概要
1974年に月刊少年ジャンプに読みきりとして発表し、その後連載となった。
エロスとパロディに満ち溢れた、ダイナミックワールドを代表する作品。
実写化やビデオアニメ化もされている。
あらすじ
長野県の山中にある全寮制の「スパルタ学園」は、有名高校への進学率100%を誇る。
だがそこでは日常的に「お仕置き」という名の過剰な体罰が生徒に対して行なわれていた。
そこへ現れたのがけっこう仮面を名乗る女性のマスクマンである。
仕置き教師達は、彼女の魅惑的身体を利用した技の前に「こりゃけっこう~」と倒されていく。
学園長は「けっこう仮面の正体は学園内部にいる」と推理し、なんとか正体を暴こうとする。
「けっこう仮面は誰でしょう」がこの作品のテーマの一つである。
登場人物
けっこう仮面
スパルタ学園の女生徒達が仕置き教師によって体罰をされそうになると、どこからともなく颯爽と現れて救っていく正体不明の女性マスクマン。
なぜ女性と分かるかというと、その姿が顔を隠して体隠さずだから。
首から上をおおう覆面、手袋とブーツ、マフラー、これらは赤一色で統一されている。だがそれ以外は何も身につけておらず、全裸に限りなく近い。
武器としてヌンチャクを持ち、身体能力に優れ、独自の格闘技によって戦う。
ブーツの爪先には出し入れ自在のナイフが収納されている。
大股開きで敵の顔にめがけて飛びつき、呼吸困難に陥らせる。けっこう仮面の股間に目が奪われてしまうので、男性には回避不能。
女子生徒達からは「けっこうのおねえさま」と慕われている。
スパルタ学園の女子生徒や女性教師など、多くの人間が正体ではないかと疑われたが・・・
高橋真弓(たかはしまゆみ)
スパルタ学園の女子生徒。彼女が体罰という名の辱めを受けそうになると、けっこう仮面が登場するのがパターンになっている。
サタンの足の爪
スパルタ学園の学園長。元ネタは月光仮面の宿敵「サタンの爪」。
悪魔の足と爪が描かれた覆面をつけていて素顔は不明。
けっこう仮面の正体を暴くため、身体の特徴を手がかりにしたりと色々考えるが、全て空振りに。
学園経営による収入と、お仕置きという名目で女子生徒にハレンチな行為を行なうのが生きがい。
パロディキャラクター
各回に登場するゲストキャラクターは一部を除き役回り上は悪役であり、他の漫画や映画などのパロディとなっている。
けっこう仮面に倒されると最後に一言「〇〇先生ごめんなさい」と元ネタの作者に謝るのがお約束。
以下、キャラクター名(カッコ内は元ネタの作者と作品名)。
- 血狂魔剣の助(堀江卓「矢車剣之助」)
- 齢十郎(川内康範「月光仮面」の祝十郎)
- 悪童鈴の助(武内つなよし「赤胴鈴之助」)
- 鉄人・似獣八五郎(横山光輝「鉄人28号」)
- 弁教師(海外TVドラマ「ベン・ケーシー」)
- 干病魔(川崎のぼる / 梶原一騎「巨人の星」の星飛雄馬)
- 伊賀谷我利助(福井英一「イガグリくん」)
- 多羅尾番外(映画「多羅尾伴内」)※1
- 墓場下太郎(水木しげる「墓場の鬼太郎」)
- 藤進=まぼろしパンティー(桑田二郎「まぼろし探偵」)※2
- 少女王者・牧村真子(山川惣治「少年王者」)
- 豚馬飛雄(通称・鉄椀オツム)(手塚治虫「鉄腕アトム」)
- 紗琲愛=リボンの志士(手塚治虫「リボンの騎士」)※3
- 島村お嬢&裁縫部009(石ノ森章太郎「サイボーグ009」の島村ジョー)
- オメンホテップ(牧村真子)(山川惣治「少年王者」)
- 丸ゴチエ門(永井豪「ハレンチ学園」)※4
- 佐丹朱実=乳房の小天狗(うしおそうじ「朱房の小天狗」)
- 江口奈々=七エロ仮面(川内康範「七色仮面」)
- 無情ノ介(さいとう・たかを「無用ノ介」)
- 立花(通称・猛劣先生)(寺田ヒロオ「もうれつ先生」)
- ゲリー・パック(河島光広「ビリー・パック」)
- タタリ(白土三平「ワタリ」)
- ザ・ピンクペア(ピンク・レディー&ビューティ・ペア)
- スーパー黄金バットマン(スーパーマン&黄金バット&バットマン)
- ウルトラQ太郎(ウルトラQ&オバケのQ太郎)
- 仮面ライオン丸(仮面ライダー&快傑ライオン丸)
- 朱悪津ネガ太郎(アーノルド・シュワルツェネッガー)※5
- バイオレンスチャック(永井豪「バイオレンスジャック」)※6
- スキ子姫(永井豪「ドロロンえん魔くん」の雪子姫)※6
- ビビルマン(永井豪「デビルマン」)※6
- チヂレーヌ(永井豪「デビルマン」)※6
※1 この回の「片岡先生ごめんなさい」とは、同映画主演の片岡千恵蔵の事。
※2 永井はこのネーミングが気に入ったため、後年自身の作品「まぼろしパンティ」として再登場させた。
※3 パロディキャラの中で唯一悪役ではない。そのためか、この回は「ごめんなさい」はなし。
※4 永井豪自身の作品。「永井先生ごめんなさい」と力尽きた時にコマの隅から「許す」と発言している。
※5 OVA版のみ登場。
※6 永井豪自身の作品「デビルマン」のパロ。漫画「あばしり一家」ゴーモン族の巻の登場キャラ。実写ビデオ版のみ登場。
スパルタ学園
スパルタ学園の授業料は法外であるが、有名高校への進学率100%なため、金を出す親も多い。
ただし生徒達は体罰を含めたスパルタ教育を受ける。その事は親はもちろん外部には露呈していない。
エピソード
タイトルの元ネタは川内康範の「月光仮面」(永井自身、月光仮面の大ファン)。
永井は川内に「けっこう仮面」を描く許可をもらうために川内の元に行ったところ、余りの内容にもかかわらず大笑いした川内からあっさりと快諾されたという。
続編とゲスト出演
姉妹編となる「まぼろしパンティ」にも(最終回のみではあるが)登場。新必殺技「けっこうカンカーン」を披露した。
また「バイオレンスジャック」にもワンシーンのみ出演している。
続編「けっこう仮面P(ピーチ)」も発表されている。
扶桑社版「キューティーハニー」では、原作のけっこう仮面を映画化するとして、その主演女優がシスタージルの分身細胞に取りつかれ、ハニーと対決する。
余談だが、実写版には関根勤が出演している。
主題歌
なおOVAされた際に「モロダシヒロイン けっこう仮面」という歌も作られた。こちらはTVアニメ版「デビルマン」の替え歌になっている。
ちなみに同じ永井豪の「へんちんポコイダー」の主題歌も「人造人間キカイダー」の替え歌になっている。
関連イラスト
関連タグ
月亭方正:絶対に笑ってはいけない名探偵24時で潜入調査という名義でこのコスプレになった(番組内での表記は「ケッコー仮面」)。
おふくろさん:おふくろさん騒動で対比される事があった。