概要
1994年に秋葉原で1号店を開店した、古参の同人誌販売店。略称は「とら」など。
現在全国で20店舗を持つチェーンとして展開。
2013年に組織変更を行い、経営母体の「株式会社虎の穴」は持株会社「ユメノソラホールディングス株式会社」(ユメ(ノ)ソラ)の傘下企業となった。ユメ(ノ)ソラ設立直後にゲーム会社「株式会社アクアプラス」がグループ会社になり、とらのあなとは兄弟会社になっている。
2014年にポイントカードの仕様変更が行われ、ポイントによる現金値引きが不可能になった他、サークル用に発行されていたカードも廃止された。
2017年には、夏コミにスペースを出した事でも話題となった叶姉妹がCMに出演している。
近年では通信販売やFantiaといったオンライン事業へと力を入れており、新型コロナウイルス流行に伴う販売不振の影響もあって実店舗は縮小傾向にある。かつては北は札幌、南は福岡に至るまで幅広い店舗網を持っていたが、2020年以降閉店が相次ぎ、現在は東京・大阪・名古屋の三大都市圏への展開に留まっており、依然として全国に広く展開するメロンブックスとは対照的な状況にある。
一方、2020年5月から2021年4月のオンライン事業における流通総額は200億円を突破しており、事業構造改革は順調に進んでいる様子。実店舗についても、今後は単に物を売る場ではなく、「クリエイターの創作を支援する場」として新たな形で活用していく方針とのこと。
そして2022年7月5日、コロナ禍の影響により同年8月31日をもって秋葉原店A、新宿店、千葉店、なんば店A、梅田店の閉店に加えて名古屋店の再出店も断念することが発表された。
前述の通りオンラインと実店舗での収益の乖離が原因であり、これからはオンライン事業により一層専念していくと発表しており、これも生存戦略の一環ではあるもののやはりさびしい感情は拭い去れない。
なお、池袋店と海外唯一の店舗である台北店は引き続き存続しており、池袋店では女性向け同人誌を中心にこれからも運営するとしている。
マスコット
店舗およびマスコット
北から順に記載
池袋店
いわゆる乙女ロードではなく、首都高5号線の西側、サンシャイン通り沿いに位置する。2021年には、秋葉原店の業態転換に伴い、女性向け総合フロアとしてリニューアルされた。
店舗マスコットは「美虎」。
※以下の店舗は出張所扱い。とらのあなのポイントカードが使用できない、取扱商品数に限りがあるなどの制限がある。
つくば
正式には「とらのあな出張所 in WonderGOO つくば店」。店内面積は30坪と出張所としては最大規模。
立川
正式には「とらのあな出張所 in オリオン書房アレア店」。その名の通り、駅前の商業施設アレアレア内にあるオリオン書房店内に同居している。2020年2月に閉店された立川店に替わる形で同年9月にオープンされた。
豊橋
精文館書店本店に同居。精文館書店本店専用ポイントカードを使用できる。
静岡
駿河屋静岡本店に同居。立川同様、2020年に閉店された静岡店に替わる形で2021年にオープンされた。
閉店済みの店舗
秋葉原店
とらのあな発祥の地であり、多い時期には五店舗、つい最近もA・B・Cの三店舗を構えていたが、入居しているビルの建て替えや実店舗縮小の動きを受け、これらのうちB・Cが2021年に閉店された。最後はAのみの運営となっていたほか、女性向け同人誌の扱いも取りやめとなっていた。
【KING OF POP】という登録参加型の企画が行われており、自分が推したい商品のPOPが客自身が店員に代わってかけるというものである。秋葉原店に来客出来る人全員が参加出来て、POPを提出すると共に、ペンネームカードが配布され、同時にIDが振り分けられる(対象商品は取り扱い商品全部)。
店舗マスコットは「虎々」。
閉店当日の2022年8月31日、多くの利用者が最後の瞬間を見届けようとA店前に集結。閉店時間となり、店側が最後の挨拶を行うさいには温かい拍手が送られ、秋葉原のランドマーク的存在であった店舗の幕引きをシャッターが降りるその時まで惜しんだ。
今後はイラスト展が開催できるギャラリー型店舗として再出店を模索するとしている。
新宿店
かつては西口と東口にそれぞれ店舗があったが、西口の方は2016年に閉店となっている。
