概要
窒素1分子に水素3分子が共有結合した無機物質。常温常圧では気体である。
日常生活では尿素が分解して生成するものとしておなじみである。
アンモニアの語源はアメン・ラー。動物の糞を乾燥させ、火をつけた時の臭いを何の臭いかと問われ、「ラー=アメン(アメン神)の匂い」と答えた事によると言われている
性質
非常に水に溶けやすい。また不快な刺激臭を放つが、この臭いは環境基準の検査項目のひとつにもなっている。
濃度が高いものは燃える(可燃性)。また水に溶かすとアルカリ性を示す。
価電子が2個余っているので化学反応性が高く、酸と化合物を作りやすい。
利用
アンモニアは、尿素などの窒素肥料や火薬などの原料として重要である。
塩酸と化合した塩化アンモニウムは、食品添加物(ふくらし粉)として使われる。
その他
魚は環境中、すなわち海や河川などにアンモニアを垂れ流ししている(要するに彼らの尿なのだが)。いいのかこれで(どうしようもないだろうが)。
エイやサメ、イカの仲間は筋肉内に尿素やトリメチルアミンオキシドなどの窒素化合物などを蓄積しているものが多いが、死んだ後にこれらの物質が分解してアンモニアが生成される。イカやサメの独特の臭みはこれに由来する。
わざわざアンモニアの臭みを出して風味とした食品もあり、韓国のホンオフェは有名。
ただしアンモニアの比重は水よりも軽いため、浮力を得るために海洋生物が体内に持つのは理には適っている。
ダイオウイカなどの大型のイカは特にこの成分を多く含むために、食用には適さない。