概要
論文(英: paper)学問の研究成果などをまとめた文章。ある程度の論理性と形式性が求められ、意見、感想などを形式にとらわれずまとめたものは「エッセイ」という。
論文の種類
原著論文
自らの研究成果をまとめた論文(著者が複数いてもいい)が、原著論文(original article)である。原著論文のうち、査読(peer review)を経て学術雑誌(academic journal)に掲載されたもの(学術論文)が、学問の世界では業績として認められる。
査読とは投稿された論文をその学問分野の専門家が読んで、内容の妥当性を判断するプロセスである。査読によって論文の根拠となるデータや論理的整合性の不備は指摘できるが、追試は行わないため、実験プロセスの不正や調査データなどの捏造までは完全に見抜くことはできない(もちろん、明らかに従来の知見と違うデータであればツッコミが入るが)。
学術雑誌といっても、分野内での影響力の強さ(インパクトファクター)によって権威に格段の差があり、その中には、論文掲載料を得るためだけに刊行され、まともな査読を行わない「ハゲタカジャーナル」(predatory journal)なるものもある。査読を通らないような論文でも掲載料を支払うだけで発表できるため、真っ当な研究者が不用意にハゲタカジャーナルに論文を掲載した場合、信頼を失う危険がある。
学術論文は査読に時間がかかるため、学術雑誌には査読を経ずに研究成果を簡単に報告するレター(letter)という形式の投稿欄も設けられている。競争の激しい分野で、業績の先取権を早く確保したい場合や、その分野の研究者に成果を早く伝えたいために用意されている。レターは後から論文としてまとめ直され、他の研究者の検証を受けることになる。
原著論文以外の論文
原著論文ではない論文として、他の著者の先行研究をまとめた総説論文(レビュー)がある。通常は査読がないか、あっても簡易的なものである。総説が全く評価対象とならないわけではないが、一般に研究者の業績としては格下とみなされる。修士論文や博士論文などの学位論文は原著論文ではなく総説論文である場合も多い。
研究成果ではなくある主題について論述したものを小論文(レポート)といい、入学試験、入社試験などで課されることがある。
Wikipediaにおける論文
インターネット百科事典であるWikipediaは独自研究が禁止のため、論文の発表の場とすることはできないが、査読を経た論文を出典として利用することができる。
pixivにおける論文
pixivではイラストや漫画作品の他、小説投稿機能を利用して論文を投稿することができる。
ピクシブ百科事典はWikipediaと異なり、独自研究を禁止しているわけではないが、「みんなでつくる百科事典です。」と謳っていることから、論文の投稿は私物化と見なされる可能性があり、ふさわしくない。個人名の論文はpixiv小説に投稿するべきである。
過去には漫画機能を使って投稿したレポートをピクシブ百科事典に転載したものが自演記事と見なされて白紙化されたこともある。しかし、過去の他の著者の研究成果を端的にまとめたレビューのような記事は(あまり膨大になりすぎなければ)歓迎される可能性がある。