店舗マスコットは「ルゥ姉妹」。
2022年8月31日に閉店。
千葉店
2022年8月31日に閉店。
梅田店
アニメイトやメロンブックスが街の北西側に店舗を構えているのとは対照的に、ゴリゴリの飲み屋街であるお初天神商店街の中にある。
2022年8月31日に閉店。
なんば店
いわゆるオタロード沿いに店がある。もともとはなんばA店で、以前は堺筋側にB店があったのだが、こちらは2021年4月に閉店された(なぜか公式サイトはまだある)。
2022年8月31日に閉店。
札幌店
アニメイトやメロンブックスが入居する「丸大ビル」の隣に位置し、北海道オタク文化の中心地を形成していた。2021年6月30日をもって閉店。
店舗マスコットは「まりも」。
仙台店
2020年8月31日をもって閉店。
店舗マスコットは「大場沙羅」。
新潟店
進出時は美容院やらブティックやらカフェやらが軒を連ねるファッション街である万代にあった。周りを見渡すとシュール感が半端なかったが、2019年11月に新潟駅により近い東大通に引っ越した。
2020年7月31日をもって閉店。
店舗マスコットは「虎雪」。
宇都宮店
2017年12月に開店したが、2年と経たない2019年8月31日をもって閉店。
大宮店
アニメイトやメロンブックスなどが密集している西口側ではなく、東口側の大宮銀座通り沿いに店舗を構えていた。
店舗マスコットは「鉄虎」。
2022年1月に閉店。
八王子店
2016年3月に閉店。
立川店
2020年2月に閉店。先述の通り、立川にはその後、出張所がオープンしている。
吉祥寺店
2008年から2009年にかけて1年間だけ営業していた。おそらくとらのあな史上もっとも寿命の短かった店舗。
町田店
2016年に一度閉店したが、2018年になって復活。2020年8月31日をもって2度目の閉店を迎えた。
横浜店
2020年8月31日をもって閉店。
店舗マスコットは「虎鈴」。
湘南藤沢店
宇都宮店同様、2017年に開店し、2019年8月31日をもって閉店。
静岡店
2020年6月30日をもって閉店。立川同様、その後出張所という形で復活している。
店舗マスコットは「葵」。
名古屋店
2002年に中区の栄(地下鉄の駅としては久屋大通の方が近い)にオープン、2013年に名古屋駅近辺(所謂『名駅』)へ移転している。名駅時代の店舗はビル自体の設計上の仕様とは言え、前店舗と比較してフロア内・階数共に狭くなっている。
なお、名駅時代の店舗のすぐ隣にはライバル社であるメロンブックス名古屋店がある。
2021年10月をもってビルオーナーとの契約更新が成らず閉店、僅か8年との頃より短い期間であった。
その後再出店を目指していたが、2022年7月に断念することが発表された。
栄時代の店舗だったビルはアムウェイ・プラザが、名駅時代の店舗だったビルには表参道メディカルクリニックが入居している。
京都店
2020年8月31日をもって閉店。かつては寺町通沿い、四条通を下ったあたりに店舗を構えていたが、その後、四条通を挟んで北側のアーケード商店街に移転していた。
店舗マスコットは「琴虎」。
三宮店
2020年6月30日をもって閉店。オープンは2001年と、古参の店舗だった。
岡山店
2022年1月をもって閉店。三大都市圏以外では最後の店舗だった。
広島店
2021年6月30日をもって閉店。
福岡店
2020年7月31日をもって閉店。
店舗マスコットは「まつり」。
※以下の店舗は出張所扱い。
松戸
2016年に閉店。
良文堂書店内に同居しており、良文堂書店のポイントカードを使用できた。
船橋
2016年に閉店。
ときわ書房本店に同居しており、やはりときわ書房のポイントカードを使用できた。
余談
名前の由来は明確にされていないが、恐らくは「タイガーマスク」に登場する非合法組織「虎の穴」だと思われる。
「限られた場所と日数だけでの販売は許可する」という形でアマチュアディーラーにメーカー側が版権関連の規制を課さなかった同人誌やガレージキットを「常時販売する店舗」というグレーゾーンな立ち位置を皮肉った名称・・・なのかは不明。
関連タグ
アクアプラス(Leaf):とらのあなと同じくユメノソラホールディングス傘下。後にCRESTの子会社となる。