曖昧さ回避
- 英米語で紙、新聞、書類、証明書、論文、試験問題やその用紙の意味。Paper。
- 何らかの免許を所持しているがそれを仕事や生活に利用していないこと。「ペーパードライバー」など、後ろに単語を付けて使われることが多い。ただし、日本語での使われ方である。ペーパードライバーの場合は、_I have a driver's license but I don't drive.…と表す。
- インフォメーション・ペーパー?同人活動における宣伝用チラシのようなもの。カット+文字情報という構成が多い。たいてい無料頒布。「チラシ」や「ビラ」と呼ばない理由は、商業用のものと分ける為であろうか。
- 林家ぺー・パー子夫婦のこと。
当記事は『3』の同人活動に於けるペーパーについて述べる。
ペーパー(同人)
主に同人誌即売会などで配布されるフリーペーパーの一種(ほとんどが無料配布)。
サイズはA5かB5が主流で、表裏2ページかA4、B4を2つ折りにして4ページが多い。
下手な同人誌よりも量のある小冊子で発行しているところも。
同人誌を買うとおまけにつけてくれる事が多いが、『ペーパーはご自由にお持ちください』としているサークルもある。通販で頒布物を購入するとサークル側が勝手に同封してくることもある。
SNSが当たり前になる前の時代では、ペーパーの発行はほぼ当たり前のような空気の文化であった。
内容は日記めいた近況、イラスト(お題募集する場合も)、最近の萌え語りなど現在は個人ウェブサイトやSNSなどで行われているようなものが色々詰まっている。
定期発行しているサークルはペーパーにタイトルをつけており、サークル名やペンネームに続くネーミングセンスの見せ所だった。
重要なのが同人誌自家通販のカタログとしての面である。
タイトル、ジャンル、概要と判型、重量、それぞれの在庫、そしてサークルの連絡先···今はにわかには信じられないだろうが、住所と本名(中には私書箱を利用している人もいたが)などの通販に必要な情報が掲載されていた。
自家通販する際はまず、自分宛の宛名を様まで書き、切手を貼付した返信用封筒を送ってペーパーを取り寄せ、在庫確認するのが作法だった。返信用封筒ではなく裏面に両面テープを貼付したり、ラベルシールを利用した『アテナカード、宛名シール』を利用する人も。
中には、サークル情報ペーパーと通販用ペーパーを別個に発行しているサークルがあったりと千差万別だった。
ペーパーの定期購読を実施しているサークルもあり、同人誌通販のように定額小為替を送付すると一定期間発行ごとに送ってくれたりした。
このあたりは同人誌が会員制サークルの会報だった名残を残していたといえるかもしれない。
同人誌を手に入れるにはイベントで直接頒布を受けるか自家通販(ネット以外での)しかなかった時代であり、サークルも読者も顔を知っていたのでフリートークは割とあけすけな内容であった。高校で活動開始→受験で休止→合格で再活動→たのしいがくせいせいかつ→就活の愚痴→就職→仕事の愚痴→結婚→出産育児で引退という人生が赤裸々に描かれたのを見た事があるが、それはSNSも同じだろうか。
ペーパーの取寄を依頼された際に友達や知り合いのペーパーを同時に送る事もあり、なにしろインターネットなど無い御時世で新ジャンルの開拓にも限りがある時代だったので、新しいサークルの開拓に寄与した一方で詰め込みすぎて郵便料金不足、受取人が払ったり拒否されて送り返されたりという悲劇にもなっていた。
なかにはペーパー発行部数や配布実績を書いているサークルも。
オフセット印刷の場合はその印刷所の印刷を測るバロメータとしても機能していた。
もちろんペーパー印刷のセットを用意している印刷所もあった。印刷所にとっては便箋と同じようなものである。
インターネットへの過渡期にはFAX情報サービスに登録しているサークルもあったが、家庭用FAXは感熱紙の時代である。
インターネットにその役目を奪われた面もあるものの、現在もサークルのセンスや世界観を反映したペーパーが発行されている。
インターネットと相互補完的にサイトやSNSがある場合はアドレスを書いてある場合も多く、中にはアドレスのQRコードを書いたカードやポストカードをペーパー代わりに配るサークルもいる。