概要
掲載誌やレーベルにより少年漫画に分類される作品で、女性キャラクターのお色気が作品の主題となっているものを指すジャンル名である。
原則として購入に年齢制限(R-18)が課される成人向け漫画(エロ漫画)はもちろん、掲載誌やレーベルから青年漫画に分類される作品は含まれないことが多い。
と、タイプが幅広い。
繰り返し述べる通り、成年向けはエロが当たり前であるが、成人向けにもお色気漫画の「そそられるシチュ」を参考にしている作品は非常に多い(全裸ではなく、一部のみを見せて強調する、一部のみを隠して想像させる、など)。
なお、少女漫画のお色気漫画は、性癖によって「お色気」の種類が違うため、定義が難しく、少年漫画でも少女漫画でも、『魅力的な異性キャラ』や『そそられるシチュエーション』や『お色気そのもの』よりも主人公キャラの勘違いが主旨の話はお色気を求める読者からは好まれづらく、最後の要素の叩きがエロ叩きと勘違いされてしまうことが非常に多い。
ジャンルの変遷
一般にお色気漫画の第1号とされるのは1968年に創刊した集英社『少年ジャンプ』(当時は隔週刊で、翌年に週刊化)に読み切りとして掲載され、同年末から連載作品となった永井豪の『ハレンチ学園』とされている。当時放送されていた丸善石油のテレビCMで小川ローザのスカートが強風でめくれ上がる「Oh! モーレツ」のキャッチコピーに着想を得て描かれた同作の1編「モーレツごっこの巻」でスカートめくりが取り上げられ、全国の小・中学校で真似をする事例が頻出したことからPTAを中心にバッシングが繰り広げられる大論争に発展した。
1970年代から80年代にかけては講談社『月刊少年マガジン』で『ハートキャッチいずみちゃん』や『いけない!ルナ先生』『Oh!透明人間』、集英社『月刊少年ジャンプ』で『けっこう仮面』や『やるっきゃ騎士』『瞳ダイアリー』など週刊の姉妹誌では発表しづらいお色気漫画を競って連載するようになり、この2誌よりも低年齢層を対象にした雑誌でも『まいっちんぐマチコ先生』や『おじゃまユーレイくん』などが連載されている。
1990年代初頭に勃発した有害コミック騒動によって一部の県で青少年条例に基づく有害図書指定が行われるなどの影響でジャンルは壊滅的な打撃を受けるが、2000年代に入って徐々に復興し、1ジャンルとして定着を見せている。
ジャンルの傾向
基本的なパターンは「下心丸出しの主人公が女子に嫌われることお構いなしでセクハラに勤しむ」か「お色気過剰な女性主人公が毎回のように起きるアクシデントでイヤ〜ンな目に遭わされる」のどちらかに大別されるが、2000年代以降は色々と厳しくなったので後者のパターンが多くなった。
ただし、前者のパターンも主として「主人公に下心は無いがモテモテで毎回のようにラッキースケベが発動する」あるいは「主人公の友人が下心満載で彼の行いの貰い事故のような形でラッキースケベが発動する」あるいは「下心のない主人公が現実ではあり得ない能力を手に入れてエロ魔人に覚醒してしまう」形に変化しながら残存している。
作中の描写
少年漫画のサブジャンルである関係上、本番を取り入れることはご法度とされている(恋愛漫画やラブコメでは描かれることもある)が、それ以外は実際にやったら即座に犯罪となる行為が満載である。
- スカートめくり
- 覗き(窃視)
- おさわり(窃触)
- 女風呂への乱入
- ギリギリズム(最後の一枚が取れそうで取れない、達しそうで達さない、見えた!)
- 服ビリ(ポロリ)
- 濡れ透け(胸ポチ)
- 未成年の授乳ポーズなどギャップ萌え
など。
ストーリー性はあまりないが、「エロだけ」の一言でも形容しづらく、
意外と、「美少女沢山出しておけばいいでしょ」「裸にしておけばいいでしょ」「乳揺れとパンツ出しておけばいいでしょ」「よくあるエロを詰めておけばいいでしょ」「平和な内容だとつまらないからエログロにしちゃえ」「萌え豚向けのオカズだから真面目に描かなくていいや」といった内容ではなく、「どうすればそそられるか」「思春期はどういう内容を見たがるか」「細かいことを考えずに読めるか」を計算し尽くした(煩悩方面に)頭を使ったシチュエーションが多く、硬派厨に嫌われがちなラブコメ・エロ漫画や、一般向けストーリー漫画の下位ジャンルの一言では片付けがたい。
乳首は1980年代の作品では普通に描かれていたが、2000年代以降ではアニメの規制を取り入れる形で雑誌掲載時は白抜きか謎の光が差し込んで隠され、単行本で描き足されるケースも見られるようになった。
もっとも近年は小説家になろうに代表されるネット小説のコミカライズが激増しており、それらの多くはハーレム要素を持ち、主人公を信奉する女性陣が性的なご奉仕をしてくる、エロいシチュエーションで乱れるなどより直接的なお色気を含んでいる。