概要
出版社を通じ一般の書店等で販売するものではない、自主制作の漫画や小説(同人誌)、ゲームや音楽(同人ソフト)、模型・フィギュア (同人グッズ)などを発表・展示し頒布する市場である。
コスプレ参加なイベントもあり、交流の場になる場合もある。
もちろんピクシブユーザーが参加しているケースは少なく無い。
知らない一般人からすると「エロ本市」というイメージが強いかもしれないが、実際には評論誌などで食や学問について扱っていたり、日本人形の展示販売が行われたこともあったりと、サークル主の好きが詰まった物に溢れており口が裂けてもエロ本市などとは呼べない。
(まあコミックマーケットの最終日の男性向けはエロ本市なのだが。)
大きく分けて、本当にあらゆるジャンルを扱っているオールジャンルと、特定作品などを扱うオンリーイベントで分けられる。
同人誌即売会への参加
大まかに参加者は3つに分けられる
- 同人作品を見て回る、「買う」目的でいく人は、「一般参加者」
- 同人作品を発表し「頒布する (配布する/売る)」人は、「サークル参加者」
- イベントの主催者や運営手伝いなどで参加する場合は、「スタッフ参加者」
コレ以外にコスプレ参加などの入場方法が設けられている場合もある。
いずれにせよ、同人誌即売会に参加したい場合は、必ず各イベントごとに「開催概要」を確認しよう。
一般参加者について
当日は、「カタログ」(または「パンフレット」)と呼ばれる冊子が参加者の道案内役となり、また入場証としても扱われることが多い(再入場の際に必須の場合が多い)。
入場の際に購入することが多いが、イベントによっては事前入手が可能な場合もある (当日より高額の場合あり)。
この冊子には、当日のスケジュールや企画内容、参加者への注意事項、参加サークルの一覧や頒布概要 (サークルカットの形で掲載)など、そのイベントについての重要情報が記載されている。
昼に開催されることが多いため、昼食の確保が望ましい(会場内では飲食禁止となっている場合が多いため注意)。
よく言われることだが、一般参加者は「即売会の参加者の一人」であり客ではない。マナーの悪い参加者は出禁になることもあるので迷惑行為にあたる行動は控えるように。
現在のコミックマーケットにおいては「アーリーチケット」など入場の時間ごとにチケットが分けられている仕組みとなっている。
かつては早く来た順に並べる仕組みだったので徹夜組が横行していたが、現在では見られない。
その他の同人イベントでも、徹夜組が周囲に迷惑をかけるのを避けるため、先行来場者を後に入れるペナルティなどが見られる。カタログをよく読んで来場時間を遵守しよう。
pixiv内には同人誌即売会などのイベント開催やユーザの参加情報を登録する「イベント」のページがあるので、そちらも参考に。 →pixiv「イベント」ページ
持ち物
まとめられているイラスト等もあるので参考に
アクセス
主要な会場へのアクセス方法。詳細は各社HPにて。
【東京ビッグサイト】
- りんかい線「国際展示場」駅
- ゆりかもめ「東京ビッグサイト」駅(直通だが混雑する)
- 都営バス 都05-2
- 空港直通のリムジンバス
【インテックス大阪】
- ニュートラム「中ふ頭駅」
- 大阪メトロ「コスモスクエア駅」
遠方からの場合は会場の真横にホテルがあるためそっちに泊まった方が早い。
