概要
魔界の魔獣の内でも太古の種族
地下や荒地・迷宮等に現れる
(『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』第2巻より引用)
正式な表記は「鈴木 土下座エ門」だが、ネット上では記事タイトルの誤表記が非常に多い。
劇中のセリフ内での呼称は「土下座ヱ門」(どげざえもん)であるが、データ等が記載された「うんちく」欄での表記は「鈴木 土下座エ門」(すずき どげざえもん)と、劇中でも表記が混在している。本記事のタイトルも誤記であるが、こちらの表記での検索が多いであろうからそのまま使用している。
『闇の反逆軍団編⑨「焦燥」』に登場。
邪神アンスラサクスの活性化の余波で物質世界に実体化したとされ、ニンジャマスター・ガラのアジトであるニンジャ砦内に出現。他の魔法を打ち消す結界で身を守る、魔法使いであるダーク・シュナイダーに取っては相性の悪い怪物。
巨大な一つ目を持つ丸い身体に、小さな目玉が生えた無数の触手とやたらとマッシブな一対の手足のある姿。体表には血管の様な筋が無数に走っており、右手には用途不明の長柄の鎌を携えている。牙が生えた口には厚めの唇があり、どことなくユーモラスな印象がある。
原作版では色は不明だが1992年にユタカから発売されたボードゲームのコマでは青味がかった深緑の体色に触手と筋は朱色、四肢は肌色でオレンジの白目に瞳は黄緑。1992年OVA版では四肢はなく体色・筋が深緑で触手は灰色、白目は白で瞳は赤。2022年Webアニメ版では体・筋・触手は灰色がかった深緑色で四肢はくすんだ茶色。白目はピンクで瞳は赤。
なお触手の数は原作では10本だが2022年Webアニメ版では9本となっている。
印象深い四肢は魔法を防ぐ際に防御姿勢をとったり、踏ん張るように力を込めたり、魔法発動時には鎌を持ち替えつつ見栄を切るような構えを取ったりと、短いシーンの中にも意外なほど躍動感が表現されている。また眼球も同様で、「顔」が無いモンスターながら目尻と眼球の向きで表情が表されている。
能力
新
魔界の魔獣の内でも太古の種族
地下や荒地・迷宮等に現れる
土下座破壊光線を始め
土下座催眠言波 土下座パンチ
土下座チョップ 土下座二段ゲリ
土下座フライングニードロップ等の魔力を持ち
他の魔法を打ち消す結界により身を守る
(漫画内「うんちく」より)
……魔力とは……?
※旧
魔界の魔獣の内でも太古の種族
地下や荒地・迷宮等に現れる
魔法を使い 浮遊(レヴィテーション)
の呪文によって空中を移動する
催眠(スリープ) 金縛り(ホールド)
念動(テレキネシス) 減速(スロー)
石化(ペトリフィケーション)
分解(ディスインテグレイト)
等の魔力を持ち
他の魔法を打ち消す結界で身を守る
劇中の活躍
『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』
シーラ姫を抱えニンジャ砦を進むダーク・シュナイダーの前に出現。
「爆裂(ダムド)」を魔法を打ち消す結界で防ぎ、更に光線の反撃で深手を負わせる。
D・Sを追い詰めるが、シーラの背後からの鉄パイプ殴打によって結界が緩んだ隙を突かれ、「等活地獄(ソドム)」で輪切りにされた。
本編での出番はこれ1回きりであったが、2012年3月に発売された後述の外伝小説でまさかの再登場を果たした。
『BASTARD!!-暗黒の破壊神- NINJAMASTER ガラ外伝』(著:古橋秀之)
『ガラ外伝』の締めのエピソードとなる第3話「虚空の使者」に登場。
大破壊以前より地球周回軌道上に建設された大型実験ステーションにて存続していた、イー・バ忍軍の・忍者頭領(ニンジャマスター)バザンを、地上制覇の野望へと駆り立てたS・Dを名乗る男、ニンジャマスター・ガラと同じ顔に化けた男の正体こそは
ーーー鈴木土下座エ門!!
