虎の穴とは――
- 『虎穴に入らずんば虎児を得ず』という故事から派生した言葉。虎の巣穴の事。転じて、危険な場所の事
- 梶原一騎原作の漫画『タイガーマスク』に登場した悪役レスラー養成所。
- 日本の同人誌ショップ及びコミックとらのあなを展開する株式会社虎の穴
『タイガーマスク』に登場する「虎の穴」
梶原一騎原作のプロレス漫画『タイガーマスク』に登場するプロレスラーの養成機関。
悪役レスラーを専門に養成し、訓練生には残虐な反則技を主体としたダーティーファイトを徹底させるという異色の組織。
卒業後は「虎の穴」直属の悪役レスラーとして所属し、鉄の掟によって縛られる。
本部はスイスにあり、10年計画で一人前の悪役レスラーとして育成されるがそのトレーニングの内容は過酷を極め、マトモに生き残れるのはほんの一握り。
まず前期5年半の基礎訓練の段階で全体の3分の2が死に、残りの半分が再起不能になる。これに耐えて生き残った者も、残りの後期4年半で前期をはるかに凌駕する想像を絶する地獄のトレーニングによってほとんどが脱落し、10年後に生きて卒業できるのはごくわずかであるという。
一例を挙げると、
などといった、「そりゃ死ぬわ」と言わんばかりの代物。
なおこれはあくまで後期のトレーニングであり、前期のトレーニングはこれに比べると天国のように優しい一般の格闘技レベルの基礎訓練であるが、それですら前述の通り全体の6分の5が脱落する始末である。
ちなみに卒業試験では、毒蛇の巣、煮えたぎる鉛の池、燃えるガソリンの池、針の山といった地獄の間に存在する、1人が立てる程度の大きさしかない安全地帯めがけて、高速で回転する円盤の上から飛び降りねばならない。これはもう、死なない方が不思議な危険極まりない曲芸である。
かなり巨大な機関らしく、その活動は世界中に及んでおり、原作者によれば世界を裏で動かす一大シンジケート「虎」の末端組織の一つという設定がされていた。
原作・アニメ版共に最終的に壊滅しているが、その展開はそれぞれ異なっている。
原作版ではミスターXがタイガーマスクファンの子供を人質として誘拐した際に、単身で乗り込んだタイガーマスクと彼に助勢した馬場、猪木、大木、吉村、上田、小鹿ら日本のプロレスラーたちによって壊滅させられた。
アニメ版では「虎の穴」のボスでもある最強の刺客、タイガー・ザ・グレートの敗死によって崩壊したという描写がなされていた。
※しかし続編であるタイガーマスク二世及びタイガーマスクWでは復活している。
ちなみに『二世』では原典での『悪の組織』としての側面は全く見えず、単に滅茶苦茶厳しいプロレス道場程度の描写になっており、『悪の組織』としての面は同作での敵組織である『宇宙プロレス連盟』が担っている。
実写映画版ではプロレスではなく地下格闘技が題材となっており(原作におけるカミカゼ編のパリ地下プロレスが近い)、虎の穴以外にも数多存在する似たようなスパルタ道場で育成されたレスラーとのデスマッチを見せ物にして金を稼いでいる。
こちらでも裏切り者の直人に対してはちびっこハウスを焼き討ちにするなど非道な制裁を下している。
「虎の穴」三つの掟(wikipediaより抜粋)
- 「虎の穴」出身のレスラーは常に残虐非道な悪役としてのファイトしか許されない。彼らにとって相手を叩きのめしての反則負けは勝利であり、反則勝が敗北なのである。
- 「虎の穴」出身のレスラーはファイトマネーの50%を上納金として組織に納めなければならない。
- これらの掟を破ると裏切り者と見なされ、他の「虎の穴」出身の刺客レスラーからリング上で恐るべき制裁(他のレスラーに対する見せしめも兼ねている)を受ける。
たとえその刺客に勝ったとしても、刺客レスラーとの対戦は次から次へと組まれ、ほとんどが重傷を負わされて再起不能になるか、廃人になる。仮に一命を取りとめても、最後にはリング外での事故に見せかけて暗殺されるので「裏切り者には死あるのみ」。
タイガーマスクも勿論それは知っていたが、彼は愛する子供たちを救うために、組織に上納する予定の金を「ちびっこハウス」の借金返済に使ってしまい、「虎の穴」の刺客から命を狙われることとなった。
ちなみに
カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンといった日本でも有名なレスラーを育てたビリー・ライレー・ジムが通称「蛇の穴(スネーク・ピット)」と呼ばれていた。
関連タグ
男塾:こちらはヒーロー側の養成機関であるが、実質的にタイガーマスクにおける虎の穴と似たような地獄と言える。