サークル参加者について
主に本やグッズを頒布する立場である。
申し込みからの流れ
※記載内容は一例です。イベントによって異なるため詳細は主催者のWebサイトをご確認ください。
基本的な申し込みはcircle.msを利用するのが一般的。クレカやコンビニ払い等で料金を支払うことと、サークルカットの準備、情報の入力をする。
なおサークル参加は有料で移動費・印刷費等を含めると8割のサークルは赤字。基本は趣味の世界だ。なお人気のあるイベントは定数超えを起こしやすく、参加可否は主に抽選や先着順で決定される。
一般には印刷所にオンデマンド印刷として印刷所に印刷を頼み、直接搬入してもらうのがお手軽。冊数が多い場合や高品質印刷したい場合はオフセット印刷をする。
対応していない印刷会社の場合や、直接搬入されないグッズ、また前回の在庫などは、宅配での搬入となる。イベントごとに違うがコミックマーケットの場合は佐川急便が受け付けている。基本的に期間が短いので注意すること。(詳細はコミケットアピールを参照)
自力での搬入も禁止ではないが大きな負担となる。一冊では軽くても数があると案外重くなるのでケチらず業者に依頼しよう。
とらのあな、メロンブックスなどに委託をお願いしている場合、その分を直接搬入してもらう事ができる。在庫移動依頼を各フォームから依頼しよう。ただし、直前になると繁忙のため受付を停止してしまうのでお早めに。
描き始めは、印刷所の締め切りはイベントの半月~一月前ぐらいなので、そこに逆算して間に合わせるようにしよう。ペースに慣れない初心者は当落発表前から既に描き始めていることも多い(とはいえ、ギリギリに割増料金で入稿するいわゆる「極道入稿」の猛者もいる。)。
近年ではコミケ・COMIC CITYの時期重複により印刷所が受付を停止した事例もあるため、大型イベントの時期は通常より早めに入稿しておくと安心。
また早期入稿を行うと割安になる印刷所もある。なるべく早めのほうがいいだろう。
おまけを刷りたい時、本当に間に合わない時はコピー本を作るのもいいだろう。無料のペーパー等を準備するサークルもある。
イベント前にサークルチケットが送られるのでなくさないように。これがなければ当日に一般入場しなければならないので準備が出来なくなる。ただし5日前になってもパスが届かない場合、郵便事故の可能性があるので、その場合主催者に連絡する事。また、どうしてもなくした場合でも当日言えば入れる場合が多いが、出禁等のペナルティを貰う場合が多い。
イベント当日では、まず見本誌を提出する(しないイベントもある)。特にR18作品などでは、サークル参加者をわいせつ物頒布等の罪等にしないための措置である。
開幕前は準備をして、知り合い等と本を交換したりして過ごそう。
開始時間が来たら与えられたテーブルで自分の作品を頒布する。釣銭、売上箱、筆記具等、必要な物は持参する事(下に例あり)。
更にコミックマーケットのような大きなイベントではとらのあな、メロンブックス等が頒布残りを直接委託の在庫にしてくれる直接搬出サービスをやっていることも。これを利用すれば自分では直接在庫を抱えずにイベントに参加できる。
そうでない場合は宅配で搬出しよう。
直接手や搬出してもいいが、冊数によっては重いのでやめたほうがいい。
余剰チケットによる特典?