- 「アビゲイルじゃないかっ!!!」のシーンでおなじみトータル・リ◯ール的な偽装スーツを着込み化けていた。
- この時にはガラと実力伯仲の剣技を披露していた。本編に登場した個体が扱うという土下座チョップや土下座二段ゲリといった数々の魔力(?)も、あながち適当な釣書ではないのかもしれない。
- 正体を目の当たりにしたガラは「なぜ貴様がここに」と驚愕していることから、既に同じ個体との面識、もしくは別個体との遭遇があったと思われる。
- 決着は描かれず、その後どういう経過を辿り本編に繋がったのかは不明。
- ニ◯ニコ動画的な演出があった(→出オチ)
- 一連の名称変更にまつわる一件のあらましも本書に記載がある。
- 併せてエデ・イーのリッチの件にも言及があるが、こちらは「問題ないのでは?」といった論調。初版では”エディ・イー”と誤記されている。その後の版で訂正されたとの情報もあり。
ビホ◯ダー?
『週刊少年ジャンプ』連載時には「ビ◯ルダー」の名前で登場しており、手足も付いていなかった。
単行本収録時に名称が変更され、手足が描き加えられた。
これは「D&Dの日本販売元(当時)であった新和がジャンプ編集部に抗議した際、担当の『鈴木』なる人物が土下座して謝罪したのを受け、単行本での修正の際に鈴木土下座ェ門になった」とされる変更の由来がまことしやかに語られている。
だが、ハギーの担当者は過去に遡っても鈴木なる人物は存在しておらずこの説の信憑性には疑義がある。かなりテキトーに決められたのか、あるいは担当者等の「実名を使うのは好ましくない」といったコンプラ意識の結果生まれた名前なのか、そもそも販売元の抗議が実際にあったのか、ほぼ全ては謎に包まれている。
またオリジナルのビホ◯ダーは本来、魔法を打ち消す結界など持たない。巨大な一つ目から不可視の魔法抑止光線を常に照射しており、範囲内の魔法を抑止して効果を打ち消すのである(よって範囲内から出れば持続的な魔法であれば本来の効果を発揮する)。
空中を移動するのも生来の能力であり、浮遊(レヴィテーション)の呪文は使わない。上部の触手についている眼は全て機能しているので全周を知覚しており、背後からぶん殴るなど不可能である。
つまり連載時からかなりアレンジが加えられていたのだ。
余談
- 魔法生物的な雰囲気であるが、能力は肉弾戦特化という奇妙なミスマッチ感は後世、「一見魔法使いだが肉体派タイプ」なキャラクターのコンセプト像に影響を与えたと言われている。
- コナミのゲーム作品『悪魔城ドラキュラ』シリーズに登場する敵キャラクターに「ドゲザー」なるモンスターがおり、元ネタはこの鈴木土下座エ門であると思われる。詳細は個別記事を参照。
- 1992年のOVA版では四肢はなく、本体左右にも単眼を備えたビ〇ルダーの様な姿で登場したが、名称は鈴木土下座エ門のまま。左右の単眼は爪を備えた長大な触手となり、これでD・Sを負傷させるも直後に「等活地獄(ソドム)」で切り刻まれた。魔法を打ち消す結界は?
- 「すずきどげざえもん」という珍妙な名前をさらっと読み上げるD・Sの中の人の演技は見物である。
- 2022年のWebアニメ版では当初、PVに映る鈴木土下座エ門に手足が無いように見えたことから「連載版同様にビホ〇ダーとして登場するのでは?」との予想もあったが、結局手足有りの鈴木土下座エ門として登場した。
- 「すずきどげざえもん」という珍妙な名前をさらっと読み上げるD・Sの中の人の演技は略。
- 『ゴブリンスレイヤー』では「名前を呼んではいけない」怪物として、触手のある大目玉型の怪物が登場。この一件にまつわるエピソードを取り入れたオマージュと思われる。
- ゲーム界隈、ファンタジー界隈では時折「ゲイザー(gazer)」なるモンスターが登場することがある。姿は概して目玉が強調されたものが多く、土下座エ門とは語感が似ているばかりでなくビホルダー(beholder:見る者)とは近い意味を持つ。