つづりはsahuagin、またはsahagin。
サフアグン、サヒュアジンとも表記される。
概要
水中に棲む、いわゆる「半魚人」。
主に海に生息するが、まれに淡水域、更には陸上に棲む亜種も登場する。
鰭に当たる部分が人間の四肢のようになっており、直立二足歩行する。モリやトライデントなどの武器の扱いに長ける。
海に棲む魔女の一種であるシー・ハッグ(Sea Hug)がモデルだと言われる。
テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」 (D&D)に登場する種族が初出。その後コンピュータRPG(スクウェア・エニックスのファイナルファンタジーシリーズなど)にもモンスターとして登場する。
D&D(正確には版元のTSR社)はオリジナルモンスターの版権に厳しく、かつて「ビホルダー」を巡り各方面で揉めた事もあるが、何故かサハギンに関しては特に問題なくそのまま名称が使われている。
また名称は異なるが同様の特徴を持つモンスターもおり、ゲームに限らず映画や小説にも多数登場する。
例としてクトゥルフ神話のディープワン(深きもの)、TRPG「ガープス・ルナル」のディワン、ゲームブック「ソーサリー」シリーズの魚人など。
D&D
細身の体型で、頭頂部から背中にかけて背びれを持つ。全身は鱗で覆われ、両手足のヒレを使って水中を高速移動できる。
陸上での活動には制限がある為、ほとんどを海中で過ごしている。
雄の平均は約180cm、体重は約90kgほど。寿命は長く、600年生きる個体も確認されている。長く生きれば生きるほど巨体となる。
雌は雄よりも小柄で、6週ごとのサイクルで2つの卵を産む。3週間ほどで孵化して海中で成長し、成体になるまで6~8週間となるが、生存競争により厳しく淘汰されている。
また雌の寿命は雄よりも短く、それでも平均して200歳ほどまで生きる。
総じて残忍な性格をしており、「海の悪魔」として恐れられる。
「魔の鮫」こと、秩序/悪の神セコラを崇拝。海に生きる種族の中では最大勢力を誇り、アクアティック・エルフやトリトンを初めとした全ての他種族と敵対関係にあるが、唯一サメだけを友と認識し、テレパシーで簡単な意思疎通が出来る。
戦闘において自分であれ相手であれ血が流れればその匂いに狂乱し、どちらかが死ぬまで戦い続ける。
突然変異体として、4本腕のサハギンが生まれる事がある。他の同種と比較して強い傾向にあり、往々にして貴族として支配者層に君臨している。
またごくまれに、アクアティック・エルフの姿をしたサハギンが生まれる。これはマレンティと呼ばれ、邪悪な本性を隠しつつ、他種族社会に潜入してスパイとして活動する。
家父長制社会が構築されており、海中に築いた要塞を根城とし、たびたび沿岸部の居住者に襲撃を繰り返している。
ソードワールド2.0
蛮族に属する魚人。
同じく魚人でありギルマンの奴隷としてこき使われており、臆病だが狡猾な性格をしている。
アリアンロッドRPG 2E
知的種族であり、ギルマンを共通の敵とした人間とは友好関係を構築している。
『スキルガイド』導入でプレイヤー種族として選択可能。
ファイナルファンタジーシリーズ
初代以降、複数の作品に登場している。
FF4では、カイポの街にて死んだ恋人アンナを想いリュートを演奏するギルバートに襲いかかるが、アンナの霊に励まされたギルバートにより退散。
「うっ ぐぺぺぺぺーっ!」という頓狂な断末魔で、妙な存在感を示した。
FF11では、「ジラートの幻影」で追加。見た目はかなり魚寄り。
エルシモ島の西部沿岸地域に分布する水陸両棲の獣人で、原始的な漁労生活を営む。
排他的な種族で、闇の王の呼びかけにも当初は応じなかったが、人間からの侵略の可能性に怯えてクリスタル戦争に参加。バストゥーク港への破壊工作を行い、多くの艦船を航行不能に追い込んだ。
戦後はほぼ外部との接触を断ち、近隣の海賊と物々交換を行うにとどまっている。
FF14では、旧版から登場。
水神リヴァイアサンを信奉する獣人族。女王を頂点とした母系社会を構築している。
女王が産む卵によってのみ繁殖し、卵を授かるのは雄にとって最高の栄誉である。必然的に生まれる子は宝であり、幼体はエラ呼吸が出来ない為に沿岸部の育成地で育てられる。
しばしばリムサ・ロミンサや海賊と関わりを持ち、洋上で船を襲撃する為に恐れられた。
ラノシア西部の「蒼茫洋」に巨大都市を形成して繁栄していたが、第七霊災で壊滅的な被害を受け、種族の存亡をかけて新たな産卵地を求める。
その結果、西ラノシアのハーフストーン沿岸に侵攻し、リムサ・ロミンサとの間で争いとなった。「新生」終盤ではアシエンにそそのかされてリヴァイアサンを蛮神として召喚するが、光の戦士によって討滅される。
その後「漆黒のヴィランズ」パッチ5.5でメルウィブ提督が獣人族との融和策に乗り出し、更に「暁月のフィナーレ」ロールクエストで新たな産卵地を提示された事で、両者の関係は大きく変わることとなる。
「友好部族クエスト」(旧:蛮族クエスト)では、「種族全体の危機にあってヒトと対立する事は出来ない」とするサハギン・ノォヴとその家族が登場。別部族のサハギンから襲撃され、海に放り出された人間の子を保護して届けた事をきっかけに、光の戦士との交流が始まる。
ノォヴはかつて「紅珊瑚の海魔」として恐れられた戦士だが、ある事件をきっかけにヒトとの争いから身を退き、家族と共に暮らしている。ラノシアオレンジが大好物だが、自分よりも先に息子達に分け与える良き父。友好度が深まるにつれて光の戦士を「大切な息子/娘」と認識し、家族として扱う。
「漆黒のヴィランズ」ではオンド族の名で登場。コルシア島近海の海底に暮らし、陸上と積極的に関わりは持たないものの、たまに物々交換をしに漁村を訪れる。ヒトとは敵対関係ではなく、ちょっと珍しいお客様くらいの感覚。
原初世界同様にオレンジが大好物で、何とか海の中で育てられないか研究する者もいる。