当然だがサークル参加している人は買い物が出来ない都合上、余剰となる人が先行入場の利を活かしてお買い物列に並べる、というのが一種の特典の様になっている。シャッターサークルなどの人気サークルの抱き枕カバーなどの布物などはサークル参加者のお使いだけで売り切れということも少なくはない。
なお一部イベントでは開場前の頒布が禁止されていることもある。実態としては守られていないことも多いが、なんらかの措置を食らう可能性もないとは言えないため規約をよく確認するように。
この先行入場の特典を得るためだけに本を出さずにサークルを出すダミーサークルが存在するが、一般的にこれをやると次回から出禁になる。絶対にやらないように。
サークルの設営
まとめられているイラストが複数ある
とにかく、あらゆる小物を差し置いて一番大事なのは、サークルスペース後ろの大判カラーポスターだと言われる。同じ人の本でも、ポスターがあるかないかで10倍売れ具合が違うというデータがあるレベルである。
ポスターが無い場合、サークル番号が分かりづらく、買い手側がサークルを見つけづらい為、用意しておくことが望ましい。
なお立てるのに同人イベントでみんながよく使っているアレはPO.SU.TAである。それ以外はamazon等で購入しよう。
大前提として参加者や近隣サークルの迷惑となるような設営は禁止されている。
例えば他のサークルスペースや通路にはみ出すような展示、大音量を流す、危険物や規定で禁止されたものの配布は当然できない。
なお東京での開催の場合は都条例の影響で、ポスター(及び立てている本)には性器だけでなく乳首も修正が必要となる点で注意が必要。
サークルの序列
同人誌即売会におけるサークルの配置はランダムでは無く、人気のサークルほど列を伸ばすスペースの確保出来る外側に置かれる傾向にある。
そのため、「島中<誕生日席<偽壁<壁<シャッター」の順番で大手となっている。
当然、大手のほうがクオリティが高い傾向にあるが、その分混むので数は回りにくくなる。
R18について
R18の頒布物は法令でいくつかの制限が設けられており、例えば無修正だとわいせつ物陳列罪、未成年に頒布すると青少年健全育成条例の違反となる場合がある。イベント主催側でも同様のルールが設けられている場合が多い。
該当する本の頒布を行う場合、後者の対策として身分証等での年齢確認を求めることが一般的である。購入者ではなく頒布者に責任が問われるため、口頭確認や自己判断ではなくしっかり確認することが重要。
イベント・印刷会社によってはR18の受付自体が不可能だったり、表紙にR18明記が求められる場合もある。
スタッフ参加者について
仕事内容は、机や椅子を並べる。サークルの受付をする。会場の案内。列の整理。会場内警備。搬出入の荷物の受付や整理。後片づけ等、かなりハードである。
無修正の本を頒布させないことで、サークルがわいせつ物頒布罪に問われないように守る立場でもある。(よく言われる、嫌がらせをしている訳ではないので注意。)
イベントによっては一般募集をしている。ボランティアの場合も数多い。
ハードなのになんで参加しているのかと問われれば、同人イベントによっては、金銭の代わりとなる特典が用意されていることもあるためである(もちろん学園祭等のノリという人もいる)。なおスタッフは買い物が出来ないが、休憩時間等に買いに行ける場合もあるので、ある意味一番イベントを楽しんでいる立場かもしれない。
開催当日の朝から設営の場合が多いが、規模が大きなイベントになると開催前日に設営する形が大半。
特に主催側は開催に至るまでのプロセスが非常に大変。開催会場・規模・費用・スケジュール・必要人員や担当・必要な事前準備・交渉など、ありとあらゆることで神経を使っているため、想像以上の負担がかかっていることが窺える。
主催の代表も1人の人間なので、環境の変化などで代表交代という例も。
アフターイベント
同志を持った当日の参加者が1つの会場に集まるという貴重な機会のため、即売会終了後のお楽しみイベントとして設けられる場合がある。
- 参加者(主に主催側やサークル)から提供された同人誌やグッズ、色紙といったものを手に入れられるチャンスが来るかもしれない「抽選会」「じゃんけん大会」
- 音楽系サークルによる「ミニライブ」
- 大手サークルや主催側による「トークショー」
など。
企業ブースについて
コミックマーケットなど大きな同人イベントには企業も参加している。会場限定の公式グッズなどを販売している。企業ブースを参照。
同人という文化に不慣れな初心者などにオススメされることも多い。
同人誌即売会に関するタグ
同人誌即売会の名称を登録したpixivのタグは多く、その即売会に参加するサークルがサークルカットや頒布物の画像を登録する際に、ジャンルタグやサークルカットタグと共に使用される。ここではその一部を紹介する。
オールジャンルイベント 頒布物のジャンル・属性を問わない同人誌即売会
COMIC CITY(コミックシティ) ※1
※1:オールジャンルイベントという位置付けではあるが、作品オンリーの集合体という形をとっている。
オンリーイベント 特定のジャンル・属性に限定した同人誌即売会
COMIC CITY内の各オンリー